
失敗をしたり、悲しいことがあった
とき、人は自分という存在の小ささ
を思い知らされるものです。自分の
ことがちっぽけに思え自暴自棄にな
ることも。ネガティブな思考に陥り、
悶々としながら考えを巡らせるのは
案外安易なことです。
解決方法は見つからないとわかって
いても、上りのないゲームをしてい
るみたいに同じ場所をうろうろして
しまうのです。
たとえば、小さな生き物が黙々と
自分たちの営みを行っているのを見
て感動することがあるでしょう?
小さくても完璧な生命としてのメカ
ニズムを備え、自然の法則に従って
生きているのを見るとき、私たちは
命のすばらしさを感じずにはいられ
ません。
それなのに、自分の命のすばらし
さについて感動することは本当に稀
(まれ)です。あまりにもあたりま
えのように自分の肉体を考えている。
命のシステムは完璧です。私たち
は神様にしか創造できない体を持ち
ながら、感謝することを忘れている
ばかりか粗末にもしている。肉体に
宿る魂。それこそが今生きている
自分の核であることを思いだしてる
のです。肉体が傷を負えば、体中の
機能が総動員して傷を治そうと
するように、傷ついた魂も再生
する力があることを信じたいと
思うのです。
満天の星空を見て、まだ十代
だった私は自分がこんな広い宇宙
の一部であることをとてもうれし
く思いました。この命はとてもち
っぽけには思えなかった。落ち込
んだときは、あの星空を思い出し
ます。そして再生できる時期の
訪れを静かに待とうと思うのです。