ひよっこ日本語教師街道!

日本語教師としての発見をマイペースに綴っていきます♪教師への道は甘くない!!

日本語習得にはまずリズム感を。

2017年09月18日 | 日本語教育のこと
中級レベル程度のフィリピン人Jさん。
書くのはまだまだだが、耳でしっかり日本語を捉えて学習している。
フィリピン人なので英語学習の経験もあり、ストラテジーが発揮できるのだろう。

そんな彼は長めの文を話していて、
順調に話していた最中
「あ…、あー…」
と詰まる瞬間がある。

何か足りない」という瞬間。
それは副詞だったり「~んですが」だったり「あいにく」のような
クッション言葉だったりと、意味把握には必須ではない表現部分。
でもあったほうがしっくりくる部分だ。

なぜ彼は「その語彙を入れること」に気づくのかと考えていて、
リズム感をつかんでいるからではないかと思った。

そしてそう考えると副詞や感嘆詞、複合助詞などには
意味を加える役割の他に効果的なリズムを作る役割も
あるのかもしれないなと思った。
詳しく説明したり、強調したりするためには発話のリズム、かける時間に
メリハリをつけることが大切だからだ。

(例えば、「~から」よりも「~からには」「~からこそ」
のほうが単純に発話の時間が長くなるし、そのあとの「、」の一呼吸が
あることで次の語彙が際立つ。)

こういう内容の時はこんなリズムでここに大切な情報(語彙)を持ってくる、
とか、ここで「~んですが」を入れることで一旦相手と間を合わせるとか、
耳で覚えていくとそういう日本語らしいリズム感が身につくのかもなぁと思った。

そう考えると、『7か国語をモノにした人の勉強法』の中の
「頭の中に埋めるべき空欄を作りそれを埋めていく」の「空欄」というのは
音楽の音符のようなもので、リズム感を身につけてこそ描けるものかも。

リズム感をつかむ。
これを意識して教えると、なにやらいろいろよさそう…と思う。
(特に助詞を教えるとき、強調して変なリズムにならないように…!)

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言語を奏でる

何よりも大切なのは『抑揚』の指導

2017年09月12日 | 日本語教育のこと
発音、アクセント、イントネーションありき。
中でも一番大切なのは『抑揚』。
最近とみにそう感じています。

日本語の話し手は、ひらがなの「へ」の字のような高低(抑揚)をつけ
大切なところは高く、そうでないところ(助詞とか!)は低くと川が流れるように話し、
またその呼吸で話し手の話を聞いている。
同じ音楽を共有するような感じ。

ところがその流れや高低幅が著しく自分と違ってしまうと、
どうにも耐え難い聞きにくさや居心地の悪さを感じる。
聞き手はとても疲れてしまうのだ。

この流れをつかむのにとても苦労するのがベトナム人
ベトナム語は声調の言語で、その声調の数は中国より3つ多い7つ
一つ一つの音に声調を付けて息を使って話すため、
日本語のように「吐きながら流れるように」話すのとは全く息の使い方が違う。

だから日本語の、吐ききる「です」の「す」や「ました」の「し」が
聞き取れなかったりうまく出せなかったりして

「~ます」→「まっ」
「~ました」→「まった」
「テスト」→「テット」

になってしまったりする。
(「です」の「す」を吐きながら5秒伸ばして言ってみて、と言っても
 ベトナム人はたいてい皆さんできない。)

「わたしは」や「それから」「だいがく」のように
後半三つ上がりっぱなしの音に違和感がある?のか
「わたしは」の「しは」を下げたり
「それから」の「れ」だけ上げたりしてしまうのも、
声調のある母語の干渉かもしれない。

ベトナム人にはまず息の使い方、
そしてまとまりとして話す話し方
を指導しなければならないと思う

初級のうちに…必ずや初級のうち…に…。

いくら文法ができても語彙が豊富でも、
聞いていて疲れる人の話は世間の日本人は
(相当 心に、また時間的に余裕がなければ)
聞いてくれないのだから

抑揚が日本語らしくないだけで、聞き手(外国人慣れしてない日本人)
が疲弊してコミュニケーションが断ち切られてしまう現場を、
何度も…見て…います…


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