大伯は「山辺皇女を大切にね。きっと皇女なりにそなたを大切に思っているのがよく伝わってくるわ。」と言い「先ほどまで嫉妬に苦しんでいた我が言うのもおかしいけれど。」と頬を紅潮しているのが自分でもわかった。
大津は「姉上のお気持ちを知った今、皇女とどう向き合えば良いのか。父のように沢山の妃が欲しいわけでもなく姉上だけであったのに。」と苦渋に満ちた表情で言った。今すぐこのまま姉上をさらってしまいたい。しかし不可侵の女神をこのまま触れる勇気もないことはよくわかっていた。それは全てを破壊するからだ。姉上の言う通り時が満ちればそれさえ待てばいいのだから。
「山辺皇女は何か困っていらっしゃらないの。」と大伯は唐突に聞いた。
「そういえば…草壁がある采女を気に入っているのですが、その采女は何故か私に気があるらしく…袖にされているのを山辺に愚痴、苦言を言っているようです。新妻の山辺にしっかりするようにと。」大津は淡々と言った。
「よほどそなたは女人と戯れているの、草壁もやきもきしているだけよと意地悪を言いたくなるわ。」と大伯は茶目っ気たっぷりで大津をからかった。
「違いますよ。先ほども言ったように姉上だけです。」と今度は大津の方が頬を紅潮していた。
「そなたが山辺皇女であったらどんなふうにしてほしいのかだけを考えたらどうかしら。
草壁からのいわれのない言いがかり、近江朝廷の皇女という立場の不安。そなたの愛情で包んでやりなさい。仲睦まじくいれば他の女人と戯れていても皇女も草壁も安心するわ。」と大伯はクスクスと笑いながら言った。
「今宵の姉上は少しお元気になられ大津は嬉しゅうございますが、大津とて意地悪をしとうなりまするなぁ。」
「あら、大津の意地悪を見たことないから楽しみよ。」
「山辺を妃として抱く。そうすることで姉上は嫉妬なさらずに。」
「それが大津の意地悪なの。仕方ないわ、わかったわ。言い寄ってくる采女も適当にね。」
「方々で誤解され、姉上に意地悪をされるのは割にあいませんからね。」と大津が言うと声を立てて2人は笑いあった。
大津は「姉上のお気持ちを知った今、皇女とどう向き合えば良いのか。父のように沢山の妃が欲しいわけでもなく姉上だけであったのに。」と苦渋に満ちた表情で言った。今すぐこのまま姉上をさらってしまいたい。しかし不可侵の女神をこのまま触れる勇気もないことはよくわかっていた。それは全てを破壊するからだ。姉上の言う通り時が満ちればそれさえ待てばいいのだから。
「山辺皇女は何か困っていらっしゃらないの。」と大伯は唐突に聞いた。
「そういえば…草壁がある采女を気に入っているのですが、その采女は何故か私に気があるらしく…袖にされているのを山辺に愚痴、苦言を言っているようです。新妻の山辺にしっかりするようにと。」大津は淡々と言った。
「よほどそなたは女人と戯れているの、草壁もやきもきしているだけよと意地悪を言いたくなるわ。」と大伯は茶目っ気たっぷりで大津をからかった。
「違いますよ。先ほども言ったように姉上だけです。」と今度は大津の方が頬を紅潮していた。
「そなたが山辺皇女であったらどんなふうにしてほしいのかだけを考えたらどうかしら。
草壁からのいわれのない言いがかり、近江朝廷の皇女という立場の不安。そなたの愛情で包んでやりなさい。仲睦まじくいれば他の女人と戯れていても皇女も草壁も安心するわ。」と大伯はクスクスと笑いながら言った。
「今宵の姉上は少しお元気になられ大津は嬉しゅうございますが、大津とて意地悪をしとうなりまするなぁ。」
「あら、大津の意地悪を見たことないから楽しみよ。」
「山辺を妃として抱く。そうすることで姉上は嫉妬なさらずに。」
「それが大津の意地悪なの。仕方ないわ、わかったわ。言い寄ってくる采女も適当にね。」
「方々で誤解され、姉上に意地悪をされるのは割にあいませんからね。」と大津が言うと声を立てて2人は笑いあった。