goo blog サービス終了のお知らせ 

韓国ドラマ 散歩ガイド~散る花と咲く花がいつもここにある~

韓国ドラマを楽しむための解説ブログです
アメーバブログ「散る花と咲く花がいつもここにある」のブログと連携になっています

奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第22話 天からの贈りもの

2017-10-26 18:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第22話 天からの贈りもの 

 

タンギセ率いる親衛隊の横を トクマンが通り過ぎる

トクマンは 皇后の使いで皇帝のもとへ行く途中だと告げる

そこへ タプジャヘが駆けつけ 池から外への抜け道を発見したという…!

 

スンニャンのものと思われる血痕が 西門の方角で見つかっている

タンギセは 直ちに抜け道を封鎖しろと命じた!

 

親衛隊が西門へ移動し トクマンは ホッとして皇帝のもとへ急ぐ

 

タファンによって命を助けられたスンニャンは 事の次第を説明していた

血書を捜し チョクホという人物を捜し当てたのだが

そのチョクホも 血書を持ってはいなかったと…!

 

コルタに案内されて現れたトクマンは スンニャンの姿を見て驚く

傷の手当てをし 診脈すると トクマンが蒼ざめていく…!

その動揺を気づかれぬよう 出血のせいで気力が落ちていると説明するが

スンニャンが弱っているのは 斬り傷のためだけではないようだ

 

宮外で待つパン・シヌたちのもとへ 一刻も早く行かねばというスンニャン

しかし既に抜け道は封鎖され 脱出は不可能だというトクマン

タファンは スンニャンを 掖庭宮に匿うと言い出すが

コルタは それさえ 無事に辿り着ける保証はないという

 

※掖庭宮:皇后・妃嬪が住む宮殿

 

するとトクマンが スンニャンを掖庭宮に送り届ける役を買って出た

パク・オジンを運ぶ輿の行列を装い 親衛隊の検問を突破する

そして 掖庭宮の中の廃屋に スンニャンを案内した

何人もの側室が自害した場所で 今はもう誰も寄り付かない

トクマンは ここへ ノ尚宮を住まわせ

世話係として イ・ホンダンを付けるという

 

スンニャンに 何か言いたげなトクマンだが ホンダンの前では言えない

脈診で知ったスンニャンの身体の変化に 本人はまだ気づいていないようだ

 

翌日 皇后殿では

 

いよいよ懐妊出来たことが 嬉しくて仕方がない皇后タナシルリ

世継ぎの祖父となれる喜びに 丞相ヨンチョルも上機嫌だ

2人の喜びようを見るにつけ 憂鬱が増すタファン

 

そこへタンギセが現れ 掖庭宮の捜索を許可してほしいと言い出す

城内で捜索していないのは もはや掖庭宮だけなのだ

そこにいなければ チョクホは 外へ逃亡してしまったということになる

 

当然のように 許可を促すヨンチョルだが

これを断固として拒否する皇后タナシルリ…!

かつて 男子禁制の掖庭宮に 男性の出入りを許可した皇后はいない

 

タナシルリは 皇室の権威を貶めた 最初の皇后になりたくないと訴える

いくら父と兄の頼みでも 皇室の人間として 許可することは出来ないのだ

 

するとタファンが 女官に捜索させるなら問題はないだろうと助言する

タナシルリの強情さが 思わぬ形でスンニャンを救うことになった

 

皇后殿を出たヨンチョルとタンギセは 血書の行方について話し合う

 

チョクホが血書を持っているなら 真っ先に皇太后へ渡すだろうと

それに 誰も見た者がいないなら 誰が本物を見分けられるのかと…!

つまりヨンチョルは 偽の血書を書けばいいだけのことだというのだ

それを偽物だと断定出来る人間は まさに誰ひとりいないのだから

 

掖庭宮では

 

トクマンが ホンダンに たくさんの食べ物を届けさせていた

籠の中には貴重なミカンまで入っている

味見をするホンダンが 酸っぱい!と顔をしかめるが

スンニャンは 甘いと言って美味しそうに頬張る

 

一方 タファンは

スンニャンに会いたい気持ちを必死に抑えている

自分が動くことで スンニャンに危険が及ぶことを按じているのだ

するとコルタが パク・オジンの居所へ行けば

裏口から スンニャンの部屋へ行けるという

 

その夜

 

オジンの居所へ向かうタファンを タナシルリが呼び止める…!

自分も懐妊している以上 もう側室に会う必要はないと言い

二度と側室には会わぬように! と 厳しく言い渡す

これまで 子を宿さぬ身では タナシルリとて強くは出れなかった

今となれば 男児であろうと言われているオジンのお腹の子が邪魔だった!

 

『私は 是非とも男児を産まねばならぬ 女ではダメなのだ!』

 

掖庭宮のスンニャンは 激しく嘔吐し苦しんでいた

それを見たノ尚宮が 懐妊したのでは?と聞く

たとえ気がふれていようと ノ尚宮は 女の勘でスンニャンの懐妊に気づいた

 

そこへ トクマンが 着替えと薬草を届けにやって来た

なぜトクマンが 部屋を暖め体を冷やさぬようにと言うのか…

理由を聞かれたトクマンは 逆にスンニャンを問い詰める

そのお腹の子は ワン・ユ殿の子かと…!

 

スンニャンが 身に覚えのある相手は ワン・ユしかいない

身ごもっているのだとすれば 父親はただひとり ワン・ユだけである

 

追われる身で タンギセに斬られた傷は深いが

トクマンは 強く打つ滑脈を感じたという お腹の子は元気に育っていると!

ただそれだけで有難く スンニャンは 喜びにむせび泣く

 

※滑脈:懐妊を知らせる脈

 

『もう女官ではないのだから 責める気はない

ワン・ユ殿に再会できるまでは 私がお前の力になろう』

 

同じ時 皇后タナシルリは

 

お腹の子の性別を確かめようと 医官を呼んでいた

医官の表情は強張り どう伝えるべきかと激しくうろたえている

言いにくそうに… 懐妊はしていないという医官

つまり タナシルリは 想像妊娠を 懐妊と勘違いしたのだ…!

 

父や兄を喜ばせ すでに皇帝にも告げてしまった

今さら 懐妊はしていなかったなどと言えるはずもない!

タナシルリは なかなか身ごもらなかった時より さらに追い詰められたのだ

 

しかも医官は タナシルリの身体は懐妊できぬ身体だと告げる

この懐妊が偽りなだけでなく 今後も懐妊を望めぬとは…!

 

一方 掖庭宮のスンニャンは

喜びも束の間 不安でたまらなくなり深いため息をつく

ノ尚宮が 望まぬ懐妊なのか?と聞いた

まるで ノ尚宮を母親のように 抱える不安を素直に口にするスンニャン

 

お前の母親はどうだった?と聞かれ

スンニャンは 自分を守ろうと命を投げ出した母を思い涙する

無事に産めるのか… 産んでも育てていけるのか… 守り抜けるのか…

その答えは 自分を守って死んだ母親の中にある

母とはそういうものだと やさしく言い聞かせるノ尚宮であった

まさに命は 天からの贈りものであると…

 

高麗(コリョ)村では

 

無事に逃げ延びたチョクホが パン・シヌとパク・ブルファに守られていた

親衛隊長ヨム・ビョンスが 兵を率いて現れ 村人を連行していく…!

たとえ村人を犠牲にしてでも ここでチョクホが出て行くわけにはいかない

 

チョクホを救うため 今度はスンニャンが捕えられた

機会を待ち 掖庭宮から逃がすというトクマンの言葉を 今は信じるしかない

 

ソ尚宮は 正直に話す機会は今しかないと 皇后を説得する

 

しかし 皇室の蔵を開け 民に穀物まで振る舞い 懐妊を知らせた以上

今さら嘘だったとは 口が裂けても言えないタナシルリだった

 

トクマンは スンニャンを逃がす手立てを 着々と準備していた

パク・オジンは 宮殿の外で出産することになっている

オジンの行列に紛れ 脱出する以外に方法はなさそうであった

 

『決行は4か月後 あと4ヶ月 この掖庭宮で耐えてくれ』

 

ワン・ユは チェ・ムソンとチョンバギと共に

高麗(コリョ)の都 開京(ケギョン)に到着した

 

父王は 偽の交鈔をつかまされ 弱り果てていた

担当者が共謀し これまでずっと 偽の交鈔で交易していたのだという

 

※交鈔:元の紙幣

 

担当者キム・ジャチは 何者かに撲殺されていた

元の使臣は 共謀者が死に 支払いを引き延ばして滞在しているという

 

そこでチェ・ムソンが 商人に成りすまし 元の使臣に会う

使臣は 偽の交鈔をどう処分したものかと考えあぐねていた

そこへ転がり込んだ “交鈔を買いたい”という商人に飛びついたのだ

 

しかし使臣は予想以上に用心深く 渡された交鈔は本物だった

だがワン・ユは 根気強く接触を重ねれば いずれ偽物を出すと確信していた

 

この分では 元へ戻る日が遠のく

愛するスンニャンへの想いを綴り 書簡を送るワン・ユ

ところがその書簡は タンギセの部下により奪われてしまう…!

 

これで スンニャンが 高麗(コリョ)に戻っていないことが判明した

 

同じ時 遼陽行省の長官となったペガンは 皇太后宛てに書簡を送る

この遼陽で 強靭な軍隊を育成しようとするが 資金が足りないというのだ

ヨンチョルもまた 莫大な資金があったからこそ今の地位を得られた

寺で暮らす身ではあるが どうにかして資金を作ろうと画策し

これを伝えたチャン・スニョンもまた 協力を惜しまない覚悟であった

 

それから 4ヶ月

 

耐え難い苦痛を伴う 不妊治療に挑み続けたタナシルリだが

その身体には何の変化もなく 懐妊の兆しはない

ソ尚宮が もう諦めるべきでは?と促す

 

そこへ 皇帝タファンが 側室パク・オジンと共に現れる

間もなく産み月を迎えるオジンのお腹は 大きくせり出している

それに比べ タナシルリのお腹は 詰め物をした偽のもの

 

皇太后が暮らす感業寺で産みたいという オジンの願いを

タファン自ら 許すようにと取り成しに来たのだ

もともと宮外での出産は 皇室の習わしであると答えるタナシルリ

そして自分もまた 産み月まで皇覚寺で祈りを捧げたいという

 

このまま懐妊できなければ 何らかの手を打たねばならない

それにはやはり 宮外に出るしかないタナシルリだった

 

オジンを口実にして やっとスンニャンに会える

そう促すコルタに タファンは まだその時ではないという

スンニャンを守るためにも 今は皇帝としての威厳を取り戻さねば…

無力では何も出来ないと 深く心に刻むのだった

 

タナシルリは オジンに対する憎しみで煮えたぎるようだった

そこで 兄タンギセを呼び オジンを殺してほしいと頼む…!

タンギセとて 安易に引き受けられる話ではない

もし失敗すれば 妹の皇后としての立場ばかりか 一族にまで害が及ぶ

 

タンギセは 決して父ヨンチョルには知られぬよう 秘密裏に事を成すという

タナシルリも 生きている限りは誰にも秘密を明かさないと誓うのだった

 

とはいえ タンギセが自ら兵を率いて行くわけにはいかない

ある男を雇い 山賊を装って オジンを始末させることに…!

 

掖庭宮では

 

スンニャンが 何気なくノ尚宮の鏡に触り ノ尚宮が激怒していた

荒々しく奪い返した鏡を大事そうに抱え スンニャンを睨み付ける

 

『この鏡に触ると死んでしまう! 呪いがかかっているの!』

『ええ もう触りません』

『私のものではないけれど でも 今は持ち主に返せない

返したら その持ち主が死んでしまうのよ』

 

いつもの ノ尚宮の妄想だと スンニャンは話を合わせていく

そこへ トクマンが訪ねて来る

パク・オジンが 感業寺へ向かう日が 2日後に迫ったというのだ

その馬車に隠れて行けば 宮外へ脱出できると…!

 

『分かりました それではパン内官に

“皇覚寺のある七峰山で…” と伝えてください』

 

トクマンは 身重のスンニャンが 宮外へ出てどうするのかが気にかかる

スンニャンは 一刻も早く高麗(コリョ)へ向かい ワン・ユに会いたかった

決して楽な道のりではないが 無事を祈るしかないトクマンだった

 

一方 高麗(コリョ)では

 

偽の交鈔が動くまで ワン・ユが仕掛けた持久戦が続いていた

そしてとうとう 元の使臣が 交鈔2万を売ろうと持ちかけて来た…!

有り得ない額の持ちかけに これは偽の交鈔である確率が高い

 

その夜

 

銀と交鈔を引き換える取引が行われた

商人に成りすましたチェ・ムソン

護衛の側近に扮したチョンバギ

交鈔を差し出された瞬間…!

潜ませていた弓隊が 元の使臣らを包囲する!!!

 

この使臣は 本物の交鈔を預かっていながら 偽の交鈔で取り引きした

こうして捕えられた以上 元へ戻っても丞相に殺されてしまう!

ワン・ユは 偽の交鈔を作っている場所を明かせば見逃すという

 

使臣は命惜しさに 偽造場所は遼陽だと白状した

その地は ペガンが長官として赴任した場所である

 

『遼陽にある妓楼に 酒を納めている“ホン”という男です…!!!』

 

感業寺では 皇太后が 皇后の懐妊は絶対にあり得ないと豪語している

出産まで祈り続け 功徳を積むなどと… あのタナシルリがするわけがない

皇覚寺へ行くのにも 何か企みがあるに違いないと…!

 

パク・オジンが 感業寺へ向かう当日

 

ヨム・ビョンスが 親衛隊長として行列を護衛する

オジンを乗せた輿には すでにスンニャンが身を潜めていた

タンギセとタプジャヘの兄弟が 離れた場所から行列を眺めている

この襲撃は 一族存亡のためにも 決して失敗できないのだ

 

行列の後方には ノ尚宮の姿がある

パク・オジンではなく 輿に潜むスンニャンを見送ろうとしているのだ

その手には あの鏡がしっかりと抱えられていた

 

本来は護衛すべき親衛隊が 行列に近づく賊を黙認している

パン・シヌとパク・ブルファが 反対方向から行列に近づき

隙あらばスンニャンを救おうとしていた

すでにトクマンから スンニャンが身重であると知らされている2人は

これを知ったなら ワン・ユ王がどんなに喜ぶことかと感涙する

 

ヨム・ビョンスは 口実を作って行列から離れようとしていた

賊が襲撃してくる地点は もう直前に迫っているのだ

すると 輿の中からオジンが合図を送り イ・ホンダンが駆け寄る

オジンが尿意を催したから 林の方へ離れてほしいと言われ

願ってもない口実が出来たと ほくそ笑むビョンス

 

輿の外へ出るオジンの背に隠れ スンニャンも外へ出た

女官たちが囲み スンニャンとホンダンは しばしの別れを惜しむ

故郷で暮らす母への手紙を スンニャンに託すホンダン

他の女官たちも それぞれに家族への手紙を託した

 

その中に ノ尚宮の手が伸び 大事に抱えていた鏡を差し出している

あれほど大事だと言っていた鏡なのに どうしてもと言って押しつけた

スンニャンは 鏡を懐に入れ 別れを惜しみながら 皆と別れ歩き出す

何度も振り返りながら歩いて行くスンニャン

 

その時!!!

突然の悲鳴に驚き 振り返ると 女官たちが次々に斬り殺されていく!

慌てて駆け戻るスンニャン!!!

立ちすくむオジンのもとへ駆け寄ろうとすると 背後から賊が…!

そこへノ尚宮が スンニャンを庇うように飛び出し 斬られてしまう!

 

赤ちゃんを守れと言い残し ノ尚宮は息絶えた

泣き叫び ノ尚宮に取り縋るスンニャン!

イ・ホンダンが必死に引き離し スンニャンを逃がそうとする

 

ホンダンに引きずられながら

スンニャンは オジンが斬られる瞬間をも 目の当たりにしてしまう!

大きなお腹を庇うように 息絶えるパク・オジン

任務を完了した賊は スンニャンとホンダンに迫る!

 

林の中を逃げ惑う2人!

スンニャンは ホンダンだけでも逃がそうと二手に分かれ賊を引き付けた!

追いつかれ 今にも殺されそうになったその時 ブルファが窮地を救う…!

 

ようやく助かったと思った矢先

ブルファとシヌ そしてスンニャンは 親衛隊に包囲されてしまった

(ここは任せて!)と ブルファが小声でささやく

今は ワン・ユ王の子を宿すスンニャンを救わねばと…!

 

『お前は 生きねばならない!』

 

これは スンニャンを逃がすための戦いであり

かつては同僚だったビョンスとの 因縁の戦いでもある

 

『あの世で キ・ジャオ様に謝れーーーっ!!!』

 

ビョンスの窮地の救ったのは タンギセの兵だった

矢に射抜かれたブルファを 憎々し気に斬りつけるビョンス!

ブルファは 無念の表情でその場に倒れ込む…!!!

 

シヌは スンニャンを守って逃げるのに必死だった

足を踏み外し 坂道を転げ落ちてしまったスンニャンは 産気づいてしまう!

洞窟への道まで辿り着き スンニャンのため囮になるシヌ

スンニャンは 洞窟の中で ひとり陣痛に耐えるのだった…!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第21話 再起への誓い

2017-10-10 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第21話 再起への誓い 

 

(計画変更だ…!)

 

将軍パン・ジンは 次期丞相の座を餌に ヨンチョル一族を討とうとしている

表向きは 丞相側に立ち タンギセらを守る立場のワン・ユとペガン

 

ワン・ユの計画では ここでパン・ジンに加勢し

ヨンチョル一族を皆殺しにするはずであった!

しかし スンニャンが放った白い布の矢が 皆を凍りつかせた

そしてペガンが 計画変更を決断する…!!!

 

『逆賊パン・ジンめ!!!』

 

戦いながら ワン・ユとペガンは 互いに目くばせする

この計画を知る者は ひとり残らず息の根を止めねばならない!

パン・ジンは ペガンの手により斬り捨てられた!!!

 

この戦いで ワン・ユとペガンの忠誠心を見抜くと言っていたヨンチョル

ヨム・ビョンスが 皇后殿へ向かい 2人の“働き”を報告する

凱旋の将軍らを 大明殿で迎えねばと 丞相は吐血しながらも歩き出す

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

この動きを察知した皇帝タファンは 今こそ好機だと

大明殿へ刺客を向かわせるのだった…!

 

黒装束の軍団が 大明殿の丞相を狙う!

丞相の後ろで 怯え切って震えるタナシルリとソ尚宮

これを守れるのは 伝令として来ていたヨム・ビョンスしかいない!!!

 

皇帝タファンは 丞相の最期を見届けようと

余裕の表情で 大明殿へ向かう

そこへ スンニャンが現れ 計画は失敗したと告げる…!

ワン・ユとペガンを従え すぐにもタンギセが 大軍を率いて凱旋すると!!!

 

『陛下! すぐにも暗殺を中止すべきです!!!』

 

コルタの叫びに 顔面蒼白になるタファン

何と愚かな…!と スンニャンは タファンの無謀な策に呆れる

 

大明殿に駆けつけたタファンは いかにも丞相の身を按じてみせた

そしてコルタは 黒装束を身にまとう 自らの部下を殺さねばならなかった!

 

その直後!

 

大明殿に駆けつけたタンギセは 血の惨状を見て愕然とする…!

丞相ヨンチョルは 玉と石を見分けようとしたが

結局は 誰もが疑わしく 誰ひとりとして裏切る者はいなかった

かえって疑心を拭えず 新たな不安となっていくのだった

 

将軍パン・ジンとチュ・グクチョンは殺されたが

2人に私兵を提供した貴族たちが捕えられた

貴族たちは 怯えながら 皇帝と皇太后を見つめている

しかし 2人が黒幕だと答える者はいない

皇太后は 落ち着きを装いながら 必死に動揺を隠す!

 

丞相ヨンチョルは この者らに極刑の命令を!と タファンを促す

命ずるたびに 1人 また1人と処刑されていく

すると 最後のひとりとなった貴族が…

『黒幕は皇太后様です!!!』と絶叫した!

 

しかも 自分が直接命じられたのではなく パン将軍から聞いたと…!

もはや死人に口なし! 言ったかどうか 事実は確認できないのである

 

皇太后は 直ちに捕らえられ 裁きの場に引き摺り出された

そして 皇帝タファンを見つめ 事前に申し合わせた通りに!と念ずる

逆賊として捕えられた者が 皇太后の名を出した場合

決して庇ってはならぬと 強く言い聞かせていたのである

 

直接 皇太后と会って交渉した者は 皆死んでいる

確たる証拠がなければ 殺されることはない

むしろ 自分に黒幕の疑いがかかることで 皇帝への疑いは晴れるだろうと…

 

タファンは 自分の愚かな策を 心から後悔する

 

ヨンチョルは 皇太后を廃位して寺へ送れという

断じて無実だと叫びながら 心では 早くご命令を!と念ずる皇太后

ためらえばためらうほど 今度はタファンが疑われてしまうのだ

 

自分の側についてくれた将軍らを殺し コルタの部下を殺し

そして 協力を惜しまなかった貴族らを殺した

このうえ 皇太后を廃さねばならないのか…!

そうまでして 皇帝の座を守らねばならないのかと 半泣きになるタファン

 

ワン・ユもペガンも 無念の思いを心に刻んでいる

2人もまた 皇太后と対面し 必ず再起をと誓い合っていた

 

全ての装飾品が外され 皇太后としての服も脱がされる

ひとり取り残されるパク・オジンを 心から按ずる皇太后

大きくせり出したお腹には まもなく生まれくる命がある

皇太后の存在がなくなれば オジンへの攻撃は強まるばかりとなろう

しかし 必ずや無事に出産し 次の世につなげると誓うオジンであった

 

そこへ 皇后タナシルリが現れ

廃位となっても まだ威勢をはる女狐だと言い放つ

皇太后は 余裕の表情で 子がないことに皮肉を言い 堂々と去って行く

 

最後まで鼻持ちならぬ皇太后だったが これからは後宮を自由に出来る

それに免じて 皇太后など放っておけばいいのだと進言するソ尚宮だった

 

皇太后は 髪を下ろし尼僧となる

しかし このまま寺に埋もれて果てるつもりはない

いつの日にか 必ずや丞相に 殺さなかったことを後悔させてやると…!

 

将軍ペガンは 今回の褒美に 遼陽行省の長官に任命される

10の行省のうち 最も大都に近い場所である

 

※行省:

モンゴル王朝である元が 中国地方統治の最高単位として設置した行政機関

 

ワン・ユもまた 望みの物をと言われるが 復位することだと答える

しかし ヨンチョルの態度は これまでとまったく違う

復位を条件に交渉したにもかかわらず そんな夢は捨てろというのだ

 

『そなたのような者が 高麗(コリョ)王になってはいけない

ここで栄華を極めればいいのだ…!』

『高麗(コリョ)の父王が危篤です まずは帰国を』

『無論 それは許そう』

 

ペガンは 行省の長官で終わるつもりはない

ワン・ユもまた 復位を諦めるつもりはない

互いに今は 力を蓄える時だと話す

 

宮廷に 皇太后の存在がなくなり ペガンもまた離れることになった

皇帝タファンを守れる人間は 誰ひとりいなくなってしまう

ペガンが按ずるとおり 丞相ヨンチョルは タファンに対し

これまでにない厳しさで監視を強めた

 

また 皇后が いまだ懐妊できないのは すべて皇帝の責任だとし

もっと足繁く皇后殿へ行くようにと きつく命ずるのであった

 

心細さに スンニャンを呼べと命ずるタファンだが

スンニャンは ワン・ユと共に高麗(コリョ)へ戻ったというコルタ

とうとう独りぼっちになってしまったと… さめざめ涙を流すタファンだった

 

元の国境では

スンニャンが ワン・ユに別れを告げていた

父王が危篤だという知らせは 単なる口実であり

ワン・ユは 高麗(コリョ)で起きた問題を解決すべく帰国するのだ

是非とも一緒に… と願うワン・ユ

しかし パク・ブルファとパン・シヌと共に

ここで血書の行方を捜し続けるというスンニャン

タンギセが 先に血書を見つければ 復位も復讐も出来なくなる

スンニャンは ついて行きたい気持ちを抑え 涙を堪えワン・ユを見送る

 

丞相ヨンチョルは 親衛隊を ヨム・ビョンスに任せ

徐々に私兵と入れ替え 数を増やして強固にしろと命じた

いよいよ飾り物の皇帝だけとなった宮廷で 事実上の実権を握る…!

 

スンニャンたちは 高麗(コリョ)村の村長マクセンを訪ね

チョクホという宦官を知らないかと聞く

丸坊主で槍の使い手だという宦官を捜せば 血書の行方が分かると…!

 

ブルファとシヌを相手に まるで関心がないかのようにとぼけるマクセン

その間 スンニャンは 砦を調べ歩き 赤い虎の彫り物がある槍を見つける!

“赤虎”… すなわち“チョクホ”…!

 

同じ時 親衛隊長ヨム・ビョンスもまた

高麗(コリョ)村の村長マクセンが怪しいと睨んでいた

確たる証拠はなく マクセンは丸坊主でも 槍の使い手でもない

しかし どこか怪しいのだと タンギセに報告する

 

その夜

 

高麗(コリョ)村に 怪しい賊が侵入し 村長マクセンが槍で応戦する!

昼の とぼけた態度からは想像もつかないほどの殺気である

賊の正体はパク・ブルファ!!!

マクセンの背後から スンニャンが現れ カツラを剥ぎ取った!!!

続いて現れたパン・シヌが つけ髭をむしり取る!!!

 

いよいよ正体がバレた村長は なぜ丞相ではなく スンニャンたちが

血書を捜すのかと 腹を決めて話し合いに応じる態度を示す

 

『ヨンチョルを倒したいのです!』

 

チョクホは 先の皇帝が絶命する直前に 密命を受けていた

殺された皇帝の遺体が ヨンチョルの配下によって運び出され

チョクホは その隙に血書を手にし 身を隠す…!

 

血書には それが本物であることを示す “蝶の絵” が書かれていたという

それは 皇帝と皇太子だけが知る 証拠の印であった

 

皇帝の指先に 血のりがついていることに気づいたヨンチョルは

死の間際 皇帝が血書をしたためたと知り 宦官と女官を皆殺しにする!

チョクホは 仲間が殺される光景に心を痛めながらも 逃げるしかなかった

その際 床下に血書を置き 後に仲間に取りに行かせたが

血書は跡形もなく消えていたのだという

 

誰に取りに行かせたのか…?

それを聞こうとしたその時 外に ヨム・ビョンスの声が響く

なぜ今 ビョンスが現れるのか! スンニャンたちは慌てて隠れ

チョクホは カツラと髭をつけ 村長の姿で出迎える

 

訪ねて来たのは ビョンスだけではなかった

タンギセが 瞬く間に村長の正体を暴いてしまう…!

しかし タンギセたちも やはり血書は見つけられず

チョクホを連行して立ち去った

 

惨い拷問を受けるチョクホだが どう聞かれようと答えようがない

チョクホ自身も 血書の行方が分からないのだが

丞相ヨンチョルに その言い訳は通用しなかった

 

スンニャンは 何としてもチョクホを救い出すと言うが

この宮中から罪人を逃がすことは 限りなく不可能に近い

しかし チョクホが 当時逃げたという “秘密の抜け道” が分かれば…

 

スンニャンとパン・シヌ そしてパク・ブルファは

親衛隊の交代時間と巡回経路を詳しく調べ 隙が出来る時間を探る

 

後宮では

 

産み月まで4月となり 日々 お腹がせり出してくるパク・オジン

それを見るだけで苛立ち どうにも怒りがおさまらない皇后タナシルリ

そういうタナシルリは 最近胸やけがひどく 吐き気も込み上げる

ソ尚宮は もしや懐妊では?! と言い出し 喜びに沸き立つ!

 

月のものが途絶え 本来は苦手な辛いものを欲するなど

明らかに懐妊を示す症状ばかりなのだ

 

ハラハラと涙を流すタナシルリ

皇帝に愛されてもいない自分が 懐妊できるとは思ってもいなかった

いかに丞相の娘だとしても 愛もなく子もいない日々は拷問のようだった

 

チャン・スニョンから この報告を受けた皇太后は

決してあり得ぬことだと声を荒げる!

 

皇后に贈った口紅と香炉

単体では無害だが 2つを同時に使えば 避妊の効果が得られるのだ

こうして宮中を追われてしまったが 皇太后が仕掛けた避妊の策は

誰にも見破られるはずがなかったのだ

 

その夜

 

スンニャンたちは “秘密の抜け道” を使ってチョクホを救出しようとする!

しかし 逃げる途中で発見され シヌとブルファが盾になり

スンニャンは チョクホと共に “秘密の抜け道” を目指す…!

 

さらに追い詰められたスンニャンは タンギセによって深手を負う

チョクホともはぐれ ひとり逃げる途中

スンニャンは 皇帝タファンの行列に出くわした…!

 

黒装束の覆面を剥ぎ取り 賊の正体がスンニャンだと知り驚くタファン!

ワン・ユと共に 高麗(コリョ)へ行ったとばかり思っていたスンニャン

しかし今は 事情を聞いている暇はない

一刻も早くスンニャンを匿わねば おそらく命はないだろう

 

コルタに促され スンニャンを浴室に連れて行くタファン

傷から滴る血痕を追い 大明殿まで来たタンギセは 浴室へ向かう!

 

浴室では 真っ赤な花びらを散りばめた浴槽で

皇帝タファンが ひとり湯浴みをしている

その水底には スンニャンが潜んでいるのだが

花びらが水面を覆い その姿は タンギセからは見えない

 

なぜ皇帝の湯浴みの場に踏み込むのだ!

たとえ丞相でも ここまで非礼なことはしない!

 

不自然な真夜中の湯浴みに疑問を抱きながらも

タンギセは 引き下がるしかなかった

長く湯に潜り 溺れかかったスンニャンは 気を失っている

 

タファンは 再び我が手に戻ったスンニャンを二度と離すまいと

しっかりと抱きしめるのだった

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第20話 愛の髪飾り 

2017-09-30 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第20話 愛の髪飾り 

 

丞相ヨンチョルは 意識不明のまま 皇后の寝所へ担ぎ込まれる…!

スンニャンが ワン・ユに 毒味係の死を伝えた

シヌが このままでは疑われてしまうと すぐにも逃げては?と焦り出す

しかしワン・ユは 逃げれば罪を認めたことになると…!

 

皇帝タファンは 幽閉中の皇太后に会う

一切の面会を禁じたヨンチョルは死んだと 強気に出るタファン!

 

タンギセは 意識が戻らない父親に 解毒剤を施しながら

将軍ペガンに 今すぐワン・ユを捕えよと命じた!

酒をすり替えた張本人のペガンが ワン・ユを捕えに行く

そこへ ペガンの動きに乗じて現れた皇帝タファン

ワン・ユに対し なぜ丞相を殺そうと?と問う

 

ワン・ユは 部下たちに 武器を収めろと命じ 無抵抗で連行されていく

スンニャンは いつになく自信ありげなタファンが気になっていた

ワン・ユを追いかけようとするスンニャンだが タファンが行く手を阻む

 

丞相が死ねば もっとも好都合なのは皇帝タファンなのに

なぜこうも犯人捜しに躍起になるのか…!

タファンの思惑を推察し 卑怯だと言い切るスンニャン

視線を合わせぬまま タファンは 勘違いするな!と言うにとどまった

 

投獄されたワン・ユは あくまでも自分ではないと主張する

復位を条件に手を組みながら 殺すはずがないと…!

しかしタンギセは 真相がどうであれ 原因はお前だと怒鳴る

 

『丞相も気の毒なお方だ 明らかに犯人は他にいるのに

今頃 真犯人が 丞相をあざ笑っているだろう!』

 

私怨に駆られて真犯人を捜さないタンギセは

所詮 父親を超えられない器だと言い放つワン・ユ!

 

今にも斬りかかろうとするタンギセを止めたのは タナシルリだった

そしてワン・ユに 力を貸してほしいと頼む

皇后である妹が命じれば タンギセは従うしかない

タナシルリは ワン・ユを父のもとへと連れて行く

 

丞相ヨンチョルは 意識が戻らないまま眠っている

当初の計画通り 丞相が死んだと公表するよう指示するワン・ユ

そこで動き出す犯人に 味方を装い接近するというのだ

 

スンニャンは 酒と毒をすり替えられるのはペガンしかいないという

すぐに追い詰めるのではなく うまく利用するというワン・ユ

そして 祈祷を欠かさない皇太后に会うため 仏堂へ…!

 

ワン・ユは 自分が怪文書の黒幕であることを告白する

復位を条件に 丞相と手を組んだが もっと得策な方がいることを悟ったと…

 

次にワン・ユが会うべきは 将軍パン・ジンであった

パン・ジンは 丞相ヨンチョルと共に征服戦争を行った人物である

丞相の忠実な臣下であり 丞相に次ぐ勢力を持っていた

 

女官として働いたスンニャンが 将軍や大臣 長官らの特徴を話す

丞相が死んで 誰がどう動くか… 急いで探らねばならない

 

ワン・ユは 皇太后と共に 将軍パン・ジンと会う

そして皇太后が 次期丞相になってほしいと 口火を切った…!

 

一方 スンニャンは ワン・ユに代わり 皇后タナシルリに会う

ワン・ユとの待ち合わせ場所で 心をときめかせ待つタナシルリだが

現れたスンニャンの顔には 見覚えがあった

 

あの頃のスンニャンは 会いたい人がいるから宮外に出たいと言っていた

その相手こそ ワン・ユなのだと察し

片想いとは実に気の毒だ… とほくそ笑むタナシルリ

自分こそがワン・ユに愛されている そう思い込んでいるのだ

そんな“妄想”など無視し スンニャンは ワン・ユからの伝言を伝える

 

“将軍パン・ジンと チュ・グクチョンが手を組み 反乱を画策!

すぐにも兵を動かせるよう タンギセ将軍は待機を” と…!

 

皇太后は まったく正反対の理由で パン将軍に迫る

守備隊を動かそうとするタンギセ将軍を 阻止できるかと…!

 

『丞相の私兵は多勢だと聞いています 将軍の私兵だけでは不足でしょう

チュ・グクチョンと 行動を共にしてください』

 

タンギセは ワン・ユの報告を鵜呑みにするつもりはない

しかし パン将軍に尾行をつけたところ チュ・グクチョンと会っていた…!

犬猿の仲である2人が会うなど 通常であれば考えられないのだ

 

やがて皇后殿から 1台の輿が出発する

タンギセが 幸いにも意識が戻った父親を 屋敷に連れ帰ると言うが

皇太后は これを呼び止め 是非とも顔を見たいと言い出す

輿に付き添う兵が 一斉に剣を抜いた…!

断固として輿の中を見せようとしないタンギセに 皇太后は丞相の死を確信し

チャン・スニョンに すぐにもパン将軍に伝えよと命じていく

 

もう ワン・ユが何をしなくても 皇太后が 自ら動いてくれるのだった

 

その夜 ワン・ユと側近たちは 久々に酒宴を開く

酒と毒薬が入れ代わり 丞相が亡くなったことは幸運といえる

丞相が もし助かったとしても 或いは皇太后との画策が成功しても

いずれにしても 復位は達せられることになるのだ

 

ワン・ユは 高麗(コリョ)に戻ったら王妃になってほしいと言い

スンニャンの前に 髪飾りを差し出した

もし承諾してくれるなら 是非とも髪飾りをつけてほしいと…

 

部屋に戻ったスンニャンは 受け取った髪飾りを眺め喜びに沸く

しかし… なぜかタファンのことが頭をよぎる

亡き父を死に追いやった 憎きタファンなのに…

過ごした日々の中のタファンは スンニャンの心に鮮明な記憶として残っている

 

宮廷内で起きる不穏な動きに たまらなくなったペガンが 皇帝に謁見する

確かに丞相を殺したのは自分なのに このままでは手柄を横取りにされると…!

 

皇太后が パン将軍に丞相の一族討伐を命じたなら

いつの間にか 手柄はパン将軍のものになってしまうのだ

 

『丞相になるべきは 私ではありませんか!』

 

タファンは 憂いていた

スンニャンの存在が遠くなってしまったこともそうだが

たとえ丞相が死んでも 皇帝の自分は無視され

今まさに 皇太后が政治を行っていると…!

 

翌朝

 

ワン・ユの前に現れたスンニャンは 髪飾りをつけていなかった

王妃になることを承諾するなら 髪飾りをつけるはずだったのだが…

 

スンニャンは 何事もなかったように挨拶し 皇后様にお会いするという

ワン・ユは 問いただすことも出来ず そうか… と笑顔を見せた

 

ペガンとタルタルは 皇太后に会い 丞相を殺したのは自分たちだという

つまり 丞相になるべきはパン将軍ではないと訴えた…!

やはりそうだったかと! 皇太后は怒りをあらわにする

 

丞相の座欲しさに 皇帝をそそのかし 今回の策を巡らせたか…!

何事も 皇太后の自分に相談していた皇帝が

独断でこんな大それたことをするように 裏で操ったのかと…!!!

 

意気消沈して皇太后殿を出る2人

丞相に仕えながら 皇帝側についたが それは間違いだったかもしれない

せっかく丞相を殺しても 皇太后が取って代わるだけであり

皇帝は どちらにしろ操り人形のままなのだと…!

 

そんな2人に近づき 機会を与えようというワン・ユ

復位を条件に 丞相に近づいたが 元々皇太后の味方だと言われ困惑する2人

しかしそれが本当なら まだ道は開けるかもしれないのだ

 

ペガンとタルタルを取り込んで戻ると スンニャンが待っていた

その髪には あの髪飾りが…!

 

その夜 スンニャンの部屋を訪れるワン・ユ

 

王妃にしたいと思うほど 心から愛するスンニャンだが

その生い立ちも どう生きて来たのかも ワン・ユは詳しく知らなかった

なぜ男のフリをしなければならなかったのか… 初めて聞く

 

『15年前… 貢女の母娘を逃がしたことを 覚えていますか?』

 

それは ワン・ユの記憶にも 鮮明に残る出来事であった

世子だった少年の日 貢女として捕えられた母娘を 牢から逃がした

 

※貢女:高麗(コリョ)が元への貢物とした女性

 

しかし 逃がしたことにより 母親が殺されてしまったのだ

浅はかな正義感で逃がしたことにより 捕えられた多くの民が殺された

ワン・ユはずっと そのことを悔やんでいたのだった

 

その行いで 世子としても窮地に陥ったが

廃位された今でも 真の意味で民を救うとはどういうことかと考える

おそらく 娘の方も殺されたのだろうと… 今さらながらに涙するワン・ユ

 

『死んではいません 王様! その娘こそ私なのです…!』

 

あの時救ってもらったからこそ こうして今も生きている

悲しい記憶も確かにあるが 一度も恨んだことはないというスンニャン

思わぬ運命の交わりに 2人は あらためて縁を感じ合う

そして翌朝 スンニャンは ワン・ユの腕の中で目覚めるのだった

 

一方 皇后タナシルリは

 

皇帝と皇太后の前で 父である丞相の回復ぶりを報告する

無論 それを鵜呑みにする2人ではない

あの日 息子たちに守られて出て行った輿の行列は

丞相の遺体を乗せた棺だったのだと 皇太后は 今でも信じて疑わない

皇帝タファンは ならばいつ参内できるかと問う

 

決起は今夜

 

今夜を過ぎさえすれば 真の意味の皇帝になれると

タファンは 目を輝かせるが…

皇太后は そんな皇帝を にこやかに見つめながら心で否定する

 

丞相に押さえつけられ 飾り物として生きた年月

じっと耐えて生きてきたのは タファンだけではない

皇太后もまた 今こそ天下を自分のものに出来ると…! そう思っているのだ

 

皇太后殿から出できたタナシルリの前に ワン・ユの一行が現れる

すれ違いざま (今夜亥の刻に…) とつぶやくタナシルリ

今もまだワン・ユの協力を信じ 今夜が過ぎれば…と思っているのだ

 

ヨンチョルの屋敷では

 

パン将軍に阻まれ 守備隊が動かせない事態に タンギセが苦悩していた

目の前には 父ヨンチョルの棺がある

相談し 指示を仰ぎたくとも ヨンチョルは棺の中だ

 

表向きは ワン・ユもペガンも 丞相側の人間である

遅れて駆け付けたペガンは 親衛隊を率いて来ていた

よくぞ来てくれた! と涙ぐむタンギセ

 

ヨンチョルの棺の前で 守り切れなかった不忠を詫びるペガン

丞相を死に追いやった犯人を捜索すべく この場にいるワン・ユ

そしてタンギセとタプジャヘ兄弟の 無言の思惑が交錯する…!

 

一方 スンニャンは

 

皇后殿にお茶を運ぶ ソ尚宮とすれ違い 嗅いだことのある香りに気づく

この香りは甘豆湯… 丞相が好んで飲む茶の香りだと…!!!

 

イ・ホンダンによれば 皇后への甘豆湯は ソ尚宮自ら煎じるという

そこへ居合わせたトクマンが 妙な話をする

皇后様は 豆を食すとじんましんが出るというのだ…!

 

甘豆湯の効能は“解毒作用”である

丞相ヨンチョルは 普段から暗殺を警戒し 甘豆湯を飲んでいたのだ

皇后殿で 甘豆湯が出されるということは…

この矛盾に トクマンもハッとする!

 

丞相ヨンチョルは あの日 意識を取り戻したのだ

 

皇太后が推察した通りではなかったが 棺を運ばせたのは事実

しかしそれは空の棺であり ヨンチョルは 皇后殿にとどまっていた…!

 

スンニャンは この事実を 一刻も早くワン・ユに伝えようとする

その行く手を阻んだのは 皇帝タファンだった

丞相は生きている! すぐに皇后殿へ!

それだけを告げ 先を急ぐスンニャン!!!

 

タルタルが 仲間同士 秘密裏に連絡が取れるよう 合図を決めていた

タンギセにすべてが知れたら青い帯

間者を見つけた時には黄色い帯

そして最も深刻な事態を知らせる白い帯

矢文に変わって 帯の色で連絡し合うのだ

スンニャンは 白い帯を矢に結び それを背負って馬を駆る…!!!

 

一方 タファンは

 

まさかとは思いつつ 皇后殿へ向かっていた

仰天したソ尚宮が 声を震わせ 皇帝のお越しを告げる!

 

父ヨンチョルが隠れる時を稼ごうと

タナシルリは 寝所を飛び出し タファンを出迎える

有無を言わさず 中へ入るタファン!!!

泊まる気のないタファンと 引き止める気のないタナシルリ

タファンは 卓上の茶器の中身が 確かに甘豆湯であると確認し立ち去る

 

ヨンチョルの屋敷では

 

兵を潜ませ “逆賊”を待ち構えるタンギセ!

そしてワン・ユたちは 今こそ丞相の一族を滅ぼそうと画策していた…!

両者が睨み合うその中に スンニャンが矢を射る!!!

 

白い布を確認したワン・ユと側近たちが凍りついた

考え得る最悪の事態とは… まさにそれしかない!

 

(ヨンチョルが… 生きている?!!!)

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第19話 償えない罪

2017-09-20 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第19話 償えない罪 

 

すぐにもその者を下ろせ!と命ずる皇帝タファン

しかしワン・ユは たとえ剣を突き付けられても応じる気はない

この者はもう女官ではないと…!

丞相が 自分の部下にせよと命じたのだと…!!

 

丞相に勝てる自信のない皇帝が 何の権限で命令を?

この国では 皇帝より丞相の方が格上では? とでも言うように

どけ!!!とコルタたちを怒鳴りつけ スンニャンを背負って出て行く

 

いくらコルタが止めても 怒りに任せ 丞相に掛け合うと息巻くタファン!

しかし 向かう途中で丞相に出くわすと その怒りも引っ込めるしかない

愛する者を 救うことも守ることも出来ず 悔しさに涙がこぼれるのだった

 

スンニャンは ワン・ユのもとで手厚く看護されている

しかし まだ目覚めぬと聞き 心配でたまらないタファン

真夜中の大明殿へ ペガンとタルタルを呼びつけ

なぜ丞相とワン・ユが結びついたのかを探れと命ずる

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

戻る途中 陛下は眼光に気迫がみなぎっていたというペガン

どうせスンニャンのせいだというタルタル

一国の皇帝が 女官ひとりのために変わるなど… と首を傾げるペガン

 

皇帝の変化などに興味なく タルタルは 命じられるまでもなく

丞相とワン・ユの間に 密約が交わされたのは間違いないと読む…!

 

皇后殿に 皇太后の姿があった

タンギセ将軍が陛下を危険に晒した! と訴える皇太后

皇后タナシルリは なぜ皇太后が怒っているのか理解できない

父と兄こそが この国を動かしているのであり 皇帝は飾りに過ぎないと

 

『是非 息子を産んでみることです!

将来 その子が皇帝になり タンギセ将軍に脅されたらどうしますか?』

 

兄は 決してそんなことはしないというタナシルリ

甘い考えの皇后を鼻で笑い タンギセ将軍は丞相より残忍になると…!

権力の前では たとえ肉親でも殺し合うものだという皇太后

 

そこで フッと笑みを浮かべ 懐妊の見込みがない方に何を言っても

耳に入らないのは仕方がないと皮肉を言い放つ…!

 

『まずは 懐妊してから 私の話に耳を傾けても 遅くはありません』

 

パク・ブルファが ワン・ユに負けぬほどスンニャンを気にかけている

スンニャンの父キ・ジャオと 最期まで一緒にいたブルファであった

 

起き上がれるまでに快復したスンニャンは

ブルファに 着替えと片箭を!と願う

女官ではなくなった今 再び男姿になり 王様に仕えたいのだと…!

 

※片箭:スンニャンが使う最強の矢

 

しかし 今はスンニャンを女として愛する王様が 許すはずがないと

そう言いつつ 女として王様の側でじっとしているスンニャンも想像できない

ブルファは苦笑しつつ スンニャンの願いを聞くことにした

 

その頃ワン・ユは シヌたちを従えて市場にいた

その動きを じっと監視するタルタルと部下たち

 

尾行しながら 寄った先の店主に聞くと

ワン・ユは 麻酔液が作れる毒物と 西域の酒を購入していた

一体 誰に何の目的で飲ませるというのか…

 

その後 丞相ヨンチョルの屋敷に ワン・ユの姿があった

敵が丞相に望むものは?との問いに ヨンチョルは“死”と答える

 

『では 死んでいただきます』

 

丞相に向かって死ねとは…! 平然と言ってのけるワン・ユに

同席する2人の息子は激怒する!

そんな息子らを無視し ワン・ユの秘策に ほほう…と笑みを浮かべる丞相

 

これはまさに“混水摸魚”

丞相が死んだとなれば 周囲に混乱が生じ 二手に分かれていくだろう

つまり 忠誠心を示す者とそうではない者に…!

 

※混水摸魚:三十六計のひとつ 敵の内部を混乱させ行動を誤らせたりする

 

玉と石が見分けられるのかと 目を輝かせる丞相

しかし2人の息子は あまりに危険だと反対する

ワン・ユは タンギセに西域の酒を差し出した

それを飲み干すと タンギセはまもなく意識を失い 仮死状態になった…!!!

 

半日後

 

すっかり意識を取り戻したタンギセが 父の前に…!

自ら ワン・ユの考案した酒を飲んではみたものの

これは嫉妬ではなく あの者は信用できないと進言するタンギセ!

ならば ワン・ユに勝る策を出せ!というヨンチョル

嫉妬ではないと言いつつ タンギセは ワン・ユの策に感心する父に

言い知れない感情を どうすることも出来なかった

 

タルタルと将軍ペガンは ワン・ユの策に気づき 皇帝のもとへ!

 

その麻酔薬入りの酒を 猛毒にすり替えれば… と言い出すタファン

昏睡状態ではなく 本当に丞相が死んだなら 罰せられるのはワン・ユ!

両者を葬る絶好の機会だと言い 2人に密命として言い渡すのだった

 

今やスンニャンは 女官ではなく ワン・ユの側近だった

幸せそうに笑い合いながら歩いて行く姿を 遠くから見つめるしかない

それでも今は 歩けるまでに快復したことを喜ぶべきなのだと

自分に言い聞かせるタファンであった

 

ワン・ユは スンニャンを誘って 夜の市場に出かけ

高麗(コリョ)の特産品を売る店に立ち寄る

楽しいひと時を過ごしたスンニャンは 土産を持って女官の部屋を訪ねる

 

ヨンファが 陛下の世話係になり

スンニャンに代わり イ・ホンダンがノ尚宮の世話をしている

聞けば 最近の皇帝は 酒浸りなのだという

するとノ尚宮が 血書の在りかを知っていると口走る

その話はダメだと ホンダンが止めても

ノ尚宮は “丸坊主が持っている”と…!

 

『丸坊主は 私に惚れていたの 宦官なのにね』

『宦官… ですか? もしかして… チョクホという名前の?』

『なぜ知ってるの?』

 

高麗(コリョ)村では

 

村長マクセンが湯浴みをしている

その頭は丸坊主で 外の気配に慌ててカツラをつける…!

気配の主は ヨム・ビョンスだった

扉を開け ビョンスを引き込み 長槍を突き付けるマクセン!

 

するとその時 マクセンの顔に髭がないことを指摘するビョンス

髭を剃ったらダメなのか!と怒鳴るマクセン

2人は 互いを怪しみながらも追及することはない

追及することで 自らの正体まで明かすことになるのは困るのだ

 

しばらく村を離れると言いに来たビョンス

マクセンは ビョンスが何をしようが 興味はないと言い放つ

 

その夜 宮殿では

 

女官部屋から戻るスンニャンの前に 皇帝タファンが現れる…!

自らの想いを伝えようと 力づくで抱きよせるが

決して思い通りにはならないスンニャン

 

『私はもう 女官ではありません』

 

タファンは スンニャンの心には 確かに自分の存在もあったはずだと

なぜこんなにも 冷たくするのかと訴える…!

ここで初めて キ・ジャオの死について 陛下のせいだと責めるスンニャン

貢女であったため 娘だと名乗ることは出来なかったが

父親を殺された恨みは 常に心の中にあったと…!

 

※貢女:高麗(コリョ)が元への貢ぎ物とした女性

 

『それなら殺せ 殺せばいい!!!』

『この国で陛下を殺せば… ここで暮らす高麗(コリョ)の者らが殺される!』

 

今さらながら スンニャンは 亡き父の死の間際を思い出す

タファンが 嘘の証言をしたことで 無念に死んでいった父キ・ジャオ

たとえそれが タファンの生きる術だったとしても 許すことは出来ない!

 

償いたいというなら どうか自分を忘れてほしいというスンニャン

タファンは これ以上引き止めることも出来ず 涙にくれる

 

ペガンとタルタルは 口実を作って 丞相の執務室に忍び込み

隠し金庫に保管している 麻酔薬入りの酒を 猛毒にすり替えた

その直後 丞相が戻り 宮中にゲルを建てろと命じる!

 

※ゲル:モンゴル人の組み立て式テント

 

それは“非常事態宣言”を意味する命令だった

皇帝と大臣 そして各地方の長官を召集せよというヨンチョル

また その場に ワン・ユも呼ぶと言い出す…!

 

今のヨンチョルにとって ワン・ユもまた疑いの対象である

側近として信頼しつつ 決して油断はしない

2人の息子は ワン・ユすら疑われていると思うと 心が晴れる思いだった

 

この事態を知った皇太后は すぐに父親を止めろと 皇后に命ずる

先の皇帝は ゲルが建てられた翌日に命を落としたと…!

しかしタナシルリは なぜ騒ぎ立てるのかと反論する

それではまるで 怪文書の黒幕が 陛下か皇太后のようだと

 

さらにヨンチョルは 皇太后を幽閉した

 

どんなに抗おうと 今の丞相ヨンチョルに対抗できる者はいない

皇太后が どんなに皇室の権威を訴えようが

丞相は ただ宮殿を守るためだけに その権力を揮っているわけではない

隙あらば この元に攻め入ろうとする周辺国から

この国を守っているのは 誰あろう自分なのだと

自分無しで 皇太后と皇帝に何が出来るのかと…!

そうした絶対的自負が ヨンチョルにはあるのだ

 

大臣と長官たち そしてワン・ユが召集され 最後に皇帝が現れる

タファンは この国の皇帝でありながら

丞相に促されなければ 勝手に玉座へも座れない

 

やがて宴の料理が運ばれ 丞相の席には“猛毒入りの酒”が…!

盃は2つ用意され 1つは毒味係が飲み干した

ここで毒味係が死んだら…! と慌てるペガンに

タルタルが 毒が効くには時間がかかると耳打ちする

 

同じく盃を飲み干したヨンチョルは 剣舞を披露すると言い出す

無論 最後まで舞えるとは思っていない

この“麻酔薬入りの酒”を飲んだからにはと…

 

宴席を後にした毒味係の女は 戻る途中で吐血し倒れた

居合わせたスンニャンが これは毒によるものだと気づく!

 

同じ時 ヨンチョルもまた吐血して倒れた…!

驚いて駆け寄ったタンギセが 父の異変に気づく!

自分が試した時とは 明らかに違う様子なのだ…!!!

 

皇帝タファンと ペガンの視線が 一瞬だけ交わり成功を確信する

ワン・ユは 何が起きたのか分からないまま茫然と立ち尽くす!

 

タファンは ワン・ユを睨み付けた

そして心の中で 次はお前だ…! と叫ぶのだった

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第18話 嫉妬

2017-09-10 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第18話 嫉妬 

 

『お前は なぜそこにいる!』

 

皇后タナシルリが スンニャンの立ち位置に気づき 一喝する

その瞬間 スンニャンの両手は解放された

険しい目つきで睨み合う 皇帝タファンとワン・ユ

タナシルリは 自分を巡っての嫉妬の炎だと 勝手に勘違いし満足する

 

何とも苦々しい影絵の催しになり タファンは苛立つ

スンニャンを呼びつけ これは命令だ!と凄んで見せる

命令に背けば打ち首だとまで言い放つが…

その命令とは ワン・ユと金輪際 話してはならぬというものだった

もちろん 視線を合わせても 微笑みかけてもダメだと…!

 

なぜこんなにも苛立ち そして涙が出るほど悲しいのか

すでにタファンは気づいていたが 認めたくはなかった

スンニャンはワン・ユを愛し ワン・ユもまたスンニャンを愛していると…

 

泣きながら退室したスンニャンの前に ワン・ユが現れる

今 “背けば打ち首” と言われたばかりなのに…

スンニャンは ワン・ユのあとを歩いて行く

 

一緒に高麗(コリョ)へ帰ろうと言われ

何のためらいもなく 『はい 王様』 と答えるスンニャン

本当に帰れるのか それがいつになるのか…

それでもスンニャンは 一緒に帰りたいと答えた

 

『ひとつだけ約束してくれ 私を助けてはならない

お前が危険に晒されれば 私がつらい… 自らの死よりもつらいのだ…!』

 

翌朝

 

目覚めたタファンの目の前に ネズミが…!!!

悲鳴を聞きつけ 駆けつけたコルタも 怖くて容易に捕まえられない!

見かねたスンニャンが いとも簡単につまみ上げ

護衛武士たちの面目は丸潰れになった

 

突然 溢れ出たネズミの大群に 宮中は大騒ぎとなる

ネズミが発生するなど 管理がなっていない! と憤る皇太后だが

トクマンは 宮中に広がる噂を 言いにくそうに報告する

 

それはやはり 先の皇帝陛下の呪いの始まりだというものだった

 

その噂を煽り立てるように パン・シヌが 噂を広めていく

天変地異を恐れ ネズミの大群が宮殿を占拠したと…!!!

 

『天がお怒りだ! 不吉の前触れだあ!!』

 

先の皇帝の呪いだと ひと言呟くだけで あとは噂が独り歩きする

民の不安感が 噂に尾ひれを付け 勝手に広まっていくのだ

 

『民の不安は やがて恨みになり そして怒りに変わるだろう

その怒りはすべて 丞相ヨンチョルに向かうのだ…!』

 

ヨンチョルは 今回の件で届いた上奏を すべて破いてしまう!

そして 民の怒りなど… 恐怖を与えれば何も出来はしないと言い放つ…!

 

すると今度は ペガンとタルタルが すぐに仏堂へ!と呼びに来た

慌てて出て行く丞相ヨンチョル

取り残されたタファンは 玉座に座ったままうなだれた

民の怒りを盾に 立ち向かおうとしたが

一喝されれば震え上がり 何も言い返せなくなるのだ

 

玉座の後方から現れたスンニャンが 丞相も恐れているのだという

ただ皇帝タファンとは違い 怒りを認めず 隠そうとしているのだと…

 

自信に満ちたスンニャンの言葉を聞いていると 心が落ち着いてくる

絶望感は消え去り 丞相に立ち向かう勇気さえ湧いてくるタファンだった

 

仏堂では

 

血の涙を流す仏像の前で 皇太后が 驚愕し座り込んでいる

ヨンチョルは これを目撃した全員を皆殺しにしろとペガンに命じ

皇太后にも 固く口止めをする

 

しかし皇太后は いよいよ呪いが始まったのだと言い放つ…!

凶作も天変地異も何もかも! すべては丞相への天罰だと!!!

 

こんなまやかしを!と 仏像に斬りかかろうとするヨンチョル

身を挺し仏像を守ろうとする皇太后!!!

この神仏をも恐れぬ行為に 息子たちが必死になだめ連れて行く

 

ヨンチョルは 内心困惑していた

あらゆる敵を蹴散らし 服従させ あるいは懐柔して来た

しかし今回の見えない敵は どう戦っていいのかすら見えない

初めて 父の悩む姿を見たタンギセは 声をかけることすら出来なかった

 

困惑しているのは ヨンチョルだけではない

ワン・ユ側も 仏像の血の涙に関しては まったく関与していないのだ

一体 誰の仕業なのか… たとえ誰の仕業であろうと

ヨンチョルは完全に追い詰められている…!

 

『ヨンチョルは 確実に自分の心を読み 力になる人物を欲している』

 

ワン・ユは 丞相ヨンチョルを囲碁に誘う

それは まさに奇妙な光景であった

ヨンチョルもまた ワン・ユが ただ囲碁を楽しみたいなどとは思っていない

 

囲碁の勝負は 攻めに徹したヨンチョルが 守りを疎かにして負けた

この一局は まさに今の丞相が置かれている状況そのものだというワン・ユ

 

ヨンチョルは 負けていないし 助けもいらぬと言い切る

弱みにつけこみ復位を狙う気か! と ワン・ユの諫言を一蹴した

 

それでも ワン・ユは引き下がらず

現皇帝の祖父を殺めて得た 絶対権力により 膨らむ野望の危険性を説く

通り雨に過ぎぬと余裕を見せても それがやがて嵐になることもあると

 

丞相ヨンチョルの側近には 諫言してくれる人間がいない

皆がヨンチョルを恐れ ただ命令を待つばかり

臆することなく諫言するワン・ユは 鮮明にヨンチョルの記憶にとどまる

 

攻めに徹し守りを怠った代償…

目前の敵を倒すことに夢中になり 結果 見えない敵を逃がしてしまった

攻めるだけでは敵を倒せないと知った今

ヨンチョルは あらためてワン・ユを側に置きたいと思い始めていた

 

『あの者を信じないでください!

あの者は! 決して父上に忠誠など誓いません!!!』

 

タンギセは 心から諫言するつもりで言ったのに

まるで ワン・ユに嫉妬しているかのように 父には聞こえた

命令に背き ワン・ユを辺境に送ったのは タンギセであった…!

 

『ただ命令に従うだけの 無能極まりない息子は必要ない!

そなたはこれまで 私のために何を成し得たのだ!』

 

ワン・ユとは比べようもないとまで言われ タンギセは愕然とする

 

あの人形劇依頼 ワン・ユは スンニャンに対し積極的だった

大胆にもスンニャンを呼び止め 物陰に引き寄せる

しかし今回は 愛を確かめ合うためではない

2人は互いに 仏像の血の涙について話したかったのだ

 

ワン・ユは スンニャンの不安を拭おうと 自分の仕業であると告げる

しかし本当は ワン・ユを少しでも助けようと スンニャンがしたことであった

 

翌日

 

皇帝タファンは 復位のため丞相側についたワン・ユに 皮肉を言う

ワン・ユは悪びれもせず 廃位の身では力ある者につくと答える

陛下が 自分を復位させる実力を持てば いつでも寝返るとまで…!

 

その言い草に呆れ タファンはスンニャンに矛先を変え

そなたはどうする気か! と詰め寄る

 

スンニャンは これまでと違い 即座にタファンを助けると答えた

但し 丞相を倒したら 必ず“王様”を復位させてほしいと言い出す

どちらを選んでも 結局ワン・ユは復位するのか!と

タファンは スンニャンのしたたかさに 今さらながらため息をつく

 

大明殿に ペガンとタルタルを呼び 血書はまだかと急き立てるタファン

しかし 先の皇帝に仕えた護衛… その名を“高麗(コリョ)の赤虎チョクホ”

という情報を得ただけで 報告できる手がかりはなかった

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

2人を下がらせ タファンは コルタに命じ チョクホを捜させる

コルタは さっそく部下に命じ 聞き込みに行かせた

 

高麗(コリョ)村では

 

突然訪ねて来て 先の皇帝の護衛について聞く者がいた

村長マクセンは警戒し またその男が宦官であることを見抜く

そばで聞いていたヨム・ビョンスが これらの情報をタンギセに報告した

 

チョンバギが訪ねてきた後 ひと晩でネズミがいなくなった

それからまもなくして 宮中にネズミの大群が出たことと 何か関連が?

そして今度は 宦官が訪ねて来て聞いたのだ

丞相が気にしていた 先の皇帝の側近で唯一の生き残り

チョクホという護衛の行方を…!

 

聞き込みに来た宦官が 皇帝付きであることを突き止めるタンギセ

あの皇帝が 自ら策を巡らせることは難しい

きっとスンニャンが 裏で手を引いているはずだ…!

 

ワン・ユとスンニャン…

2人を始末しない以上 タンギセが父親の信頼を得ることはない

必ずや2人の息の根を止めると誓うタンギセだった

 

皇帝タファンのもとへ チョクホが見つかったという報告がなされる

そしてワン・ユのもとへは 丞相が会いたがっているとの知らせが…

この両者の待ち合わせ場所は “秋月館”という妓楼

いずれもタンギセが 2人をおびき寄せるために仕掛けた罠だった…!

 

タファンは 影武者を寝所に置き スンニャンと一緒に妓楼へ向かう

コルタも同行したいところだが 寝所で影武者を守らねばならない

 

一方 タンギセは 脅迫されて口を割った宦官を斬り殺し

チョチャムに 死体の処分を任せた

しかしチョチャムは 死体を背負っているところをペガンに見つかってしまう

 

事態を重く見たペガンは コルタの制止を振り払い寝所へ!

そして 皇帝タファンの身に危険が迫っていることを知る…!!!

 

『タンギセの奴… 何を企んでいるのだ!』

 

ワン・ユは 待ち合わせ場所の妓楼に入るなり 異変に気づいていた

妓楼には 他の客がひとりもいないのだ…!

 

同じ時 妓楼の タファンとスンニャンが案内された部屋には

“チョクホ”からの伝言が届けられていた

顔を明かしたくないという理由で スンニャンだけが奥の部屋へ呼ばれる

 

迷路のような妓楼の スンニャンが行く先とは別の廊下を

丞相ヨンチョルが “血書を捜す者”に会おうとやって来ていた

訪ねたその部屋には 護衛をひとり従えた皇帝タファンが…!!!

 

まさにタンギセは 貸し切りにした妓楼の中で 2人を翻弄し

父ヨンチョルをも巻き込み 自分の策を見せつけようとしていた…!

 

丞相に会うため 招かれたワン・ユ

しかしタンギセは 間もなく怪文書を仕掛けた黒幕が来ると告げる

“合言葉”を口にして入ってきたのは スンニャンだった!

 

もう一方の部屋では ヨンチョルとタファンが対峙している

 

『血書を捜しているのですか!』

『捜してはいけませんか?!

父が遺したものを 息子が捜してはいけませんか?!』

 

しかし聞いてみれば タファンは ただ血書を捜しているだけだという

怪文書については知らないとの答えに 何かがおかしいと気づき

他の部屋は!!! と怒鳴るヨンチョル

同行したタプジャヘが 貸し切りだから… と言いつつ確認に走る

 

妓楼の外には ペガンとタルタルが駆けつけていた

事実上 丞相の手先となって動いている2人は 皇帝を救出できない

このままでは いつ丞相が 皇帝を亡き者にするか分からないのだ…!!!

 

するとそこへ 1台の輿が到着する

侍従コルタが 皇太后と共に 兵を率いて現れたのだった…!!!

 

行列が目の前に到着するまで 決断しなければ! と耳打ちするタルタル

丞相側にとどまるのか この機会に皇帝側に寝返るのかと…!

もし丞相側にとどまるなら 皇太后に向かって剣を抜かねばならない

 

しかし 2人が決断するまでもなく 丞相が出迎えに現れた

血書を捜し妓楼を訪れた陛下を 戒めていたというヨンチョル

タファンは スンニャンの無事を確認できないまま

皇太后とコルタの部下によって 宮殿へ連れて行かれる

 

丞相ヨンチョルは ペガンとタルタルを一瞥し なぜここに?と聞く

皇太后の動きを察知し駆けつけたと 咄嗟にタルタルが答えた

ペガンは結局 “誰に忠誠を誓うべきか” を決められないままであった

 

そこでヨンチョルは タンギセが なぜこの場にいないのかと気づき

妓楼の奥へ入って行き ワン・ユが来ていることを知る

 

ワン・ユは この程度の器か!!! と ヨンチョルに向かって叫んだ

慌てて事の次第を報告し ワン・ユとスンニャンが主犯だと叫ぶタンギセ!

ヨンチョルは 息子の頬をしたたかに殴りつけ ワン・ユに謝罪する

 

嫉妬にも程があると罵り 言い訳さえ許さず 息子を下がらせる

その目に涙を浮かべ 怒りに任せてスンニャンを連行していくタンギセ

しかしヨンチョルは いかにワン・ユが願おうと

スンニャンのことまでは配慮しなかった

 

あらためて ワン・ユに協力をと願うヨンチョル

女官を釈放するなら 引き受けてもいいと答えるワン・ユ

側近に請われたことと 女官の命を天秤にかけ

丞相への忠誠を軽んじているのではなく それほどに恩ある女官なのだと…!

 

『あの者は 皇帝の手先!』

『ならば 命じられただけの女官ではなく 皇帝を尋問すべきでは?!』

 

地下牢に捕らわれたスンニャンは 気絶するほどの拷問を受けていた!

恨み以上に スンニャンを愛してしまったタンギセは

他の男のものにさせるくらいなら 命を奪うまでと…!

 

そこへ 側近を従えワン・ユが駆けつける!!!

 

お前の父親が釈放を命じた! と タンギセに剣を突き付けるワン・ユ

不満があるなら 父親に直接言えと…!

 

『お前に勇気があるなら これも言いつければいい!!!』

 

ワン・ユは 力任せにタンギセを殴りつける!

気絶したスンニャンを背負い 出て行こうとすると…

 

そこへ 同じくスンニャンを救おうと 皇帝タファンが現れるのだった…!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第17話 呪いの始まり

2017-08-28 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第17話 呪いの始まり 

 

夜の庭園で 背中合わせで時を過ごすタファンとスンニャン

やがて落ち着きを取り戻したタファンは 寝所に戻り

スンニャンは いつものように書を読み聞かせる

 

何も見えず 何も聞こえないと言い タファンの憂いを包み込んだスンニャン

タファンは二度と あのような無様な姿を見せたくないと心に誓う

 

一方 ワン・ユは

 

庭園での2人の姿が目に焼きつき やるせない思いで弓を射る

振り払っても振り払っても スンニャンの顔が浮かび 心が痛むのだった

 

それからの丞相ヨンチョルは 堂々と私兵を宮殿内に引き入れていた

守備司令官として ペガン将軍の立場は愚弄され 完全に無視される

 

さらにヨンチョルは 祈祷中の皇太后を訪ね 血書を捜すなと警告した

皇太后は ヨンチョルの脅しに臆することなく反発する

互いに言い合いながら その腹の底を探り合うのだった

そしてヨンチョルは 皇太后が黒幕ではないとの確信を持ち

皇太后は 今こそ反撃の時機だと判断するに至る

 

怪文書の黒幕がつかめぬまま 膠着状態が続く

ヨンチョルは 皇太后に招かれたというワン・ユに

くれぐれも行動を慎むよう注意するが

まさか すべての計画がワン・ユの策と 疑っている様子は微塵もない

 

一方 皇后タナシルリは

 

本日の 皇后への挨拶は無用であるとの知らせに

それならば尚更行かねば! とほくそ笑む

 

こうして 皇太后殿の前で 皇帝と皇后 そしてワン・ユが顔をそろえた

来なくてよいと告げた皇后の訪問を 苦々しく迎えた皇太后は

一瞥するにとどまり タナシルリがここにいないかのように

招待に応じたワン・ユと 話を進めようとする

 

するとタファンが 雑用係のヨンファを差し置き

スンニャンに 茶を煎れろと命じる

別に茶の味が変わるわけでもないと 不満げに口を出すタナシルリ

 

『この者の煎れる茶でなければ 私は飲まぬ!』

 

憮然とするタナシルリを無視し 皇太后は本題に入る

こうしてワン・ユを呼びつけたのは 縁談を勧めるためであった

ワン・ユは すぐさま丁重に辞退した

 

縁談の話なのに 呼ばれなかったタナシルリは途端に不機嫌になるが

ワン・ユが断ったことで すぐに機嫌を直す

タファンは 茶を煎れるスンニャンの反応ばかりが気になっていた

そして自らも 縁談を受けるべきだと ワン・ユを説得していく

皇室と姻戚の関係になることは 今後の立場が変わるいい機会だと

 

重ねて断るワン・ユに 想い人でも?と聞くタナシルリ

もしそうなら 喜んでばかりもいられない

その“想い人”が自分であるならば また話は別だが…

 

その時 スンニャンの動きが止まり ワン・ユと視線が合ってしまう

 

想い人がいるかどうかも 縁談を断る理由も言わないまま

スンニャンが煎れた茶を飲み この場は失礼するというワン・ユ

 

縁談の話に動揺したのか スンニャンは 茶を運ぶ途中でつまづいてしまう!

転びそうなスンニャンを見て 咄嗟に身を乗り出すワン・ユ!

その肩に 熱い茶がかかり 苦痛に顔をゆがめる!!!

必死に平静を装い 自分は何ともないからと

くれぐれも この者を罰せぬよう言い置き去って行く

 

蒼ざめて涙ぐみ 皇太后に叱られながら退室するスンニャン

熱湯で煎れた茶がかかり 大丈夫なはずがないのだ…!

タファンは ワン・ユのため あれほど動揺するスンニャンに失望する

 

退室したスンニャンは 雑用係の詰め所でヨンファを締め上げる!

スンニャンがつまづいたのは ヨンファが足を引っ掛けたからであった

転んで恥をかくだけならいいが ワン・ユに火傷させたことは許せない…!

気を失いそうなほど締め上げられ 命乞いするヨンファ!!!

たかが茶を煎れる係を奪われた程度の ヨンファの嫉妬心など

スンニャンの殺気に 勝てる筈もなかった

 

自分から 3歩以上離れてはならぬと命じたのに

スンニャンは いつの間にかいなくなっていた

タファンは すぐに捜せ!とコルタを叱りつける!!!

きっと ワン・ユのところへ行ったのだと思うと

居ても立ってもいられないタファンだった

 

ワン・ユの火傷は かなりの重傷であった

タファンが懸念するとおり スンニャンが駆けつけている

シヌが持って来た薬箱を奪い 強引に中へ入る!!!

 

自分のせいでこんな火傷を… と涙ぐむスンニャン

口では下がれと命じながら ワン・ユは それ以上拒めなかった

 

やがて迎えが来て スンニャンはタファンのもとへ

怒りをひた隠し 寛大な笑顔で迎えるタファン

懐の深さと 皇帝としての余裕を見せつけようとしているのだ

 

火傷が酷く きっと今夜は高熱が出る

せめて今夜だけでも ワン・ユの看病がしたいというスンニャン

 

寛大さを装うのもここまでだった

では 眠れない自分はどうすれば?誰が書を呼んでくれるのかと!!!

寝付くまではそばにいろと 寝付いたら行くがよいと許しながら

タファンは 意地でも寝るものかと心に決めていた

何度も眠りに落ちそうになりながら 必死に眠るまいとするタファン

 

一方 ワン・ユは

もう来るなと言いながら 心のどこかで スンニャンの再訪を期待していた

 

怪文書の黒幕は 手がかりすら掴めず 血書の行方も知れない

ヨンチョルの焦りは 側近らへ怒りの刃となって向けられた

捕えた妖術師をすべて斬首し その首を掘りに捨てろと命じる!!!

それが 未だ姿を現さない黒幕への警告になると…!

 

すでに目玉をくり抜かれた妖術師らが 民の目の前で斬首された

さらに 血書について話した者を告発すれば 褒美を与えると告知し

今後一切 怪文書について語ることのないよう 民に警告した

 

怪文書がきっかけとなり 丞相ヨンチョルの暴政が始まったのである

 

すべては思惑通りに進み 次の段階へ進むというワン・ユ

そして自ら 次の怪文書を書いていく

 

“白蓮教の信者たちは 教主様に忠誠を誓い 崇拝している

教主様は 自分のことを玉皇上帝と呼んでいる

信じる者だけを祝福し 信じない者を呪い この世を混乱させ民を欺いて行く

今後 取り締まりを始めるから 承認を求めるものである”

 

またしても訳の分からぬ文章に チョンバギたちは首を傾げる

パン・シヌの膝が痛む夜 つまりは雨が近づく夜 一斉に怪文書が貼られた

 

翌日

 

参内の途中 通り雨に降られ 雨宿りするヨンチョル

その目に飛び込んできたのは 雨に打たれて変化する怪文書であった…!

 

“先の 皇帝 呪い 始まる”

 

この怪文書は 妖術師の惨殺以上に 民を震え上がらせた

4年も続く凶作すら 先帝の呪いだと噂が広まっていく…!

 

そして 皇帝タファンもまた 2度目の怪文書に驚き

まさに父上の無念が 呪いとなったのだと言い出す

前回は そんな皇帝を まだ時機ではないと戒めた皇太后であったが

間もなく好機が訪れると励ます…!

その好機の到来までは これまで以上に操り人形を装い油断させねばと!

 

“呪いが始まる”と詠ったからには 呪いを起こさねばならない

ワン・ユは さらなる恐怖で怪文書の呪いを 現実のものにしていく

手始めに ブルファとチョンバギが 城外でネズミを生け捕る…!

 

高麗(コリョ)村では

 

ようやく回復したヨム・ビョンスが 薪拾いをするまでになっていた

そこへ現れたブルファとチョンバギに気づき 慌てて隠れるビョンス!

2人は村長に会い この村のネズミを生け捕ることを

黙認してほしいと頼みに来たのだ

その話の内容を知ることは出来なかったが

ビョンスは この村とワン・ユが繋がっていることを知る…!

 

宮殿では

 

皇帝タファンが 大明殿に 将軍ペガンとタルタルを呼びつけ

“血書を捜せ”と命じていた

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

丞相に仕え 丞相の命令で動いている者に そんな命令を?

ペガンは そもそも血書などないと とぼけていく

血書を捜していることが丞相に知れたら? と問うタルタル

しかし これまでのタファンとは様子が違っていた

 

大青(テチョン)島で 自分を救った2人こそ

その事実を 丞相には知られたくないのだ

だからこそ2人に命令できるタファンであった

 

この大明殿の玉座から 初めて自分の意思で命令した

その姿を 是非ともスンニャンに見せたかった

玉座の後ろから出てきたスンニャンに 得意顔で笑いかけるタファン

そしてスンニャンは 初めてタファンに『協力する』と申し出た

 

ワン・ユにも タファンにも 共通の敵である丞相ヨンチョル

丞相を追い込む方法はただ一つ 血書を捜すことなのだ

 

『そなたさえ味方になってくれるなら この上なく心強い』

 

将軍ペガンは 皇帝に頼もしく命令され 気分が良かった

しかしタルタルは 人はそう簡単には変われないという

おそらく背後に誰かがいて 言いなりになっているに過ぎないと…

 

スンニャンの部屋に いつの間にか入り込んだノ尚宮が暴れ

トクマンや雑用係たちが駆けつけ 大騒ぎになっていた

自分は血書を見た!と 大声で叫ぶノ尚宮

トクマンが 殺されるぞ!と叱りつける

いくら気がふれていると言っても 丞相が許すはずがない

 

『私は血書を見た! どこに在るかも知ってる!

ずっと陛下のそばにいたから知っているの!!!』

 

ここは自分の部屋だと言い張るノ尚宮

それをなだめ 一緒に暮らしましょうというスンニャン

トクマンは 血書の話は真に受けるなと言うが どうしても気になる

 

『尚宮様のお世話は 私がします』

 

最期まで 陛下のそばにいたというノ尚宮

それが真実なら ノ尚宮は 血書の行方を知っているかもしれない

すぐに聞き出すことは難しいだろうが スンニャンは 待つことにした

 

その頃タファンは コルタに命じ 密かに影絵の準備を進めていた

丞相に 遊び呆けているように見せるためだとしながら

いよいよ今夜がその日だと ニヤケ顔になる

あれこれと口実を作ってはいるが すべてはスンニャンのためだった

 

ところが この計画を偶然に知ったソ尚宮が 皇后に報告してしまう…!

 

『きっと パク・オジンのためであろう?』

『あの者は お腹が大きいため そんな遊びは禁じられています』

『ならば…』

『皇后様のためではございませんか!』

 

久しく会うことのない皇后に対し 皇帝が仲直りを申し出るため

照れ隠しに影絵を催すのだというソ尚宮

そうまで言われて 悪い気のしないタナシルリであった

 

それなら今夜 影絵の催しに ワン・ユも呼べと言い出すタナシルリ

自分に気があるワン・ユを呼び 皇帝に嫉妬させようという狙いだった

勘違いも甚だしいと思いつつ ソ尚宮は命令に従った

 

溺愛されて育ったタナシルリは 皆が自分に好意を持つと思っている

その中から選ぶ立場が自分であり すべては思いのままだと信じているのだ

 

皇帝と皇后には 影絵を巡る待ち遠しい夜であったが

ワン・ユにとっては 数百匹のネズミを放ち災いを起こす大事な夜であった

 

やがて夜になり 縁談話を口実に招待され

タナシルリのもとへ集う タファンとワン・ユ

 

宴の料理を毒味するスンニャンに タナシルリが不機嫌になる

皇帝の自分が命じたのだと言われては それ以上責められない

縁談の件は ワン・ユが即座に断り もう話題はなくなった

 

この退屈な宴を早々に切り上げ スンニャンを喜ばせたいタファン

 

すると皇后タナシルリが 影絵の話題に触れた…!

ギョッとしてむせ込むタファン!!!

 

『私のために用意してくれたなら 行って差し上げても構いません

ワン・ユ殿も ご一緒にいかがですか?』

 

皇帝の嘆きを思い じっと目をつぶるコルタ

最も知られたくない皇后に 大事な催しを知られてしまった…!

 

『それにしても陛下 私が影絵を好きだと いつ知ったのですか?』

(知っていたなら 決して影絵などやらなかった…!)

 

スンニャンと2人だけで観るはずだった影絵

それなのに 左の席には皇后タナシルリが座り 楽しそうに観ている

そして右の席には 本来なら呼ぶはずのないワン・ユまで…

ため息をつき振り返ると コルタの隣に立つスンニャンが 影絵を観ていた

 

タファンに手招きされ コルタに促され 進み出るスンニャン

その気配にワン・ユが気づき 椅子をずらし タファンとの間に隙間を作る

 

よく見える場所で 影絵を楽しむスンニャン

ふと タファンが手を差し伸べ スンニャンの左手を握る…!

すぐ隣に皇后タナシルリが座っているというのに

スンニャンが いくら振りほどいても 執拗に手を握るタファン

 

それを目撃したワン・ユは 思わず自分も スンニャンの右手をつかむ!

それぞれに両手を握られ 身動きできないスンニャン…!

暗がりの中で ワン・ユと見つめ合う

あれほど自分を拒んでいたワン・ユとは思えないほど

その視線は情熱的であった

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第16話 妖術師

2017-08-22 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第16話 妖術師 

 

“先帝の慟哭は地に埋められ ヨンチョルの笑いは天を衝く

先帝の血書が現れる日 天は激怒し血の雨が降る”

 

蹴鞠の競い合いの場に現れた丞相ヨンチョル

スンニャンが ワン・ユが そしてシヌたちがその表情を見つめる

思惑通り 憮然としたヨンチョルは 側近たちを順に睨んでいる

上奏文に“挑戦状”を忍ばせることが出来る人物は 一体誰なのかと…!

 

(ペガンとタルタルに その度胸があるはずもない

チャン・スニョンに至っては そんなことすら考え付かないだろう

ワン・ユはよそ者であり この国の権力に興味はない

自分に刃向かえる者は皇太后くらいだろうが… 方法が違う

一体… 誰だ?!)

 

一方 蹴鞠の勝負は熾烈を極めていた

元と高麗(コリョ)の戦いと言いつつ 実際は…

タファンとワン・ユが スンニャンを巡って争っているのだ

タファンはスンニャンを独占しようとし ワン・ユは自由を求めた

 

2対2の同点となり ワン・ユが渾身の蹴りを入れた

しかし タファンとて負けてはいられない…!

我が身を呈して防ごうとし そのまま気絶してしまう!!!

 

トクマンが 意識のない皇帝を担ぎ 寝所に運ぶ

同じ時 丞相ヨンチョルは…

 

上奏文を扱う官吏をすべて捕え 惨い拷問を続けていた…!!!

ただ上奏文を運んだだけのチャン・スニョンは捕えられず

身に覚えのない官吏らは 死んでも構わないと明言され締め上げられる!

 

ワン・ユは ようやく意識を取り戻したという皇帝を按じつつ

ヨンチョルの怒りが頂点に達していることを予測し シヌを労っていた

 

丞相ヨンチョルは 2人の息子とペガン そしてタルタルを呼び

血書にも見える怪しげな上奏文を見せていた

 

タルタルは 血文字に見えるがそうではなく しかも筆跡を隠そうと

左手で書いたか もしくは字を知らぬ者が書いたと見破った

 

いずれにしても 堂々と上奏文に細工し 丞相に挑んでいるのだ

ペガンは そもそも血書は実在するのかが気にかかる

タンギセも 最期まで先帝に仕えた者がいるはずだという

 

女官も宦官も 当時の側近はすべて殺したというヨンチョルだが

その時の死体が 何度数えても1つ足りなかったのだと…!

 

“その者”は 先帝に仕えた護衛であり チョクホという

槍の使い手で高麗(コリョ)の出身だということ以外に情報はない

 

そこで2人の息子は ヨム・ビョンスの話を切り出す

ビョンスは 親衛隊長の遺体から疫病に感染した

何者かが 疫病が蔓延している高麗(コリョ)村から遺体を運んだのだと…!

ヨンチョルは 直ちに高麗(コリョ)村を調べよと命じ

ペガンとタルタルは 無言で視線を交わす…!

 

寝所の皇帝タファンは…

 

顔面を強打し 青あざができ始めていたが 誰にも触らせようとしない

侍従コルタは困り果て スンニャンに一任する

甘え声でスンニャンに身をまかせ 薬を塗ってもらうタファン

本当は ワン・ユが勝って嬉しいのだろうと拗ねてみせる

たとえ嘘でも 皇帝を応援していたと言わないスンニャンが憎らしいのだ

 

そこへ 皇太后が来て スンニャンに下がれと命じた

ただ皇帝の怪我を心配して 現れたのではない

丞相ヨンチョルの動きを察知し タファンに真実を伝えに来たのだ…!

 

タファンは 父である先帝の死因を 食あたりだと聞かされている

殺された父親が 死の間際に指を切り 血書をしたためたのが真実であれば

どれほど無念だったことだろうと さめざめ泣き出すタファン

 

しかし 今は悲しむ時ではなく

現状を見据え 敢然と立ち向かうべき時だと諭す皇太后

 

一方 スンニャンは

 

客人の着替えを運ぶ雑用係として ワン・ユの元を訪れる

チェ・ムソンと剣を交え 鍛錬するワン・ユを遠目に見つめるが

会いに来た相手はワン・ユでなく パン・シヌだった

 

それを見かけたチョンバギは なぜスンニャンが?と思い

ワン・ユに 何気なく2人が会っていることを告げてしまう

 

スンニャンとシヌは 怪しまれないよう次々に連絡方法を変えていた

今度は 衣服を届けることを口実にしていたのだ

 

手短に打ち合わせを終え 早々に立ち去ろうとするスンニャン

そこへ 憮然としてワン・ユが現れる

 

なぜ シヌへ下した任務を スンニャンが請け負っているのか…!

スンニャンは すべて自分が申し出たことだと シヌを庇った

 

『二度と… 私の前に現れてはいけない!』

 

ワン・ユは こうして訪ねるのも 自分を按じるのも禁ずるという

冷たく突き放すことこそが スンニャンを守ることだと信じて…!

 

傷心のスンニャンを見かけ タンギセが呼び止める

頬に残る涙の痕を 見逃さないタンギセ

 

『なぜ他の者のために泣く! お前を泣かせるのはこの私だけだ!』

 

そう言い捨て タンギセは高麗(コリョ)村へ向かう

村長マクセンが連行され 尋問が始まった

とぼけた皮肉混じりの答えなど タンギセには通用しない

 

よそ者の死体が 村の外へ運び出された件について

真実を話さなければ 村ごと焼き尽くすというタンギセ!

 

確かに 死体を運び出した人物はいるが… と口を濁すマクセン

運び出した張本人のペガン将軍が マクセンに向かって剣を突き出す!

その脅しが何を意味するか マクセンには分かっている

 

するとひとりの村人が “高麗(コリョ)王”と名乗る者だと叫んだ!!!

 

村長を庇い 自分たちを見捨てた廃王に恨みを晴らせるなら

真実などどうでもよかったのだろう

 

ペガンとタルタルは 一瞬 視線を合わせ ため息をつく

確かに自分たちが告発されることなく済んだが

何だか 話が複雑になってしまったと…

 

報告を受けた丞相ヨンチョルは すぐにワン・ユを呼びつける

 

なぜ 疫病が蔓延する村へ行ったのだと問われ

ワン・ユは 動じることなく即答する

“自分の民”に会いに行くのに なぜ疫病など恐れるのかと

 

ヨンチョルは ワン・ユに ただ警告するのみで放免した

タンギセは なぜもっと追及しないのかと 不満げに訴える

 

『有能で危険な人物であればこそ 近くに置くべきなのだ

それが 人の扱いというものだ!』

 

こんなことも分からないのかと ギロリと息子を睨むヨンチョルだった

 

スンニャンは 抜け殻のようになっていた

皇帝タファンに仕えながら 心ここにあらずで茫然としている

ワン・ユに疎んじられたことで 憔悴していた

 

タファンは そんな様子のスンニャンを責められなかった

今まさに自分も 同じ心境なのだ

先帝の死の真相を知り 血書の存在を知った今

ただ生き長らえるために 愚かな皇帝のままでいいのだろうか…

しかしだからといって 何をすればいいのか分からない

皇太后は ただ血書を捜してはならないと言うだけであった

 

同じく やるせない心境の者同志 酒でも飲もうと言い出すタファン

卑しい者と同席し 酒を飲むなど… と進言する侍従コルタ

しかし そうは言いつつ タファンの恋路を応援したいコルタだった

 

同じ時

 

ワン・ユは ヨンチョルに対抗する次の一手を考えていた

上奏文を使い 突破口を開くことが出来たのだ

ここで果敢に攻め 宮中を混乱させる策が必要だ

 

するとシヌが 妖術師の見世物で観た“アレ”を利用しては?と提案する

それは 一瞬にして文字が消えるという見世物であった

もちろん仕掛けはあるのだろうが 皆が妖術だと驚いたのだ

 

この大都には 妖術師を名乗る者が大勢いるのだという

どういう仕掛けでそうなるのか 調べれば分かるだろうと…!

 

夜も更けて

 

いよいよ困り果てたコルタが ヤンを下がらせては… と進言する

しかし したたかに酔ったタファンは 聞く耳を持たない

 

『今も… ワン・ユの隣にいたいのか? それとも… 私のそばがいいか?』

 

酔った勢いで聞いたタファンに

負けじと飲んだくれ 泥酔しているスンニャンが答える

スンニャンには 目の前のタファンが ワン・ユに見え始めていた

 

『思うまま 申してみよ』

 

そう急かすのは タファンでなく ワン・ユに見えているスンニャン

うっとりと鼻にかかった声になり 甘えた口調で拗ねてみせる

 

『お力になりたいだけなのに… なぜ分かってくれないのですかぁ…』

 

酔いつぶれたスンニャンを 寝台へ運ぶタファン

意識のないまま 皇帝が眠るべき寝台で 寝息を立てるスンニャン

その時 『王様…』とつぶやいたのを タファンは聞き逃さなかった

 

やはり スンニャンの心には ワン・ユが存在しているのだった

しかし何がどうであろうと ワン・ユに渡すことは出来ない

 

タファンは 意識のないスンニャンを どうしようかと考える

でも 同意なくどうにかなることは出来ず やがて眠りに落ちていく…

 

翌朝

 

2人を目覚めさせたのは 皇后の来訪を告げるコルタの叫び声だった…!

陛下は“お通じの最中”だと 実に苦しい言い訳で 皇后の入室を遮るコルタ

舌打ちをし 済んだら呼べと言い 一旦は立ち去る皇后タナシルリ

その隙に寝所から飛び出たスンニャンは お付きの尚宮の後方に並ぶ…!

 

再訪したタナシルリが スンニャンの存在に気づかぬはずがない

寝台の脇の食台に 2つ並ぶ盃を これもまた気づかぬはずがない

執拗なタナシルリの追及に 明確な答えを避けるタファン

雑用係として並ぶスンニャンは あり得ないほど酒臭かった

 

側室と過ごしても許せないタナシルリなのに

相手が雑用係とあれば みるみる怒りが込み上げる…!

スンニャンは 一緒に飲んだことを否定せず 挑戦的に睨み返す

その毅然とした居直りが さらにタナシルリの自尊心を傷つける

 

一方 パク・ブルファとチョンバギは

 

大都で有名な妖術師のもとを訪れていた

口の軽い妖術師は 文字が消える秘密は 特別な墨によるものだという

西域の謎の液体を混ぜた墨で書けば 湿気によって文字が消えると…!

 

ブルファは大金を積み その墨を譲り受ける

そして 湿気に触れても消えないという墨も譲り受けることを忘れなかった

さらに大金を積み すぐに大都を離れてくれと頼む

妖術師は金に目が眩み 二つ返事でそれを了承した

 

命令通り 妖術師から墨を手に入れたが

ワン・ユがそれをどう使うか 2人にはまったく分からなかった

 

『元の民が最も恐れるのは 丞相ではなく天だ

この墨で 天の呪いをかけてやる』

 

天気は下り坂で 今にも雨が落ちてきそうである

ワン・ユの目論見に 天も味方しているかのようであった

 

〈息子が失踪すると 父は恐れおののき 啼いて血を吐く

やがて犯人から書簡が届き それを見た父親は 家から出ようとしない

結局 息子は死んでしまった

捕えられた犯人は 都へ護送する途中 父親に 鉄槌で3度打たれた

これは前代未聞の事件である 殺された者の家門は没落してしまう

父親の処分が決まっておらぬゆえ 判断を求めるものである〉

 

ワン・ユが書いた“嘆願書”は まったく意味不明だった

これを提出すれば 司法担当の刑部の前に 貼り出される

 

さらにワン・ユは同じ物を何枚も書き 大都の民にも配布せよと命じた

息子を殺された父親が その犯人を殺したという文面は

よくありそうな事件であり 読んだ者の関心は低かった

 

しかし シヌの予報通り雨が降り出すと

貼り出された嘆願書に変化が起きる…!

ワン・ユが 何度も筆を替え 墨を違えて書いたのは

雨によって消える文字と 残る文字を書き分けていたのだ

そして 残った文字だけを辿ると…

 

“先の皇帝 血書 出ずる ヨンチョル 3代没落”

 

これは 西域の妖術の一種であるというタルタルの言葉に

都じゅうの妖術師を捕えろ!!! と激怒するヨンチョル

 

これを仕掛けた犯人が 血書を捜す者であれば なぜ公にしたのか…

タルタルは 怒りの矛先が自分たちに向かわぬためにも

ヨンチョルの命令通り 妖術師をすべて捕えるべきだという

 

ワン・ユは 側近たちに くれぐれも言動には気をつけろと忠告する

今は決してヨンチョルに弱みを握られてはならないのだ…!

 

その頃 高麗(コリョ)村では

 

村の様子を探る男が捕えられ 村長マクセンの前に引き摺り出されていた

その男とは 疫病に感染したヨム・ビョンスだった…!

同じ高麗(コリョ)の出身のよしみで

村に置いてほしいと 涙ながらに懇願するビョンス

 

きっとこの村に 隠された秘密があると

それを突き止めれば 再び出世の機会が巡って来ると信じるビョンスだった

 

貼り紙の文字が消えて 恐ろしい内容の文字が浮かび上がったことを知り

スンニャンは 慌ててワン・ユのもとへ走る…!

 

しかしワン・ユは スンニャンを完全に無視し立ち去ってしまう

そしてシヌに 自分の代わりにスンニャンを守るようにと命じる

 

同じく 貼り紙の内容を知った皇帝タファンは

すぐにも朝廷で 臣下たちと議論すると言い出す

すでに丞相の罪は 民の知るところとなった

今こそ丞相を追い詰める好機だと…!

 

皇太后とチャン・スニョンは 必死に皇帝の暴走を止める

 

血書の存在と 丞相の罪が示されたところで

証拠となる血書が見つからないままでは 単なる噂に過ぎないのだと

 

いずれにしても タファンが これほどまでに怒りを感じたことはない

ただただ生き延びるため 泣いて命乞いをした皇帝は

丞相に戦いを挑み 討ち勝とうとする意志を示すほどになっていた

 

丞相ヨンチョルは これまでになく追い詰められていた

しかし今まで 何度も危機はあったのだと 息子たちに言い放ち

皇帝を 大明殿へ呼び 直ちに私兵を召集せよと命ずる…!

 

皇帝タファンが 大明殿に入ると…

 

丞相ヨンチョルは 玉座から見下ろし 座したまま迎えた

タファンはその光景を目にした瞬間 怖気づいてしまう

あまりに大胆なヨンチョルの振る舞いに 侍従コルタは絶句し

スンニャンも 表情を強張らせたまま ただ進むしかない

 

しかし一行は その玉座の前に辿り着く前に 私兵に囲まれる!!!

 

この国の皇帝を私兵で取り囲むなど 明らかな謀反であるが

丞相ヨンチョルには それが許されているのが現状だ

タファンは 父親が書いたという血書のことなど 何も知らないと…

声を震わせ自分は何も知らないのだと 懇願するしかない…!

 

『陛下がご存知かどうか… どうでもいいことだ!

困るのは 陛下が何者かに操られ 利用されること…!

この国の民は 私を “皇帝の首を2度挿げ替えた男”と呼びます

ならば… 3度目があっても不思議ではない!』

 

今こそ丞相の罪を 朝廷で議論する時だと息巻いて

あれほど奮い立ったタファンは もうどこにもいない

一体どうすれば… と 今にも泣きそうに問うばかりである

 

丞相ヨンチョルは 何もしないことだと言い放つ!

生きながらの亡霊のごとく 何も考えず 何もしないことだと…!

 

消え入るような声で 何もしないと誓うタファン

自分が座るべき玉座の前で ヨンチョルに見下ろされたまま…

 

やがてヨンチョルの目くばせで タンギセが 私兵を下がらせる

包囲され 剣を突き付けられていたタファンは

侍従コルタに支えられ 立っているのがやっとである

 

その夜

 

タファンは 傷心のあまり寝付けなかった

今も恐怖心で震えが止まらない

真っ暗な庭園の 池にかかる橋に座り込み 憔悴し切っている

 

今の皇帝を慰められる者は スンニャンしかいないと

コルタが 傍へ行くよう命じた

 

しかしスンニャンでさえ 今のタファンには容易に近づけない

この上ない屈辱を受けたのは おそらく先ほどのことだけではないだろう

皇帝タファンは 飾り人形のように扱われても 屈辱に耐え生きているのだ

 

スンニャンは タファンと背中合わせに座り 目を閉じ耳を塞いだ

何も語らず ただ背中と背中をくっつけ タファンに寄り添う

 

そんな2人の光景を 通りかかったワン・ユの一行が目撃する…!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第15話 挑戦状

2017-07-20 13:30:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第15話 挑戦状 

 

スンニャンの腕を引っ張り タファンから守ったのはワン・ユだった

切なくスンニャンを呼び 扉のすぐ向こうにまで迫るタファン…!

侍従コルタは 息を切らしてようやく追いついた

足の速いヤンなら きっともう部屋だろうと促す

 

危険が去り ワン・ユは あらためて女の姿のスンニャンを見つめる

 

しかし今は 男女の情を確かめ合う時ではなかった

血書の存在について話し合わねばならない

ワン・ユは おそらく側近を疑うであろうヨンチョルに

自らその者の始末をさせようと考える

 

ひとつ間違えば 命を失いかねないと按ずるスンニャンだが

廃位された時 すでに自分は死んだのだというワン・ユ

復位を実現させるには 何としてもヨンチョルを倒さねばと…!

 

スンニャンは 自分も命を懸けて協力すると申し出る

復位がかなうなら どんなことでもするという

今は皇帝に仕える女官だが それでも変わらず王様の臣下なのだと

 

見回りの宦官が亥の刻を告げ もう帰らねばというワン・ユ

ひと目会いたくてスンニャンのもとへ来たが それは間違いだったと後悔する

 

※宦官:去勢を施された官吏

 

たとえスンニャンが危機に陥っても きっと助けてやることは出来ない

おそらく皇帝タファンであっても同様に 身を挺して守ることは不可能なのだ

 

その頃タファンは スンニャンの部屋で期待を膨らませていた

やがて現れた本人が 甘い妄想を打ち砕き お引き取りを!と言い放つ

先日 泥酔してどんな行動を取ったのか 覚えていないというなら

侍従コルタに聞いてみては?と 冷たい視線で睨み付けるスンニャン

 

部屋を追い出されたタファンは コルタに怒りをぶつける

一体 どんな行動でスンニャンを怒らせたのか…

コルタに聞いたところで分かるはずもなかった

 

翌朝

 

ワン・ユは いかにしてヨンチョルを怒らせるかを考えていた

絶対権力を持つヨンチョルが 最も憤る理由は何かと…

そして 上奏文を利用してきっかけを作ることを思いつく

 

しかし 厳重な警備の中 上奏文に細工するのは難しい

パン・シヌは スンニャンの協力なしでは無理だと判断する

表立って協力するといえば きっとワン・ユは拒むだろう

スンニャンは 密かにシヌと連絡を取り合い 協力を願い出ていたのだ

 

皇太后は 皇帝とワン・ユを招き 内輪の宴を開く

これを聞きつけた皇后タナシルリは 呼ばれもしない席に顔を出す

それを訝しみながら ワン・ユに酒をすすめる皇太后

 

そして 武勇に秀でたワン・ユの礼儀正しさを称えるが

学識のない礼儀は卑屈だと すぐに口を挟むタナシルリ

これに乗じて珍しく意見を同じくする皇帝タファン

 

『ワン・ユ殿に 学識がないとでもいうのですか!』

 

噂通りなら 気性が荒く女好きだという皇后に

自分の貴賓に対し無礼だと一喝する皇太后

 

ワン・ユは 気まずい雰囲気の中 皇后の言う通りだと答える

戦場にあれば気性も猛々しくなるだろうし 宴席の美女には心も踊ると

そう言って見つめられたタナシルリは 意識し過ぎてうろたえる

見事な切り返しを絶賛し ますます気に入って酒をすすめる皇太后

 

その時 タファンが唐突に 毎晩のように詩を読んでいると言い出し

字が読めるのですか?と半笑いで聞くタナシルリ

 

タファンが字を読めぬことは周知の事実であった

上奏文も読めず すべてはヨンチョル丞相が採決していく

タファンは 言われるままに玉璽を押すだけの存在なのだ

 

なぜ詩を読むなどと言ってしまったのか…

相思相愛のワン・ユとスンニャンの間に 割って入りたかったのか…

タファンは無謀にも スンニャンが毎晩朗読してくれる詩を詠み始める

しかし 記憶力も曖昧なうえに その意味を詠み説くことも出来ない

 

うろたえるタファンを助けるように お返しの詩を詠むワン・ユ

“国破れて山河在り…”という悲しげな詩に 涙ぐむスンニャン

全然なってない!と 意味も分からず貶すタファン

タナシルリは ワン・ユに加勢するように よく出来ていると褒めた

 

『実に良い詩を作りましたね』

『杜甫の「春望」です』

 

皇后の無知をたしなめるように 有名な詩の作者を示す皇太后

学識があるかどうかの点で タファンとタナシルリは似た者同士であった

 

ひとり先に退室したスンニャンは シヌの顔に“つけボクロ”を確認する

何か用がある時は ホクロで知らせることになっていた

事前に決めてあった待ち合わせ場所で 会う手筈になっている

 

タナシルリが ワン・ユを追いかけ呼び止める

そして 自分を皇后と知っても なぜ謝罪しないのかと詰め寄った…!

文武両道で礼儀を重んずる者が なぜこの国の皇后に礼を尽くさないのかと!

 

かつては高麗(コリョ)の王だった者に手を上げることが

この国の皇后の礼儀かと 皇后様こそ謝罪すべきだというワン・ユ

 

『そ…それは… まさかワン・ユ殿とは知らず』

『私も 皇后様だと知りませんでした ならば互いに忘れるべきでは?』

 

憮然として行ってしまうワン・ユを もう引き止めることは出来ない

タナシルリは ワン・ユに会うたび心を奪われていく…

 

一方 待ち合わせ場所で 小声で話し合うシヌとスンニャン

 

シヌは 上奏文を執務室に届けられるかと 単刀直入に聞く

このような密会は 素早く切り上げなければ非常に危険だった

それでもシヌは ワン・ユの本心だけは伝えたかった

冷たいから協力を拒むのではないと 思えばこその拒絶なのだと…

 

その夜

 

何事にもワン・ユに勝てなかったタファンは 悔しくて眠れない

コルタが 陛下の得意な蹴鞠で勝負しては?と提案する

それに気分を良くしたタファンは すぐに宦官を集めろ!と言い出す

そして スンニャンにも練習につき合えと命じる

 

同じ時 ワン・ユは上奏文を考えていた

敢えて字を知らないチョンバギに清書させる

ぎこちない筆運びで 意味も分からず まるで絵のように真似るチョンバギ

その不器用な筆跡で 上奏文は真実味を帯びて読めるのだ

 

その頃 蹴鞠の練習をするタファンは いつの間にかスンニャンと争っている

相手が皇帝でも容赦なく 鞠を奪ってしまうスンニャン!

威勢の良かったタファンも辟易し もうやめる!と言い出す

 

すると 寝所に帰る途中のタファンの前に ひとりの尚宮が飛び出し

抱いてください!と叫んで縋り付く…!!!

 

『ノ尚宮!!!』

 

後を追いかけてきたトクマンから逃れるように ノ尚宮が走っていく

あっけにとられるタファンに コルタが 正気ではないのだと説明する

 

ノ尚宮が 夢中で逃げた先は スンニャンの部屋だった

追いかけてきたトクマンが 事情を説明する

先帝の寵愛を受け 尚宮になったノ尚宮

しかし 先帝の死を受け入れられず正気を失ったのだという

掖庭宮の奥で世話をしているが 容体が悪化し度々逃げ出すのだと

 

一方 ヨム・ビョンスは

 

親衛隊長を殺した犯人を捜し 出世の糸口にしようと躍起になっていた

見当違いの者を拷問し もし犯人でないなら 犯人にするまでだと息巻く!

そこへ 殺した真犯人であるペガン将軍とタルタルが現れる

 

するとタルタルが ビョンスの異変に気づき脈診する

脂汗を滲ませるビョンスは 疫病にかかっているのだというタルタル

チョチャムが 悲鳴を上げビョンスの傍から飛びのく…!!!

 

牢へぶち込め!と命じながら 腑に落ちないペガン

外へ出ていないビョンスが なぜ疫病にかかるのか…

 

『死体です』

『……死体?!』

 

2人は 疫病が蔓延している高麗(コリョ)村に 親衛隊長の遺体を捨てた

その遺体が いつの間にか宮殿内の書庫に…

だとすれば 遺体を介してビョンスが感染してもおかしくないのだ

 

高麗(コリョ)村では

 

ワン・ユと側近たちが 再び村を訪れていた

戦の勝利で得た報奨金を すべて村に寄付したいというワン・ユだが

村長と村人たちは 廃王への恨みが深く 受け入れようとはしない

シヌとチョンバギは こんな奴らに寄付などしなくていいと吐き捨てる!

どんな思いで戦に勝ち 受け取った報奨金なのかと 悔しくてたまらない

 

ワン・ユは 今日のところは帰るとしよう そう言って引き下がる

しかし近道をしたいから 村を通らせてほしいと言い出す

 

『無論 通行料は払う 10歩ごとに金20両ではどうだ』

 

村長の返事を待たず 一行は歩数を数えながら村の中へ入る

そして10歩毎にシヌが 金20両を放っていく

最初はためらっていた村人たちだが やがて我先にと拾いにかかる…!

村長は抗議せず ただその様子を見守っていた

 

やがて 村の中心部にも行かぬ間に 金は底を突いてしまう

この先の“通行料”は ツケだと言い 手下に歩数を書き留めろという村長

何て強欲な!と憤慨するシヌたちだが ワン・ユは満足そうに笑う

ツケということは 今後の関係が持続することを意味するからである

 

その夜 皇帝タファンの寝所では

 

耳が痒いから耳掃除をしろと命じられ 嫌々ながら応じるスンニャン

この時を狙い タファンは ワン・ユを呼びつけていた

スンニャンの膝枕で耳掃除をする自分を 見せつけるためでもある

そして スンニャンを退室させ 蹴鞠の勝負を持ちかけるタファン

ワン・ユは少しも動じず 勝負には賭けが必須だと提案する

 

部屋に戻ったスンニャンは シヌから得た上奏文を広げどうすべきか考える

一箇所に集められた上奏文は 中身を確認されて上奏台に積まれる

そして中庭から渡り廊下を通り 執務室の皇帝の前へ差し出されるのだ

 

(すり替えるなら… 上奏文を運んでいる時しかない)

 

スンニャンは イ・ホンダンに頼み 渡り廊下を水拭きさせる

たっぷりの水で拭かれた廊下は 厳しい寒さで凍り滑りやすくなった

そして 思惑通りに転倒するチャン・スニョン

スンニャンは 散らばった上奏文をかき集めながら すり替えに成功する…!

 

やがて 皇帝タファンの前に上奏文が置かれる

タファンは 蹴鞠の開始時間が迫り落ち着かなかった

国事より蹴鞠が気になる皇帝を睨み付け お行きなさいと言うヨンチョル

そそくさと出て行くタファンには目もくれず 満足げに玉座に座る

 

女官や雑用係たちが 蹴鞠の競い合いを見物しようと集まり始めた

その様子を見た皇后タナシルリは 素直に見たいと言えず部屋に引きこもる

しかし 自分が行けば陛下も気合が入るだろうと…

皇后が見たい相手は 皇帝ではなくワン・ユであることを

ソ尚宮はすぐに感じ取り 意味ありげにほくそ笑むのだった

 

元と高麗(コリョ)の威信を懸けた競い合いとなり

両者は 決して負けられないと士気を高めていく…!

 

遅れて現れたタナシルリは すまし顔で皇太后の隣に座る

ほとんどの者が競い合いの行方を見守る中

丞相ヨンチョルはひとり玉座で スンニャンが忍ばせた上奏文を開く…!

 

“先帝の慟哭は地に埋められ ヨンチョルの笑いは天を衝く

先帝の血書が現れる日 天は激怒し血の雨が降る”

 

それはまさに 血書の存在を知る者からの挑戦状であった!!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第14話 血書の存在

2017-07-11 11:35:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第14話 血書の存在 

 

スンニャンは ようやく起き上がれるまでに快復していた

それは 皇帝がつかわした主治医による煎じ薬のおかげだと聞き

タファンが見舞いに来たのだと知り 戸惑うスンニャン

トクマンは 二度と不忠をしてはならぬと戒めた

 

タファンは ワン・ユが チュルクの討伐に成功したとの報告に

朝から酒を煽り 現れたスンニャンをも拒絶する

 

『私の許可なく 掖庭宮から出てはならぬ!』

 

※チュルク:中央アジアの遊牧民

※掖庭宮:皇后・妃嬪が住む宮殿

 

女官の部屋へまで 見舞いに来てくれたタファン

その変貌ぶりに スンニャンは戸惑いながらも 退室するしかなかった

 

ワン・ユが生還したことは 皇后タナシルリの耳にも入る

ソ尚宮が 実に凶暴で女好きな男だと報告し

廃位されたとはいえ 高麗(コリョ)の王だった者に

それでも誰か世話係をつけなければと ため息をつく

それなら ヤンを行かせればよいというタナシルリ

 

スンニャンに恨みを抱くタナシルリは 凶暴だというワン・ユに付かせ

酷い目に遭わせて復讐をしたかったのだ

 

廃王ワン・ユの凛々しい容姿に 女官も雑用係たちも うっとりとしている

凶暴で女好きだという噂とは 到底かけ離れていた

 

ワン・ユは 女官の中に スンニャンの姿がないことに気づく

シヌたち側近も ここにいるなら出迎える筈なのに… と

 

将軍ペガンとタルタル そしてワン・ユが 皇帝タファンに謁見する

丞相ヨンチョルが 功績に値する十分な褒美を与えねばと進言し

まずは将軍ペガンに 酒を注いでやろうというタファン

しかしペガンは 自分の功績ではないとはっきり否定した

この勝利は すべてワン・ユの部隊の功績であると…!

それは ヨンチョルの次男タプジャヘも 認めるしかない事実だった

 

皆で得た勝利だと 控えめに功績を否定するワン・ユ

自らの功績を否定する廃王に 思わず笑い出すヨンチョル

タファンは ワン・ユに 金1千両と銀1万両を与え

将軍ペガンには守備司令官の地位を与えた

 

その頃 掖庭宮では

 

高麗(コリョ)の廃王が帰還したと イ・ホンダンが大はしゃぎしている

しかも 戦で大きな手柄を立てたと言い終わらぬうちに

スンニャンは 夢中で走り出す…!!!

 

ワン・ユの行列を追いかけながら 心で叫ぶスンニャン

自分はここにいると… こちらを向いてくださいと…!!!

女官の身のスンニャンが たとえ廃位されたとはいえ

高麗(コリョ)の王だった者に話しかけ 歩みを止めることは許されないのだ

 

宿舎となる離宮に入ったワン・ユは スンニャンを見たと言い出す

あの場では気づかぬふりをしたが しっかりとスンニャンを確認したのだ

パン・シヌは 友人のトクマンに掛け合い 会えるように手配するという

そこへ 皇帝から再びの呼び出しが入る

公の謁見ではなく 2人だけで話したいと

 

2人が初めてあったのは 高麗(コリョ)の宮殿である

ワン・ユは王であり タファンは 元の皇太子として人質の身であった

自国の民も守れない王が 敵国の人質を守るという屈辱…!

腑抜け同然だったタファンの胸倉を掴み その腹立ちをぶつけていた

 

すっかり立場が変わってしまったというタファン

そして 自分の命を守ったのはスンニャンであり

そのスンニャンが女となって 今は自分のもとにいると…!

 

『スンニャンを帰国させてください』

『貢女が帰国すれば 皆に軽蔑されるのでは?』

 

※貢女:高麗(コリョ)が元への貢ぎ物とした女性

 

『帰国させた方が スンニャンは幸せになれます』

『私が幸せにしてやる!』

『本人がそれを望みますか?!』

『スンニャンの運命は 皇帝の私が決める!!!』

『では 陛下の運命を決めるのは誰ですか?

玉璽も自分の意思で押せない皇帝が 人の運命を決めると?』

『黙れ!!!』

 

同じ時 パン・シヌとトクマンは 久しぶりの再会で話に花が咲く

常に苦虫を噛み潰したようなトクマンも 満面の笑みになる

 

和んだところで スンニャンの件を持ち出すシヌだが

女官を 皇帝以外の男に会わせるなど もってのほかだった

 

『だから高麗(コリョ)の者であるお前に頼んでる!』

『今の私は 元の後宮に仕える身だ!』

 

※後宮:后妃や女官たちが住む宮中の奥御殿

 

四角四面なトクマンに 必死になって懇願し続けるシヌ!

その願い叶って まずはシヌが スンニャンの部屋へ…!

女として再会するのは初めてだった

 

スンニャンは そんなことよりワン・ユの無事を心から喜んだ

するとシヌが 今夜 戌の刻に 庭園の中の仏塔に来いと言い出す

そこで 王様に会えると言われ 驚きで言葉を失うスンニャンだった

 

※戌の刻:午後7時~9時

 

一方 皇后タナシルリは

朝に夕にと 皇太后殿への挨拶参りを欠かさない日々が続いていた

廃位もやむなしという 立場の危うさを思えば

席藁待罪(ソッコテジェ)だけで済んだことは 大いに喜ばしい

これ以上 立場が悪くならないよう 極めて低姿勢に振る舞うのだった

 

※席藁待罪(ソッコテジェ):喪服を着て藁の筵に跪き王の許しを請う行為

 

皇太后は そんなタナシルリのために 煎じ薬を用意したという

それは懐妊を促す効果があるものだと…

 

『この宮中で 世継ぎを産まずに 皇后の座を守ることは出来ません』

 

あまりの屈辱に ワナワナと震えだすタナシルリ

そこまで気遣ってくれていたとは… という嫌みも皇太后には通用しない

 

『まさか 私が皇后を憎んでいるとでも?』

 

挑発に乗ってはいけないと 必死に笑顔を作るタナシルリ

皇太后は 厳しい表情で もっと努力すべきであると言い放つ…!

皇帝タファンが 寝所に現れないのに どうやって懐妊しろというのか

 

そんな皇后に ソ尚宮が入れ知恵をする

満月の夜に 庭園の仏塔に祈りを捧げれば 子が授かるというのだ

 

懐妊を祈願するなど 焦っているようでしたくないというタナシルリ

しかし 歴代の皇后は 皆様が祈願していると 強く進言するソ尚宮

 

『今は 藁にもすがって動くべきです!』

『それでも誇りは捨てられぬ!』

 

懐妊できない方がよっぽど… と言いかけて押し黙るソ尚宮

これ以上怒らせては 皇后付き尚宮の役職を失いかねない

 

やがて戌の刻が近づき

 

ワン・ユは 鏡が擦り減るとからかわれながらも 身支度に余念がない

ムソンもシヌも そんな主君を 容赦なくからかい続けるのだった

スンニャンもまた 再会の時を待ちわびて 勝手に笑みがこぼれてしまう

 

そんな2人の想いに気づいた皇帝タファン

スンニャンは 決して陛下の意のままにはならないと言い切ったワン・ユ

しかしタファンは 必ずこの“皇帝”の意のままにしてやるとつぶやく…!

 

一方 皇后タナシルリは

ソ尚宮の忠言通り 庭園の仏塔の前で懐妊祈願の祈りを捧げていた

その光景を 遠くから冷ややかに見つめ ほくそ笑む皇太后

たとえ何万回祈ろうと その腹に子は宿らぬと…!

 

懐妊祈願する姿を 誰にも見られたくないタナシルリは

仏塔に人を近づけないようにと命じていた

なのに 背後から何者かが近づく気配がする…!

タナシルリは 慌てて祭壇の裏手に隠れた

 

ろうそくの炎の灯りに映し出されたその顔を見て 心を奪われるタナシルリ

そして 突然現れたその者は 高麗(コリョ)の廃王だと気づく

やはり気配を感じたワン・ユが 隠れているタナシルリの背後に回った…!

 

下着姿のタナシルリを まさか皇后だとは思いもしないワン・ユ

見たところ 雑用係ではないだろうが 女官なのか?と問いかける

ここは男子禁制だと 早く出て行くようにと言い捨て

立ち去ろうとするタナシルリの 腕を掴み引き止めるワン・ユ

 

思わず『無礼者!!!』と叫び ワン・ユの頬を打つタナシルリ!

この気性の荒い女人を見ていると なぜかスンニャンを思い出す

出て行かなければ 叫んで人を呼ぶと言うタナシルリ

その気の強さが懐かしく 叫ぶなら叫べと言い放つワン・ユ

 

『こんな夜中に 見知らぬ男といるお前も 当然責められることになる

時が来れば言われなくても出て行く! 何だその横柄な口の利き方は!』

 

相手の事情も聞かず いきなり頬を打つなど なんて傲慢な女官だと諫める!

 

この者が廃王なら いずれ自分が皇后だと知ることになる

その時の顔が見ものだと タナシルリは ワン・ユを睨み付け立ち去った

 

何と言われようが ここでスンニャンと待ち合わせたのだ

約束の時間が近づき 今か今かと待ちわびるワン・ユだった

 

しかしスンニャンは ワン・ユのもとへは行けなかった

突然に現れたタファンが 襲いかかって来たのだ…!!!

 

『ワン・ユのもとへ 行ってはならぬ…!』

 

必死に拒むスンニャンに 相手がワン・ユでも拒むのかと…!

自らの思いを語るタファンを振り切り スンニャンは部屋を飛び出す!!!

しかし 約束の場所に もうワン・ユの姿はなかった

 

あんなに張り切って出て行ったワン・ユが 意気消沈して戻り

シヌとムソンは かける言葉も見つからない

女の姿のスンニャンと対面した シヌの話を聞き

元気そうならそれだけで十分だと 言葉とは裏腹に寂しげなワン・ユだった

 

同じ時 丞相ヨンチョルは2人の息子を呼び出し

先帝を毒殺した時のことを語り始めた

ヨンチョルは その亡骸の指先から血が滴っているのを見て

おそらく死の直前に血書を書いたのだと推察した

 

しかし その血書は未だに見つかってはいない

そして問題なのは 血書を探す者が他にもいるということであり

その人物を把握できていないという現状である

 

そこへ 親衛隊長が 血書を探す者を知っているという人物の存在を報告する

その者に会うべく 妓楼に行く親衛隊長

しかし そこで待っていたのは ペガン将軍とタルタルであった…!

既に 2人によって会うべき者は殺され 親衛隊長も殺されてしまう

 

ペガンは 是が非でも血書を手に入れたかった

ヨンチョルを丞相の座から引き摺り下ろし 自ら権力を得るにはそれしかないと

 

やがて宴の時が迫り 皇后タナシルリは 着ていく服が決まらず激昂していた

あの無礼極まりない高麗(コリョ)の廃王に対し 威厳を示さねばならない

雑用係でも女官でもなく この国の皇后なのだと…!!!

 

廃王ワン・ユの世話係には スンニャンを差し向ける筈だったが

大明殿で働く者を異動されるのは難しいというソ尚宮

しかし すでにタナシルリの心は変わっていた 離宮には別の者を送ると

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

歌舞が催される宴の席で ヨンチョルは ワン・ゴに話しかける

この宴は ワン・ゴの歓送会も兼ねているというのだ

 

高麗(コリョ)の王権を得るため 丞相に頼ったワン・ゴである

しかし 丞相ヨンチョルは すべてを諦め穏やかに余生を過ごせと言う

ワナワナと震えだし 怒りをあらわにするワン・ゴ

しかしこの場では 抗議することも縋り付くことも出来ない…!

 

そこへ 皇帝タファンをはじめとする王族が入場する

 

皇帝付きの女官として 列の後方にはスンニャンも加わっている

スンニャンは そこで初めてワン・ユの姿を見た

 

この宴は 辺境の地で手柄を立てた者たちを慰労する宴であり

高麗(コリョ)の廃王を迎える宴でもある

皇太后に挨拶しながら ワン・ユは 何度もスンニャンの方を見た

その視線のやり取りに気づいているのは 皇帝タファンだけであった

 

すると皇太后が

 

元の王室の姫君を ワン・ユに嫁がせたいと言い出す

婚姻など… と答えるワン・ユだったが 皇太后は極めて積極的だった

 

『両国は 代々から姻戚関係なのです どうですか? 丞相』

 

それには答えず 早く宴を進めましょうというヨンチョル

さらに遅れて 皇后タナシルリが入場する

美しく着飾ったタナシルリの姿に ワン・ユは動揺する

身分を知らなかったとはいえ この国の皇后を叱り飛ばしてしまった

その動揺した表情を楽しみながら 挨拶するタナシルリ

 

戦場を駆け勇敢に戦いながら 一方ではコムンゴをたしなむというワン・ユ

是非とも コムンゴを奏でる姿を見たいという皇太后

皇后タナシルリも 是非にと演奏を望み ワン・ユは応じるしかない

 

整った精悍な顔立ちの廃王が 美しい音色を奏でる姿に

女官たちが うっとりと聴き惚れている

ほほう… という表情で聴く皇太后

そしてタナシルリもまた 恍惚とした表情で悩ましくため息をつく

 

ワン・ユは ただスンニャンのためにだけ演奏していた

まだ スンニャンが男装していた頃 コムンゴの演奏を教えたことがある

男同士なのに なぜあの時 ときめいてしまったのか… 今なら分かる

 

女官の姿のスンニャンが 片時も視線を外さずに聴いていてくれる

今はただそれだけでいいのだと ワン・ユは時を忘れて演奏する

 

その美しい音色を遮ったのは 宴の場に駆け込んできたトクマンだった…!

親衛隊長が 遺体で発見されたというのだ!

守備司令官として 真っ先に立ち上がり調査に乗り出すペガン

 

殺した遺体は 大都のはずれの高麗(コリョ)村の井戸に捨てたのだ

高麗(コリョ)村では疫病が発生しており 遺体がひとつ増えても問題ないと

それがなぜ 宮殿内の書庫で 首を吊った状態で発見されるのか…

 

一体どうして… と相談する暇もなく タンギセとタプジャヘが現れた

遺体の首には ふたつの後がくっきりと浮かんでいる

つまり 絞殺された後に吊るされたのだと推理するタンギセ

 

タルタルは 混乱を起こさないためにも 内密に調査すべきだと進言する

それを受け ペガンは 宴の席に戻り 親衛隊長の死を“自殺”だと報告した

 

皇帝への報告後 ヨンチョルが遺体を確認し 犯人を捜せと命じた

自ら親衛隊長を殺しながら その犯人を捜さねばならないペガン

なぜペガンに…! と憤るタンギセだが 兄弟は血書探しを続行することに

 

この一部始終を 物陰からヨム・ビョンスが目撃し 血書の存在を知る…!

そして 血書さえ見つけられれば出世の糸口になるとほくそ笑むのだった

 

一方 ワン・ユは 高麗(コリョ)村に来ていた

 

この国に連行された高麗(コリョ)人が 身を寄せて暮らす村である

しかし ひと足先に偵察に来ていたチョンバギが 村には入れないという

疫病が蔓延し 村は酷い有様だとの報告だが

それでもワン・ユは無視し 自ら村へ続く道を歩いて行く…!

 

主君が行くのに 側近が逃げるわけにもいかず

渋々後に続くムソンとシヌ そしてチョンバギとブルファ…!

村長マクセンは 廃王が来たと知り怒りを剥き出しにする

それを聞きつけた村人たちも 手に農具を振りかざし今にも襲いかかろうとする

 

『昨日から変な奴らばかり来る! 井戸から遺体を引き上げたり…』

 

その言葉に ハッとして振り返るワン・ユ

一度は王だった者として この村へ来るべきだといったのはワン・ゴだった

そしてワン・ゴは 親衛隊長の自害が腑に落ちないとも…

 

真夜中に ワン・ゴの部屋を訪ねるワン・ユ

あの村へ行けば 必ず訪ねて来ると確信していたのか 酒の用意がされている

そこでワン・ゴは 協力して丞相を消さないかと持ちかける

丞相さえ始末すれば 復位の道もあり得ると…!

 

王にはなれず 忠臣にもなれなかったと嘆くワン・ゴ

飼い犬のように丞相に尽くしてきた十数年の歳月

しかし末路は 用済みの者としてあっさりと捨てられる運命だったのだ

 

『なぜ親衛隊長を殺す必要が?』

『殺したのは私ではない ただ宮中に遺体を運んだだけだ』

 

ここでワン・ユは 初めて血書の存在を知る

誰であれ 丞相が先帝を殺したという証拠というべき血書を手にした者が

丞相を蹴落とし この国を我がものに出来るのだと

 

いずれにしてもワン・ゴは この国を去るしかない

この情報は せめてもの贈り物だという

 

宮中にあるはずの血書を探すには 宮中に詳しい者の協力が必要だ

ワン・ユの頭に浮かぶのは スンニャンの存在しかない

真夜中に スンニャンを呼び出すのは不可能だというシヌ

ならばこちらから行くまでと ワン・ユはひとり掖庭宮を目指す…!

 

同じ時 スンニャンは 皇帝タファンの寝所にいた

自分が寝付くまで いや 寝付いても書籍を1冊朗読して去れというタファン

そして 朗読する以外は口を利いてはならぬと!

 

やがて寝入ってしまうタファン

目覚めた時に スンニャンの姿はなかった

きっとワン・ユのもとへ行くのだと…!

タファンもまた 掖庭宮を目指す!

 

見回りの宦官の目をすり抜け 掖庭宮を目指すワン・ユ

コルタら側近を振り切って 掖庭宮の中 スンニャンを捜すタファン

 

今にもタファンに見つかりそうになったスンニャンを

物陰から誰かが引っ張り 強く引き寄せ口を塞ぐ…!!!

 

(王様…!)

(スンニャン…)

 

扉の向こうには スンニャンを呼ぶ皇帝タファンの声が響き渡る!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第13話 届かぬ思い

2017-06-25 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第13話 届かぬ思い 

 

『何しにここへ?』

『皇帝陛下にお話があり…』

『あざ笑いにでも来たのか?! 所詮王座など この程度だと?

こんなものの為に お前を裏切って即位したのかと?!!!』

 

どんなに挑発しようと 自分は何もしない

スンニャンは 何も期待しないでほしいとだけ告げる

陛下のためには何ひとつしないと…!

 

本当は そんなことを言うためにここへ来たのではない

パク・オジンの再診を命令してほしいと告げに来たのだ

しかし スンニャンが頼まずとも 再診は既に決定されていた

 

ソ尚宮により 尋問の場へ引き摺り出されるパク・オジン!

尋問に立ち合うため現れた皇太后は

同じく現れた皇后タナシルリの前を 憤然として通り過ぎる

そんな態度も すべては再診が終わるまでと ほくそ笑むタナシルリ

 

皇帝の子を宿したパク・オジンは

再診で 懐妊していないと分かれば すぐに処刑されてしまう

その後ろ盾になっている皇太后も 無事では済まされないのだ

 

皇帝タファンではなく 丞相ヨンチョルの命令で 医官が脈診する

滑脈が消えたと証言した医官は 次第に蒼ざめていく…!

懐妊ではないと密告してきた この医官を信じ 再診の場を設けたヨンチョル

しかしなぜ医官が 泣きそうになってうろたえているのか…!

 

異変に気づき ヨンチョルは他の医官に脈診させるが

いずれも滑脈が感じられると… ご懐妊ですと叫ぶ医官たち…!

 

タナシルリが狼狽し タンギセが ヨンファを睨み付ける

確かにフジモドキを飲ませたと ヨンファは蒼ざめて答える…!

 

微かに ニヤリと笑みを浮かべるスンニャン

 

パク・オジンの頻尿を知り 煎じ薬の内容を変えてくれるようにと

密かに トクマンに願い出ていたスンニャンだった

フジモドキの毒を中和させ 流産はくい止めることが出来た

しかし弱り切った体では 尋問の場に行くことは無理だというトクマン…!

 

『ダメです 皇后様が自らかけた罠で 逆に追い詰めるのです!

どちらかが倒れなければ 戦いを終わらせられないのです』

 

この日のため スンニャンは 医官の脈診の際

オジンの寝台に潜り込み 御簾越しに自分の手を差し出したのだ

滑脈が消え 懐妊ではないと 皇帝タファンや皇太后にも信じ込ませた

この医官が密告に走ることも承知の上で…!

 

懐妊を祝う言葉で この場を終わらせようとするヨンチョル

それで済むと思うか!と 声を荒げる皇太后…!!!

噂に惑わされ再診を要求し 皇室の権威を失墜させた皇后の罪は?!

 

そこで皇帝タファンが 何を根拠に懐妊を嘘と思ったのかと問う

もともと確固とした考えなどない娘 皇后タナシルリである

丞相ヨンチョルは これ以上娘が失言しないよう

自らの罪を認め 皇后には 相応に罪を償わせるとした

 

どんな償いをさせるのかと 鼻で笑う皇太后

ヨンチョルは 席藁待罪(ソッコテジェ)だと即答する…!

地位ある者にとって最大の屈辱となる 席藁待罪(ソッコテジェ)!

 

※席藁待罪(ソッコテジェ):喪服を着て藁の筵に跪き王の許しを請う行為

 

しかし皇太后は それで納得する気はなかった

噂を鵜呑みにした皇后も愚かだが 噂を流した者も大罪であると!

 

『それまでに!!!』

 

またも言い争う皇太后と丞相に 皇帝タファンはうんざりしていた

その陰で睨み合う タンギセとスンニャン…!

2人きりになり 何を企んでいるんだと凄むタンギセに

スンニャンは 皇后から預かった証書を見せ不敵に笑う…!

 

それは 無事任務を果たせば自由にしてやるという文面に

皇后自身が押印している まさに皇后が黒幕だという証拠であった

2人の過去にどんな経緯があろうとも この元の国において

タンギセは 皇后の兄であり将軍であった

高麗(コリョ)出身の雑用係スンニャンが ここで悲鳴を上げれば…

スンニャンを殺す前に 悲鳴を聞きつけ人が来てしまう

 

『愚か者め! 廃位された王のために復讐するつもりか?!』

『王様のためではない お前は… 私の母を殺したのだ!』

 

タンギセは 自分でも思いがけなく衝撃を受けた

不覚にも 本気で愛し始めた女の母親を この手で殺していたのかと…

 

この2人のやり取りを 物陰からコルタが聞いていた

 

皇后タナシルリは 下着姿になり大明殿へ向かう

激しく号泣し 無念を示すソ尚宮と女官たち

しかし 哀れみを受けることは さらにタナシルリの誇りを傷つけた

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

雷鳴が轟き 激しく雨が降り出した

ずぶ濡れになりながら 謝罪の言葉を叫ぶ皇后タナシルリ

あまりに痛ましい妹の姿に 耐え切れず助けに行こうとするタンギセ

父ヨンチョルは それを引き止め堪えよと命じる

劣勢にある時ほど身を低くし 首を守らねばならぬと…!

 

『廃位と引き換えの罰なのだ 耐えるしかあるまい…!』

 

タファンは 皇后が病でも患ったらと心配し やめさせようとする

そんなことより パク・オジンを才人にすべきだと諫める皇太后…!

 

※才人:後宮の最下等に近い位

 

歳月により権力は衰えるのだと だからこそオジンに世継ぎを産ませ

本当の意味での こちら側の臣下を作る必要があると!!!

 

夜になっても 皇后の席藁待罪(ソッコテジェ)は続いていた

雨こそ上がったものの 寒さの中で震える皇后タナシルリ

決して… 決して涙など見せぬと心で叫びながら 気を失ってしまう…!

 

意識が戻らないまま 寝所に運ばれていくタナシルリ

そして同じ時 パク・オジンが才人として任命された

すべては自分の落ち度と 父ヨンチョルの前で頭を下げるタンギセ

ヨンチョルは その失敗にではなく 弱音を吐く息子に激怒する…!!!

 

一族を継ぐ者であれば 決して弱音を表に出してはならぬ

たとえ身内の前であっても 常に冷静で強い自分を保てと…!

 

そこへ ワン・ゴが チョチャムを伴い現れる

タプジャヘ将軍の 西の辺境での戦況を知らせにやって来たのである

息子タプジャヘを除く すべての者が討ち死にし全滅したと…!

ペガン将軍のみならず ワン・ユも命を落としたのいうのである

 

西の辺境では

 

チュルクの本陣に 捕らわれの身となっているペガンとタルタル

そしてヨム・ビョンスの前に パン・シヌとチョンバギが現れた…!

 

※チュルク:中央アジアの遊牧民

 

ここを襲ったのは タプジャヘ将軍ではなかった

ワン・ユ率いる労役兵の部隊なのだと知り 愕然とするペガンたち!

 

『この労役兵たちは お前たちの死を望んでいる』

 

生きて戻りたいならば チュルクを全滅させ手柄を立てるべきだと

この辺境へ来た時 ペガンは ワン・ユに言い放ったのだ

その通りにしたまでのことというワン・ユ

 

チュルクへ寝返れば 命を助けると言ったパトル

しかしペガンは応じず 名誉の死を選んだ

そして今 同じことをワン・ユの前で言い放つ…!

 

ワン・ユが振り下ろした剣は 縄だけを切る

そして 共に大都を目指すというワン・ユ

続いて荷車が運ばれ そこにはパトルの亡骸が…!

 

ペガンが仮面を剥ぎ取ると それはパトルの側近の姿だった

本物の猛将パトルが女であることを知らないペガンたちは

ワン・ユが 完全にチュルクを全滅させたのだと信じる

 

ペガンと同様に パトルは死を望んだのだ

しかし 敵の敵は味方であり 高麗(コリョ)とチュルクは

敵同士ではないというワン・ユ

絹の道は 必ずや高麗(コリョ)とチュルクのものになると…!

 

パトルは 初めて自らの本名は “ヨンビス”であると明かした

それが ワン・ユに対する答えであった…!

 

一方 スンニャンは 雑用係から女官に抜擢され 個人の部屋を与えられる

そんなスンニャンを殺せと 部下に命じるタンギセ

一族を担う者として たとえ心を寄せる女であっても情はかけられぬ

この先 脅威となる存在のスンニャンを 決して生かしてはおけないのだ…!

 

トクマンが呼んでいると スンニャンを呼び出したのはヨンファだった

それを信じ 夜中の宮殿内を トクマンの執務室へ急ぐスンニャン

その背後を怪しい影が尾行している

角を曲がったところで その影は コルタの部下により取り押さえられた…!

 

命を狙われていることに気づかず歩いて行くスンニャン

それを コルタが呼び止め 皇帝タファンのもとへ連れて行く

皇后の書付けを出せと 唐突に言われ うろたえるスンニャン…!

宦官らに取り押さえられ 懐の書付けが奪われてしまう

 

復讐のための希望であり この宮中でタンギセから身を守るためにも

スンニャンの命綱とも言えるべき書付けが タファンにより焼かれてしまう!

 

続いてタファンは スンニャンを殺そうとした者に会いに行く

しかし 捕らわれた刺客は自ら舌を噛み絶命していた…!

 

コルタが タンギセとスンニャンの会話を盗み聞いたことで

ようやくスンニャンの目的が分かったタファン

すべては タンギセからスンニャンの命を守ろうとしてのことだった

 

恐らく 何度失敗しようと 皇后とタンギセはスンニャンを狙うだろう

確実にその脅威から守るため タファンは スンニャンを大明殿へ移せと命じ

これ以上の非情なる行いは 断じて許せぬと激怒し 皇后のもとへ…!

 

そんなこととは知らず 皇帝が来てくれると胸を高鳴らせ

高熱にもかかわらず 身支度を整えるタナシルリ

 

『そなたは… 少しも悔いるということをしないのだな』

 

『…何を悔いればよいのですか? 陛下がこうして来てくれました

私と視線を合わせ話してくださいます 一体… 何を悔いれば?』

 

丞相の娘に生まれ ある意味では 宮廷を牛耳るための道具にされた

そんな自分に 皇帝が心を許すはずもない

でも… 抜け殻のように接する皇帝に 寂しさだけが募っていく

 

こんなことでもしなければ 自分のもとへは来てくれないと

タナシルリは 絶叫して訴える

ここへ嫁げと命じた父親を恨むと…!

 

そんなタナシルリの女心に触れ 言葉を失うタファン

それでも この皇后に対し 優しい言葉をかけることは出来ないと

無言で出て行くタファンであった…

 

大明殿へ移されたスンニャンは コルタから説明を受ける

仕事内容は 皇帝陛下の世話係であり 陛下から3歩以上離れるなと…

それこそ スンニャンの命を守るために タファンが考えた策であった

 

この宮廷では スンニャンではなく あくまでも“キ・ヤン”である

ヤンが来たと聞き 思わず笑顔が込み上げるタファン

皇帝としての威厳を見せつつ ヤンを目の前に立たせる

肖像を描いてやるから一瞬も動いてはならぬと…!

 

筆を動かしながら これまで聞きたかったことを口にするタファン

 

なぜ 連行されてすぐに自分を訪ねなかったのか

なぜ 女だという事実を明かさなかったのか

そして… 自分を恨んでいるかと…

 

すべての質問を無視し この宮中から出たいと訴えるスンニャン

質問はしたが 答えることを禁じ 訴えも無視するタファンであった

 

夜も更けて床についたタファン

その枕元で詩を朗読するスンニャン

 

『私を… 宮中から出してください』

 

眠れないタファンが口を開けば スンニャンは同じ言葉を繰り返す

聞かぬフリをしたくても もうタファンも我慢の限界だった

 

なぜそこまでして宮中から出たいのか…

スンニャンの答えはただひとつ ワン・ユ王を捜したいのだ

廃位したワン・ユを 今も“王様”と呼ぶスンニャン

 

元の国の 皇帝の寝所にいながら 今もワン・ユを主だと…

たとえ体はここにあろうと 自分の主は今も変わらないのだと…!

 

『この世に不変なものなどありはしない!

身分や境遇が変われば そなたの主も変わるのだ!!!』

 

女官にして傍においても スンニャンの心は得られないと

タファンは失望して下がれと命じた

 

退室するスンニャンを コルタが待ち構え

すでにワン・ユは死んだと告げる…!

詳細はチャン・スニョンが知っていると

そして 今度陛下に無礼を働けば 決して許しはしないと…!!!

 

ワン・ユだけではない ペガンもタルタルも

西の辺境の者たちはすべて戦死したと コルタは 皇帝タファンにも報告した

その報告に驚き そしてスンニャンの心中を察するタファンであった

 

スンニャンは衝撃を受け 涙が止まらない

唯一の希望であったワン・ユの死は 耐え難い悲しみであり

それ以来 食事も満足に出来ないスンニャンは 見るからにやつれていた

 

そんなスンニャンに 毒味係の任務を与えるタファン

皇帝が 勝手に毒味係を替えるなど たとえ掟に反するとしても

タファンは スンニャンに食事をさせたかったのだ

 

食事の後 夜の庭園を散歩する タファンとスンニャン

何度もおどけては スンニャンをからかうタファン

思わず仕返しに!とふざけて 微かに笑みを浮かべるスンニャン

タファンは 少しでもスンニャンが笑ってくれた それだけで満足だった

 

同じ時 ワン・ユは 元の都 大都を目指していた

一刻も早くスンニャンのもとへと…!

 

あとひとつ山越えすればいいだけだが タルタルは野営をと提案する

もう2日間も駆け通しで タプジャヘも 馬も休めねばというが

ワン・ユの一行は 構わず先に行く

 

なぜあんなにも急ぐのだと 怪訝そうな表情のペガンに

ヨム・ビョンスが スンニャンに会いに行くのだと説明する

そしてそのスンニャンは 男ではなく女なのだと…!

 

山越えをして都に入ったのは 夜も更けてからだった

パン・シヌが 皇宮へ行くのは明日にしましょうと促し

チョンバギが宿を探しに行くが この時間では妓楼しか開いていない

するとそこには 泥酔して喚き散らすワン・ゴが…!

 

死んだと伝え聞いたワン・ユが目の前に現れ 驚くチョチャム!

両者は 思わぬ形で再開することになった

 

塩の密売に手を染め そうまでしてヨンチョル丞相に取り入ったのにと

こんなところでヤケ酒を煽る叔父に 皮肉を言うワン・ユ

無事に生還したところで 決して安心など出来ない

元の国の皇宮は それほどに恐ろしいところなのだというワン・ゴ

しかしワン・ユは そんな叔父の苦言など相手にする気はなかった

 

皇宮では

 

ついに体調を崩し 寝込んでしまったスンニャンのため

皇帝の主治医に診させよと命じるタファン

女官の主治医など 考えられないことだというコルタだが

タファンの逆鱗に触れ 慌てて主治医を呼びに行く…!

 

スンニャンは 高熱にうかされワン・ユの夢を見ていた

夢の中で タンギセに斬り殺されるワン・ユの姿に

思わず『王様…!』と叫ぶスンニャン…

 

そこへ チャン・スニョンが ペガン将軍の帰還を報告しに来る!

 

ペガンが生還したということは…

西の辺境の部隊が全滅したというのが 誤報であるならば…

 

『あの者は… あの者はどうしたのだ?』

『一緒に戻りました』

『生きて… 戻ったのか』

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村