うろ覚え

さっき、医療費の明細(領収書)見てたら、横からムスコが突然
「杉田玄白」
と言い出した。

おっ、おめー杉田玄白知ってんだ。
何した人だ？

「えーっと、地図作った人」

ちがーーう！
それは

「あ、伊能忠敬」

そう！
何だよ、医療費見たから思い出したんぢゃなかったのかよ。
で、杉田玄白は？

「えーとね、・・・なんかね、医者かなんかで・・」

そう、で、何書いた人だ？

「・・・なんだっけ」

なんだよ～、習ったんでしょー。
解体新書でしょー！

「あ、テレビでやってるやつ」

ちがーーう！

「解体新ショーってやってるじゃん」

それはＮＨＫのやつ！
杉田玄白のは解体新書！

「そうそう、それ」

解体新書って何か知ってるの？

「体の内蔵のやつ」

・・・うん、まーね、オランダの医学書を訳したやつね。

「そうそう！それ」

どうも中途半端な覚えかたしてるムスコ。
まぁだいたい知ってればいっか。
解体新書はオランダ語で何って言う？

「え？・・・」

ターヘル・アナトミア。

「平らなとびら？」

ちがーーう！！
ターヘル・アナトミア！
有名だから覚えておけ！

「ふ～ん、あとねぇ、そのくらいにいた人はねぇ、マツチカ門左衛門・・」

ちがーーう！
マツチカじゃねーよ、近松だよ！

「あ、そうそう！近松。歌舞伎書いた人」

歌舞伎っつーか、まぁ戯曲ね。

「あと、歌川広重」

そう、何した人？

「え！？えーっと・・・」

浮き世絵だよ、東海道五十三次だよ。

「そうそう、それ！
あとねぇ、ホン何とか宜長・・」

ホン何とかじゃなくて本居(もとおり)宜長！

「そうそう！それ！」

おめーってそればっか。

ふ～ん、一応学校で習ったことは何となく覚えてんだ。
中学行ったらもっといっぱい出てくるよ、ちゃんと覚えておきなよ～。