偏桃体のなすがまま

どうしてこんなにも翔さんに惹かれるのでしょう。
その理由が知りたくて今日もあれこれ思うのです。

26日の燕のいる駅

2005-09-27 | 鑑賞・観覧
今は無事に東京千穐楽も終って、
一息ついている頃でしょうか。
『燕のいる駅』は明るいシーンも、重いシーンも
テンションを張って芝居する必要があるので、
精神的・肉体的な消耗が激しかったのではないかと思います。
大阪公演までしばらくありますけれど、
カンパニーの皆様がしばしの休息を楽しめるといいなぁ。
東京公演、お疲れ様でした。

◎燕のいる駅◎
初めて『燕のいる駅』という芝居を観た様な気がしました。
今まで私が観た3公演は、
相葉さん演じる高島くんにばかり気が取られ、
舞台の全体像を観てはいなかったのだなぁ、
と言うのが実感です。

かなり下手からの観劇だったので、
見切れた部分もあったけれど、主任さん、鈴木くん、
谷川さん、榊原さん、次郎ちゃんと奥さん、
センターで行われてる芝居とは別の、
その役ならではの細かい表情や仕草を楽しめました。
特に主任さんは面白かったなぁ。
主任さんは全体的なお芝居もとても達者で面白かった。
本当に存在しそうな気がしたので、
自然な演技だったのかなと。

2人の部下とのかけあいの間も
緊張と緩和のバランスが良くて
お芝居を締めていたかなと思います。

相島さんのアドリブは20日バージョンの
「3人寄れば……もん、もん、門前仲町(小声)」が
私は面白かったかな。クスリとも出来なかったのは
「モンキーバナナ」でした。

4人の女子大生の会話はちょっと煩すぎる気がしましたが、
近くで見たことも影響してるのかもしれないのだけれど、
一人一人のキャラがとても立っていたように感じました。
4回目だから慣れただけかな(笑)?
でもそれだけでもないと思います。
なんていうかな、気迫を感じました。

余談ですけど、ファニーな役割のあさみちゃん。
お肌がとっても綺麗。
まるで韓国の女優さんのように内側から光輝くような、
張りのあるメイクのりの良いお肌でうっとりしました。
どんな美容法を実践されてるのか聞いてみたいわ。

最後まで私には浮いた感じで真に迫ってこなかったのが
高島くんに想いをよせる売店の女の子・榊原さんの
お友達のゆきちゃん。随所に、どうしてそんな表情?
声の張り方?と違和感が拭えず、
結局4回観ても、その印象は覆る事がありませんでした。
特に26日はそれぞれの役がいつも以上に素敵に感じたので
違和感も更に増幅された気すらしましたね。残念。

榊原さんは恋する乙女の可愛らしさを全身で演じられて、
とてもキュートでした。榊原さんの演技で好きなのは
電車のダイヤが乱れた原因の人身事故が、
高島くんと榊原さん2人が旧知の
前駅長さんの自殺だと知り、自分の目の前で
駅長室に入り扉を締められてしまう背中。
やるせなさに苦悩する高島くんを見て、
傍で慰める事も許されない悲しさの溢れた
榊原さんの背中が好きです。

客席に向き直り、駅長室の柱に背中を向け
自分が高島くんのために出来る事は何か?、
ふと榊原さんの頭をよぎったこと。
大好きな高島くんに「板を買ってきてくれ」と
冗談で言われた一言を本気にして、売店を閉め
駅長室外壁にかけられた白い防御服を手に取りますよね。
(↑何やら身体によくない光線が空から降ってるような
危険なご時世なので、白いマント状の防御服がある)
あそこ、もうひとタメして欲しかったなぁ~。
だって、あの防御服って、高島くんのなんじゃないの?
榊原さんにとって高島くんの服を借りるって事は
凄く特別な事だと思うのね。だからもうひと呼吸あると
恋する気持ちが膨らんだかなって思いました。

ま、思い込みですけど(笑)
防御服は高島くん個人の物でなくて、
駅の物かもしれなくてみんなでその1着を
使いまわすのかもしれませんしね。

一番泣いたのは……っていつもそうなんですけど、
やっぱりローレンコ次郎ちゃんの出てるシーンでした。
ローレンコ次郎ちゃんは高島くんの
幼馴染みで兄のような存在。
お母さんが外国人で、日本人らしい名前を
つけたいとの理由で一人っ子なのに「次郎」ちゃん。

次郎ちゃんの演技は奥さんとのシーンも
凄く良かったし、高島くんとのシーンも凄く良かった。

何がグッとくるかって言うのは、
次郎ちゃんも奥さんも泣いてる時に笑おうとするのね。
それがたまらなかったなぁ。
泣き顔って唇は「へ」の字になるはずで、
口角が下がるでしょ。
笑顔は逆に口角を上げる行為だから、
これは意識的にやらないと出来ない、
口輪筋に負担を強いる難しい仕草だと思うんですよね。
気持ち的には泣きたいんだと思うの。もうワンワンと。
だけど、これが今生の別れになる予感の中で
次郎ちゃんが高島くんに向けて、
次郎ちゃんが奥さんに向けて、
奥さんが次郎ちゃんに向けて、
泣きながらも笑おうとするのは
最後に記憶に留めて欲しい自分の顔は
泣き顔じゃなくて笑顔でとの想いから、
必死で笑おうとするのかなと思えて、たまらなかったです。
もしかしたら、記憶に留めて欲しい人も
死んでしまうかもしれない事、
次郎ちゃんと奥さんは本能で感じてるのかもしれなくて
それでも一瞬を焼き付けたくて
笑おうとする所が悲しかったなぁ。

高島くんは20日に「あぁ、声が潰れてしまった」と
思った以上には声帯は悪化してなかったです。
声がまったく出なくなってしまう役者さんも観た事あるので、
最低レベルは死守したなぁと本当に安心しました。
近くで見ると怖いぐらいの熱演でした。
遠くからでもわかるんですけど、
近くだと尚更、汗やら、涙やら、鼻水やら、良く見えて
26日は涎まで流してました。
およそ、アイドルの演技とは思えなかったです。
「体当たり」何をやるにもそれが相葉雅紀なんだなぁと
やっぱり愛しかったです。
よく頑張ったと褒めてあげたいです。
戦争が開始された連絡を受けた後の
高島くんの台詞回しが過剰に不自然な気がしたのですが、
演出上、GOサインは出ていたのでしょう。
実際、戦争の知らせを受けた時に、
人はどうなってしまうのか?なんて、
戦争を知らない私には想像もつかないので
私が宮田さんの感性と合わない部分が
あったと解釈しています。

解釈が合わないと言う点では、最後の不吉なパンダ雲が
徐々に大きく迫り来る様子を
幅の細い電光掲示板で見せたところ。
あそこはイヤだな。ちゃちじゃない??
照明で演出できなかったのかと思い残念です。

が、カンパニー全体がこの演目にとても愛着をもって
演じてるのがとっても伝わってきて素敵でした。
カーテンコールの充実した顔が輝いてました。
大阪公演も是非、頑張って頂きたいと思います。
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