中編を書きながら、並行して読んでいた本「おーい、でてこーい」(星新一)を読み終えた。まさに、革命をもたらせるような本だった。
小3の娘が「ママ、それ面白いの?」とたずねる。「すごいで。びっくりするで。こんな世界もあるんやぁって感動するわ」と熱心にすすめたけれど、娘は「ふーん」と言っただけで、また、まじょ子を読んでいる。どてっ。
とにもかくにも、昔読んだときの何億倍も刺激を受けた。「センス・オブ・ワンダーに満ちたアイデア」とは、こういうことを言うんではないだろうか。大阪弁に直訳すれば、「ほんまかいな!!」「そんなアホな!!」←ちょっと違うかな?

自分の中編をかえりみる。うう…。これじゃ、「そんなアホな!!」にはならない。「ふーん、そうなんや」くらいで終わってしまうではないか!! ガララララーッ!!

一から出直そう!! 時間ばかり気になって、8月中に原稿をあげて、あとは推敲に回そうと考えてたけど、ノォーーーーーーッだ!! と鼻息荒くしてると、もう一人の冷静な自分が止める。
「また書きかけで血迷ってる…。とりあえず、最後まで書き上げたら?ねっ」
「な、なにを言うてるねんな。たとえばな、恋愛にたとえたら、この人ステキ!! こんな人に出会えるなんて!!って思ってつきあい始めた人に、奥さんがいたようなもんですわ!!」
「キャッ、それって、不倫?」
「そうそう。そら、三十路すぎて、この先、不安やけどな。そういう時はスパッ!と別れたほうがええねん」
「でも…、その人が奥さんと別れることだって考えられるし…」
「ふわあー!! みみっちぃ、みみっちぃ。そんなせこいこと言うてんと、パキッと別れる。そうするとな、次にえーっ!! こんなかっちょいいマッチョマンがフリーでいたなんてぇぇぇって、びっくりするくらい素晴らしい出会いがあったりするねんで」
「マッチョマン好きねえ」
「たぁぁぁぁぁぁ、この場合は作品のことやで。ええか。なっ。そやから、わたしは新しい道を行く!! 止めんといてや!!」
「ふぅぅぅぅぅ」
と……、もう一人の自分がため息をつくのもわかるけど、気づいてしまったら、しょうがない!!
Go! Go! 前進あるのみだ。
