たまゆら夢見し。

気ままに思ったこと。少しだけ言葉に。

平成最後のドタバタ 何故紀子さまをバッシングするのですか。

2019-01-14 19:30:48 | 日記
あんまりだ…と思うので書かせていただく。

病気療養中の雅子さまの代わりにいろいろとサポートされてきた紀子さまに対するバッシングだ。

いつころだろうか、紀子さまをこんなにも激しく責めないと気が済まない風潮は。
まるで東宮として何も務めができなかったお二人に付加価値がないため一生懸命取り繕うような吐き気を覚える記事、コメントが席巻しているのは。

昔知り合いから聞いた紀子さまを下げるコメント、昔からある火のないところにたったという噂、本当のことかどうかわからないことがさもありなんで綴られる。
内親王眞子さまの恋の失敗…そんなに攻められなくてはいけないことでしょうか。小室氏という稀代の目立ちたがり屋を見抜けなかった失敗を責めて眞子さまにどうしろと言うほどわたし達は立派な恋愛しかしなかったのでしょうか。眞子さまだからこそ引き受けないといけない責任事実はありますが。


宮内庁関係者って誰でしょう。では、「あの皇太子を天皇と呼びたくない、あの奥さんに関しては離婚していただいて天皇夫人でもありがたいと思っていただいていいわ。皇后なんて務まりませんわね。無理でしょ。みんなわかっているのに黙っておられるのね。
愛子さまが天皇なぞ皇統にあまりに知識が無くて、びっくりです。愛子さまが中継の女性天皇になっても悠仁親王がいらっしゃるのに何がおっしゃりたいのかしら。弟の家に皇統が渡ることが当たり前の流れというのにおかしいわ。男子をご出産なさらなかったのですから。皇室はそういうところ。そんなのお妃教育でご存知あそばれませんの。まさか皇統はそれでも自分達のものでないということがお分かりにならない…愛子さまが外国の方と結婚されたら外国の方を男性天皇とお呼びするの。誰がご尊敬申し上げるの。普通わかりますよね。皇室破壊なさりたいの。信じられない。」ある一納税者からの話だ、にはらない。

皇室ウォッチャーのある主婦が言う。「国民に寄り添うと言いながら、まともに平成最後の読書始めに参加されない新皇后さま…あまりにも順番が違うのではありませんか。」と同様の話ではないか。

紀子さまの御心を知らずにバッシングに勤しんで何が得られるのだろう。

哀れな雑誌記者、それにあおられ同じ内容を繰り返すコメントの哀れな輩…

紀子さまの御心も考えずに書く愚業による悪徳をいつまで続けるのか。

それでも紀子さまはご自分の責務を颯爽とされていくのだろう。

そんな紀子さまにどんなお言葉であればお許しをいただけるのだろう。


哀れな輩…紀子さまにたいして憎しみをは愚の骨頂だ。

哀れな輩…真摯な姿とは、誰を示すのか。申し上げないまでわかっているのに目覚めないふりは単なる怠惰だ。

我が背子 大津皇子23

2019-01-10 09:02:32 | 日記
「姉上…私はまだ山辺皇女を抱いてはおりませぬ…」大津は大伯に事実を伝えた。

「何故…」

「姉上をお慕いしているのです。そんな気持ちのまま山辺皇女を抱けなかった。でも、姉上でありこの国の最高神の妻神…私はどうしようなく迷った。そんな時姉上が病になられた。やっと会えて自分のしたことに間違いではなかったと。」

「大津…」大伯は絶句したままだった。

大津は恥ずかしいことを不可侵の女神に言ってしまった。もう二度と弟しても見てもらえないかもしれないとも思っていた。「さ、姉上、薬湯をお飲みください。…先程のことは弟の戯言ことともう聞き流してくださいませ。お耳を汚し申し訳ありませぬ。」

大津から薬湯を受け取った大伯は小刻みに震えていた。
「大津…私とてそなたを。姉弟を越えて。私とて。」

大津は驚き「真ですか。」と思わず前のめりになり聞いた。

大伯は小さく頷き「あなたが山辺皇女を妻にしたと都から聞かされ幸せを祈ったわ。しかし以前そなたがここに来てくれたあとどんなに寂しくても…我が意識を向ければ月明かりにも大津はいる、どこにでも大津はいる一緒だという気持ちが消えたの。それを探すため禊を増やし祈ったわ。でも、自我の祈りなんて意味ないのね。身体を壊しただけよ。妻神と言われても我は感情を持った人間なのよ。ただ…大津…山辺皇女を悲しませてはならないと思うわ。」と言い薬湯を口に含み飲んだ。

「姉上のお気持ちが聞け私は嬉しい。」

「ねぇ、大津。奇跡って信じる。」

「今でも夢のようですが。」

「斎王はいずれ終わりがくるわ。その時奇跡が起こるの。きっとそなたが望むような奇跡よ。」

「奇跡…何か姉上は私に隠しておいでですか。」

「我が斎王を解かれるときはやはり不謹慎なことでしょう。それは言えないけれど、奇跡を信じてくれる。」

「私が望む奇跡は姉上も望んでくださることなのですね。」

「ええ、きっとそうなるわ。」

大津の身体が熱くなった。心の臓が強く打っていることを感じた。



我が背子 大津皇子22

2019-01-10 08:58:51 | 日記
数日経つと大伯は軽い食事も取れるようになってきた。

大津は飛鳥にいる父、天武天皇には改善傾向であるが全快には日がかかるとの早馬を飛ばさせた。

やはり夜になると微熱が続くといった状態で油断は禁物の状態であった。

大津が野に咲く花を手折り大伯に見せたり、都の話、時に漢詩の話などをし大伯を和ませた。

「大津、もう大和に帰っていいのよ。山辺皇女も寂しがっているでしょうし、何よりそなたは皇太子。
やらなくてはならない責務があるでしょう。」大伯は少しうつむき加減に言った。

「何を仰せですか、姉上。私の今の役目は姉上がまた斎王として国の安泰の祈りを捧げられるようになること。大事な責務だと思われませぬか。」

「そうね…でも…いいのかしら。そなたを伊勢に留めて。」と大伯は言い少し咳が出てしまった。また、心配をかけてしまうと歯痒い思いになった。

「姉上、お顔が赤くなられました。また、熱が出始めておいでではないですか。薬湯を作らせましょう。」
大津は近くにいた礪杵道作に薬湯を持ってくるよう命じた。

「大津…そなたの気持ちは嬉しいの。でも…」

「姉上、姉上らしくありませぬな。」

「私が山辺皇女であれば…少しでもそなたから離れたくはない。それが何故か我には痛くわかるから。」

「姉上…」大津は言葉を詰まらせた。

その時礪杵道作が薬湯を運んで来た。大津は受け取り用事があれば声をかけるので二人きりにしてほしいと退がらさせた。

「山辺なら留守を守ると申しておりました。姉上はご自身が良くなることをお考えになられますように。」

「そなたの幸せが我の幸せと言いながら情けないわ。」と大伯は苦痛に滲んだ表情をした。

我が背子 大津皇子21

2019-01-09 09:55:53 | 日記
斎王…大伯皇女の元に辿りついた。
春の到来を伝えるかのように草木が山をうす紅に染めていたが高見峠から伊勢へは道なき道であった。

大伯の乳母、侍女たちは「皇太子さま、お待ちしておりました。皇女さまは熱も高く、咳こみも激しく食事も受け付けられず衰弱されています。」と大津を見ると安堵し大伯が眠る寝所に急ぎ案内した。

「姉上」大津は熱にうなされ苦しい息づかいをする大伯に声をかけた。反応はない。美しい瞳もこちらを見ようとはしなかった。

氷室から運んだ氷を匙に乗せ大津は優しい言葉をかけてくれる唇に当てた。
冷たさにか「あ…」と声にもならぬ反応が見られた。
「姉上、わかりますか、大津です。」と再び氷を唇に当てた。
少し首が上下に動いた。
「姉上、わかってくださっているのですね。もう安心してください。」
大伯の唇から、ふぅっと息がもれた。

「乳母、姉上の首筋、脇、足の付け根にもっと冷たい布を当てよ。冷たさがとれたら直ぐに新しい冷たい布に取り替えよ。さすれば熱が下がると飛鳥の薬師から聞いた。薬を飲むのは意識があってからじゃ。そして肺の臓の負担を無くすため姉上の背中に布団をあてよ。その方が痰がでる。そうすれば息苦しさが取れる。」と大津は乳母に命じた。
乳母は一瞬呆気にとられていたが「早くせよ。」と大津は語気を強めた。「我が姉上といえ、男である我が触れることはならぬお方だとわかっておるであろうが。早うに。」

乳母、侍女らは大伯の背中に布団をあてがい座るようにさせると大津に見えぬよう言われた箇所に冷たい布を当てがった。大伯は激しく咳をし苦しそうに息喘いだ。

「姉上、冷たい氷を少しでもどうぞお召し上がりください。」と大津はこみ上げる気持ちを抑え何度もその愛おしい唇に氷を当てた。乳母、侍女も何度も布を冷たいものへと替えた。

時間がどのくらい経っただろう…「大津…なのね…ありが…とう。」と苦しそうに大津を見つめ大伯は声をかけた。
「姉上、我がわかるのですね、姉上、姉上、大津はそばにおりますぞ。安心してください。」大津も涙声で答えた。
大伯は安堵したように頷き、乳母、侍女らにも礼を述べた。


我が背子 大津皇子20

2019-01-08 09:05:07 | 日記
天武天皇から大津に「斎王…大伯が肺の臓を病んでいると言う。直ちに伊勢に行き見舞って来るように。」と命令が下った。

大津は足元が崩れてしまうかのような孤独に襲われた。
あの、かの人の声が哀しく聞こえたのも…そのせいか。

訳語田の舎に戻り伊勢への旅支度を礪杵道作に命じた。高見峠をめがけ真っ直ぐに走りこの飛鳥の地から最も早く駆けつけられるように。


山辺皇女が「私も伊勢に連れて行ってくださいませんか。斎王…大伯皇女さまは私の憧れでございました。近江の宮でも一番美しい女性と皆口を揃え申しておりました。あなた様の姉上…一度でいい、お会いしたいと思っておりました。」と大津に哀願した。

「今回は急ぎ参らなくてはならぬ。天皇の命令でもある。急ぎ参らなくてはならぬ。道なき道を精錬した舎人らと参る。聞き分けておくれ。」大津は山辺皇女に語りかけた。
「嫌です、皇子。あなた様は伊勢から戻られぬ気がいたします。私を忘れ…いや、いまでもあなた様にとって私など必要とされてない。」と泣き崩れた。

「必要と思うておる。わかってほしい。」と大津は絞り出すような声で山辺皇女に語りかけた。

そんな大津の声を打ち消すかのように大きく首を振り言った。
「先日、あなた様の留守に草壁皇子がこの訳語田の舎に立ち寄られました。あなた様が采女の大名児に声をかけている、私に新婚の夫を大切にしていただかないと草壁皇子は困ると仰せになりました。草壁皇子はその采女をたいそう気にされておりいずれ自分の妃の一人にされたいそうなのです。ですから…」

「根も葉もない嘘だ。そなたしか我は必要ではない。」嘘をついたと思った。大伯の面影が浮かんでいた。「そなたが我を信用してくれないと困る。」 目の前に美しい顔を涙で濡らして愛を乞う山辺皇女がいる。
大津は山辺皇女を引き寄せた。「必ず戻る。」大津は山辺皇女の髪に鼻孔、唇を当て「我が妃ぞ。」山辺皇女はその声に応えるように頷き「申し訳ございません。唯一の姉上さまが苦しんでおられ、あなた様がどんなにご心配されているかを今見ているというのに。」と言った。「留守は引き受けてくれるな。草壁などの戯言に惑わされず。我が妃よ。」と大津がにっこり笑い言うと「あなた様しか信じませぬ。」と山辺皇女もつられ笑顔で答えた。

半刻ほどし大津は礪杵道作と腕のたつ舎人3人で伊勢へと旅立った。
山辺皇女は侍女達と大津達の姿が見えなくなるまで手を振り見送った。