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倭人語のすすめ

倭人の言葉が残されていた。古事記の神々の多くは、秘文とされた文書を基にしていた。一音一義の倭人語を解き明かしたいと思う。

弓前文書 第4章第2節

2025-07-12 10:53:46 | 弓前文書(神文)
4200ウツヂュグガカムロパノリム[美積集゛哈゛狩威醸移晴゜延座醸 u tu jiu xgu xa ka mu ro pa nou ri mu]
【原本訳】現実阻む罪穢れ、自然の流れ張り放つ、秩序を立てて醸し出せ。
【一音訳】[美]生まれる[積]物事が増大して行く[集゛]わが身についた過去の物事、罪[哈゛]いっぱいくっついている。何がくっついているかというと他人の身についている過去一切[狩]自然の掟を破る[威]変わる[醸]進展する[移]進行中[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[延]秩序立て[座]完了[醸]進展する
【文節訳】[美積]この世に生じた。[集゛哈゛狩]わが身の過去一切、他人の身についている過去一切、自然の掟を破ること。[威醸移晴゜]自然の掟に従って自然の力が流れ込む。[延座醸]自然の秩序に順応する。秩序立ての進展
【解説訳】ジュグガについて。過去一切ということは、罪や穢れをため込んでいる状態。人間生きていれば、必ず、いろいろな罪や穢れ。自分だけじゃなく、他人の罪や穢れも受け取ってしまう。つまり、人間が垢が溜まる、錆びて来るということで、その為、人間でいられるエネルギーが無くなって、維持できなくなるということだろう。ガ[狩]について、掟を破って来たことというのは、生きていれば木を切り燃やし動物を狩り、植物を刈る。自然に対して、自然ではないことをしている。獲得するという意味から、自然を犯して物を取るということで、自然の掟を破るという意味になるのだろう。カムロパについて、カムロで自然変化は進んで行く、そこのパという自然の力の流れに乗って行きなさいということだろう。
 ここで、弥生人の罪と汚れについてまとめておきたいと思う。罪の語源はヂュミ[集゛実ju miu]。現代の罪(つみ)という言葉の中には、多分に道徳的な意味を持っているが、古代人にとっては、日々の犯して来た過去のすべてが罪であり、それを身につけていることは自分の生命の損失に当たるという認識である。糞、尿、屁、汗、垢も含め日々生活するだけで罪になる。穢れの語源はケグ[異哈゛kai xgu]。異物を加えるという意味であり、他人のつくった過去のものがわが身に引っ付く、他人の罪が自分にくっつく、異なったものをくわえ込むということ。すんだことはすべて汚れ、穢れになる。罪は自分自身で作った汚れ、穢れは他人から受け取った汚れといえるだろう。[集゛哈゛]は[集゛実]と[異哈゛]のこと。古代倭人は罪、穢れを溜めておくことは命を縮める、という思想を持っていた。そこで「罪、汚れを祓えたまえ清めたまえ]の祝詞(のりと)ができた。
【意訳】この世で生じた罪穢れは自然の流れに解き放ちなさい。自然の秩序に順応することが大事です。(第4章第2節節題)


4201タカマパル[垂威真晴゜活 ta ka ma pa ru]
【原本訳】威大な力が輪廻する。
【解説訳】3301と同じ。潜在力が過去から未来へと流れ、未来から過去へと流れる。人間について考察すると、現世は潜在力が人間の肉体を保っているとき。死を迎えるとは、潜在力が肉体を維持できず死に潜在力だけが残る。それは過去となったことであり、あの世、黄泉の世界である。そして人間を維持する力を失った潜在力は時を経て汚れを落とし力を回復し、未来において再度人間を誕生させる。この繰り返しである。
【意訳】潜在力は循環する。


4202カムロキミユ[威醸移岐現結 ka mu ro ki mi yu]
【原本訳】現れにける大自然。
【一音訳】[威]偉大な変化力[醸]進展する[移]進行中[岐]現象[現]見えているものの姿[結]縁が出来た
【文節訳】[威醸移]自然変化は進んで行く[威醸移岐]大自然の現象[現結]見えるようになった。現れた。
【解説訳】[威]とは潜在力です。見えない力です。見えない力が見えるようになった。潜在力が現象を起こして実体化し、見えるようになった。見えるようになったものは大自然。
【意訳】潜在力が現象を起こし、大自然が現れた。


4203イザナキヨ[親陜成岐因 iu tsau na ki you]
【原本訳】この現実の浮世にて。
【一音訳】[親]自然の親しみ[陜]接近する[成]秩序が出来上がった[岐]現象[因]世
【解説訳】[親陜成]生命有限。現象は分解、消滅して行く。雌雄の世界に入ったがため、個として有限の生命となった。雌雄によって生まれた子は、個々それぞれ独自の才能があり、それぞれ発展して行く。生まれ育ち維持し衰え死ぬ。この現象は現世である。この世、浮世ともいう。つまり、潜在力によって現象化、実体化した事物・生物の現実世界。
【意訳】生命有限の現実世界


4204ウツヂュケグマガ[美積集゛異哈゛真狩 u tu jiu kai xgu ma xa]
【原本訳】罪と犠れは行く道塞ぐ。
【一音訳】[美]生まれる[積]積み上げる[集゛]物質の無秩序な群がり。わが身についた過去の物事、罪[異]別のものに変化する[哈゛]どんどん加える[真]真の姿[狩]獲得する、刈り取る、食い尽くす、
【文節訳】[美積]生まれる、それが次々積み重なって行く[集゛]わが身についた過去の物事、罪[異哈゛]他人のつくった過去のものがわが身に引っ付く。他人の罪が自分にくっつく。異物を加える。※けがれ、穢れ、汚れの語源[真狩]何を獲得するのか。それは自然の掟。自然の掟とは生命有限、エントロピーの法則等。
【解説訳】生れて積み上げてゆく生きることによって生じる自らの汚れ、他人から受ける汚れ。これらは自分自身を蝕んでゆく。人間生きるために食べればすべてをエネルギーに変換できるわけでなく、カスが出る。人間の中にカスが溜まる。そうなると、エネルギーが弱くなる。生きていれば必然的にエネルギーを得てゆく一方、不要物が溜まることにより、エネルギーを得られない状態となってゆく。これらは避けることの出来ないものである。
【意訳】生きることによって積み上がる自分の汚れや他人からの汚れは、自らをむしばんでゆく。


4205プルクチミソユキ[震゜活奇育実虚結岐 pu ru ku tiu miu so yu ki]
【原本訳】霊気震えば妙なる流れ、障(さわ)りはすべて融(とか)し込む。
【一音訳】[震゜]自然の意志と力が発動する[活]現在形[奇]不思議なる変化[育]力の流れ[実]実体[虚]大自然の意志と力を吸い込む[結]縁が出来た[岐]そこに起こるさまざまな現象
【文節訳】[震゜活]ふるい起こす[奇育]不思議なる力の流れ[実虚]実体は垢、罪、汚れがなくなった[結岐]次の新しき世界に因縁をつくる。次の世界と関係を結ぶ。新しい因縁を得る。新しい因縁を得て蘇ることができる。新しいエネルギーを呼び込んで甦がえる。※大嘗祭の悠紀(ゆき)殿の語源
[震゜活奇育実虚]秘儀を表す熟語であって、動的、あるいは命令形を表す。
[奇育実虚]実体にこもる潜在力、それを活性化することによって、身についた過去のもの一切を振るい出してしまう神霊行事、あるいは神霊現象※禊(みそぎ)の語源
【解説訳】自然の意志をふるい起こせば不思議な力の流れが出来て、身体から垢、罪(自分の汚れ)、穢れ(他人からの汚れ)が無くなる。そうすれば、新しい縁を得ることができ、再度、現象を生じ人間に生まれることができる。これは禊祓いのことである。汚れたままの状態では新しき縁に出会うことができない。汚れを取り去りなさいということだろう。人間を作って来た潜在力が汚れが溜まって潜在力が弱くなり人間を保つことができなくなり、人は死ぬ。そしてピクツムピ、生きる意志だけが残る。この生きる意志も汚れていたままでは再度人になることはかなわない。だから、汚れをふるい落としなさい。そうすれば新しき世界に生まれることができますよ。ということだろう。新しき世界というのは未来の現世ということになるだろう。汚れたままでは、罪穢れを持ったままでは、新しい縁と結ばれない。
【意訳】潜在力である汚れた魂から汚れを振り落とせば新しい縁を得ることが出来る。


4206パラペトノイオ[晴゜躍放゜保乃覆 pa ra pai to noi wo]
【原本訳】霊気張り出し過去の世界へ。
【一音訳】[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[躍]最大の動作[放゜]自然の意志と力が失せ、意志と力は他のものに変換する[保]蓄えられている意志と力[乃]~という結果である[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す
【文節訳】[晴゜躍放゜]新しい自然の力が張り出して来て、罪、汚れを押し放った。※祓われる、祓えの語源[保乃覆]過去の世界(3312トコオ[保堅覆]の世界)。しっかりした戸によって隔絶された過去の世界。過ぎ去った時間の入り口。
【解釈訳】過ぎ去った事に対しては、何とも自分では処理出来ない。それでトノオの神にお願いして入り口を開いてもらう。そうすると、過去の怨霊なり、過ぎ去った事柄は、すべて吸い込まれて過去の世界に追い払うことが出来る。これが祓い。どうして吸い込まれて行くのか。倭人は、たくさん物が集まっていると、そこに吸い寄せられるという思想がある。このトノヲの中には、過去のたくさんな事、物が一杯詰まっているから、そこに吸い寄せられると倭人は考えた。
【古事記】祓戸大神(はらえどのおおかみ)。イザナギが禊した時現れた神々の総称。但し、天照大神やスサノオ等の一部の神々を除いたもの。
【意訳】汚れは全部過ぎ去ったこととして、過去の世界へ追い払え。


4207アポキパル[会穂゜岐晴゜活 au po ki pa ru]
【原本訳】かくして行く手晴れやかに。
【一音訳】[会]出会う[穂゜]自然の持つ意志と力が分派、独立したもの。分霊[岐]現象[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[活]現在形。一般動作を表す
【文節訳】[会穂゜]独立した自然意志、分霊との出合い[会穂゜岐]分霊がエネルギーをどんどん吸収する現象[晴゜活]自然の新しい潜在力
【解説訳】直訳すると、独立した自然意志に出会いで起こる現象は、潜在力の活性化。汚れを過去に追い払ったら、独立した自然意志が新たなエネルギーを得られるようになる。そして未来へと進んで行く。だから晴れやかというのだろう。
【古事記】阿波岐原(竺紫(ちくし)の日向(ひむか)の橘の小門(おど)の阿波岐(あはき)原
【意訳】独立した意思を持った潜在力がどんどんエネルギーを吸収して潜在力の流れに乗って未来へと張り出してゆく。


4208キヨメタモラム[岐因芽垂萌躍醸 ki you mai ta mou ra mu]
【原本訳】宜しき萌(きざ)しは弥(いや)萌え出でむ。
【一音訳】[岐]際立つ[因]原因[芽]自然の力が物に変わる局面、萌し、兆し[垂]力が溢れ出る[萌]目に見えて物質が増加して行く[躍]最大の動作、躍動[醸]発展する
【文節訳】[岐因]際立つ因縁[岐因芽]良き因縁[垂萌躍醸]萌えいずることでありましょう
【解説訳】キヨは際立つ因縁ということで、後に美しい、清らかな等の意味となった。綺麗にしないとよい因縁に巡り合えないので清という字が当てられたのだろう。キヨメは際立つ因縁がものに変る局面であり、良い萌(きざし)し、良いことが起ころうとしているという事。タモラムは力が溢れ、増加し、躍動、発展する。よい事が驚異的に起こるという事だろう。何がよい事かというと、潜在力パはキヨメとして現実世界に行く。つまり、再度人間として生まれることが出来るということだろう。
【意訳】とても素晴らしい縁が芽生えることだろう。




閑話
 古代倭人は罪、汚れを溜めておくことは命を縮める、このような思想を持っていた。だから罪・穢れを無くすることが重要だと考えたのだ。現在行われている神道の最もポピュラーな天津祝詞と対比てみよう。


高天原(たかあまのはら・たかまがはら)に神留坐(かむづまりま)す【4201タカマパル】
神漏岐(かむろぎ)神漏美(かむろみ)の命(みこと)以(も)ちて【4202カムロキミユ】
皇親(すめみおや)神伊邪那岐(かむいざなぎ)の大神(おほかみ)【4203イザナキヨ】
筑紫(つくし)日向の(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あわぎはら)【4207アポキパル】
禊祓ひ(みそぎはらい)給ふ(たまう)時(とき)に【4205プルクチミソユキ】
生坐(あれま)せる祓戸(はらえど)の大神等(おおかみたち)【4206パラペトノイオ】
諸々(もろもろ)禍事(まがごと)罪穢(つみけがれ)を【4204ウツヂュケグマガ】
祓へ(はらえ)給ひ(たまい)【4206パラペトノイオ】
清(きよ)め給へ(たまえ)と申す事の由を【4208キヨメタモラム】
天つ神地(くに)つ神八百万神等共に聞食(きこしめせ)と畏み畏みも白(もう)す


 

弓前文書 第4章第1節

2025-07-02 10:59:44 | 弓前文書(神文)

4000アマツムカムロミチノリム[天真津威醸移現育延座醸 a ma tiumu ka mu ro mi tiu nou ri mu]
【原本訳】大宇は意図す、大自然変化の流れ行く道筋、秩序立てへの順応。
【一音訳】[天]ああ![真]真の姿[津]意図は[威]偉大な変化力[醸]進む[移]~ている[現]ありのままの姿[育]力の流れ[延]秩序立て[座]完了[醸]発展する。進展する
【文節訳】[天真津]大自然が意図したこと[威醸移]自然変化が進んでゆく[現育]道筋[延座醸]自然の秩序に順応する。自らの秩序立ての力に組み込んで発展して行く[延座]秩序立てそのもの※法(ノリ)の語源
【解釈訳】大自然の秩序に順応するという総まとめ編になっている。アマツムカムロミチは惟神(かんながら)の道の語源である。惟神の道の意味を調べると、人は自然の一員として生まれ、自然とともに生きる。現実を誠実に自然のままに生き、結果を素直に受け入れる。となっている。
【意訳】 大自然への順応(第4章章題)


第四章 第一節
4100パツイザナカムロプノリム[晴゜積親陜成威醸移震゜延座醸 pa tu iu tsau na ka mu ro pu nou ri mu]
【原本訳】この世の姿誘(いざな)うは、周囲の霊気を誘発し、秩序を立てて醸し出せ。
【一音訳】[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[積]積み上げる[親]自然の親しみ[陜]接近する[成]秩序が出来上がった[威]変わる[醸]進展する[移]進行中[震゜]自然の意志と力が発動する[延]秩序立て[座]完了、静止した[醸]発展する、進展する
【文節訳】[晴゜積]始まり[親陜成]生命有限。現象は分解、消滅して行く[威醸移]自然変化の法則。自然変化は進んで行く[延座醸]自然の秩序に順応する。秩序立ての進展[延座]秩序立てそのもの
【解釈訳】パツ、始まり。イザナ、現象の分解消滅の意味があるが、本来は、親しく雌雄交合して個を確立する。個を確立したがために、現象は続かず、分解消滅する過程をとる。つまり、現実化して生長し、維持し、衰退し、分解し、消滅するこの世での姿だ。、カムロプ、自然変化の法則に基づいて潜在力が発動する、ノリム、秩序立てが進行する。秩序立ての進行、つまり、自然の秩序に順応するとはどのようなものか、総まとめ編ともいうべきものである。
【意訳】現象の始まりは、自然変化の法則に基づいて潜在力が発動することによる。だから自然の秩序に順応しなさい。(第4章第1節節題)


4101カムアポナ[威醸会穂゜成 ka mu au po na]
【原本訳】自然の心分霊(わけい)となれり。
【一音訳】[威]大自然の変わり行く力[醸]進展[会]出会う[穂゜]自然の持つ意志と力が分派、独立したもの。分霊[成]物事が完成した
【文節訳】[威醸]自然の不思議な営み[会穂゜成]アポナミ(3103)の世界、現世。分霊がエネルギーをどんどん吸収する成長期となった[会穂゜]独立した自然意志。分霊との出合い
【意訳】自然の潜在力から独立の意志を持つ分霊が出来る。


4102ピレプヨヤ[霊゜舞震゜因因゛piu rai pu you yau]
【原本訳】意志は籠りて倍々増える。
【一音訳】[霊゜]意志の潜在エネネルギー[舞]集中動作[震゜]自然の意志と力が発動する[因]定められた通り[因゛]益々
【意訳】自然の意志は集中し、活性化して、次々因縁をつくる。


4103ヤタヤマタ[因゛垂因゛増垂 yau ta yau mau ta]
【原本訳】力は溢れ、さらに増え行く。
【一音訳】[因゛]いよいよ[垂]力が溢れ出る[因゛]いよいよ[増]物質増加の最大の姿[垂]力が溢れ出る
【意訳】分霊は次々とエネルギーを取り込んで、力は溢れ、さらに増えてゆく。


4104トヨウツガ[充因美積母 tou you u tu xau]
【原本訳】道に生きたり、ああ生みの母。
【一音訳】[充]極めて物事が充実[因]世[美]生まれる[積]積み上げる[母]母体。生命を生む母体
【文節訳】[充因]満ち満ちたる世界、十分なる原因※豊の語源[美積]生まれる、動き出す、それが次々積み重なって行く
【意訳】豊かに次々と生み育てる母体


4105ヤモヤマエ[因゛萌因゛増重 yau mou yau mau yai]
【原本訳】さらに増え益し、弥(いや)重ね積む。
【一音訳】[因゛]更に[萌]目に見えて物質が増加して行く[因゛]益々[増]増加[重]原因・結果が次々と繰り返し繰り返し積み重なって行く
【意訳】母体により、さらに増え、いよいよ増えてゆく


4106イザナプル[親陜成震゜活 iu tsau na pu ru]
【原本訳】周囲の霊気誘われ震う。
【一音訳】[親]自然の親しみ[陜]接近する[成]秩序が出来上がった[震゜]自然の意志と力が発動する[活]現在形。一般動作
【文節訳】[親陜]接近力[成震゜活]潜在力を誘い込む
【解説訳】イザは接近力、ナプルを付け加えると、潜在力を誘い込む。何が増えてる状況なのかというと、分霊が増えている、それは潜在力、目に見えない潜在力が増えている状況で近くにある潜在力を秩序立ってふるい起こす。それが誘い込むという意味なのだろう。誘い込まれて震え発動する、活性化したということだろう。
【意訳】分霊の周りの潜在力も巻き込んで活性化して行くく。


4107マパレピレ[真晴゜舞霊゜舞 ma pa rai piu rai]
【原本訳】自然の力集まり来たり。
【一音訳】[真]真の姿[晴゜]大自然の持つ意志とその力[舞]集中動作[霊゜]自然の意志と力[舞]集中動作
【文節訳】[真晴゜舞]自然のエネルギーが流れ込む。宇宙の持つ潜在力が集中し出した[霊゜舞]現象の命のもと。熱と力
【解説訳】マパレ、自然のエネルギー[晴゜]が集中する真の姿、つまり、自然のエネルギーが流れ込んできた。
【意訳】潜在力が大集結して命の素となる。


4108カムロアパ[威醸移会晴゜ka mu ro au pa]
【原本訳】自然に種が姿を見せむ。
【一音訳】[威]変わる[醸]進展する[移]進行中の動作[会]出合いの時期到来[晴゜]大自然の持つ意志とその力
【文節訳】[威醸移]自然変化は進んで行く。自然の法則[会晴゜]意志自然力との出合い。自然のエネルギーは結実する
【解説訳】カムロ、自然の法則によって自然変化は進んで行く。アパ、潜在力の意志に出会う。出会った結果、自然のエネルギーが結実する、現実化する。
 この節で述べられていることは、少々の潜在力じゃなく、とてつもないほどの潜在力のエネルギーを集めて集中させることにより、ようやく一人の人間を誕生させることができる、ということだろう。
【意訳】自然の法則に従い潜在力は結実する。
 

弓前文書 第3章第1節

2025-06-21 14:14:27 | 弓前文書(神文)
3000アマツムカムロミチトコノ[天真津威醸移現育保堅延a ma tiumu ka mu ro mi tiu to ko nou]
【原本訳】大宇は意図す、大自然変化の流れ行く道筋、永久の秩序立て。
【一音訳】[天]ああ![真]真の姿[津]意図は[威]偉大な変化力[醸]進む[移]~ている[現]ありのままの姿[育]力の流れ[保]蓄えられている意志と力[堅]変わらない[延]秩序立て
【文節訳】[天真津]大自然が意図したこと[威醸移]自然変化が進んでゆく[現育]道筋の[保堅]永久[延]秩序立て
【解釈訳】大自然の永久の秩序立てとは大自然の法則のこと。[保]という字は戸締まりの戸、ドアを意味する。戸締まりをして、おけば、中の物を保存しておける。こんなところから、[保]の字が使われたようだ。次の[堅]。堅固なものは壊れない。そこでこの二つを合わせてトコシナエ、常磐木、このような日本語が永久という意味でいまなお使われている。第3章では、現に我々が見ている自然の姿だけでなく、目に見えない世界も含めて三つの法則に従い自然は変転して行く、ことについて書かれている。
【意訳】大自然の永遠の秩序(第3章章題)


3001カムロミ[威醸移現 ka mu ro mi]
【原本訳】大自然変化現相。
【一音訳】[威]大自然の変わり行く力[醸]進展する[移]進行中の動作を表す[現]ありのままの姿。現相
【文節訳】[威醸移]自然変化が進んで行く[現]ありのままの姿 
【解釈訳】カムロ、変わりゆくものというのは現代の言葉では大自然。春夏秋冬日々変わり続けている。過去と未来の時間軸の中で刻々と移り変わって行く現世をカムロミという。カムロミとは大自然そのもの、即ち、大自然がもつポテンシャル(潜在能力)そのものである。見えない力、自然を動かす原動力。
 見えない世界というと宗教的と思うかも知れないが、生物で例えれば命。命は見えない。命がないと動けない。けれど死んだ人間の心臓を生きている人間に移植して生かすことができる。命とは何だろう。見えない世界のエネルギーを送り出す命が現実のエネルギーを生み、人間を動かしていると考えられるのではないだろうか。
【意訳】大自然の姿。(第3章副題)
3002カムロキ[威醸移岐 ka mu ro ki]
【原本訳】大自然変化現象。
【文節訳】[威醸移]自然変化は進んで行く[岐]現象。際立つ
【解釈訳】カムロミに引き起こされる現象。現実をつくり出し、過去の力を吸収する、その意志と力がカムロキ。過去から未来へパ[晴゜]が循環し渦巻く潜在力の大運気の世界をタカマパル[垂威真晴゜活]といい、その姿がカムロミであり、その運気によって引き起こされる現象をカムロキという。タカマパルについては後に3301で説明する。
※ただあまり深く理解しようとしない方がいい。古代の神学を学ぶなら別だが、弥生の言葉が書いてあるという理解でもいいのではないかと思う。
【天津祝詞(あまつのりと)】高天原(たかあまのはら)に神留坐(かむづまりま)す神漏岐(かむろぎ)神漏美(かむろみ)の命以(みことも)ちて・・・・
※弓前文書に比べると、カムロミを女神、カムロキを男神として、男女の順に並べ替えている。
【意訳】大自然の現象。(第3章副題)


第三章 第一節
3100ミキマパルトコヨ[現岐真晴゜活保堅因 mi ki ma pa ru to ko you]
【原本訳】森羅万象は、大自然保有力が起こす因果の永久輪廻(りんね)運動である(これを輪廻因の法則という)。
【一音訳】[現]現相。この世の姿[岐]現象[真]真の姿[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[活]現在形。一般動作を表す[保]蓄えられている意志と力[堅]変わらない[因]世。日本数詞の4番目
【文節訳】[現岐]森羅万象[真晴゜活]輪廻する[保堅因]永久に繰り返される世
【解釈訳】ミキとはこの世の起きる様々な現象、見えない世界から流れ込んだ現実のエネルギーがつくりだしたもの、森羅万象のこと。マパルは力が張り出して循環している状況で「まわる」の語源。仏教用語を借りて再生復活を繰り返す輪廻と訳せる。トコヨとは永久に繰り返す世をいう。「常世(とこよ)」の語源である。ミキマパルトコヨとは様々な現象が回って永久に繰り返すと訳せるだろう。
 何が回る、何が輪廻するのか、それはこの節に書かれている四つの世。アパナミ、アポナミ、イザナミ、イザオミの四つの消長を繰り返すので「よ(四・世)」という。因は果を生み、果は因を生んで、次々と永久に繰り返されるのである。
 森羅万象は、さまざまな因果の果てに引き起こされた、その潜在力の消長の段階に応じて、それに向かって流れ込んだ現実エネルギーがつくり出したものである。この潜在力の消長を相といい、流れ込んで来る現実のエネルギーを象という。潜在力とは見えない力であり、見えない力が現実のエネルギーに変換され、現象を起こすという意味だろう。見えないという表現は認識できないという意味でとらえて欲しい。
 カムロミ・カムロキ(大自然の姿・現象)は必ず四つの段階を経て生まれては消えて行く。これを永久に繰り返す。
【意訳】森羅万象は大自然の見えない力が起こす現実のエネルギーによってつくり出された消長の永久の繰り返しの姿である。(第一法則、輪廻の法則、トコヨの法則)(第3章第1節節題)


3101アパナミ[会晴゜成現au pa na mi]
【原本訳】因縁結実相。
【一音訳】[会]出合いの時期到来[晴゜]大自然の持つ意志とその力[成]物事が完成した[現]見えているものの姿。現相
【文節訳】[会晴゜成]現実に現れる機会を得た[現]姿
【解釈訳】パとは大自然の意志とその力、つまり、見えない世界のエネルギー。そのパに出会って完成する姿。パのエネルギーとは生命エネルギーと考えてもよいと思う。パという大自然の持つ潜在エネルギーが物質に変わってゆく姿という意味になる。現実に現れる機会を得た姿。
 原本訳で使われている「相」は潜在力の消長、「象」は流れ込んでくる現実のエネルギー。つまり「相」とは認識できないエネルギー、見えない世界のエネルギーであり、潜在力という言葉も使われている。「象」とは現実のエネルギー、現実の力の状態。
【意訳】大自然の持つ潜在エネルギーが現実の物質に変わってゆく姿(輪廻四つの世の第一段階)。


3102アパナヨ[会晴゜成因 a pa na you]
【原本訳】自然力吸収象。
【文節訳】[会晴゜成]現実に現れる機会を得た[因]定められた通り。世
【意訳】大自然の持つ潜在エネルギーが現実の物質に変わってゆく状態。


3103アポナミ[会穂゜成現 au po na mi]
【原本訳】事物発現相。
【一音訳】[会]出会う[穂゜]自然の持つ意志と力が分派、独立したもの。分霊[成]物事が完成した。秩序が出来上がった[現]見えているものの姿。現相
【文節訳】[会穂゜成]現象という自然の中の一つの意志、独立した自然意志である分霊がつくられた[現]姿
【解釈訳】独立した自然意志が出来るということは、現実に起こる事象が出来てゆく、現象が成長して行く。そこには現実のエネルギーが流れ出している。アポナミは現世。
【古事記】沫那美(あわなみ)の神
【意訳】現実のエネルギーが流れ出して、現象が成長してゆく姿(輪廻四つの世の第二段階)。


3104アポナキ[会穂゜成岐 au po na ki]
【原本訳】自然力集中現象。
【文節訳】[会穂゜成]現象という自然の中の一つの意志、分霊がつくられた[岐]現象
【解説訳】アポナで現象という自然の中の一つの意志、分霊がつくられた、その姿がアポナミ、力の状態がアポナキ。
【古事記】沫那藝(あわなぎ)の神
【意訳】現実のエネルギーが流れ出して、現象が成長してゆく。


3105イザナミ[親陜成現 iu tsau na mi]
【原本訳】事物分解相。
【一音訳】[親]自然の親しみ。愛憎[陜]接近する[成]物事が完成した[現]見えているものの姿
【文節訳】[親陜成]現象は分解、消滅して行く。[現]姿
【解釈訳】イザナは1408でも出てきたが、親しく接することにより生命は生まれ、そして他に代えが利かない個として存在し、よって、同位体の分裂増殖、新陳代謝とは異なり、個は消滅して行く。アポナミが成長して行く姿であり、イザナミは消滅へと向かう段階を示す。アパナミとイザナミがウツヨ[美積因]の世界、現世(うつしよ、げんせい)である。生物に限らず、森羅万象の姿の一つの段階。
【古事記】伊邪那美(いざなみ)の命。但し、1407参照のこと。
【意訳】成長が止まり分解、消滅して行く姿(輪廻の第三段階)。


3106イザナキ[親陜成岐 iu tsau na ki]
【原本訳】自然力解放現象。
【文節訳】[親陜成]現象は分解、消滅して行く[岐]現象
【解説訳】現象は分解、消滅して行く力の状態。
【古事記】伊邪那岐(いざなき)の命。但し、1408参照。
【意訳】現象は分解、消滅して行く。


3107イザオミ[親陜覆現 iu tsau wo mi]
【原本訳】余韻因果相。
【単語訳】[親]自然の親しみ。愛憎[陜]接近する[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す[現]見えているものの姿
【文節訳】[親陜]分解して行く状況[覆現]覆われた姿 
【解説訳】オミとは覆われた姿、つまり、現象が消滅し過去となってしまった姿。消滅したとは、見えない世界、認識できない世界、潜在力の世界に行ってしまった。分解した潜在力は未来社会に進んで行き、また最初に戻ってアパナミで潜在エネルギーが現実の物質に変わってゆく。
【意訳】過去のものとなった現象の姿(輪廻の第四段階)。


3108イザナヤ[親陜成因゛iu tsau na yau]
【原本訳】自然力拡散象。
【文節訳】[親陜成]現象は分解、消滅して行く[因゛]原因結果が繰り返される。益々。
【解釈訳】過去のものとなった現象はさまざまになった。ということは、分解して消滅してバラバラになって、素材になったということだろう。これも見えない世界の話。
【意訳】過去のものとなった現象はさまざまになった。


弓前文書 第3章第2節

2025-06-21 14:14:02 | 弓前文書(神文)
3200ピミマペルトコヂュ[霊゜実増放゜活保堅集゛piu miu mau pai ru to ko jiu]
【原本訳】現実その裏に潜む意志の力は、現実が積み上がって行くうちに、意志は薄れ、力を失い、現実は永久の風化物となる(これを有限集゛の法則という) 。
【一音訳】[霊゜]自然の意志[実]物質。物の本質[増]増加する[放゜]力は消費されて行く[活]現在形の終動詞[保]蓄えられている意志と力[堅]変わらない[集゛]垢。物質の無秩序な群がり。
【文節訳】[霊゜実]現象の持つ潜在力[増放゜活]物質が増せば意志の力が減る[保堅集゛]永久の無秩序となる。
【解釈訳】前節で現象は永久に続かないものであることがわかった。ではどうして現象は永久に続かないのか。必ず消滅してしまうのはどういう訳なのか。その法則を示すのがこの節題。
 ピミ。自然の意志と物の本質、物質の持つ意志と力。
 マペル。増えると減る。何が増えると何が減るのか。物質が増えると自然の意志が減る。物質が増加するなら、その潜在力は減少して行く。現象の継続とともに潜在力は減って行く。潜在力とは自然の意志、つまり、認識できない、見えないエネルギーと理解すればよい。物質が増加したら、その反面で、潜在エネルギーが消費されて減少する。物理学にエネルギー保存の法則というのがある。「ある仕切られた領域の内部でいかなる反応が生じても領域内のエネルギーの総和は変化しない」というもの。ピミマペルはエネルギー保存の法則に相当する。
 トコヂュ。トコは永久。ヂュはわが身の過去一切、垢である。すべて人間を始め如何なる自然条件にあっても、エネルギーが出入りすると必ず垢というかゴミが溜ってくる。自分の作り出したものが[集゛]であり、他人の作り出した[集゛]を汚れという。
 自然の意志と物質の関係は、物質が増えればその反対に自然の意志が減ってゆく、そして永久の垢となる。物質が増えれば物質が持つ潜在エネルギーは減少して行き、最後は無秩序な物質の集まりとなる。エネルギーがなくなってしまえば何の意志もない、無秩序な物質の固まりにすぎない。つまり現象は必ず消滅するという意味になる。エントロピーの法則というのがある。無秩序の度合いを示す物理量の事。簡単に言ってしまえば、秩序は無秩序へ向かうということのようだ。トコヂュはエントロピーの法則に相当する。
 まとめると、第二の法則[霊゜実増放゜活保堅集゛]。[霊゜]は自然意志の力、潜在力である、[実]、現実の物、一つの現象である、[増]は増加する、物が成長して行く現象が増大する。そうすると[放゜]、地の力は弱まる、潜在力はなくなって行く。これを[集゛]。有限の法則または風化物の法則と言う。この法則を説明するため掲げられたのが、以下の四言五句の日本語数詞の原形であった。
【意訳】自然の意志の力は現象を積み上げていく。その反面、力は薄れて行き、最後には必ず消滅する。(有限の法則)(第3章第2節節題)


3201ユピプミ[結霊゜震゜実you piu pu miu]
【原本訳】あるきっかけで自然力は意志として活動して現実の種となった。
【一音訳】[結]縁が出来た[霊゜]自然の意志と力[震゜]発動する[実]物質
【解釈訳】直訳すると、縁あって自然の意志と力が発動し物質となった。日本数詞の「ひーふーみー(一二三)」にあたる。弓前文書は大自然変化の道[威醸移現育]、いかに自然の意志と力に順応して行くか、が書かれている。大自然の意志の順番が日本の数調である。
【意訳】あるきっかけで、自然の意志(潜在力)は発動し現実の物質となる。


3202ヨツムナ[因積醸成 you tu mu na]
【原本訳】定められた因縁に従って発芽増殖分化して雛形となった。
【一音訳】[因]定められた通り[積]積み上げる[醸]目にはよく分からないが、物質がどんどん増大している状況[成]物事が完成した
【解釈訳】直訳すると、定められた通り積み上がって増大し完成した。日本数詞の「よーいー(いつ)むーなー(四五六七)」にあたる。1番と7番、ピ[霊゜]とナ[成]で「ピナ」、ひな(雛)となる。一つの完成形だが、まだ真の完成段階ではない。
【意訳】定めのとおり増殖を続け、雛形ができる。


3203ヤコトタ[因゛凝充垂 yau kou tou ta]
【原本訳】その結果、定められた通り形成され充実し、有り余れる力を持つものとなった。
【一音訳】[因゛]原因結果が繰り返される。その結果は定められた通りである。いよいよ[凝]固まる[充]極めて物事が充実[垂]力が溢れ出る
[文節訳][凝充]形成する
【解釈訳】増殖は繰り返され定められた通り形成されて力が溢れ出る。日本数詞の「やー、こー、とー(八九十)」。日本数詞の1番と10番でピト[霊゜充]、人の語源である。形もはっきりしてきて大人となった完成した姿であり、エネルギーに満ち溢れた状態である。
【意訳】更に増殖を続け、形も定まり、パワーに溢れた状態となる。


3204エモマチ[重萌増育 yai mou mau tiu]
【原本訳】現実の積み重ねが増すにつれて、生まれる力は流れ去る。
【一音訳】[重]原因、結果が次々と繰り返し繰り返し積み重なって行く状態[萌]目に見えて物質が増加して行く[増]物質増加の最大の姿[育]力の流れ
【解釈訳】次々現象をつくって増え、同じことを繰り返していく。その一方で力は流れ去って行く。これが物、生物ならば、子孫をつくって行かねばならない。そのため余分の力が流れ去って行く。子孫を作るために力が消費される。また、自らの維持にも力が費やされる。子孫を作るというのも維持の一貫と考えられる。モマ[萌増]は日本数詞の百(もも)の原語である。チ[育]は同様に千(ち)、千歳(ちとせ)の原語である。
【意訳】増殖を繰り返す一方、維持するため力は流れ去る。


3205ヨヂュミペ[因集゛実放゜you jiu miu pai】
【原本訳】定められた通り現実は風化し力は失せた。
【一音訳】[因]定められた通り[集゛]物質の無秩序な群がり[実]物質[放゜]自然の意志と力が失せ、意志と力は他のものに変換する
【解釈訳】定められた通りというはこの場合3200ピミマペルトコジュ、エントロピー・エネルギー保存の法則による。天の定めによって潜在力は無秩序な物質に変わり、その力、すなわち生命は失せた。ピキル[日奇活](生)には寿命がある。
 ヨジュミは万(よろず)の語源である。日本語数詞の原型となったものは、この二大自然法則の説明するための韻文であった。
【意訳】定められた法則により、物質は無秩序な物質に変り、その力である生命エネルギーは無くなってしまう。


※閑話
 日本語の母音はエネルギーの小さい順からならべるIUOAであった。
 数詞は分配の為に必要だった。一つのものを半分にして2。二つになった物を半分にして4。四つになったものを半分にして8。物を平等に分けるために必要だったのだろう。これら母音に垂直因果関係を表すy音を付けて数詞は出来た。
 一(YI)二(YU)四(YO)八(YA)
 更に、物体を表すM音を付けて
 三(MI)六(MU)
 更に、物量を表すT音を付けて
      五(TU)十(TO)
 全て母音の順に倍数となっている。
 数詞では出てこなかったが、MO(もっと)MA(まったく)TⅠ(小さい)TA(たくさん)というように母音の順に並べられる。さらに、YMTの最大を並べるとYAMATA、八岐大蛇(やまたのおろち)のヤマタになる。
 これらの数詞を吟味して大自然の意志の順番を表す文章にして完成させたのが日本数詞の原形であった。語呂合わせ的なものだろう。母音はAOUIに加えてAU,OU,IU,AIが増えて母音は八つである。
 一(YI)⇒ピ[霊゜piu]、Y音からP音へ変更された。
 二(YU)⇒プ[震゜pu]、これもY音からP音へ変更された。
 三(MI)⇒ミ[実 miu]
 四(YO)⇒ヨ[因 you]
 五(TU)⇒ツ[積 tu]
 六(MU)⇒ム[醸 mu]
 七    ⇒ナ[成 na]、七番目が付け加えられた。
 八(YA)⇒ヤ[因゛yau]
 九    ⇒コ[凝 kou]、九番目が付け加えられた。
 十(TO)⇒ト[充 tou]
 現代の略した数え方はひーふーみーよーいー(いつ)むーなー(なな)やーこーとー。


[結霊゜震゜実因積醸成因゛凝充垂重萌増育因集゛実放゜]は関連を示す字[結yu)[因you][因゛yau][重yai]の順に、次次々と引き継ぎ完成させて、最後は原因と結果を表す[因you]という字を用いて前を振り返り、結論とした巧妙な構文例である。文字の無い弥生時代のものだ・・・・。


弓前文書 第3章第3節

2025-06-21 14:13:33 | 弓前文書(神文)
3300パツウツルトコオ[晴゜積美積活保堅覆 pa tu u tu ru to ko wo]
【原本訳】始まりあれば必ず移り行くあり、その軌跡は影を永久に残す(これを無限覆の法則という) 。
【一音訳】[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[積]積み上げる[美]生まれる[積]積み上げる[活]現在形。一般動作を表す[保]蓄えられている意志と力。動かぬ力の量。戸[堅]変わらない。不変[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す
【文節訳】[晴゜積]始まり[美積活]どんどん変化して行く※移るの語源[保堅]永久[覆]過去
【解釈訳】第一の法則は輪廻の法則、事象は繰り返すということ。第二の法則は有限の法則、始まった事象は必ず消滅するということ。これだけでは輪廻とはまるでラットの回転かごを回っているように堂々巡りをしていることにもなりかねない。そこで登場するのが時間軸。世は必ず一方に進む。未来へ進む。言い替えれば、過去を積み重ねることでもある。輪廻する世界は有限であって、一方的に進んで行き、再び過去に戻ることはない。パツ、潜在力が積み上がり、現象が始まる。ウツル、生まれ積み上がって行く、つまり、どんどん変化して行く。トコオ、永久に覆われたものになる、つまり、過去になる。輪廻する世界は必ず有限であり、一方的に進んで行き再び戻ることはない。この節で述べられているのは現世変遷の具体例である。第三法則は永久に過去は残る法則。つまり、時間は進み、過去となって行き、過去となったものが再び戻ることは無い。
【古事記】底筒男(そこつつのお)・中筒男(なかつつのお)・上筒男(うわつつのお)の三柱。住吉大社の祭神、祓戸大神(はらえどのおおかみ)の構成神、4206参照
【意訳】始まる現象は時間が経てば次々と移り変り、過去は永久に残る。(第3章第3節節題)(第三法則、過去は永久に残る法則)


3301タカマパル[垂威真晴゜活 ta ka ma pa ru]
【原本訳】大自然の威大な有り余れる力が輪廻している。
【一音訳】[垂]力が溢れ出る[威]大自然の変わり行く力[真]真の姿[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[活]現在形
【文節訳】[垂威]溢れ出るさまざまな驚きの潜在カ[真晴゜活]輪廻する真の姿
【解釈訳】大宇宙、自然には潜在エネルギー、ポテンシャルが満ち満ちている。それがさまざまな現象となり、人間の生死もその一環である。これらの現象はすべて遠い昔からのさまざまな因縁の結果、潜在力の状態が刻々と変化している様である。現実の世にカが張り出すという意味のマパル。これは一つの輪廻の姿である。こんなところから回転するという意味のマワルという言葉が定着した。弓前理論のタカマパル(高天原)というものは、現実の世の時間と直行する。過去から未来へと続く因は果を生み、果は因を呼ぶ、輪廻する森羅万象の潜在カの姿なのである。
 自分なりの解釈を試みてみる。見えない力、潜在力、これは何だろう。生きている人は命がある。これは疑う余地がない。でも、命を見たことがあるだろうか。心臓が動いている現象は捉えられるが命は見えない。脈拍がある時と鼓動を打たなくなったとき。命がある場合とない場合、命の存在や不存在を見いだせるだろうか。現象だけで命の有る無しを判断しているだけで、命そのものは見えない。命は見えない力、潜在力だと言えるのではないか。
 潜在力が現象化、物質化をさせたのがこの世、物質化を維持する力が無くなった潜在力のあの世。このように考えると潜在力が物質化させ維持し消滅してまた元の潜在力に戻る。潜在力が力を蓄えまた物質化をさせるという循環の渦になっていると考えると、私には納得できる気がする。命は見えない力だ、潜在力だと考えると、その潜在力の循環、偉大な力の輪廻というものが、私にはおかしな理屈には感じなくなった。
 人間は食べ物を消化して血となり肉となり身体を作っている。構成する細胞は日々新陳代謝で入れ替わっている。骨でさえも3年から5年で入れ替わるらしい。数か月前の自分と今の自分は全然違うもので出来ていると言える。それでも同じ人間であると言えるのは命、即ち見えない力、命によってはじめて成り立つのではないか。
 潜在力に力がある間は現象をおこし続け、力が無くなると現象が維持できなくなる。これが人間の生と死、この世とあの世の違いかと思う。潜在力の最小の一因子をはピ[霊゜piu]という。自然の意志と訳されている。
 自然も同じだ。春夏秋冬、季節は移り変る。太陽の熱と光によるものだろう。だが何故春は芽生え秋は実りそして枯れるのか。それを動かすものは何だ。それを弓前文書ではカ[威ka]という。恐ろしい力とか偉大な力とか大自然の変わり行く力とか訳すが、これも見えない力、潜在力だろう。人間を維持しているものは食べ物、それと同じく自然を動かしているものは太陽と言えるが、その裏で本当に動かしている根本のものを考えると、見えない力、潜在力と言えるのではないか。推し量れない力の存在を否定できない。
【古事記】高天原(たかあまのはら)。八百万の神々が集まって相談するという所になっている。前二世紀ごろの倭人の言葉が、七世紀に古事記で、高天原という三字に当てたことによって、大空というイメージを与えてしまった。倭人の言葉には天空という意味は少しもない。
【意訳】潜在力は循環する。


3302イモトポツム[厳基保穂゜津 yi mo to po tiumu]
【原本訳】因縁の原点、大本の心の意図する所は。
【一音訳】[厳]原点[基]大本の姿[保]蓄えられている意志と力[穂゜]自然の持つ意志と力が分派、独立したもの。性根、心、分霊[津]意図する
【文節訳】[基保]大本 
【解釈訳】誰の「心」かというと大自然の心
【意訳】大本の心の原点が意図するものは次のようなものだ。


3303イヌノナス[緒沼゜延成澄 yiu nu nou na su]
【原本訳】初めの緒(いとぐち)は混沌から秩序立て完成へと進んで行く。
【一音訳】[緒]始まり、糸口[沼゜]混沌[延]秩序立て[成]物事が完成した[澄]自然の意志と力を吸い込む
【解釈訳】自然の意志と力を吸い込むサ行。サ行はエネルギーの順番で小さい方からiuoaの順にシ[静si]ス[澄su]ソ[虚so]サ[爽sa]となる。小中大・最大。レベル1・2・3・4で表すことにする。
【意訳】始まりは混沌。混沌は秩序立てられて完成へと進んでゆく。自然の意志と力を吸い込む力はレベル2。


3304チキミピル[雷゜岐現日活 ti ki mi pi ru]
【原本訳】力の集積体が出来上がり、それが明らかに照らし出す現世その太陽の下(もと)。
【一音訳】[雷゜]エネルギーの塊[岐]際立つ[現]見えているものの姿[日]光と熱[活]動く
【文節訳】[日活]太陽が動く。※昼の語源
【解釈訳】前行のイヌノナス[澄su]に対応してチキミピル[活ru]。同じ母音が対応している。スウという潜在力の低密度の現象が起こったために、現実のエネルギーが流れ込むことを表すのに[活ru]という動詞がある。
【意訳】潜在力の塊が明確な姿となって太陽の下に現れる。


3305ユピプミソ[結霊゜震゜実虚 yu piu pu miu so]
【原本訳】あるきっかけで大本の意志が分化し、発動し、その現れは物質化の種となった。
【一音訳】[結]縁が出来た[霊゜]自然の意志と力[震゜]自然の意志と力が発動する[実]物質[虚]大自然の意志と力を吸い込む高いレベルの動作を表現する動詞
【解釈訳】3201と同じユピプミ。
【意訳】あるきっかけで、自然の意志(潜在力)は発動し現実の物質の種となる。レベル3。


3306メキチヨロ[芽貴育因移 mai kiu tiu you ro]
【原本訳】芽は霊妙に定められた通り育ち行く。
【一音訳】[芽]自然の力が物に変わる局面、またその動作※芽の語源[貴]目に見えない変化[育]目に見えない力が流れて物事が増大して行く[因]定められた通り[移]進行中の動作を表す
【文節訳】[因移]これも定められた現象の掟である 
【解釈訳】前行の[虚so]に対応して[移ro]、共に進行形である。
【意訳】芽は定められた通り育つ。


3307ツムクコトサ[積醸奇凝充爽 tu mu ku kou tou sa]
【原本訳】集積、増殖、分化して妙なる現象となった。
【一音訳】[積]物事が増大して行く状況[醸]目にはよく分からないが、物質がどんどん増大している状況[奇]不思議なる変化[凝]固まる[充]極めて物事が充実[爽]晴゜の自然の意志と力を吸い込む最大の動作を意味する動詞
【文節訳】[積醸]反応が進む。そのように自然は動く[凝充]形成する
【解釈訳】「いろは」は自然の意志の順番。ここには、五六[積醸]と九十[凝充]が入っている。
【意訳】さらに増殖を続け不思議な変化をしながら形は定まってゆく。レベル4。


3308ヤタポモマラ[因゛垂穂゜萌増躍 yau ta pou mou mau ra]
【原本訳】余分のカは現象の増大に変化し。
【一音訳】[因゛]いよいよ[垂]力が溢れ出る[穂゜]ますます栄える[萌]目に見えて物質が増加して行く状況[増]物質増加の最大の姿[躍]最大の動作を表す
【解釈訳】前行の[爽sa]に対応して[羅ra]。最大形である。
【意訳】いよいよ力が溢れ出て益々発展して行き、目に見えて現象は増大する。


3309エテネメニシ[重与根芽和静 yai tai nai mai niu si]
【原本訳】現象が重ねられて行くうちに、根や木の芽のような秩序体に力は転換されて行く。
【一音訳】[重]原因、結果が次々と繰り返し繰り返し積み重なって行く状態[与]力と意志の変換[根]秩序を生み出す媒体物[芽]自然の力が物に変わる局面、またその動作[和]組織体[静]自然の意志と力を吸い込んでしまった完了の動詞
【意訳】現象が重ねられて行くうちに、根や芽のような組織体に転換されて行く。レベル1。


3310ケヂュペグウリ[異集゛放゜哈゛浮座 kai jiu pai gu wu ri ]
【原本訳】現象は異物、風化物に変わり消滅し、散り行く。
【一音訳】[異]別のものに変化する[集゛]物質の無秩序な群がり[放゜]自然の意志と力が失せ、意志と力は他のものに変換する[哈゛]どんどん食べる[浮]軽いもの[座]完了形。動作が終わった
【解釈訳】前行の[静si]に対応して[座ri]。完了形である。[異集゛]無秩序な群りに変化し[放゜]力が失せる[哈゛浮座]どんどん食べて軽くなって動作が終わる。ということは風化物になり消滅、散るという事。風化とは原石や鉱物が大気や水にさらされて分解・破砕される現象をいう。それまで秩序を持って増大してきた現象が根や芽のような組織体に転換さるとともに、力を失い、バラバラになってゆくという事だろう。
【意訳】現象は風化物に変り散り散りになる。


3311ヌイワオイノイ[沼゜囲渡覆厳乃 nu wi wa wo yi noi]
【原本訳】混沌は行きわたり覆い尽くして、因縁の原点に返ってしまった。
【一音訳】[沼゜]混沌[囲]囲まれる[渡]行き渡る[覆]覆う[厳]原点[乃]~という結果である
【解釈訳】潜在力は、進行形ソ、最大形サ、完了形シ。それに応じて現実のエネルギーは、進行形ロ、最大形ラ、完了形リ、と流れ込んで密度は同じとなり、現象は終わってしまった。この現象を意図したものがツム[津]、すべての、一つの輪廻の完了、これがノイ[乃]。これこれの結果となった。[沼゜]何が渾沌とするのか。潜在力が渾沌としてしまうということだろう。[囲渡覆]囲まれ行き渡り覆われる。混沌状態に陥るということだろう。[厳乃]原点当結果になった。原点に戻ったということ。原点とは最初の状態、潜在力は潜在力の最小単位であるピ「霊゜piu]に戻ったということだろう。
【意訳】潜在力は混沌としてしまい、原点であるただの一因子に戻る。


3312トコオ[保堅覆 to ko wo]
【一音訳】その軌跡の影だけは永久にのこる。
【一音訳】[保]蓄えられている意志と力[堅]変わらない[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す
【文節訳】[保堅]永久 
【解釈訳】「軌跡の影だけは永久に残ると」はどういう意味だろう。「軌跡」とというのは現象が起こりそれが終わる過程だろう。「影だけは永久に残る」とは現象が始まって終わったその事実が過去として残る。その事実は消えない。あったことの事実は過去としての残るという意味ではないだろうか。人間で言えば生きて死んだという事実は永久に残る。
 前行で輪廻は完結した。そしてこの行で過去になったと示している。つまり、一つの輪廻が終わったらそれは過去になる。ということは未来が始まる。過去は永久に過去のまま。輪廻は同じところをぐるぐる回るのではない未来へ進むことを示している。らせん階段のように、ばねのように時間軸を未来に進みながら輪廻を繰り返す。無限に未来へと進む四次元の世界に居るのだ。
 有限から無限への輪廻の一コマ。これを六十三字十二行の韻文にしたのが、3301から3312に至る現世変遷の具体例である。
【意訳】現象が生じそれが終わったという事実は永久に過去として残る。