西日本新聞 4月16日(土)20時22分配信
熊本城、阿蘇神社、通潤橋-。熊本県民が誇る肥後の「宝」が14日と16日の2度にわたって激震に見舞われ、無残な姿となった。
【空撮写真】瓦が崩れ落ちた「日本三名城」熊本城の天守閣
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「なんということに…」神職や参拝人、絶句 熊本県民の「宝」、無残な姿
激しく崩れた熊本城の石垣=16日午後3時50分、熊本市中央区(撮影・岡部拓也)
熊本市観光政策課によると、熊本城は14日の地震で、天守閣のしゃちほこを含む屋根瓦の落下が相次いだ。16日には国重要文化財の東十八間櫓(やぐら)や宇土櫓の一部も崩れた。城を見ていた男性(22)は「もう一度、あの威風堂々とした雄姿を見られるのだろうか」と落胆し、市の担当者は「今後の風雨でさらに被害が出ないよう祈るしかない」とため息をついた。
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「なんということに…」神職や参拝人、絶句 熊本県民の「宝」、無残な姿
地震で倒壊した、阿蘇神社を象徴する楼門=16日朝、熊本県阿蘇市(撮影・島村史孝)
阿蘇神社(阿蘇市)は16日に楼門と拝殿が倒壊した。長い歴史を誇る神社の象徴である木造建築で、楼門は「日本三大楼門」の一つに挙げられている。楼門も拝殿も基底部から崩れるように倒れ、ぺしゃんこの状態で朝を迎えた。悲惨な状況を目にした神職や参拝人は「なんということに…」と絶句し、立ちすくんだ。
豪快な放水で有名な石造りアーチ橋の通潤橋(山都町)は、14日の地震で入った亀裂が16日、さらに広がった。水漏れがあり、危険防止のため立ち入り禁止になった。町の観光関係者は「ゴールデンウイークまでに修復を」と願うが、町教育委員会は「余震が落ち着くまで手の付けようがない」とうなだれた。