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倭人語のすすめ

倭人の言葉が残されていた。古事記の神々の多くは、秘文とされた文書を基にしていた。一音一義の倭人語を解き明かしたいと思う。

弓前文書 第1章第3節

2025-07-29 09:26:29 | 弓前文書(神文)
1300オナツコトム[大成積凝充醸 o na tu kou tou mu]
【原本訳】大いなる秩序の集積が形成され出した。
【一音訳】[大]大きい・おおいなる[成]成る・秩序整然[積]積み上げる[凝]固まる[充]富む・充分[醸]醸す・物質がどんどん増大
【文節訳】[大成積]大いなる秩序の集積[凝充醸]形成し増大する
【解釈訳】大いなる秩序の集積はこの場合、大地の事を指す。星々が出来、太陽が出来、次は大地が形成されて行った。
【意訳】大地の誕生(第1章第3節節題)


1301オトノイエ[大保乃辺 o to noi wai]
【原本訳】大いなる垣根が保たれた。
【一音訳】[大]大きいという感嘆詞[保]戸・蓄える[乃]~となった[辺]囲む・垣根
【文節訳】[大保]大きな戸[乃]~となった[辺]垣根
【解釈訳】海を柵で区切って土砂が流れ出さないようなイメージ。しかし、この段階では陸地はもちろん海も存在していない。そうすると空間に垣根が出来て物質が積重ねて大地が出来上がることになるだろう。太陽も強力な垣根を作って出来上がった。大地も垣根を作って出来上がるということでは無いだろうか。見えない垣根は現代の科学に当てはめると引力圏ということになるだろう。
【古事記】妹(いも)大斗乃辨(おおとのべ)の神
【意訳】大きな戸で垣根が出来た。


1302ポトノヂ[火゜充延雷゛pou tou nou di]
【原本訳】燃える灼熱体で満たされ行く。
【一音訳】[火゜]燃えるもの[充]充実している[延]秩序が進行中である[雷゛]たくさんのエネルギーの塊
【文節訳】[火゜充]燃える灼熱体で満たされて行く[延雷゛]灼熱の槐が形成される
【解釈訳】私が思うイメージは海底火山の噴火。海上に噴石や溶岩が噴き出し、どろどろの状態で海面を満し、陸地を作って行く姿。ただ、この段階では、空間にある垣根の中なので、地面も無く海もない状態であり火山が存在していない。としたら、どこから噴石や溶岩が来るかというと周りの空間からであり、隕石が引き寄せられて来てその衝突熱によって灼熱の隕石に覆われるという原本の解釈でいいのだと思う。
【古事記】意富斗能地(おほとのぢ)の神
【意訳】垣根の中は燃える灼熱の塊(溶岩)で満たされて行く。


1303スピヂコ[澄日雷゛凝 su pi di kou]
【原本訳】吸い込まれる数多灼熱の塊。
【一音訳】[澄]吸い込まれる[日]光と熱・認識出来るエネルギー[雷゛]たくさんのエネルギーの塊[凝]固まる
【文節訳】[澄]吸い込まれる
【解釈訳】灼熱のドロドロに溶けた状態の中で、重いものは吸い込まれて沈んでゆく。大地(地球)の最初の姿は、ドロドロに溶けた岩石の状態だったと弥生人は見抜いたのだろう。火山の溶岩を連想したなら、無理のない洞察だと思う。
【古事記】妹(いも)須比智邇(すひぢに)の神
【意訳】溶岩の中で重いものは沈んで行った


1304ウピヂコ[浮日雷゛凝 wu pi di kou]
【原本訳】浮き上がるさまざまな灼熱の塊。
【一音訳】[浮]浮き上がる[日]光と熱・認識出来るエネルギー[雷゛]たくさんのエネルギーの塊[凝]固まる
【文節訳】[浮]浮き上がる[日雷゛凝]数多の灼熱の塊
【解釈訳】灼熱のドロドロに溶けた溶岩の中で、軽いものは浮きあがって来る。
【古事記】宇比地邇(うひぢに)の神
【意訳】溶岩の中で軽いものは浮いて来た


1305ピクグイ[日奇哈囲 pi ku xu wi]
【原本訳】どんどん変化して行く岩盤。
【一音訳】[日]光と熱・認識出来るエネルギー[奇]不思議なる変化[哈]食い入る[囲]囲まれる
【文節訳】[日奇]不思議な力・生く[哈囲]岩盤。杭の語源。
【解釈訳】不思議な力が働いて、生きているみたいに、溶岩の中に塊が溶岩に食い込むようになった。溶岩の中に溶岩が冷えて色が変わり岩石となった物が混じって行った。溶岩に突き刺さる杭のようなものが出来て行った。
【古事記】妹(いも)活杙(いくぐい)の神
【意訳】溶岩の中で冷えて岩石となり、まるで岩石が溶岩に突き刺さっているように見える


1306ツヌグイ[積沼゜哈囲 tu nu xu wi ]
【原本訳】乱雑に重なり合う岩盤。
【一音】[積]積み上げる[沼゜]無秩序[哈]食い入る[囲]囲まれる
【文節訳】[積沼゜]無秩序に重なり積み重なって行く[哈囲]岩盤
【解釈訳】溶岩が更に冷え、岩盤が増えて来ると、乱雑に岩盤が積み重なりあうようになった
【古事記】角杙(つのぐい)の神
【意訳】溶岩は更に冷えて、乱雑に重なり合った


1307ヤマツヂュミ[因゛増積集゛現 yau mau tu jiu mi]
【原本訳】弥(いや)盛り上がり寄せ集まつた所。
【一音訳】[因゛]いよいよ[増]物質増加の最大の姿[積]積み上げる[集゛]物質の無秩序な群がり[現]姿
【文節訳】[因゛増]さまざまな盛り上がった所[積集゛現]積み上がって集まった姿となった。
【解釈訳】岩盤は押し合いへし合いしながらどんどん盛り上がり、決まった形もなく無秩序で積み上がった姿となった。岩盤が上へ上へと積み上がって、いわゆる山となって行った。無秩序に積み上がった岩盤の作る山は様々な形だった。一つの大陸が出来たのではなく、いくつもの形の違う島が出来上がったと捉えるべきだろう。弥生時代の彼等が済んでいたヤマ(山)は、本土の山に比べて小さいので、後にチヤマ[少因゛増]小さい山となり、子舌音「チ」から「シ」へ音が変化し「島」になった。そして高いところは全て山となった。山でも島でもいずれも現代のイメージがあるので、ここでは大地と訳すことにした。
【古事記】大山津見(おおやまつみ)の神、正鹿山津見(まさかやまつみ)の神、淤縢山津見(おどやまつみ)の神、奧山津見(おくやまつみ)の神、闇山津見(くらやまつみ)の神、志藝山津見(しぎやまつみ)の神、羽山津見(はやまつみ)の神、原山津見(はらやまつみ)の神、戸山津見(とやまつみ)の神【神社】瀬戸内海の今治市大三島の中の大山祇(おおやまづみ)神社を総本山としてその他多数。大山祇といいながら、なぜ小さな島に御神体があるのかというと、海洋民族の倭人が祭ったのだ。
【意訳】岩石はいよいよ高く盛り上がり、大地ができた。


1308ワタツウミ[渡垂積浮現wa ta tu wu mi]
【原本訳】浮き上がったものですっかり満たした所。
【一音訳】[渡]行き渡る・水平の広がり[垂]溢れ出る[積]積み上げる[浮]浮き上がる[現]姿・現れる
【文節訳】[渡垂]溢れたもので行き渡る[積]積み上がる[浮現]浮き上がり現れる
【解釈訳】海の神ワタツミの原型。低いところを軽いもので埋め尽くしたところ。浮き上がり現れるものは軽いものである。軽いものが浮き上がって積み上がって溢れて水平的に広がった。島々の間を軽いものでで埋め渡す水面、島と島の間を満たす水面、つまり、海のこと。熱く熱せられていた溶岩が冷えると、水蒸気が冷え雨となって低いところに溜まっていく。重いものは沈む、軽いものは浮き上がる、だから、海水は軽いものだから浮き上がって来たのだ。ちなみに、水溜りが一つの大きなものに成長すると、浮いたもので張り出されるものが出来たという意味の海原(ウナパラ[浮成晴゜躍])という言葉が出て来る。
【古事記】大綿津見(おおわたつみ)の神、底津綿津見(そこわたつみ)の神、中津綿津見(なかわたつみ)の神、上津綿津見(うへつわたつみ)の神、綿津見(わたつみ)の神の宮【遺稿集】きけ わだつみのこえ
【意訳】海が出現した


弓前文書 第1章第4節

2025-07-29 09:26:05 | 弓前文書(神文)
1400オモノピクム[大萌延日奇醸 o mou nou pi ku mu]
【原本訳】いわゆる生命現象を持ったものが出現、蔓延しだした。
【一音訳】[大]大いなる[萌]目に見えて物質が増加して行く[延]秩序立て[日]認識出来るエネルギー[奇]不思議なる変化[醸]生物の繁茂、繁殖)
【文節訳】[大萌延]生物[日奇]不思議な力の現れ[醸]生物の繁茂、繁殖
【解釈訳】[萌延]「もの」は生物の意味だが、後に意味が拡大され、単に「物」の意味となった。世界は第一段階で星が出来、第二段階で太陽が出来、第三段階で大地が出来、第四段階で生き物が出来た。
【意訳】生き物の始まり(第1章第4節節題)


1401アパナミ[会晴゜成現 au pa na mi]
【原本訳】自然力結実の世代。
【一音訳】[会]出会う[晴゜]大自然の持つ意志、その潜在エネルギー[成]物事が完成した[現]見えているものの姿
【文節訳】[会晴゜]自然力との出合い、因縁の出会い[成現]姿を成す
【解釈訳】大自然の持つ潜在エネルギーが現実の姿になった。ドロドロに溶けていた地上が冷え、海が出来、生き物がいなかった世界に[晴゜]のエネルギーが現実に存在する姿を現した。[晴゜]という大自然の持つ潜在エネルギーが現実のもの、つまりは物質に変わって行くと弥生時代の人は考えたのだ。
【意訳】大自然の持つ潜在エネルギーが現実のものに変わって行く。


1402アパメキチ[会晴゜芽貴微 au pa mai kiu tsu]
【原本訳】自然力の結実は小さな現象として芽生えた。
【一音訳】[会]出会う[晴゜]大自然の持つ意志、その潜在エネルギー[芽]兆し[貴]目に見えない変化[微]極めて小さい
【文節訳】[会晴゜]自然力との出合い、因縁の出会い[芽]兆しが現れた[貴微]極めて小さい目に見えない変化
【解釈訳】[晴゜]のエネルギーから、目に見えない極めて小さい現象の兆しが始まった。生き物の最初は、目に見えないエネルギー、それが物質化。それは極めて小さくて目に見えないほどの現象、命の基が出来た。
【意訳】大自然の持つ潜在エネルギーから極めて小さい命の兆しが出来た。


1403アポチマ[会穂゜微増 au po tsiu mau]
【原本訳】自然意志増殖の生態。
【一音訳】[会]出会う[穂゜]意志と力が盛んに発動している状況を示す。分霊[微]極めて小さい[増]増殖する
【文節訳】[会穂゜]独立した自然意志[微増]微小な増殖体
【解釈訳】意志と力が盛んに発動している状況に出会う、自分の意思を持ち始めた微小な増殖体が出来上がった。命の基が出来て、それが意志を持った極めて小さいものが増殖を始めた。自然意志の分霊とも言える小さな増殖体。
【古事記】淡嶋(あわしま)
【意訳】意志を持つ極めて小さいものが増殖する。


1404ピルゴ[霊゜活子 piu ru xou]
【原本訳】自然意志によって動く単体が出現した。
【一音訳】[霊゜]自然の意志と力の一単位[活]動く[子]母体から生まれた二世、単体
【文節訳】[霊゜活子]自然の意志によって動く単体が生まれた
【解釈訳】生命の兆しから進化して、自然の意志によって動く、つまりは自然に順応することができる単体が生まれた。
【古事記】水蛭子(ひるこ)
【意訳】自然に順応できる単体の生物が出現した。


1405アヤクチコネ[会因゛奇育凝根 au yau ku tiu kou nai]
【原本訳】遺伝、種子増殖の世代。
【一音訳】[会]出会う[因゛]いよいよ、益々[奇]不思議なる変化[育]力の流れ[凝]固まる[根]秩序を転換する基となるもの
【文節訳】[会因゛]次々と出て来る[奇育凝根]不思議な形成へと転換する 
【解釈訳】不思議な力の流れ固まった秩序の変換の基とは種子。例えば、米。粒状の種から根が出て葉が出で稲がが出来る。種の秩序が変換されて植物が出来る。米の種からは米ができ、麦の種からは麦が出来る。それぞれに違う遺伝子は入っているので、それぞれ違う植物が出来る。
【古事記】妹(いも)阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神
【意訳】多種多様な種が出現した。


1406ポモダルゴ[穂゜基垂゛活子 po mo da ru xou]
【原本訳】自己意志による統一活動体が出現した。
【一音訳】[穂゜]意志と力が盛んに発動している状況を示す[基]大本の姿[垂゛]どんどん力が溢れ出る[活]動く[子]母体から生まれた二世、単体
【文節訳】[穂゜基]自己の意志の基本を持って[垂゛活]さまざまな力で動く[子]二世
【解説訳】自己意志を基本として、どんどん動く単体が出現した。より高度な生物が出現した。草や木は種を飛ばしてどんどん広がってゆく。植物のことと考えるとすっきりする。
【古事記】淤母陀流(おもだる)の神
【意訳】自己意志を持ち活動する植物が出現した。


1407イザヨミ[親陜因現 i tsau you mi]
【原本訳】親接(しんせつ)(雌雄)増殖の生態。
【一音訳】[親]親しむ[陜]接近する[因]世。因は果を生み、果は因を生んで、次々と永久に繰り返される[現]見えているものの姿
【文節訳】[親陜]親しく接近[因現]定められた世界
【解釈訳】親しく接近とは、雌雄・男女が接触交合すること。遺伝子交換によって別個の命が誕生するようになった。親と子が違う個体、同種じゃないという事。これによりさまざまな個性、能力、適応力などができ、様々な環境に対応できるようになった。定められた世界とは、繰り返される姿。親しく接近したお陰で遺伝子が交換され新しい生物が次々出現して行く世態。
【古事記】伊邪那美(いざなみ)の命。文章の流れからすると、古事記の国生みの男女の神のイザナミが該当するが、名前の由来としては3105イザナミ[親陜成現]だろう。
【意訳】雌雄による生殖の世代。


1408イザナキミ[親陜成岐実 i tsau na ki miu]
生命有限の個別現象が出現した。
【一音訳】[親]親しむ[陜]接近する[成]物事が完成した[岐]際立つ・現象[実]実体
【文節訳】[親陜成]親しく接触交合[成]完成した[岐実]際立つ実体
【解釈訳】雌雄による生殖によって出来たのは親とも兄弟とも違う際立つ個性を持った実態だった。唯一無二の個性ある個々の生命が出来た。個性が出来たということは代替が利かない、複製が利かない、細胞分裂して増殖できない。だから老化して寿命が来たら死んでしまう。生命有限ということだ。雌雄の世界に人ったということは、生死の世界に入ったということ。
【古事記】伊邪那岐(いざなき)の命
【意訳】雌雄生殖によって限りある命をもつ個々の生き物が出現した。

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弓前文書 第2章第1節

2025-07-29 09:25:37 | 弓前文書(神文)

2000アマツムカムロミチウツノ[天真津威醸移現育美積延 a ma tiumu ka mu ro mi tiu u tu nou]
【原本訳】大宇は意図す、大自然変化の流れ行く道筋、移り行く秩序立て。
【一音訳】[天]ああ![真]真の姿[津]意図は[威]偉大な変化力[醸]進む[移]~ている[現]ありのままの姿[育]力の流れ[美]生まれる[積]積み上げる[延]秩序立て
【文節訳】[天真津]大自然が意図したこと[威醸移現育]自然変化が進んでゆく道筋[美積]移り行く[延]秩序立て
【解釈訳】第2章には大自然の移り変わりの裏に潜む力がどのようなものか書いてある。[美積]とは生まれ積み重なってゆく、つまり、動きだす、移るという意味となる。古代倭人がウツヨ(現世)と言ったのはここからきている。[延]その秩序はどのようなものなのか、どのような力が潜んでいるのかについて書かれている。
【意訳】大自然の移り変り(第2章章題)


2001アオピルメムチチ[天大日活芽醸雷゜育 a o pi ru mai mu ti tiu]
【原本訳】ああ威大なる熱と光の太陽の恵み、与え続ける力の流れ。
【一音訳】[天]ああ[大]大いなる[日]光と熱[活]~している[芽]物質への転換、恵み[醸]反応が進む[雷゜]エネルギーの塊[育]力の流れ
【文節訳】[天大]ああ!素晴らしい[日活芽]木、物を生み育てる熱エネルギーの恵み。太陽の熱と光。[醸雷゜]反応を続けるエネルギーの塊[育]力の流れ
【解釈訳】「ひるめ」と辞書を引くと、天照大御神の美称と書いてある。弥生語のパ行はハ行に移行した。ピル[日活]は太陽が動くの意味で、昼の語源。 
【古事記】天照大御神(あまてらすおおみかみ)【日本書紀】大日孁貴(おおひるめのむち)
【意訳】なんて素晴らしい、エネルギーの塊を変換し、熱と光の恵みを与え続ける太陽よ。(第2章副章題1行目)


2002アオナツムヂ[天大成積醸 a o na tu mu diu]
【原本訳】ああ威大なる総合秩序、さまざまの与え続ける力の流れ。
【一音訳】[天]感嘆詞[大]大きいという感嘆詞[成]秩序が出来上がった[積]実体。積み上げる[醸]物質がどんどん増大している[育゛]さまざまな力の流れ
【文節訳】[天大]ああ!素晴らしい[成積]大地[醸育゛]尽きることのないさまざまな力が流れ合っている
【解釈訳】アオナツ[天大成積]とは、大地の力。大地の自然現象をコントロールする力。大地の自然秩序。[成積]秩序が積み上がったもの、この場合、太陽に対して大地となる。[醸育゛]山、海、川、夜昼、四季の移り変わり、自然という大地。そこには尽きることのないさまざまな力が流れ合っている。アオナツムヂは天地変化の力、大地の力。
【古事記】大國主(おおくにぬし)の神。またの名は大穴牟遲(おおあなむぢ)の神、葦原色許男(あしはらしこお)の神、八千矛(やちほこ)の神、宇都志國玉(うつしくにたま)の神。併せて五つの名が有る。【日本書紀】大己貴神(おおなむち)
【意訳】なんて素晴らしい、大地の自然現象をコントロールする尽きることなき力よ。(第2章副章題2行目)




2100アマツソラトヨクモヤエル[天真積虚躍充因奇基因゛重活 a ma tu so ra tou you ku mo yau yai ru]
【原本訳】大空この虚空に踊るもの(それは次に示す通り)、充ち充ちたる不思議なる大本は、因果は幾重にも重なり動いている。
【一音訳】[天]感嘆詞[真]真の姿[積]実体。積み上げる[虚]何もない[躍]躍動する[充]充分に[因]原因[奇]不思議なる変化[基]大本の姿、基礎[因゛]原因結果が繰り返される[重]次々と繰り返し繰り返し積み重なって行く[活]~している
【文節訳】[天真]我を含めてまわりすべて。大宇宙。自然。[積]実体[虚躍]何もない空間が躍動している[充因]十分なる原因[奇基]奇しき大本[因゛重活]因果は幾重にも重なり動いている 
【解釈訳】アマツソラで天空の意味となる。大空、虚空に踊るもの。何もない空にエネルギーが躍動しているということ。トヨクモは充ち充ちたる原因があって不思議な大木となっている。ヤエルは因果は幾重にも重なり動いているということ。
まとめると、天空、虚空に踊るものは、様々な因果により、不思議な根本の基礎となって、因果が幾重にも重なり動いている。第1章第1節で宇宙ができ満天の星空が現れた。それに対応してこの第2章第1節(2101から2108)がある。つまり、満天の星空はどのようになっているかが述べられている。
【意訳】大空にはさまざまな因縁があってできたものが幾重にも重なり動いている。(第2章第1節節題)


2101アオテルナチ天大与活成雷゜[a o tai ru na ti]
【原本訳】ああ威大なる照り輝く実体。
【一音訳】[天]ああ[大]大いなる[与]光を反射する。力を自由自在に変換する媒体[活]~している[成]秩序が出来上がった[雷゜]固定しているエネルギー、エネルギーの塊
【文節訳】[天大]ああ大いなる[与活]]光反射する、照り輝く[成雷゜]物体、実体。秩序整然としたエネルギーの塊。
【解釈訳】テ[与]という字は、力の媒介を表す。手は力をあっちに向けたり、こっちに向けたり、もっとも自由な力の媒体である。光を反射している物体とはこの場合、月のこと。月は自ら光を放つのではなく、太陽の光を受け反射して輝いていたことを弥生人は知っていたことになる。テル[与活]は照るの語源。
【意訳】なんて素晴らしい、太陽の光を反射し照り輝く物体、月。


2102アカテルナチ[会威与活成雷゜au ka tai ru na ti]
【原本訳】明るく照り輝く実体。
【一音訳】[会]出会う[威]大自然の変わり行く力[与]反射する[活]~している[成]秩序整然[雷゜]エネルギーの塊
【文節訳】[会威]明るくなった[与活]]照り輝く[成雷゜]物体
【解釈訳】明るく照り輝くもの、この場合、他の星と違う動きをしていて、目視できる太陽系の惑星の事。
【意訳】明るく太陽の光を反射し照り輝く物体、水・金・火・木・土星。


2103ピカルムチ[日威活醸雷゜pi ka ru mu ti]
【原本訳】光り輝き続ける星。
【一音訳】[日]認識出来るエネルギー[威]大自然の変わり行く力[活]現在形。一般動作を表す[醸]反応が進む[育]エネルギーの流れ
【文節訳】[日威活]威大な力に変わる[醸雷゜]反応を続けるエネルギーの塊 
【解釈訳】ピカはピカっと光ったのピカ。ピカルは光るの語源。前行のナチに対してムチなので、エネルギーの反応を続ける、つまりは、自ら光を出し続けるということ。月や五惑星と違い、太陽と同じく自ら発光しているに違いない、と弥生人は考えたのだろう。
【意訳】自ら光輝く星々。


2104プタカルチ[震゜垂威活雷゜pu ta ka ru ti]
【原本訳】巨大な力が流れ出ている星。
【一音訳】[震゜]潜在エネルギーの発動、震える[垂]力が溢れ出る[威]大自然の変わり行く力[活]現在形。一般動作を表す[雷゜]エネルギーの塊
【文節訳】[震゜垂]潜在エレルギーが溢れ出る[威活]恐ろしき大いなる変化[雷゜]エネルギーの塊
【解釈訳】プタは振動しながらエネルギーが溢れ出ている。カルチは恐ろしき大きな変化しているエネルギーの塊。振動しながらエネルギーを出している星。星のまたたき。夜空で瞬くのは恒星で、瞬かない星というのは惑星。惑星は近いので光の屈折の影響が受けにくく瞬かない。瞬く遠くにある恒星から恐ろしい力、巨大な力が瞬きながら溢れている。夜空の恒星の瞬いていることから、大きなエネルギーを発していると弥生人は感じたのではないか。
【意訳】瞬いて巨大な力を溢れさせている星々。


2105ピコチ[霊゜凝雷゜piu kou ti]
【原本訳】目に見えぬ力を持つ星。
【一音訳】[霊゜]自然の意志と力[凝]固まる[雷゜]エネルギーの塊
【解釈訳】ピ[日pi]は認識できるエネルギー、例えば熱と光。太陽は[日]を発生させている。一方、ピゥ[霊゜piu]は認識できないエネルギー。大自然の意志。ピコチで認識できない、目に見えないエネルギーが固まったエネルギーの塊。瞬いている星以外にも見えない星がいっぱいあることを認識していると思う。見えない星もエネルギーを出し続けている。見えないけれど、エネルギーを持った星があると感じることは不自然ではない。
【意訳】目に見えぬ力を持つ星々。


2106ポカチ[火゜威雷゜pou ka ti]
【原本訳】燃える恐ろしい星。
【一音訳】[火゜]燃えるもの[威]大自然の変わり行く力、恐ろしいという圧迫感[雷゜]エネルギーの塊
【解釈訳】燃える恐ろしいエネルギーの塊。流れ星。火球。彗星。炎を伴うような星ということだろう。大きな隕石の落下も経験しているかも知れない。ピコチが目に見えないのに対して、ポカチは目に見える星。
【意訳】燃える恐ろしい星々。


2107ピコ[霊゜凝piu kou]
【原本訳】目に見えぬ力を持つもの。
【一音訳】[霊゜]自然の意志と力[凝]固まる
【解釈訳】節題のアマツソラとは何もない空に踊るもの、因縁。因縁とは何か、この場合エネルギーと解釈するとよいのではないか。何もない空には、実は、エネルギーに満ち溢れている。第1章第1節のタカミムツピも物質がない宇宙に物質を生み出した、その前提にマナカヌチという無限のエネルギーがあった。何もない空間は何かを生み出すエネルギー、潜在エネルギーがある。というのが、弥生人の発想ではないかと思う。ピコも見えないけれどある。力、エネルギーを持ったものがあるということだろう。現代の知識に当てはめれば、ガス、微塵、隕石、星間物質が該当するだろう。
【意訳】星空を埋める目に見えぬ力を持つもの。


2108ポチ[火゜微 pou tsiu]
【原本訳】映える粒子。
【一音訳】[火゜]炎[微]極めて小さい
【解釈訳】原本の解釈ではオーロラのような高エネルギーを持つ粒子だとあるが、弥生時代日本からオーロラが見えただろうかという疑問がある。じゃ何だろう。星としては認識されないものだろう。天の川は地上から観察される銀河系の姿だという。肉眼では遠すぎで星として見分けることができない。その為、夜空を横切るような雲状の光の帯として見える。織姫と彦星は天の川をはさんで東とに西に引き離されたという物語がある。ピコポチは彦星の名の由来だという。
【意訳】とても小さい輝きを持つもの。


弓前文書 第2章第2節

2025-07-29 09:25:16 | 弓前文書(神文)
2200アオメツチムナヤコトタル[天大芽積育醸成因゛凝充垂活 a o mai tu tiu mu na yau kou tou ta ru]
【原本訳】ああ威大なる恵みを与える総合力の流れ(それは次に示す通り)、自然に醸され、形成され溢れ出た力の流れである。
【一音訳】[天]ああ[大]大いなる[芽]自然の力が物に変わる局面、またその動作[積]物事が増大して行く[育]力の流れ[醸]醸し出す[成]物事が完成した[因゛]その結果は定められた通りである[凝]固まる[充]充実している[垂]力が溢れ出る[活]~している
【文節訳】[天大]ああ大いなる[芽]恵み[積育]増幅する力[醸成]熟成される[因゛]その結果は定められた通りである[凝充]形成される[垂活]溢れ出ている
[天大芽積育]ああ偉大なる恵みを増幅する力[醸成因゛凝充垂活]熟成され、その結果、形作られ溢れだしている。
【解釈訳】アオメツチとは天地の恵み、その流れる力のことで、天地(あめつち)の語源である。前節でアマツソラ、天空、宇宙について述べているが、この節ではアオメツチ、天地、つまり地上、地下、空、生物が生きている空間について述べている。
 大地は熱と光を太陽から、地下から湧き出るエネルギーは水の中を通って大空から雨となって降り注ぎ、大地に染み込んで行く。だから大地の表面は、様々なエネルギーが形を変えて溶け合っていることとなる。これをアオメツチといった。
 太陽からのエネルギーをウカ(ガ)[美母]といい、大地、地下からのエネルギーをカタ[威垂]といい、アオメツチで溶け合っている。故にこれを一つの大きな珠とみたてた。個々の生物というものは、この大きな珠から小さな珠をいただいたものだと弥生人は考えた。三種の神器(鏡・勾玉・剣)の勾玉にあたる。
【意訳】天地の恵みの力は、熟成し形成され溢れ出ている。(第2章第2節節題)



2201ソラピカ[虚躍日威 so ra pi ka]
【原本訳】大空より降り注ぐ威大な力の流れ。
【一音訳】[虚]何もない[躍]躍動する[日]光と熱[威]大自然の変わり行く力
【文節訳】[虚躍]大空。この虚空に躍るもの。[日威]太陽の熱、光、宇宙から来るあらゆるエネルギー、パ[晴゜]も含むまれる
【解釈訳】ソラとは空の語源。空とは、まさに何もないところに、昼は太陽、夜は、月や星が躍動している。ピカとは太陽の熱、光を始め、宇宙から降り注ぐ不可視のエネルギー。パ[晴゜]のエネルギー(生命エネルギー)も含む。単なる物理的な流れだけでない目に見えぬ潜在的な力の流れ。
【古事記】建御雷之男(たけみかづちのお)の神、またの名は建布都(たけふつ)の神、またの名は豐布都(とよふつ)の神。建御雷(たけみかづち)の神。ピカ[日威]にツチ[積育]増幅する力、を付け、さらに、タケ[垂異]粉砕する、武、を頭につけ、タケピカツチ[垂異日威積育]とした。[日威]はpika⇒hika⇒ika⇒mikaと変化。
【祭神】鹿島神宮の祭神、武甕槌(たけみかづち)。
【委細心得】御雷(ぴか)。ピカは剣に例えられている。
【意訳】大空より太陽の熱と光を含むあらゆる力が降り注ぐ。


2202プツツムノ[震゜積津延pu tu tiumu nou]
【原本訳】大地から湧き上がる組織的な力の流れ。
【一音訳】[震゜]自然の意志と力が発動する[積]物事が増大して行く状況[津]意図する[延]秩序立て
【文節訳】[震゜積]圧力を積み上げ[津延]秩序立てることを意図する
【解釈訳】圧力、地圧により地表からも様々なエネルギーが溢れ出ている。このエネルギーが大地を秩序立てる力である。単なる物理的な流れだけでない目に見えぬ潜在的な力の流れ。
【古事記】建布都(たけふつ)の神、またの名は豐布都(とよふつ)の神。前行のソラピカとプツツムノは表裏一体。古事記では建御雷之男(たけみかづちのお)の神の別名として載っている。
【祭神】香取神宮の祭神、経津主大神(ふつぬしのおおかみ)
【委細心得】布土(ぷつ)。プツは鞘に例えられている。
【意訳】大地を秩序立てる力が地表に溢れ出ている。


2203ピナツ[日成鋭 pi na tsu]
【原本訳】稲妻の流れ。
【一音訳】[日]熱と光、認識出来るエネルギー[成]秩序が出来上がった[鋭]極めて狭い。突き刺す。鋭い
【解釈訳】熱と光が整って鋭く突きさす。雷のこと。稲妻の(いなづま)の語源。
【意訳】稲妻の力。


2204カグチ[威哈゛育 ka xgu tiu]
【原本訳】火炎の流れ。
【一音訳】[威]恐ろしい[哈゛][哈xu]の複数形。どんどん食う[育]力の流れ
【解釈訳】恐ろしきいろいろなものを食ってしまう力の流れ。天の雷に対して、地の炎。炎はいろいなものを燃やしてしまう、食ってしまう力がある。
【古事記】火(ほ)の夜藝速男(やぎはやお)の神、またの名を火の炫毘古(かがびこ)の神、またの名を火の迦具土(かぐつち)の神。
【意訳】火炎の力。


2205スナチ[澄成育su na tiu]
【原本訳】風の流れ。
【一音訳】[澄]吸い込む[成]秩序が出来上がった[育]力の流れ
【解釈訳】吸い込むと澄み切る。澄み切っできたものは空気。その流れは風。
【古事記】風の神、名は志那都比古(しなつひこ)の神。
【意訳】風の力。


2206ズミチ[澄゛実育zu miu tiu]
【原本訳】水の流れ。
【一音訳】[澄゛]どんどん吸い込む[実]物質[育]力の流れ
【解釈訳】どんどん物質を吸い込む力の流れとは地上では水の流れ。地上の風に対して地表の水。ズミに近い言葉で泉がある。水という言葉は朝鮮語の水、ミル(mul)とズミチとの合成語と考えられる。
【意訳】水の力。


2207モノツチ[萌延積育 mou nou tu tiu]
【原本訳】生き物が造り出す力の流れ。
【一音訳】[萌]目に見えて物質が増加して行く[延]秩序立て[積]物事が増大して行く[育]力の流れ
【文節訳】[萌延]生物。生き物[積育]増幅する力
【解釈訳】モノは生き物のモノ。
【意訳】生物の力。


2208イワツチ[厳渡積育 yi wa tu ti]
【原本訳】岩石土砂が造り出す力の流れ。
【一音訳】[厳]不動[渡]行き渡る[積]物事が増大して行く[育]力の流れ
【文節訳】[厳渡]岩石・土砂[積育]増幅する力
【解釈訳】イワは岩の語源で岩石・土砂の事だという。私は、生き物を育む大地、生物が踏みしめる地面の意味ではないかと思う。イワとは不動で広がりをもつものというのが倭人語の意味。イワは岩の語源なら、ツチは土の語源ではないかと思う。
【古事記】石土毘古(いはつちびこ)の神
【意訳】岩と土の力。

 

弓前文書 第2章第3節

2025-07-29 09:24:51 | 弓前文書(神文)
2300トヨウツガモノナタマチル[充因美積母萌延成垂増育活 tou you u tu xau mou nou na ta mau tiu ru]
【原本訳】豊かに生み育てる母なるもの(それは次に示す通り)、生育完成、余剰から増加へこの一元の力の流れである。
【一音訳】[充]充分に[因]原因・世[美]生まれる[積]積み上げる[母]母体[萌]目に見えて物質が増加[延]秩序立て[成]物事が完成した[垂]力が溢れ出る[増]物質増加の最大の姿[育]力の流れ[活]~している
【文節訳】[充因]豊か。充分な原因があるということは豊ということ[美積]生み育てる[母]生命を生む母体[萌延]生物[成]物事が完成した[垂増育]溢れて増加する力の流れ[活]~ている。
[充因美積母]次々生み育てる母[萌延成]生物が完成する[垂増育活]余剰から増加への力が流れている
【解釈訳】この場合の母体とは母なる大地のことだろう。ウツ、生み積み上げるとはこの場合生み育てる、生み出すの意味。モノとは生物。この節では植物、穀物の事だろう。弥生時代の特徴である米作を当てはめると理解しやすい。
【古事記】豐宇氣毘賣(とようけびめ)の神。宇迦之御魂(うかのみたま)の神。
【祭神】伊勢神宮の外宮の祭神豊受大御神(とようけおおみかみ)。伏見稲荷大社の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
【意訳】豊かに次々と生み育てる母なる大地には、生物を完成させ、溢れさせ、増やす力の流れがある。(第2章第3節節題)


2301ノピレ[延霊゜舞 nou piu rai]
【原本訳】秩序を生み出す霊力。
【一音訳】[延]秩序が進行中である[霊゜]自然の意志と力の一単位[舞]集中動作
【文節訳】[延]秩序[霊゜舞]命のもと
【解釈訳】ピとは自然の意志と力の一単位である。ピ[霊゜]の集団をパ[晴゜]といい、[霊゜]が発動するのをプ[震゜]、消滅するのをペ[放゜]という。ピとは生命構成する見えない最小の単位といってよい。ピが集中すると熱が発生する。生命を維持するには熱が必要だ。よって、ピレは熱の力であり、命の素(もと)と言える。
【意訳】植物の秩序を生み出す命の素の力。


2302パモガ[晴゜萌狩 pa mou xa]
【原本訳】自然力を捕捉し活性化する。
【一音訳】[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く。生命力[萌]目に見えて物質が増加して行く[狩]獲得する。刈る
【解釈訳】熱によって温められると、生命力が増加し、溢れる生命力を獲得する。パモガのパからパル[晴゜活]春の言葉が派生して出来たと考えられる。
【意訳】暖かくなると植物は活性化する。


2303ズピレ[澄゛霊゜舞 zu piu rai]
【原本訳】水という媒体の霊力。
【一音訳】[澄゛]どんどん吸い取る。水。[霊゜]自然の意志と力の一単位[舞]集中動作
【文節訳】[澄゛]水[霊゜舞]命のもとの熱。
【解釈訳】水は熱を溜め込むから、生命にはどうしても必要である。
【意訳】命の素をため込む水の力。


2304スグナ[澄哈成 su xu na]
【原本訳】秩序体を捕えわが物とする。
【一音訳】[澄]自然の意志と力を吸い込む[哈]食う[成]物事が完成した
【解釈訳】生物は総て水を吸い込むようになっている。生物は水を吸って食って完成するということだろう。スグナのナから夏という言葉は派生したと考えられる。魚をすくう、漁(スナドリ)などの言葉が残っている。
【古事記】少名毘古那(すくなびこな)の神。少彦名の神、漁師のえべっさん。
【意訳】水は植物の生育に欠かせない。


2305タピレ[垂霊゜舞ta piu rai]
【原本訳】余分の力を生み出す霊力。
【文節訳】[垂]力が溢れ出る[霊゜舞]命のもと。熱の力。
【解釈訳】生物が吸収した命の素が溢れ出る。一粒の米が命の素の熱と力を吸収し溢れると、たくさんの米が出来る。生命を分化、分割するためには熱をどんどん吸収することが必要である。
【意訳】命の素の余剰をつくる力。


2306ポギヂュ[穂゜飯集゛po xiu jiu]
【原本訳】意志を分化、籠らせ、寄せ集める。
【一音訳】[穂゜]自然の持つ意志と力が分派、独立したもの。分霊。[飯]五穀そのもの[集゛]物質の無秩序な群がり
【解釈訳】分派独立した穀物の群がり。例としてたわわに実った米などの穀物等。ポギジュのギ。xiuは喉音であって、ヒともキとも聞こえる音。私は独自にⅹ行をガ行として索引仮名として扱っているので、xiuはギとしている。ポギヂュのギ(キ)から派生して秋が出来たと考えられる。
【意訳】余剰をつくる力で植物は分化したわわに稔る。


2307[マピレ増霊゜舞 mau piu rai]
【原本訳】分体を造り出す霊力。
【文節訳】[増]増加する[霊゜舞]現象の命の素。熱と力。
【解釈訳】命の素が増える。命のもとを子孫につなぐ。命のもとを移動させる。生命を維持し子孫を増やして行くためには、自らの熱力を増していかねばならない。
【意訳】命の素の分体をつくる力。


2308トミゴ[充実子 tou miu xou]
【原本訳】充実するとその雛形を分離する。
【一音訳】[充]充分に[実]物質[子]母体から生まれた二世。雛形。
【解釈訳】[子xou]は喉音であり、ホともコとも聞こえる音。私は索引仮名としてx行はガ行で表すことにしている。自ら充実し、雛型、種子を作る。子孫を作る。春夏秋と来て、冬。冬になると山の動物は冬ごもり。大地からは緑が消える。新しい生命の始まりとなる春までの充電期間。トミゴ(ホ)の語感からふゆにつながる語を考えるのは難しいが、冬は「殖ゆ(ふゆ)」が語源という説もあり、増える、子孫を残すという意味合いを考えると成り立つかも知れない。
【意訳】充実した実は子孫を残す。

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