酒屋三代目 ~明日はどっちだ?~

今や酒屋低迷時代。しかも繁栄か衰退かの境目と言われる「三代目」。それが私……?
――さぁ、精一杯あがいて行こう!

玉鋼のごとく

2007年04月20日 18時09分47秒 | 日本酒
日本酒を造る行程で、重要なものに「火入れ」があります。
文字通りに捉えてしまうとすごい大事のような気がいたしますが、
いわゆる「低温殺菌法」のことです。

そう、ちょっと高級な牛乳で用いられている方法。
低温殺菌の牛乳は濃厚で旨みも残していますが、
130°で2秒間という、超高温瞬間殺菌法で作られた牛乳は、
風味の点で低温殺菌の牛乳とはかなりの差が生じています。

つまり、お酒の旨みを破壊しないように、この方法が用いられているのです。

では、「火入れ」の目的とは何でしょうか?

火入れはお酒を63~65℃に加熱して、有害な菌を殺菌すると共に、
活動を続けようとする酵素を破壊することも目的としています。
火入れしないお酒は、確かにフレッシュで美味しいのですが、
冷蔵が必ず必要になったりと、よりデリケートなお酒になります。
すべての日本酒が要冷蔵ですと、ちょっと困ってしまいますよね。

しかし、火入れしないお酒がフレッシュだと言うことは、
火入れによってお酒が変質してしまっていると言うこと。
それが「劣化」とはなっていないところが、
蔵人の経験と技術がキラリと光っている事を明かしているのでは。

さらに「急冷火入れ装置」など、新しい技術も開発され、
火入れも選択の幅が広がってきています。
無限の選択肢の中から、何をつかまれるのでしょうか?

次回は「火入れのタイミングと有無」をお送りします。

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