広島県呉市をあとにして愛媛県へ。
広島からの移動手段は高速船を利用、50分ほどの船旅を楽しみました。
フェリーターミナルからバスに乗り、まずは宿泊するホテルへ向かいました。
ホテルは松山市の大街道という繁華街にあります。
ホテルにチェックインし、荷物を置いたらすぐに出かけました。
大街道から市電に乗り、向かった先は道後温泉です。
学生の頃、夏目漱石の「坊ちゃん」を読んでから、行ってみたいと思っていた憧れの場所です。
ようやく念願が叶います。
大街道駅を出てから18分ほど経って、道後温泉駅へ到着しました。
電車を降りると、明治時代を思わせる雰囲気が・・・気持ちが高揚してきます。
こちらの駅舎、明治30年に建設されたものを、平成に入ってから忠実に再建したそうです。
明治大正ロマンを感じるレトロモダンな建物です。
すぐ近くに「坊ちゃん列車」も展示されていました。
道後温泉駅から道後温泉本館までは徒歩で5分ほど。
私は逸る気持ちを抑えながら歩きました。
しばらく歩いていると道が開け、そこには宮崎駿監督の作品「千と千尋の神隠し」で登場した、
油屋を思わせるような光景が目の前に広がりました。
実際、「千と千尋の神隠し」では、この道後温泉もモデルのひとつにしていたそうです。
とうとうここへ来た!! でも、まだ目的に達してはいない。
道後温泉にはお風呂上りにくつろげる場所として、1階と2階に大部屋があり、
そして3階には個室が用意されているのです。
私は、夏目漱石や「坊ちゃん」の主人公が利用した3階個室で、
是非ともくつろぎたい、そう思っていたのです。
だが、個室は8部屋しかなく、しかも事前予約不可・・・
空いているかどうかは現地に行かないと分からないのです。
私は胸をドキドキさせながらチケット売場(売店)の係の人に訊ねました。
「3階の個室は空いていますか?」
すると即答で「空いてますよ。」と・・・すごく嬉しかったです。
誰も見ていなければ飛び跳ねていたと思います。
代金1550円を払い、チケットと部屋の番号札を手にして館内に入りました。
2階まで上がると客室係の男性の方がいて、非常に丁寧な対応で館内のことを説明して下さいました。
さらに3階へ上がると、客室係が女性の方に変わり、部屋までの案内と浴衣の用意をして下さいます。
案内して下さる方たちが本当に親切丁寧な対応をして下さるので、すごくVIPな気分です。
通されたのは4畳半の部屋。
少し古ぼけた佇まいが、歴史を感じさせてくれます。
用意された浴衣に着替え、同じく用意されたタオルを持って、2階の「霊の湯(たまのゆ)」へ。
(画像は「松山市」のHPより引用)
浴場へ入ると、幸いにも人が少なく、ゆったりと温泉を味わう事が出来ました。
お湯加減も泉質もよく、疲れが癒されます・・・。
入浴後、客室係から「ぜひ又新殿(ゆうしんでん)をご覧になって下さい」と。
「又新殿」というのは、皇室専用の浴室施設です。
ガイド役の男性の方に連れられて、見学しました。
(画像は「松山市」のHPより引用)
普段見ることのない、皇室の方のプライベートな1面が垣間見れる空間です。
どの部屋も細部にわたり、職人技が光る凝った造りになっていました。
↓↓こちらが皇室専用の浴槽になります。
(画像は「松山市」のHPより引用)
なかなか貴重のものを見る事が出来て、とても良かったです。
私ひとりの為にガイドまで付けて下さり、本当に感謝。
「又新殿」を見学した後、1階の「神の湯」へ向かいました。
「神の湯」は女性の方は浴室が1つですが、男性の方は浴室が2つあります。
(画像は「松山市」のHPより引用)
上の画像は東浴室。
下の画像は西浴室です。
(画像は「松山市」のHPより引用)
「神の湯」は大勢のお客さんで賑わっていて、先ほどの「霊の湯」とは雰囲気が全く変わります。
銭湯で入浴している気分です。
でも、こういう雰囲気も好きです。
壁絵を眺めながら、のんびりとお湯に浸るのが好きです。
湯加減もちょうど良いし、なめらかで優しいお湯・・・心も体も癒やされます。
結構のんびり浸かった後、3階の個室へ戻りました。
私が戻って来たのを見て、客室係の方がお茶と坊ちゃん団子を運んで来て下さいました。
個室をたったひとりで利用して、湯上りにはお茶と団子・・・贅沢な気分です。
夏目漱石の「坊ちゃん」を読まれた方ならご存知かと思いますが、小説の中の主人公は、
愛媛県松山市と思われる場所(小説では「四国」としか記載されていません)の土地柄や、
そこに住む人の事を、ひどく毛嫌いしています。
でもこの主人公、「おれはここへ来てから毎日住田(道後)の温泉へ行く事に極めている。
ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉だけは立派なものだ。」と言って、
温泉だけは認めているのです。
漱石自身も道後温泉の事をかなり気に入っており、「道後温泉はよほど立派なる建物にて、
8銭も出すと3階に上がり、茶を飲み、菓子を食い、湯に入れば頭まで石鹸で洗ってくれるような始末、
随分結構に御座候」と、東京へ手紙を出しています。
「坊ちゃん」の主人公や、夏目漱石がこの温泉に惚れた理由が、私にもよく理解出来ました。
私がこれまで訪ねた温泉の中で、道後温泉は、現時点でベスト1の温泉です。
また来年、再訪出来ると良いな・・・。
道後温泉を後にして、大街道へ戻りました。
ふと時計を見ると午後10時前、まだ晩御飯を食べていません・・・(^_^;)
宿泊するホテルの近くに、美味しいうどん屋さんがあるとの情報を得ていたので訪ねてみました。
お店の名は「伊予の手造りうどん名代つるちゃん」です。
深夜1時まで営業しているとの事で大変便利なうどん屋さんです。
店内に入りますと、まずはカウンター席で、その奥がテーブル席になっています。
なかなか広い店内で清潔感もあります。
メニューもいろいろと豊富です。
↓↓メニューです。
私はこの中から「ざるうどん」と「ざるそば」の両方を楽しめる、
「つるちゃんの贅沢天盛り」を注文しました。
当初は鍋焼きうどんにするつもりだったのですが・・・、
道後温泉の余韻が残っていたのでしょう、「贅沢」という文字に反応してしまいました・・・(^^ゞ
10分ほど待って、品物が運ばれて来ました。
もちろん、蕎麦とうどんは別々のつゆです。
まずはうどんから、つゆに浸けずに頂きました。
こちらのうどんは手練り手伸ばしの麺だそうです。
口に入れますと、とてもモッチリしていて、伸びもバネもあります。
喉越しもよく、なかなかレベルの高い麺です。
とても美味しい麺です。
次に蕎麦を頂きました。
私はあまり蕎麦の事はよく分かりませんが・・・これはちょっと・・・。
うどんのクオリティーの高さに比べると蕎麦の方は・・・。
先に蕎麦をつゆに浸けて食べてみました。
その直後に、今度はうどんをつゆに浸けて食べたのですが・・・、まあ当然の事なんでしょうけど、
うどんのつゆがかなり甘く感じて、甘いのを好む私でも、ちょっときつかったです・・・。
とりあえず、蕎麦を先に全部平らげる事にしました。
蕎麦を全部食べ終え、少し箸休めした後、あらためてうどんの方を食べたのですが、
それでもつゆが甘く感じて、やはりきつかったです・・・。
愛媛県のうどん出汁は甘いのが主流と聞いていましたが、これほどまでとは・・・。
人の味覚は、生まれ育った環境によって違ってくるもの・・・。
この土地に住む人にとっては、この甘さがほど良いのでしょう。
郷に入らば郷に従えですが、この甘さに馴染むのには時間がかかりそうです・・・。
天ぷらはエビが2尾、カボチャ、大葉、薩摩芋、ナスの5種類。
この天ぷら、サクサクホクホクで、どの種類も、とても美味しかったです。
すべてを食べ終え、あらためて思いました・・・、
あの出汁の甘さは、今の私には合わないけど・・・、
でも、うどんの麺はレベルが高い!本当に美味しい麺だ!
メニューブックを見ると、創作系うどんも充実しているし、釜玉や生醤油もある。
次回訪問の際は、他のうどんメニューを注文しよう・・・そう思いました。
道後温泉といい、つるちゃんといい、良い意味で余韻を残してくれます。
私は「坊ちゃん」の主人公と違い、この街が好きになりそうです。
伊予の手造りうどん 名代 つるちゃん
ジャンル:伊予のうどん
アクセス:伊予鉄道大街道駅 徒歩5分
住所:〒790-0002 愛媛県松山市二番町3-7-16 サンタビル1F(地図)
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周辺のお店:ぐるなび 松山×うどん
情報掲載日:2018年11月22日
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