理想国家日本の条件 自立国家日本 日本の誇りを取り戻そう! 桜 咲久也

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【日本よ】石原慎太郎 核保有に関する覚書

2010年12月07日 12時23分17秒 | 旧・政治・経済、報道

【日本よ】石原慎太郎 核保有に関する覚書http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101206/plc1012060330004-n1.htm
2010.12.6  産経新聞転載
  
敗戦後二十七年たって沖縄返還交渉が行われていた
際核兵器の扱いについての議論がかまびすしかった。
当時の佐藤内閣は、核は持たず、造らず、持ちこませず
という非核三原則を標榜してことに臨んでいたが、
一方返還交渉に並行して日米間で繊維問題について摩擦が高まり、
アメリカの高圧的な姿勢に反発が高まっていた。

 そうした状況の中で毎日新聞の日本の核保有に関する
世論調査が行われ、保有を是とする者35%、
非とする者36%という際どい結果が出た。

 現在、尖閣諸島で中国による強引な侵犯が起こり、
政府の醜態不始末が露呈して国民の間に強い危機感が
台頭してきている今、国土への侵犯や経済への収奪沈滞の中で、
それは所詮国力の差によるものと自覚し、国力とは
とどのつまり軍事力、それも核の保有非保有による格差と覚れば、
日本の核保有に関して国民はいかなる姿勢を示すのだろうか。

 この日本は、間近な周囲を中国、ロシア、北朝鮮という、
いずれも日本に対して険悪な姿勢を示している国に囲まれ、
その日本を守ると称しているアメリカは国力の衰退が
はなはだしい。そのアメリカはこと尖閣の問題に関して、
国務長官は安保をかざして乗り出すとはいうが、その下の
実務担当の高官は穏便に解決せよと圧力をかけてき、
あの体たらくとなった。

国家の安危に関してこんなに危うい状況におかれ、
じりじりと被害を被りつつある国家は今世界に他に例がない。

 しかしあてがいぶちの平和の毒に飼いならされた
この国の国民の意識は、自らの犠牲努力で自らを守るという意識を
今後どれほど抱き得るのだろうか。その判断のよすがになり得る、
先人の思いがけぬ試みと努力について最近知らされたものだが。

今年の春に死去した元外務次官の村田良平氏がその死の直前
自らの死を意識してとの前置きで語った、1969年日本が
ドイツと協力し核を開発保有しようという史実の意味は
今日的にも大きいと思う。沖縄返還交渉はその三年後に行われたが、
その以前の佐藤政権は一方で実はそうした試みをしてい、
佐藤総理は当時のジョンソン大統領に、
日本は核を持つ意思があると伝えていた。
その根拠は、アメリカの日本に対する核の抑止に関する
根本的な疑義だったろう。

 私はワシントンでの返還交渉に、竹下登議員と二人だけ
総理の許可を得て非公式に随行したが、それを聞いて、
親友だった沖縄の返還交渉に総理の密使として活躍していた
若泉敬がその帰りに是非ともアメリカの核戦略基地である
NORAD(ノース・アメリカン・エア・ディフェンス)と
SAC(ストラテジック・エア・コマンド)を視察して
くるようにと建言してくれた。

                   ◇

その結果NORADを見て、水爆は開発されていたが
それを運ぶ手立ては大陸間弾道弾しかなかった当時
(未だ原潜に搭載するサブロックなどは開発前だった)
NORADの警備機能はその名の通り日本には及んでおらぬが故に、
アメリカの核戦略での抑止力は日本のためにはあり得ないと
確信させられた。私がそういったら、案内してくれた司令官は、
当たり前だろう、日本はここから遠すぎソヴィエトはそちらに
近すぎる、他の政治家が何を言っているか知らぬが現実は
お前のいう通りだ。なぜ日本は自分で核を持とうとしないのだと
逆に諭された。
私に視察を建言してくれた若泉も視察の口添えをしてくれた
佐藤総理も、実はそれを知ってのことだったのだと
今になって覚らされた。
 
東ドイツ問題のあるドイツは日本の提案に応じ切れなかったが、
その後日本とは全く逆に、ブラント外相時代アメリカを
強く説得してドイツにこそ核兵器を持ちこまさせその
引き金を引く権利を保障させた。この現実感覚の違いをどう受け止めるか。

 歴史について、もし何々だったら、ああしていたらと
想定して計るのは詮ないことだが、しかしわずか四十年前の
日本の政府の思惑がもし実現していたら、北朝鮮による
多大な数の同胞の誘拐拉致はありえなかったろうし、
今日の中国によるやくざまがいの領土侵犯もあり得なかったろうし、
ロシアに奪われた北方領土についての関わりも違ったものに
なり得ていたに違いない。

今日の世界の外交問題はすべて国力、つまり軍事力、
つまり核の保有非保有を背景に左右されているのだ。

という実はありきたりな現実を、我々は直視しなおす
必要があるのではなかろうか。

 アメリカの中国に対する意識は、自国の衰弱に沿って
微妙に変わりつつある。過去にアメリカが画期的な試みとして、
原潜にミサイルの代わりに搭載した巡航ミサイル、
中国が最も嫌がる戦略兵器をなぜかアメリカは最近廃棄すると
発表した。二国の間にどんな取引があったものか。

これについての日本側の反応があまりに鈍いと
アメリカの識者は慨嘆しているのだが。

 今日の世界情勢の中で、核兵器は実際に使用されることは
まずあり得まい。がなお、それを持つ持たぬが一国の運命を
左右もしかねぬというのが、現実なのだ。

 若泉敬が存命中、二人してフランスの実存主義の
哲学者レイモン・アロンと会食したことがある。
その時話題が核に及んでアロンが、世界で唯一の
核被爆国の日本がいまだに核を保有しない訳が分からぬと指摘し、
日本にはどうやらドゴールの如き誇り高き指導者が
いないようだといわれ、返す言葉がなかった。

 広島、長崎への核投下で殺戮された三十万の同胞は、
非核のセンチメントのままにこの国が中国の属領となり、

あのチベットのようにその文化伝統も否定されても
なお浮かばれるというのだろうか。

 

 


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1 コメント

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その通り (イマコダマ)
2010-12-07 23:59:12
全く持ってその通り。核武装を真剣に考える時期が来た。いや検討では遅いかもしれない。配備の為の具体的ロードマップが必要だ。ドイツのように核シェアだって構わない。これは、一人日本の為だけでなく、中国の圧力に怯えるアジア全域にとって必須の安全保障策となる。中国に物言い、勢力範囲を抑える存在になる為に核武装が是非とも必要だ。中国が神の国を標榜するアメリカの如き国であればまだしも、中国は善悪も法治も常識も通じないお金と武力だけの史上まれに見る大変危険な真のならず者国家だ。今はアメリカがまだ辛うじて世界のリーダーで、自由、人権、民主主義、市場主義、法治の浸透を標榜しており、まだ世界のリーダーを任せられる存在ではあるが、中国がリーダーとなったときは、世界が地獄となる。急がねばならない。
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