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広開土太王 第8話 奴隷収容所

2017-08-31 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

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 広開土太王 第8話 奴隷収容所 

 

柵城(チェクソン)城主カンデが駆けつけた時

タムドクの一行は 刺客に襲われ全滅していた…!

おびただしい血痕が断崖絶壁へと続き タムドクの死体だけがない

 

確かに毒矢を タムドクの胸に打ち込んだプンパルは

タムドクの死を確信し 慕容宝(モ・ヨンポ)のもとへ戻る

 

一時は大喜びしたものの 首を持ち帰っていないと知り

確実に殺したとは言えないと激怒する慕容宝(モ・ヨンポ)

何度タムドクに騙されたことかと 声を荒げる!!!

 

あの猛毒の矢に当たり崖から落ちたのだ

化け物でない限り 生きているはずがないと豪語するプンパル!

それどころか 崖下に降り首を持っていて高句麗(コグリョ)軍に見つかれば

元も子もなかったと言われ ようやく納得するのであった

 

タムドク王子が行方不明との知らせが 直ちに国内(クンネ)城に届く

我が子の死を確信せねばならぬつらさに 意識を失うイ・リョン王…!

コヤ王妃と タムジュ王女も 悲しい知らせに涙しながら

きっとどこかで生きていると信じ 互いに励まし合うのだった 

 

タムドクが意識を取り戻したのは 護送される荷馬車の中であった

 

誰に着せられたのか 古びた民の服を着ている

そしてその胸には ひび割れた鏡が入っている…!

イ・リョン王から賜った 先々代の故国原王より贈られた鏡が

タムドクの命を 猛毒の矢から守ってくれたのだ

 

荷馬車の列の横で ひとりの男が捕らわれようとしている

男は反撃し 自らを靺鞨(マルガル)の部族長ソルドアンだと叫ぶ

反逆者!と罵りながら殴りつけているのは 同じ靺鞨(マルガル)族の男たちだ

 

捕えられたソルドアンは タムドクの護送車に放り込まれた

誰彼構わず ここは高句麗(コグリョ)か!と叫ぶタムドクに

汚い高句麗(コグリョ)人め!と殴りかかるソルドアン!!!

 

大騒ぎする2人を鞭で打ち 足枷でつなぐ奴隷商

靺鞨(マルガル)族でも高句麗(コグリョ)人でも関係ない!

どうせ奴隷になる身なのだと 怒鳴りつける!

 

『何?! 奴隷だと?!!!』

 

タムドクは驚愕する…!

一国の王子に生まれながら なぜ奴隷に…!!!

 

奴隷商の根城に着くと 護送された者たちが一斉に降ろされる

お頭の登場に 怯えてひざまずく者たちの中 ソルドアンが暴れ狂う!

そばにいた見張りの剣を奪い 自分を捕えた奴隷商を人質にした…!!!

 

足枷でつながれたタムドクが 勝ち目はないから剣を捨てろと言うが

ソルドアンが逃げる以上 ついて行くしかない…!

 

しかしどんなに大暴れしようが まもなく2人は捕らわれてしまう

人質にされた奴隷商が怒り狂い 見せしめに殺すと息巻く!

それを止めたのは 奴隷商の頭ムカプだった

 

『そいつらを殺したら お前が身代金を払うか!』

 

奴隷商にとって奴隷は商品である

死なぬ程度に酷く痛めつけられた2人は 奴隷収容所に送られた

そこで 収容所の責任者ヨソッケに引き渡される

 

ヨソッケは 血まみれの2人を蹴りつけて

立てば座れと怒鳴り 座れば立てと殴りつけた

ここでは 全ての動きに対し俺に許しを請えと!!!

 

『これが… 人を扱う態度か!!!』

『人だと? 人と言ったか?!

お前たちは人でなく“奴隷”なんだ! 分かったか!!!』

 

ヨソッケの殴る蹴るが その日の終わりではなかった

次は 古株の奴隷たちの洗礼を受ける番であった

そして動かなくなる2人を見て 今度はヨソッケが焦り出す

いかに制裁を加えるかは ヨソッケに権限が与えられているが

ヨソッケもまた奴隷のひとりである

“商品”を死なせたら 今度はヨソッケが上から罰せられるのだ

 

動かなくなったタムドクを 抱きかかえて揺り動かすヨソッケ

その時!!! タムドクがヨソッケを締め上げ羽交い絞めにする!!!

一度は ヨソッケに半殺しの目に遭っている者たちである

タムドクの反撃に 小気味よさを感じる者はあっても 助ける者などいない

 

こうしてタムドクは ヨソッケを服従させてしまう

そして 同じ境遇の者を 誰も傷つけてはならないと叫ぶ…!!!

 

国内(クンネ)城 ケ・ヨンス邸に 早馬が到着する

タムドクが襲われた現場で 犯人の物と思われる号牌(ホペ)が発見された

 

※号牌(ホペ):朝鮮時代の身分証

 

確認すると 後燕の使臣プンパルのものであった

だとすれば タムドク王子を襲ったのは後燕!!!

 

居合わせた大臣らは すぐにも王様に報告すべきだと言うが…

ケ・ヨンスは このことは他言無用!王様にも隠すと言い出す!

誰の仕業であろうが もはや王子は生きてはいない

ならば今は 後燕との関係を重んじるべきだと…!

 

ケ・ヨンスの腹心であり 軍責任者であるヨソイが

これは反逆罪に当たると言い 王様に言うべきだと進言する!

 

『私は 喜んで反逆罪に問われるつもりだ!

再び国中を戦乱の火の海にするくらいなら 反逆の大罪人として死ぬ!

戦う兵力もない今 王様が後燕に戦を仕掛けたらどうなりますか!』

 

ケ・ヨンスは 必死の捜索で証拠を見つけた将軍に

捜索も程々にしておけと釘を刺す

これ以上証拠が見つかれば もう隠しようがないのだと…!

 

ケ・ヨンスの考えが間違いだと分かっていても

これを論破できる大臣は ひとりもいなかった

もっともらしいケ・ヨンスの論理に従うしかないのである

 

『たとえ王様に背く大罪を犯そうと すべては民と国のためである!』

 

奴隷収容所では 寝静まった宿舎に忍び込む者たちがあった

ヨソッケとその手下が タムドクを殺しに現れたのだ…!

寝込みを襲われ 首を絞められるタムドク!

 

誰もが気づきながら 助けることが出来ない

タムドクは ヨソッケを負かした初めての奴隷だが

もし救出に失敗すれば 恐ろしい報復が待っている…!

 

その時! ヨソッケを狙って小石を投げつける者があった

宿舎の隅で ずっとタムドクを睨み付けていた トルピスという男である

トルピスの加勢で息を吹き返したタムドクは 怒りの反撃に出る!!!

 

しかし決着がつかないまま 見張りが慌てて 看守の見回りを告げる

奴隷同士が また騒ぎを起こせば ヨソッケもただでは済まない

 

タムドクは 命を助けてもらったトルピスに 礼が言いたかった

しかしトルピスは それ以上の関りを拒み 次は助けないという

 

柵城(チェクソン)への道中 自分を襲った者が誰かも分からず

気が付けば奴隷商人に捕らわれ 収容所に放り込まれてしまった

ここがどこなのかも把握できないまま

タムドクは 自らの命を守ることに必死であった…!

 

国内(クンネ)城では

 

タムドクを始末したと思い込んでいる慕容宝(モ・ヨンポ)が

意気揚々と 再び使臣となって現れ ケ・ヨンスに会う

そして涼しい顔で 高句麗(コグリョ)が望む賠償はしないと言い放った

 

『それでは 皇太子様は二度と後燕には戻れません』

『まさか私を人質に? 後燕と戦でもするのですか?!』

 

後方で聞いているプンパルは 何かが変だと気づく

昨日までと あまりに様子が違うケ・ヨンスであった

 

そこでケ・ヨンスは プンパルを一瞥し

タムドク王子が襲われた件を持ち出す

そして 無言で プンパルの号牌(ホペ)を差し出した…!

 

『後燕の皇太子が 使臣としてやって来て

高句麗(コグリョ)の王子を暗殺したとなれば

これは 皇帝への最大の贈り物になりましょう!』

 

プンパルは 今にも泣き出しそうであった

同意書に印を押せば 王子暗殺の嫌疑は不問に終わる

しかしそれでは 今回の任務を遂行したことにはならず

どちらを選んでも 皇帝の怒りを買うことになるのだ…!

 

慕容宝(モ・ヨンポ)は 自分たちがこのまま打ち首になれば

後燕軍が黙ってはいないと怒鳴り散らす!

自分たちの失態を 何とか脅しで切り抜けようとしているのだ

 

城内には 北魏の使臣も滞在中である

ケ・ヨンスは 同盟国の北魏が その意思を知ればどうなるかとつぶやく

 

涙を呑んで 同意書に印を押すしかない慕容宝(モ・ヨンポ)

その姿を見て ただただ うなだれるプンパルであった

 

奴隷収容所のある夜

 

タムドクは 変な動きをしている者に近づいてみる

その者は ムシロの下の板を剥がし 夜ごと穴を掘り続けていた

靺鞨(マルガル)族部族長の ソルドアンである…!

 

タムドクは こんなことをたった1人では無理だと言い

みんなで協力しようと持ちかける

この奴隷の中には 靺鞨(マルガル)族もいるだろうし

その者は 部族長であるお前の民ではないのかと…!

 

しかし ソルドアンは協力を拒み この場の全員を殺してでも

自分だけは逃げ切ってやると言い放つ…!

 

このやり取りを盗み聞きしていたヨソッケが 翌朝 さっそく頭に密告し

ソルドアンは捕えられ 宿舎から引き摺り出されてしまう…!

おそらく 死ぬ目に遭うほどの拷問を受けるのだろう

 

タムドクは気に入らなかった

 

同じ奴隷でありながら 仲間を密告し それでも飽き足らず

またしても奴隷たちに屈辱を与え 痛めつけている

しかしそれが ヨソッケの生きる術であった

 

奴隷商の頭にへつらい 奴隷として連れて来られた者たちを

この収容所で十分に痛めつけ 人間としての尊厳を奪い

絶対服従の精神を植え付けるのが ヨソッケの役目なのだ

 

だとしても気に入らない!

そんなタムドクを やめておけと止めるトルピス

それには耳を貸さず 再びヨソッケに向かって行くタムドク!

 

国内(クンネ)城では

 

コ・チャン将軍をはじめとする タムドクを信頼する者たちが

大将軍コ・ムのもとへ集結し 自分たちで王子の捜索をしたいと嘆願する…!

しかし 捜索の責任者は国相(ククサン)ケ・ヨンスであり

ここで大将軍コ・ムが口を出せば 信頼関係にヒビが入るというのだ

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

ケ・ヨンスが 捜索の手抜きをしていることは明らかであった

しかし それを指摘することは出来ない

一同の意見が腑に落ちるとしても 今は事を荒立てる時ではないと

その熱意を封じるしかないコ・ムであった…!

 

奴隷収容所では

 

瀕死の状態で宿舎に戻されたソルドアンに

すぐさま駆け寄り 介抱するタムドク…!

しかし他の者たちは ヨソッケの密告を恐れ手を出そうとしない

 

タムドクは 化膿し始めているソルドアンの傷口を舐め 膿を吸ってやる

その光景に思わず薬草を差し出す者が現れた

そしてトルピスも 一緒に薬草を噛み砕き始めるのだった

 

ヨソッケは ソルドアンを密告した褒美として 肉を頬張っていた

そこで奴隷商の頭ムカプが 近く鉄鋼山で使う奴隷を買いに来るという

つい先日も鉄鋼山に売ったが 坑道が落盤し皆生き埋めになって死んだという

次々に死ねば また奴隷が売れるのだから

こんな儲け話はない!と高笑いするムカプだった

 

宿舎に戻ったヨソッケは さっそく10人を指名した

10人の中には タムドクとトルピス そして回復したソルドアンも入った

 

いつになくトルピスが怯え 売られる前に逃げなければ!と言い出す

鉄鋼山に売られたら 二度とお日様を拝めず 地の底で死ぬだけだというのだ

宿舎の外では 奴隷市が開催され 頭ムカプが威勢よく“商売”を始めていた

 

1両や2両で 次々と買い手がついていく奴隷たち

そしてとうとう タムドクの番がやって来た

ムカプは 体格が良く威勢のいいタムドクに3両の値を付ける

 

タムドクは 人間を物のように売り買いする光景に 怒りが込み上げる…!

そして 怒りと同時に恐ろしさも感じ 足元がふらついてしまう

それを見た買い手たちが 見掛け倒しじゃないかと騒ぎ出し

ムカプは わざとタムドクに掴みかかり 反撃してみろと煽り始めた

 

とうとう怒り狂ったタムドクは 手枷の鎖でムカプを締め上げる!

その瞬間! 護衛兵の剣が一斉にタムドクに向けられた!!!

まさかここで…! と驚くソルドアン!

逃げなければ!とは言ったが トルピスもまた 怯んで後ずさりする!

 

『死にたくなかったら 奴隷たちを皆解放しろ! うわぁーーーっ!!!』

 

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第17話 呪いの始まり

2017-08-28 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第17話 呪いの始まり 

 

夜の庭園で 背中合わせで時を過ごすタファンとスンニャン

やがて落ち着きを取り戻したタファンは 寝所に戻り

スンニャンは いつものように書を読み聞かせる

 

何も見えず 何も聞こえないと言い タファンの憂いを包み込んだスンニャン

タファンは二度と あのような無様な姿を見せたくないと心に誓う

 

一方 ワン・ユは

 

庭園での2人の姿が目に焼きつき やるせない思いで弓を射る

振り払っても振り払っても スンニャンの顔が浮かび 心が痛むのだった

 

それからの丞相ヨンチョルは 堂々と私兵を宮殿内に引き入れていた

守備司令官として ペガン将軍の立場は愚弄され 完全に無視される

 

さらにヨンチョルは 祈祷中の皇太后を訪ね 血書を捜すなと警告した

皇太后は ヨンチョルの脅しに臆することなく反発する

互いに言い合いながら その腹の底を探り合うのだった

そしてヨンチョルは 皇太后が黒幕ではないとの確信を持ち

皇太后は 今こそ反撃の時機だと判断するに至る

 

怪文書の黒幕がつかめぬまま 膠着状態が続く

ヨンチョルは 皇太后に招かれたというワン・ユに

くれぐれも行動を慎むよう注意するが

まさか すべての計画がワン・ユの策と 疑っている様子は微塵もない

 

一方 皇后タナシルリは

 

本日の 皇后への挨拶は無用であるとの知らせに

それならば尚更行かねば! とほくそ笑む

 

こうして 皇太后殿の前で 皇帝と皇后 そしてワン・ユが顔をそろえた

来なくてよいと告げた皇后の訪問を 苦々しく迎えた皇太后は

一瞥するにとどまり タナシルリがここにいないかのように

招待に応じたワン・ユと 話を進めようとする

 

するとタファンが 雑用係のヨンファを差し置き

スンニャンに 茶を煎れろと命じる

別に茶の味が変わるわけでもないと 不満げに口を出すタナシルリ

 

『この者の煎れる茶でなければ 私は飲まぬ!』

 

憮然とするタナシルリを無視し 皇太后は本題に入る

こうしてワン・ユを呼びつけたのは 縁談を勧めるためであった

ワン・ユは すぐさま丁重に辞退した

 

縁談の話なのに 呼ばれなかったタナシルリは途端に不機嫌になるが

ワン・ユが断ったことで すぐに機嫌を直す

タファンは 茶を煎れるスンニャンの反応ばかりが気になっていた

そして自らも 縁談を受けるべきだと ワン・ユを説得していく

皇室と姻戚の関係になることは 今後の立場が変わるいい機会だと

 

重ねて断るワン・ユに 想い人でも?と聞くタナシルリ

もしそうなら 喜んでばかりもいられない

その“想い人”が自分であるならば また話は別だが…

 

その時 スンニャンの動きが止まり ワン・ユと視線が合ってしまう

 

想い人がいるかどうかも 縁談を断る理由も言わないまま

スンニャンが煎れた茶を飲み この場は失礼するというワン・ユ

 

縁談の話に動揺したのか スンニャンは 茶を運ぶ途中でつまづいてしまう!

転びそうなスンニャンを見て 咄嗟に身を乗り出すワン・ユ!

その肩に 熱い茶がかかり 苦痛に顔をゆがめる!!!

必死に平静を装い 自分は何ともないからと

くれぐれも この者を罰せぬよう言い置き去って行く

 

蒼ざめて涙ぐみ 皇太后に叱られながら退室するスンニャン

熱湯で煎れた茶がかかり 大丈夫なはずがないのだ…!

タファンは ワン・ユのため あれほど動揺するスンニャンに失望する

 

退室したスンニャンは 雑用係の詰め所でヨンファを締め上げる!

スンニャンがつまづいたのは ヨンファが足を引っ掛けたからであった

転んで恥をかくだけならいいが ワン・ユに火傷させたことは許せない…!

気を失いそうなほど締め上げられ 命乞いするヨンファ!!!

たかが茶を煎れる係を奪われた程度の ヨンファの嫉妬心など

スンニャンの殺気に 勝てる筈もなかった

 

自分から 3歩以上離れてはならぬと命じたのに

スンニャンは いつの間にかいなくなっていた

タファンは すぐに捜せ!とコルタを叱りつける!!!

きっと ワン・ユのところへ行ったのだと思うと

居ても立ってもいられないタファンだった

 

ワン・ユの火傷は かなりの重傷であった

タファンが懸念するとおり スンニャンが駆けつけている

シヌが持って来た薬箱を奪い 強引に中へ入る!!!

 

自分のせいでこんな火傷を… と涙ぐむスンニャン

口では下がれと命じながら ワン・ユは それ以上拒めなかった

 

やがて迎えが来て スンニャンはタファンのもとへ

怒りをひた隠し 寛大な笑顔で迎えるタファン

懐の深さと 皇帝としての余裕を見せつけようとしているのだ

 

火傷が酷く きっと今夜は高熱が出る

せめて今夜だけでも ワン・ユの看病がしたいというスンニャン

 

寛大さを装うのもここまでだった

では 眠れない自分はどうすれば?誰が書を呼んでくれるのかと!!!

寝付くまではそばにいろと 寝付いたら行くがよいと許しながら

タファンは 意地でも寝るものかと心に決めていた

何度も眠りに落ちそうになりながら 必死に眠るまいとするタファン

 

一方 ワン・ユは

もう来るなと言いながら 心のどこかで スンニャンの再訪を期待していた

 

怪文書の黒幕は 手がかりすら掴めず 血書の行方も知れない

ヨンチョルの焦りは 側近らへ怒りの刃となって向けられた

捕えた妖術師をすべて斬首し その首を掘りに捨てろと命じる!!!

それが 未だ姿を現さない黒幕への警告になると…!

 

すでに目玉をくり抜かれた妖術師らが 民の目の前で斬首された

さらに 血書について話した者を告発すれば 褒美を与えると告知し

今後一切 怪文書について語ることのないよう 民に警告した

 

怪文書がきっかけとなり 丞相ヨンチョルの暴政が始まったのである

 

すべては思惑通りに進み 次の段階へ進むというワン・ユ

そして自ら 次の怪文書を書いていく

 

“白蓮教の信者たちは 教主様に忠誠を誓い 崇拝している

教主様は 自分のことを玉皇上帝と呼んでいる

信じる者だけを祝福し 信じない者を呪い この世を混乱させ民を欺いて行く

今後 取り締まりを始めるから 承認を求めるものである”

 

またしても訳の分からぬ文章に チョンバギたちは首を傾げる

パン・シヌの膝が痛む夜 つまりは雨が近づく夜 一斉に怪文書が貼られた

 

翌日

 

参内の途中 通り雨に降られ 雨宿りするヨンチョル

その目に飛び込んできたのは 雨に打たれて変化する怪文書であった…!

 

“先の 皇帝 呪い 始まる”

 

この怪文書は 妖術師の惨殺以上に 民を震え上がらせた

4年も続く凶作すら 先帝の呪いだと噂が広まっていく…!

 

そして 皇帝タファンもまた 2度目の怪文書に驚き

まさに父上の無念が 呪いとなったのだと言い出す

前回は そんな皇帝を まだ時機ではないと戒めた皇太后であったが

間もなく好機が訪れると励ます…!

その好機の到来までは これまで以上に操り人形を装い油断させねばと!

 

“呪いが始まる”と詠ったからには 呪いを起こさねばならない

ワン・ユは さらなる恐怖で怪文書の呪いを 現実のものにしていく

手始めに ブルファとチョンバギが 城外でネズミを生け捕る…!

 

高麗(コリョ)村では

 

ようやく回復したヨム・ビョンスが 薪拾いをするまでになっていた

そこへ現れたブルファとチョンバギに気づき 慌てて隠れるビョンス!

2人は村長に会い この村のネズミを生け捕ることを

黙認してほしいと頼みに来たのだ

その話の内容を知ることは出来なかったが

ビョンスは この村とワン・ユが繋がっていることを知る…!

 

宮殿では

 

皇帝タファンが 大明殿に 将軍ペガンとタルタルを呼びつけ

“血書を捜せ”と命じていた

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

丞相に仕え 丞相の命令で動いている者に そんな命令を?

ペガンは そもそも血書などないと とぼけていく

血書を捜していることが丞相に知れたら? と問うタルタル

しかし これまでのタファンとは様子が違っていた

 

大青(テチョン)島で 自分を救った2人こそ

その事実を 丞相には知られたくないのだ

だからこそ2人に命令できるタファンであった

 

この大明殿の玉座から 初めて自分の意思で命令した

その姿を 是非ともスンニャンに見せたかった

玉座の後ろから出てきたスンニャンに 得意顔で笑いかけるタファン

そしてスンニャンは 初めてタファンに『協力する』と申し出た

 

ワン・ユにも タファンにも 共通の敵である丞相ヨンチョル

丞相を追い込む方法はただ一つ 血書を捜すことなのだ

 

『そなたさえ味方になってくれるなら この上なく心強い』

 

将軍ペガンは 皇帝に頼もしく命令され 気分が良かった

しかしタルタルは 人はそう簡単には変われないという

おそらく背後に誰かがいて 言いなりになっているに過ぎないと…

 

スンニャンの部屋に いつの間にか入り込んだノ尚宮が暴れ

トクマンや雑用係たちが駆けつけ 大騒ぎになっていた

自分は血書を見た!と 大声で叫ぶノ尚宮

トクマンが 殺されるぞ!と叱りつける

いくら気がふれていると言っても 丞相が許すはずがない

 

『私は血書を見た! どこに在るかも知ってる!

ずっと陛下のそばにいたから知っているの!!!』

 

ここは自分の部屋だと言い張るノ尚宮

それをなだめ 一緒に暮らしましょうというスンニャン

トクマンは 血書の話は真に受けるなと言うが どうしても気になる

 

『尚宮様のお世話は 私がします』

 

最期まで 陛下のそばにいたというノ尚宮

それが真実なら ノ尚宮は 血書の行方を知っているかもしれない

すぐに聞き出すことは難しいだろうが スンニャンは 待つことにした

 

その頃タファンは コルタに命じ 密かに影絵の準備を進めていた

丞相に 遊び呆けているように見せるためだとしながら

いよいよ今夜がその日だと ニヤケ顔になる

あれこれと口実を作ってはいるが すべてはスンニャンのためだった

 

ところが この計画を偶然に知ったソ尚宮が 皇后に報告してしまう…!

 

『きっと パク・オジンのためであろう?』

『あの者は お腹が大きいため そんな遊びは禁じられています』

『ならば…』

『皇后様のためではございませんか!』

 

久しく会うことのない皇后に対し 皇帝が仲直りを申し出るため

照れ隠しに影絵を催すのだというソ尚宮

そうまで言われて 悪い気のしないタナシルリであった

 

それなら今夜 影絵の催しに ワン・ユも呼べと言い出すタナシルリ

自分に気があるワン・ユを呼び 皇帝に嫉妬させようという狙いだった

勘違いも甚だしいと思いつつ ソ尚宮は命令に従った

 

溺愛されて育ったタナシルリは 皆が自分に好意を持つと思っている

その中から選ぶ立場が自分であり すべては思いのままだと信じているのだ

 

皇帝と皇后には 影絵を巡る待ち遠しい夜であったが

ワン・ユにとっては 数百匹のネズミを放ち災いを起こす大事な夜であった

 

やがて夜になり 縁談話を口実に招待され

タナシルリのもとへ集う タファンとワン・ユ

 

宴の料理を毒味するスンニャンに タナシルリが不機嫌になる

皇帝の自分が命じたのだと言われては それ以上責められない

縁談の件は ワン・ユが即座に断り もう話題はなくなった

 

この退屈な宴を早々に切り上げ スンニャンを喜ばせたいタファン

 

すると皇后タナシルリが 影絵の話題に触れた…!

ギョッとしてむせ込むタファン!!!

 

『私のために用意してくれたなら 行って差し上げても構いません

ワン・ユ殿も ご一緒にいかがですか?』

 

皇帝の嘆きを思い じっと目をつぶるコルタ

最も知られたくない皇后に 大事な催しを知られてしまった…!

 

『それにしても陛下 私が影絵を好きだと いつ知ったのですか?』

(知っていたなら 決して影絵などやらなかった…!)

 

スンニャンと2人だけで観るはずだった影絵

それなのに 左の席には皇后タナシルリが座り 楽しそうに観ている

そして右の席には 本来なら呼ぶはずのないワン・ユまで…

ため息をつき振り返ると コルタの隣に立つスンニャンが 影絵を観ていた

 

タファンに手招きされ コルタに促され 進み出るスンニャン

その気配にワン・ユが気づき 椅子をずらし タファンとの間に隙間を作る

 

よく見える場所で 影絵を楽しむスンニャン

ふと タファンが手を差し伸べ スンニャンの左手を握る…!

すぐ隣に皇后タナシルリが座っているというのに

スンニャンが いくら振りほどいても 執拗に手を握るタファン

 

それを目撃したワン・ユは 思わず自分も スンニャンの右手をつかむ!

それぞれに両手を握られ 身動きできないスンニャン…!

暗がりの中で ワン・ユと見つめ合う

あれほど自分を拒んでいたワン・ユとは思えないほど

その視線は情熱的であった

 

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大王の夢~王たちの戦争~ 第51話 崩れた信義

2017-08-25 09:00:00 | 大王の夢~王たちの戦争~ あらすじ

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1話~49話はこちらで公開しています

50話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 第51話 崩れた信義 

 

キム・チュンチュが帰国するという詳細は 機密情報である

高句麗(コグリョ)の巡視船が なぜそれを知り襲ってきたのか…!

 

チュンチュは 機密情報を高句麗(コグリョ)に売り

新羅(シルラ)と唐の信頼関係を崩し 国運を傾けようとしたのなら

たとえ上大等(サンデドゥン)であろうと 許されることではないと言い放つ!

 

※上大等(サンデドゥン):新羅(シルラ)の高級貴族階層の最高官職

 

閼川(アルチョン)は チュンチュこそが唐と密約を交わし

この国を売り飛ばそうとしているのだと息巻く…!

 

2人の口論を ヨムジャンが取り成し 何とか落ち着くよう説得する

他の臣僚らも口添えするが 閼川(アルチョン)の怒りは収まらない

 

国の領袖である閼川(アルチョン)に 真っ向から立ち向かい

決して裏切りは許さないというチュンチュ…!

2人の溝は深くなるばかりであった

 

チュンチュは 大耶(テヤ)城を奪還したことで

ようやく取り戻した 城主夫妻の位牌の前で涙する

父として 娘夫婦の亡骸を奪われた悲しみは 長い年月癒えなかった

 

それを支えてくれたのは 他でもないキム・ユシンである

しかも今回 生還するために ユシンの側近中の側近ナンスンが犠牲となった

 

三韓一統の大業を成すため いくつもの尊い命が失われてきた

その者たちの犠牲を無駄にしないためにも 必ずや三韓一統を成さねばと…!

 

キム・チュンチュは 敢えて唐の官服を着て朝廷に立つ

そして 真徳(チンドク)女王の前で 堂々と“信義の証し”だと述べる

唐からすべてを学び 吸収し 朝廷を改革していくと…!

 

それは伊飡(イチャン)の意向か! それとも唐の皇帝の意向か!

閼川(アルチョン)は激怒して詰め寄る!!!

 

※伊飡(イチャン):新羅(シルラ)で2番目の官位

 

チュンチュは落ち着き払い そんなに自信がないのかと反論する

たとえ唐から多くを学んでも 決して新羅(シルラ)の誇りは傷つかないと!

そして唐は 新羅(シルラ)の製紙技術を羨んでさえいる

それさえ 元々は中原から取り入れた技術であり

他国のものだと受け入れずにいたら 今の技術革新さえなかったと…!

 

臣僚らは 次第にチュンチュの話に耳を傾け始めた

製紙技術であれ 政治制度であれ 良いものを取り入れるのは

今後の新羅(シルラ)のためであり いつか他国の者が学びにやって来ると

 

真徳(チンドク)女王は チュンチュの提案を受け入れ

まずは 唐の官服を取り入れるようにと命ずるのだった

 

面目が潰れ 憤懣やるかたない閼川(アルチョン)に サジンが近づき

チュンチュはやがて 和白(ファベク)会議も廃止する

そんな噂さえ流れていると 耳打ちするのである

今の女王にも子がなく 次代の王は真骨(チンゴル)しかいない

だとすれば チュンチュにもユシンにも 機会はあるというサジン…!

 

※和白(ファベク)会議:新羅(シルラ)の貴族会議

※真骨(チンゴル):父母のどちらかが王族に属する者

 

和白(ファベク)会議が廃止され 貴族の力が奪われれば

それも十分にあり得ると言い サジンは 閼川(アルチョン)の反応を窺う

 

『黙れっ!!!!!』

 

怒鳴りつけられ 驚いて怯むサジン!

閼川(アルチョン)は サジンが チュンチュの帰国日を密告したと知っている

チュンチュと仲違いさせただけでは足りず まだ混乱を招くのかと憤る!!!

 

同じ時 ヨムジャンが ヨン・ゲソムンの密偵トチムを呼びつけ

高句麗(コグリョ)の莫離支(マンニジ)に密告したのは誰かと聞く

トチムは 財宝さえもらえるなら… と答えニヤリと笑う

 

※莫離支(マンニジ):高句麗(コグリョ)の政策を総括する最高官職

 

しかし トチムは財宝に目が眩んでなどいなかった

ヨムジャンは サジンの手下によって殺されてしまう…!

これで 真の内通者がサジンだと知る者は 閼川(アルチョン)だけとなった

 

百済(ペクチェ)では

 

ウィジャ王が 唐と新羅(シルラ)の同盟を知り 高笑いしていた

高句麗(コグリョ)に敗退した唐など いかほどのものか…

そして そんな唐と組んだ新羅(シルラ)もまた 恐れるに足りぬという

 

すると太子プヨ・ユンが 百済(ペクチェ)も唐に学ぶべきであり

そのためにも新羅(シルラ)と和親を… と言いかけ一喝される…!

 

ウィジャ王は 新羅(シルラ)に奪われた城の奪還に固執していた

柔軟さを口にする息子に我慢がならず 二度と持ち出すなと釘を刺す!

そこへ 唐の皇帝が崩御したとの知らせが届いた…!

 

 

西暦649年4月

唐の皇帝 太宗(李世民)が52歳でこの世を去る

太宗(李世民)は 唐を建国した高祖(李淵)の次男として生まれ

兄弟を惨殺するという骨肉の争いの末 皇帝になった人物である

非常に征服欲が強く 突厥を征服し さらに高句麗(コグリョ)に攻め入った

 

しかし645年

安市城で敗戦し 高句麗(コグリョ)への遠征が失敗してしまう

太宗(李世民)は 志半ばの高句麗(コグリョ)攻めを中止せよと命じ

そのまま永眠してしまったのである

 

 

キム・チュンチュは 唐の新たな皇帝と 早々に和親を結ぶべきという

いかに中原を平定したとはいえ 創建30年という若き国であり

高句麗(コグリョ)にも敗退した国だと 懸念の声も上がるが

大王陛下が太平頌を捧げることを認め 全責任をチュンチュが取るなら…と

閼川(アルチョン)をはじめとする臣僚らが賛同する

 

※太平頌:唐の高宗の治世を称える詩

 

チュンチュは 長男のボムミンに 太平頌を届ける大役を命ずる

しかしボムミンは 賛同できない役目は果たせない!と 固辞する

弟のインムンが 代わりに行くと申し出ても チュンチュは聞き入れない

 

父親同士が交わした約束を 王位継承の息子同士が確認する

そのことにこそ意義があるのだと諭していく

 

『あくまでも固辞するというなら 三韓一統の大業を捨てたとみなし

父と息子の縁を切るつもりである!』

 

そこへ 怒り心頭のユシンが訪ねて来た

 

チュンチュの作った大仰な頌歌に 心底腹を立てている…!

それこそ新羅(シルラ)の恥であり 三韓の笑い者になると!!!

しかしチュンチュは 唐との同盟こそが新羅(シルラ)を守ることだという

 

『同盟? …何を言っているのだ!』

 

今の今まで ユシンは“軍事同盟”の話を聞かされていなかった

唐の第2皇帝 太宗は 崩御する前にチュンチュと同盟を結んでいたのだ

 

新羅(シルラ)が 大業を成せず戦乱に陥った場合

唐が20万の援軍を送って加勢するという まさに“軍事同盟”である

さらにチュンチュは たとえ援軍を送ったとしても

新羅(シルラ)の国政には介入しないとの約束も 取り付けていた

 

この同盟あってこそ 三韓一統の大業は完遂できると

そしてそれは 新たな皇帝にも引き継がれているというのだ

 

同盟の詳細を知り 茫然とするキム・ユシン

チュンチュは あくまでも三韓一統の実現を目指し

そのための手段は選ばないという姿勢である

同じく大業を掲げながら まったく正反対の考えを示すチュンチュ

それだけでなく ユシンの失望感は これまで聞かされなかったことにある

 

いくら間者の耳に入らぬよう 極秘裏に事を進めたのだとしても

まずは一番に打ち明けてくれるはずだと 信じていたユシンであった

 

その失望感を堪え ユシンは 全力でチュンチュを説得する

いかに独自の信念があるとしても “唐の忠犬”とまで噂されることは

これまで築き上げてきたすべてを失うことになりかねないと…!

 

しかしそれでも チュンチュの信念は揺るがない

 

数百年にわたる戦乱の世を終わらせ 苦しむ民を救うためにも

三韓一統の大業は 何としても成さねばならないのだ

築いてきた名声や拘り 恥辱を受けるつらさに怯んでいては

いつまで経っても大業完遂の日は訪れないと…!!!

 

屋敷を出て行くユシンを ボムミンが追いかける

自分と同じ考えで 父のやろうとしていることに反対する伯父ユシン

勘当するとまで言われたボムミンは 伯父に説得を頼むしかないのだ

 

『ボムミン たとえ国中のものが父上を中傷しても

お前だけは父上を信じ 守っていかねばならぬ』

 

ユシンが チュンチュの考えをすべて理解できたわけではない

しかしチュンチュが 誰より誇り高き人物であることは知っている

なのにそれでも唐にへつらうのは それなりの思いがあるからだと

今はボムミンに しっかり役目を果たせと言うしかなかった

 

同じ時 サジンは 閼川(アルチョン)の横でほくそ笑んでいた

新たな唐の皇帝に 太平頌を捧げることで チュンチュは自滅すると

だからこそ 敢えて反対しなかったのだろうと聞かれ

閼川(アルチョン)は 何も答えずじっと考え込むのであった

 

高句麗(コグリョ)では

 

唐と新羅(シルラ)の接近を按じるポジャン王に

ヨン・ゲソムンが 心配無用だと豪語している

何より チュンチュは 今回の件で失脚し

いずれ上大等(サンデドゥン)が 新羅(シルラ)の朝廷を牛耳る

 

閼川(アルチョン)は ヨン・ゲソムンの密書を黙認した

関与はしなかったが 黙認した… ということは

いずれ高句麗(コグリョ)の側に立つ人物であると…

 

一時は チュンチュを気に入り 敵ながらも その才を認めたが

唐の機嫌取りをするような男だったのかと ヨン・ゲソムンは失望していた

 

やがてボムミンは 太平頌を届けるという任務を遂行すべく 唐に向かう

父チュンチュから申し付かった言葉を 海原を見つめながら思い返す

 

唐の新たな皇帝は 先帝の遺志を無視し

高句麗(コグリョ)征伐を企てているのだという

“羅唐同盟”も いつ反故にされるか分からない

高句麗(コグリョ)を討った先に いずれは新羅(シルラ)に攻め入るだろう

三韓は さらなる戦乱にみまわれ ますます民の苦しみは続く

今回の任務は 太平頌を届けるのみに終わらない

羅唐同盟の信義を確約し 戦乱を回避する道筋を作るものであると…!!!

 

唐の3代皇帝 高宗(李治)は ボムミンが届けた太平頌に満足げだ

先代皇帝とキム・チュンチュが 軍事同盟を結ぶ瞬間にも立ち合っている

それを破ることは親不孝であると言明する高宗(李治)

 

しかし 同盟とは無関係の 新羅(シルラ)の年号に話が及ぶ

唐への信義を示すというならば 直ちに独自の年号を廃し

唐の年号を使うのが筋であろうと迫る…!

 

年号の使用を迫られた新羅(シルラ)の愚かさを 鼻で笑うウィジャ王

これで新羅(シルラ)は 唐の植民地になり下がったと…!

たとえ辺境の城をすべて奪われようとも

決して百済(ペクチェ)の誇りを捨てたりはしないというウィジャ王だった

 

『大国に頼り 国格を守るのが なぜいけないのですか!』

 

父王の高笑いを遮ったのは 長男プヨ・ユンである

太子でありながら 敵国チュンチュの政策を称賛する息子!

ウィジャ王は激昂し 息子に剣を突き付けた…!

 

『余が どれほどチュンチュを恨んでいるか 知らぬはずがない!』

 

今にも息子を斬ろうとするウィジャ王!!!

太子の前に立ちはだかり守ったのは 将軍ケベクだった

息子ばかりか 最も信頼する将軍がかばい さらに激昂していくウィジャ王!

 

『ここで父子が争い決別すれば 王室の権威が失墜します!!!

このまま権威が失墜し 朝廷が混乱することは 誰も望みません!!!』

 

この言葉に 剣を下ろすウィジャ王であったが

太子には自粛を命じ ケベクの顔も もう見たくないと言い

辺境へ行けと命じるのだった…!

 

ボムミンは 太平頌への応えとなる国書を持ち帰る

そして 喜ばしい国書と同時に 皇帝から言い渡された年号の件についても

真徳(チンドク)女王に報告しなければならなかった

 

唐の官服を取り入れ 太平頌まで捧げ さらに年号まで変えるとは…!

臣僚を代表し 閼川(アルチョン)が怒りに震え訴える

チュンチュはそれでも ここで逆らえばすべてが無駄になると説得する

 

断じて受け入れられぬと そっぽを向く閼川(アルチョン)

するとチュンチュが 静かに腰を下ろしひざまずき 土下座の姿勢を取る!

誇り高きキム・チュンチュが 臣僚の前にひれ伏したのだ

 

そこへ キム・ユシンが 部下を引き連れ乱入する!

 

ここは一体 新羅(シルラ)の朝廷か 唐の別宮かと揶揄し

大国に国運を委ねるキム・チュンチュを なぜ弾劾しないのかと憤る!

 

何とかチュンチュを理解しようとしたユシンであったが

年号まで変えるとあれば もう我慢の限界であった

 

『国益を得るために 国格まで売り渡すのか!

唐の甲冑を着て戦えと言うのか!!!』

 

『たとえ唐の官服を着ても 唐の年号を使おうとも

“徳業日新 網羅四方”という大義を捨てぬ限り 誇りを失いはせぬ!

大業完遂のため命をも捨てる気ならば 真の誇りは揺るがない!』

 

ここは最早 新羅(シルラ)の国ではないと

徐羅伐(ソラボル)を出て行くと言い残し 立ち去るユシン!

 

※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)

 

鉄壁の信頼関係と思っていた両者の決別を目の当たりにし

臣僚らは 言葉を失い立ち尽くす

チュンチュは 悲痛な表情でユシンを追いかけた!!!

 

少年の日 真興(チヌン)王の碑前で 大業を誓った2人である

『あの日のお前に戻れ!』 そう言い残し立ち去るユシン

打ちひしがれるチュンチュのそばに 息子ボムミンが寄り添う

 

臣僚を説得するどころか 盟友との絆さえ壊れてしまった

失意のチュンチュは 酒に溺れ 妻ムニに当たり散らす

唐の援軍20万は 新羅(シルラ)の民20万を救うのに

なぜ皆は それを理解してくれないのだ…!

ユシンに去られたチュンチュの 揺るがぬはずの信念が崩れていく

 

『兄上は いつかきっと分かってくださいます

必ずまた戻って 共に大業を成そうと言ってくださいます…!』

 

妻の言葉に さめざめと泣きだすチュンチュ

今のチュンチュにとって 弱音を吐ける相手は 妻ムニしかいなかった

 

苦しんでいるのは チュンチュだけではなかった

ユシンもまた 渓谷の夜の闇に紛れ 泣き腫らしていた

 

そんなユシンの前に 将軍ケベクとファシが現れる

2人の間には 国を超えた友情があった

傷心のユシンに必要な物はこれしかないと 酒瓶を揺らし微笑むケベク

 

百済(ペクチェ)の泗沘(サビ)城では 親唐を上奏した太子が廃された

しかしケベクは 親唐も反唐も関係ないと言い放つ

自分は あくまで百済(ペクチェ)王室に仕え

百済(ペクチェ)の民のために戦うのみ!

ただ王室と民のために戦うという ケベクの姿勢は 実に単純明快であった

 

『ケベク 実にお前は真の名将だ』

 

ケベクは 将軍としてのユシンに 共通点が多い

しかしチュンチュは 我々とは違うのだと諭す

政治家として千変万化するチュンチュの考えを 察することは難しいのだと

 

目の前の敵を 兵法を以って打ち取るという 単純明快な戦い方ではない

政治家のすることは そもそも我々には理解できないのだと笑うケベク

ユシンは 胸のつかえがとれたような気分で聞いている

 

ケベクは チュンチュについてそれ以上語らず

ただただ面白おかしく酒を酌み交わし 時が過ぎていった

 

 

西暦654年 真徳8年

真徳(チンドク)女王は 気力が弱まり死を意識するようになる

国政を執ることも難しく 摂政を立てたい意思を示す

 

死期を意識した摂政であれば すなわち“王位継承者”の指名となる

それを認めたうえで 真徳(チンドク)女王は チュンチュの名を口にした

それは 誰もが警戒していたことであり チュンチュが最も拒む問題だった

 

しかし チュンチュが摂政になり 王位を継承することは

先王である善徳(ソンドク)女王の遺志でもあった

真徳(チンドク)女王は 閼川(アルチョン)に総意を託す

 

上大等(サンデドゥン)の地位は 王位に次ぐ重職である

その座にいながら 伊飡(イチャン)のチュンチュに摂政を奪われてしまい

閼川(アルチョン)の胸中は複雑であった

 

黙り込む閼川(アルチョン)の前で 声高に反意を示すサジン!

前例に倣い 和白(ファベク)会議により 摂政を指名すべきだという

つまり 大王の意思ではなく 貴族の決議を以って推挙すべきだと!

 

朝廷の総辞職も辞さないという臣僚らの動きに

キム・チュンチュの側近たちは警戒する

 

閼川(アルチョン)は すでに王命に背いているというボムミン

直ちに上大等(サンデドゥン)を弾劾し 朝廷を制圧すべきだと…!

 

しばし考え込むキム・チュンチュ

 

そしてチュンチュは 自ら王に謁見し

摂政は 和白(ファベク)会議の決議で推挙すべきだと進言する

閼川(アルチョン)の同意もあり 真徳(チンドク)女王は

和白(ファベク)会議の召集を許可し 摂政の推挙を委ねた

事実上 閼川(アルチョン)とチュンチュが 摂政の座を争うことになる

 

キム・フムスンは 兄ユシンに チュンチュと和解すべきだと訴える!

ケベクと飲み明かした夜… そして弟の嘆願に じっと考え込むユシン

 

そしてユシンは 和白(ファベク)会議の前に

上仙(サンソン)会議を召集する意思を固めるのだった…!

 

※上仙(サンソン):風月主(プンウォルチュ)を務めた花郎(ファラン)

 

数年ぶりとなる再会を懐かしむチュンチュ

しかし 花郎徒(ファランド)の最高上仙(サンソン)として

また会議を主催する者として

ユシンはチュンチュとの私的な会話を 一切受け付けなかった

 

朝廷を 閼川(アルチョン)のものにせぬよう

チュンチュに加勢すべく戻ったと思われたユシンは

花郎徒(ファランド)が 和白(ファベク)会議に関与することを禁じた!

そして 親唐派である者が 摂政になるべきでないと明言したのである!!!

 

『私の意思に逆らう者は 花郎徒(ファランド)から追放する!』

 

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第16話 妖術師

2017-08-22 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第16話 妖術師 

 

“先帝の慟哭は地に埋められ ヨンチョルの笑いは天を衝く

先帝の血書が現れる日 天は激怒し血の雨が降る”

 

蹴鞠の競い合いの場に現れた丞相ヨンチョル

スンニャンが ワン・ユが そしてシヌたちがその表情を見つめる

思惑通り 憮然としたヨンチョルは 側近たちを順に睨んでいる

上奏文に“挑戦状”を忍ばせることが出来る人物は 一体誰なのかと…!

 

(ペガンとタルタルに その度胸があるはずもない

チャン・スニョンに至っては そんなことすら考え付かないだろう

ワン・ユはよそ者であり この国の権力に興味はない

自分に刃向かえる者は皇太后くらいだろうが… 方法が違う

一体… 誰だ?!)

 

一方 蹴鞠の勝負は熾烈を極めていた

元と高麗(コリョ)の戦いと言いつつ 実際は…

タファンとワン・ユが スンニャンを巡って争っているのだ

タファンはスンニャンを独占しようとし ワン・ユは自由を求めた

 

2対2の同点となり ワン・ユが渾身の蹴りを入れた

しかし タファンとて負けてはいられない…!

我が身を呈して防ごうとし そのまま気絶してしまう!!!

 

トクマンが 意識のない皇帝を担ぎ 寝所に運ぶ

同じ時 丞相ヨンチョルは…

 

上奏文を扱う官吏をすべて捕え 惨い拷問を続けていた…!!!

ただ上奏文を運んだだけのチャン・スニョンは捕えられず

身に覚えのない官吏らは 死んでも構わないと明言され締め上げられる!

 

ワン・ユは ようやく意識を取り戻したという皇帝を按じつつ

ヨンチョルの怒りが頂点に達していることを予測し シヌを労っていた

 

丞相ヨンチョルは 2人の息子とペガン そしてタルタルを呼び

血書にも見える怪しげな上奏文を見せていた

 

タルタルは 血文字に見えるがそうではなく しかも筆跡を隠そうと

左手で書いたか もしくは字を知らぬ者が書いたと見破った

 

いずれにしても 堂々と上奏文に細工し 丞相に挑んでいるのだ

ペガンは そもそも血書は実在するのかが気にかかる

タンギセも 最期まで先帝に仕えた者がいるはずだという

 

女官も宦官も 当時の側近はすべて殺したというヨンチョルだが

その時の死体が 何度数えても1つ足りなかったのだと…!

 

“その者”は 先帝に仕えた護衛であり チョクホという

槍の使い手で高麗(コリョ)の出身だということ以外に情報はない

 

そこで2人の息子は ヨム・ビョンスの話を切り出す

ビョンスは 親衛隊長の遺体から疫病に感染した

何者かが 疫病が蔓延している高麗(コリョ)村から遺体を運んだのだと…!

ヨンチョルは 直ちに高麗(コリョ)村を調べよと命じ

ペガンとタルタルは 無言で視線を交わす…!

 

寝所の皇帝タファンは…

 

顔面を強打し 青あざができ始めていたが 誰にも触らせようとしない

侍従コルタは困り果て スンニャンに一任する

甘え声でスンニャンに身をまかせ 薬を塗ってもらうタファン

本当は ワン・ユが勝って嬉しいのだろうと拗ねてみせる

たとえ嘘でも 皇帝を応援していたと言わないスンニャンが憎らしいのだ

 

そこへ 皇太后が来て スンニャンに下がれと命じた

ただ皇帝の怪我を心配して 現れたのではない

丞相ヨンチョルの動きを察知し タファンに真実を伝えに来たのだ…!

 

タファンは 父である先帝の死因を 食あたりだと聞かされている

殺された父親が 死の間際に指を切り 血書をしたためたのが真実であれば

どれほど無念だったことだろうと さめざめ泣き出すタファン

 

しかし 今は悲しむ時ではなく

現状を見据え 敢然と立ち向かうべき時だと諭す皇太后

 

一方 スンニャンは

 

客人の着替えを運ぶ雑用係として ワン・ユの元を訪れる

チェ・ムソンと剣を交え 鍛錬するワン・ユを遠目に見つめるが

会いに来た相手はワン・ユでなく パン・シヌだった

 

それを見かけたチョンバギは なぜスンニャンが?と思い

ワン・ユに 何気なく2人が会っていることを告げてしまう

 

スンニャンとシヌは 怪しまれないよう次々に連絡方法を変えていた

今度は 衣服を届けることを口実にしていたのだ

 

手短に打ち合わせを終え 早々に立ち去ろうとするスンニャン

そこへ 憮然としてワン・ユが現れる

 

なぜ シヌへ下した任務を スンニャンが請け負っているのか…!

スンニャンは すべて自分が申し出たことだと シヌを庇った

 

『二度と… 私の前に現れてはいけない!』

 

ワン・ユは こうして訪ねるのも 自分を按じるのも禁ずるという

冷たく突き放すことこそが スンニャンを守ることだと信じて…!

 

傷心のスンニャンを見かけ タンギセが呼び止める

頬に残る涙の痕を 見逃さないタンギセ

 

『なぜ他の者のために泣く! お前を泣かせるのはこの私だけだ!』

 

そう言い捨て タンギセは高麗(コリョ)村へ向かう

村長マクセンが連行され 尋問が始まった

とぼけた皮肉混じりの答えなど タンギセには通用しない

 

よそ者の死体が 村の外へ運び出された件について

真実を話さなければ 村ごと焼き尽くすというタンギセ!

 

確かに 死体を運び出した人物はいるが… と口を濁すマクセン

運び出した張本人のペガン将軍が マクセンに向かって剣を突き出す!

その脅しが何を意味するか マクセンには分かっている

 

するとひとりの村人が “高麗(コリョ)王”と名乗る者だと叫んだ!!!

 

村長を庇い 自分たちを見捨てた廃王に恨みを晴らせるなら

真実などどうでもよかったのだろう

 

ペガンとタルタルは 一瞬 視線を合わせ ため息をつく

確かに自分たちが告発されることなく済んだが

何だか 話が複雑になってしまったと…

 

報告を受けた丞相ヨンチョルは すぐにワン・ユを呼びつける

 

なぜ 疫病が蔓延する村へ行ったのだと問われ

ワン・ユは 動じることなく即答する

“自分の民”に会いに行くのに なぜ疫病など恐れるのかと

 

ヨンチョルは ワン・ユに ただ警告するのみで放免した

タンギセは なぜもっと追及しないのかと 不満げに訴える

 

『有能で危険な人物であればこそ 近くに置くべきなのだ

それが 人の扱いというものだ!』

 

こんなことも分からないのかと ギロリと息子を睨むヨンチョルだった

 

スンニャンは 抜け殻のようになっていた

皇帝タファンに仕えながら 心ここにあらずで茫然としている

ワン・ユに疎んじられたことで 憔悴していた

 

タファンは そんな様子のスンニャンを責められなかった

今まさに自分も 同じ心境なのだ

先帝の死の真相を知り 血書の存在を知った今

ただ生き長らえるために 愚かな皇帝のままでいいのだろうか…

しかしだからといって 何をすればいいのか分からない

皇太后は ただ血書を捜してはならないと言うだけであった

 

同じく やるせない心境の者同志 酒でも飲もうと言い出すタファン

卑しい者と同席し 酒を飲むなど… と進言する侍従コルタ

しかし そうは言いつつ タファンの恋路を応援したいコルタだった

 

同じ時

 

ワン・ユは ヨンチョルに対抗する次の一手を考えていた

上奏文を使い 突破口を開くことが出来たのだ

ここで果敢に攻め 宮中を混乱させる策が必要だ

 

するとシヌが 妖術師の見世物で観た“アレ”を利用しては?と提案する

それは 一瞬にして文字が消えるという見世物であった

もちろん仕掛けはあるのだろうが 皆が妖術だと驚いたのだ

 

この大都には 妖術師を名乗る者が大勢いるのだという

どういう仕掛けでそうなるのか 調べれば分かるだろうと…!

 

夜も更けて

 

いよいよ困り果てたコルタが ヤンを下がらせては… と進言する

しかし したたかに酔ったタファンは 聞く耳を持たない

 

『今も… ワン・ユの隣にいたいのか? それとも… 私のそばがいいか?』

 

酔った勢いで聞いたタファンに

負けじと飲んだくれ 泥酔しているスンニャンが答える

スンニャンには 目の前のタファンが ワン・ユに見え始めていた

 

『思うまま 申してみよ』

 

そう急かすのは タファンでなく ワン・ユに見えているスンニャン

うっとりと鼻にかかった声になり 甘えた口調で拗ねてみせる

 

『お力になりたいだけなのに… なぜ分かってくれないのですかぁ…』

 

酔いつぶれたスンニャンを 寝台へ運ぶタファン

意識のないまま 皇帝が眠るべき寝台で 寝息を立てるスンニャン

その時 『王様…』とつぶやいたのを タファンは聞き逃さなかった

 

やはり スンニャンの心には ワン・ユが存在しているのだった

しかし何がどうであろうと ワン・ユに渡すことは出来ない

 

タファンは 意識のないスンニャンを どうしようかと考える

でも 同意なくどうにかなることは出来ず やがて眠りに落ちていく…

 

翌朝

 

2人を目覚めさせたのは 皇后の来訪を告げるコルタの叫び声だった…!

陛下は“お通じの最中”だと 実に苦しい言い訳で 皇后の入室を遮るコルタ

舌打ちをし 済んだら呼べと言い 一旦は立ち去る皇后タナシルリ

その隙に寝所から飛び出たスンニャンは お付きの尚宮の後方に並ぶ…!

 

再訪したタナシルリが スンニャンの存在に気づかぬはずがない

寝台の脇の食台に 2つ並ぶ盃を これもまた気づかぬはずがない

執拗なタナシルリの追及に 明確な答えを避けるタファン

雑用係として並ぶスンニャンは あり得ないほど酒臭かった

 

側室と過ごしても許せないタナシルリなのに

相手が雑用係とあれば みるみる怒りが込み上げる…!

スンニャンは 一緒に飲んだことを否定せず 挑戦的に睨み返す

その毅然とした居直りが さらにタナシルリの自尊心を傷つける

 

一方 パク・ブルファとチョンバギは

 

大都で有名な妖術師のもとを訪れていた

口の軽い妖術師は 文字が消える秘密は 特別な墨によるものだという

西域の謎の液体を混ぜた墨で書けば 湿気によって文字が消えると…!

 

ブルファは大金を積み その墨を譲り受ける

そして 湿気に触れても消えないという墨も譲り受けることを忘れなかった

さらに大金を積み すぐに大都を離れてくれと頼む

妖術師は金に目が眩み 二つ返事でそれを了承した

 

命令通り 妖術師から墨を手に入れたが

ワン・ユがそれをどう使うか 2人にはまったく分からなかった

 

『元の民が最も恐れるのは 丞相ではなく天だ

この墨で 天の呪いをかけてやる』

 

天気は下り坂で 今にも雨が落ちてきそうである

ワン・ユの目論見に 天も味方しているかのようであった

 

〈息子が失踪すると 父は恐れおののき 啼いて血を吐く

やがて犯人から書簡が届き それを見た父親は 家から出ようとしない

結局 息子は死んでしまった

捕えられた犯人は 都へ護送する途中 父親に 鉄槌で3度打たれた

これは前代未聞の事件である 殺された者の家門は没落してしまう

父親の処分が決まっておらぬゆえ 判断を求めるものである〉

 

ワン・ユが書いた“嘆願書”は まったく意味不明だった

これを提出すれば 司法担当の刑部の前に 貼り出される

 

さらにワン・ユは同じ物を何枚も書き 大都の民にも配布せよと命じた

息子を殺された父親が その犯人を殺したという文面は

よくありそうな事件であり 読んだ者の関心は低かった

 

しかし シヌの予報通り雨が降り出すと

貼り出された嘆願書に変化が起きる…!

ワン・ユが 何度も筆を替え 墨を違えて書いたのは

雨によって消える文字と 残る文字を書き分けていたのだ

そして 残った文字だけを辿ると…

 

“先の皇帝 血書 出ずる ヨンチョル 3代没落”

 

これは 西域の妖術の一種であるというタルタルの言葉に

都じゅうの妖術師を捕えろ!!! と激怒するヨンチョル

 

これを仕掛けた犯人が 血書を捜す者であれば なぜ公にしたのか…

タルタルは 怒りの矛先が自分たちに向かわぬためにも

ヨンチョルの命令通り 妖術師をすべて捕えるべきだという

 

ワン・ユは 側近たちに くれぐれも言動には気をつけろと忠告する

今は決してヨンチョルに弱みを握られてはならないのだ…!

 

その頃 高麗(コリョ)村では

 

村の様子を探る男が捕えられ 村長マクセンの前に引き摺り出されていた

その男とは 疫病に感染したヨム・ビョンスだった…!

同じ高麗(コリョ)の出身のよしみで

村に置いてほしいと 涙ながらに懇願するビョンス

 

きっとこの村に 隠された秘密があると

それを突き止めれば 再び出世の機会が巡って来ると信じるビョンスだった

 

貼り紙の文字が消えて 恐ろしい内容の文字が浮かび上がったことを知り

スンニャンは 慌ててワン・ユのもとへ走る…!

 

しかしワン・ユは スンニャンを完全に無視し立ち去ってしまう

そしてシヌに 自分の代わりにスンニャンを守るようにと命じる

 

同じく 貼り紙の内容を知った皇帝タファンは

すぐにも朝廷で 臣下たちと議論すると言い出す

すでに丞相の罪は 民の知るところとなった

今こそ丞相を追い詰める好機だと…!

 

皇太后とチャン・スニョンは 必死に皇帝の暴走を止める

 

血書の存在と 丞相の罪が示されたところで

証拠となる血書が見つからないままでは 単なる噂に過ぎないのだと

 

いずれにしても タファンが これほどまでに怒りを感じたことはない

ただただ生き延びるため 泣いて命乞いをした皇帝は

丞相に戦いを挑み 討ち勝とうとする意志を示すほどになっていた

 

丞相ヨンチョルは これまでになく追い詰められていた

しかし今まで 何度も危機はあったのだと 息子たちに言い放ち

皇帝を 大明殿へ呼び 直ちに私兵を召集せよと命ずる…!

 

皇帝タファンが 大明殿に入ると…

 

丞相ヨンチョルは 玉座から見下ろし 座したまま迎えた

タファンはその光景を目にした瞬間 怖気づいてしまう

あまりに大胆なヨンチョルの振る舞いに 侍従コルタは絶句し

スンニャンも 表情を強張らせたまま ただ進むしかない

 

しかし一行は その玉座の前に辿り着く前に 私兵に囲まれる!!!

 

この国の皇帝を私兵で取り囲むなど 明らかな謀反であるが

丞相ヨンチョルには それが許されているのが現状だ

タファンは 父親が書いたという血書のことなど 何も知らないと…

声を震わせ自分は何も知らないのだと 懇願するしかない…!

 

『陛下がご存知かどうか… どうでもいいことだ!

困るのは 陛下が何者かに操られ 利用されること…!

この国の民は 私を “皇帝の首を2度挿げ替えた男”と呼びます

ならば… 3度目があっても不思議ではない!』

 

今こそ丞相の罪を 朝廷で議論する時だと息巻いて

あれほど奮い立ったタファンは もうどこにもいない

一体どうすれば… と 今にも泣きそうに問うばかりである

 

丞相ヨンチョルは 何もしないことだと言い放つ!

生きながらの亡霊のごとく 何も考えず 何もしないことだと…!

 

消え入るような声で 何もしないと誓うタファン

自分が座るべき玉座の前で ヨンチョルに見下ろされたまま…

 

やがてヨンチョルの目くばせで タンギセが 私兵を下がらせる

包囲され 剣を突き付けられていたタファンは

侍従コルタに支えられ 立っているのがやっとである

 

その夜

 

タファンは 傷心のあまり寝付けなかった

今も恐怖心で震えが止まらない

真っ暗な庭園の 池にかかる橋に座り込み 憔悴し切っている

 

今の皇帝を慰められる者は スンニャンしかいないと

コルタが 傍へ行くよう命じた

 

しかしスンニャンでさえ 今のタファンには容易に近づけない

この上ない屈辱を受けたのは おそらく先ほどのことだけではないだろう

皇帝タファンは 飾り人形のように扱われても 屈辱に耐え生きているのだ

 

スンニャンは タファンと背中合わせに座り 目を閉じ耳を塞いだ

何も語らず ただ背中と背中をくっつけ タファンに寄り添う

 

そんな2人の光景を 通りかかったワン・ユの一行が目撃する…!

 

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