3300パツウツルトコオ[晴゜積美積活保堅覆 pa tu u tu ru to ko wo]
【原本訳】始まりあれば必ず移り行くあり、その軌跡は影を永久に残す(これを無限覆の法則という) 。
【一音訳】[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[積]積み上げる[美]生まれる[積]積み上げる[活]現在形。一般動作を表す[保]蓄えられている意志と力。動かぬ力の量。戸[堅]変わらない。不変[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す
【文節訳】[晴゜積]始まり[美積活]どんどん変化して行く※移るの語源[保堅]永久[覆]過去
【解釈訳】第一の法則は輪廻の法則、事象は繰り返すということ。第二の法則は有限の法則、始まった事象は必ず消滅するということ。これだけでは輪廻とはまるでラットの回転かごを回っているように堂々巡りをしていることにもなりかねない。そこで登場するのが時間軸。世は必ず一方に進む。未来へ進む。言い替えれば、過去を積み重ねることでもある。輪廻する世界は有限であって、一方的に進んで行き、再び過去に戻ることはない。パツ、潜在力が積み上がり、現象が始まる。ウツル、生まれ積み上がって行く、つまり、どんどん変化して行く。トコオ、永久に覆われたものになる、つまり、過去になる。輪廻する世界は必ず有限であり、一方的に進んで行き再び戻ることはない。この節で述べられているのは現世変遷の具体例である。第三法則は永久に過去は残る法則。つまり、時間は進み、過去となって行き、過去となったものが再び戻ることは無い。
【古事記】底筒男(そこつつのお)・中筒男(なかつつのお)・上筒男(うわつつのお)の三柱。住吉大社の祭神、祓戸大神(はらえどのおおかみ)の構成神、4206参照
【意訳】始まる現象は時間が経てば次々と移り変り、過去は永久に残る。(第3章第3節節題)(第三法則、過去は永久に残る法則)
3301タカマパル[垂威真晴゜活 ta ka ma pa ru]
【原本訳】大自然の威大な有り余れる力が輪廻している。
【一音訳】[垂]力が溢れ出る[威]大自然の変わり行く力[真]真の姿[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[活]現在形
【文節訳】[垂威]溢れ出るさまざまな驚きの潜在カ[真晴゜活]輪廻する真の姿
【解釈訳】大宇宙、自然には潜在エネルギー、ポテンシャルが満ち満ちている。それがさまざまな現象となり、人間の生死もその一環である。これらの現象はすべて遠い昔からのさまざまな因縁の結果、潜在力の状態が刻々と変化している様である。現実の世にカが張り出すという意味のマパル。これは一つの輪廻の姿である。こんなところから回転するという意味のマワルという言葉が定着した。弓前理論のタカマパル(高天原)というものは、現実の世の時間と直行する。過去から未来へと続く因は果を生み、果は因を呼ぶ、輪廻する森羅万象の潜在カの姿なのである。
自分なりの解釈を試みてみる。見えない力、潜在力、これは何だろう。生きている人は命がある。これは疑う余地がない。でも、命を見たことがあるだろうか。心臓が動いている現象は捉えられるが命は見えない。脈拍がある時と鼓動を打たなくなったとき。命がある場合とない場合、命の存在や不存在を見いだせるだろうか。現象だけで命の有る無しを判断しているだけで、命そのものは見えない。命は見えない力、潜在力だと言えるのではないか。
潜在力が現象化、物質化をさせたのがこの世、物質化を維持する力が無くなった潜在力のあの世。このように考えると潜在力が物質化させ維持し消滅してまた元の潜在力に戻る。潜在力が力を蓄えまた物質化をさせるという循環の渦になっていると考えると、私には納得できる気がする。命は見えない力だ、潜在力だと考えると、その潜在力の循環、偉大な力の輪廻というものが、私にはおかしな理屈には感じなくなった。
人間は食べ物を消化して血となり肉となり身体を作っている。構成する細胞は日々新陳代謝で入れ替わっている。骨でさえも3年から5年で入れ替わるらしい。数か月前の自分と今の自分は全然違うもので出来ていると言える。それでも同じ人間であると言えるのは命、即ち見えない力、命によってはじめて成り立つのではないか。
潜在力に力がある間は現象をおこし続け、力が無くなると現象が維持できなくなる。これが人間の生と死、この世とあの世の違いかと思う。潜在力の最小の一因子をはピ[霊゜piu]という。自然の意志と訳されている。
自然も同じだ。春夏秋冬、季節は移り変る。太陽の熱と光によるものだろう。だが何故春は芽生え秋は実りそして枯れるのか。それを動かすものは何だ。それを弓前文書ではカ[威ka]という。恐ろしい力とか偉大な力とか大自然の変わり行く力とか訳すが、これも見えない力、潜在力だろう。人間を維持しているものは食べ物、それと同じく自然を動かしているものは太陽と言えるが、その裏で本当に動かしている根本のものを考えると、見えない力、潜在力と言えるのではないか。推し量れない力の存在を否定できない。
【古事記】高天原(たかあまのはら)。八百万の神々が集まって相談するという所になっている。前二世紀ごろの倭人の言葉が、七世紀に古事記で、高天原という三字に当てたことによって、大空というイメージを与えてしまった。倭人の言葉には天空という意味は少しもない。
【意訳】潜在力は循環する。
3302イモトポツム[厳基保穂゜津 yi mo to po tiumu]
【原本訳】因縁の原点、大本の心の意図する所は。
【一音訳】[厳]原点[基]大本の姿[保]蓄えられている意志と力[穂゜]自然の持つ意志と力が分派、独立したもの。性根、心、分霊[津]意図する
【文節訳】[基保]大本
【解釈訳】誰の「心」かというと大自然の心
【意訳】大本の心の原点が意図するものは次のようなものだ。
3303イヌノナス[緒沼゜延成澄 yiu nu nou na su]
【原本訳】初めの緒(いとぐち)は混沌から秩序立て完成へと進んで行く。
【一音訳】[緒]始まり、糸口[沼゜]混沌[延]秩序立て[成]物事が完成した[澄]自然の意志と力を吸い込む
【解釈訳】自然の意志と力を吸い込むサ行。サ行はエネルギーの順番で小さい方からiuoaの順にシ[静si]ス[澄su]ソ[虚so]サ[爽sa]となる。小中大・最大。レベル1・2・3・4で表すことにする。
【意訳】始まりは混沌。混沌は秩序立てられて完成へと進んでゆく。自然の意志と力を吸い込む力はレベル2。
3304チキミピル[雷゜岐現日活 ti ki mi pi ru]
【原本訳】力の集積体が出来上がり、それが明らかに照らし出す現世その太陽の下(もと)。
【一音訳】[雷゜]エネルギーの塊[岐]際立つ[現]見えているものの姿[日]光と熱[活]動く
【文節訳】[日活]太陽が動く。※昼の語源
【解釈訳】前行のイヌノナス[澄su]に対応してチキミピル[活ru]。同じ母音が対応している。スウという潜在力の低密度の現象が起こったために、現実のエネルギーが流れ込むことを表すのに[活ru]という動詞がある。
【意訳】潜在力の塊が明確な姿となって太陽の下に現れる。
3305ユピプミソ[結霊゜震゜実虚 yu piu pu miu so]
【原本訳】あるきっかけで大本の意志が分化し、発動し、その現れは物質化の種となった。
【一音訳】[結]縁が出来た[霊゜]自然の意志と力[震゜]自然の意志と力が発動する[実]物質[虚]大自然の意志と力を吸い込む高いレベルの動作を表現する動詞
【解釈訳】3201と同じユピプミ。
【意訳】あるきっかけで、自然の意志(潜在力)は発動し現実の物質の種となる。レベル3。
3306メキチヨロ[芽貴育因移 mai kiu tiu you ro]
【原本訳】芽は霊妙に定められた通り育ち行く。
【一音訳】[芽]自然の力が物に変わる局面、またその動作※芽の語源[貴]目に見えない変化[育]目に見えない力が流れて物事が増大して行く[因]定められた通り[移]進行中の動作を表す
【文節訳】[因移]これも定められた現象の掟である
【解釈訳】前行の[虚so]に対応して[移ro]、共に進行形である。
【意訳】芽は定められた通り育つ。
3307ツムクコトサ[積醸奇凝充爽 tu mu ku kou tou sa]
【原本訳】集積、増殖、分化して妙なる現象となった。
【一音訳】[積]物事が増大して行く状況[醸]目にはよく分からないが、物質がどんどん増大している状況[奇]不思議なる変化[凝]固まる[充]極めて物事が充実[爽]晴゜の自然の意志と力を吸い込む最大の動作を意味する動詞
【文節訳】[積醸]反応が進む。そのように自然は動く[凝充]形成する
【解釈訳】「いろは」は自然の意志の順番。ここには、五六[積醸]と九十[凝充]が入っている。
【意訳】さらに増殖を続け不思議な変化をしながら形は定まってゆく。レベル4。
3308ヤタポモマラ[因゛垂穂゜萌増躍 yau ta pou mou mau ra]
【原本訳】余分のカは現象の増大に変化し。
【一音訳】[因゛]いよいよ[垂]力が溢れ出る[穂゜]ますます栄える[萌]目に見えて物質が増加して行く状況[増]物質増加の最大の姿[躍]最大の動作を表す
【解釈訳】前行の[爽sa]に対応して[羅ra]。最大形である。
【意訳】いよいよ力が溢れ出て益々発展して行き、目に見えて現象は増大する。
3309エテネメニシ[重与根芽和静 yai tai nai mai niu si]
【原本訳】現象が重ねられて行くうちに、根や木の芽のような秩序体に力は転換されて行く。
【一音訳】[重]原因、結果が次々と繰り返し繰り返し積み重なって行く状態[与]力と意志の変換[根]秩序を生み出す媒体物[芽]自然の力が物に変わる局面、またその動作[和]組織体[静]自然の意志と力を吸い込んでしまった完了の動詞
【意訳】現象が重ねられて行くうちに、根や芽のような組織体に転換されて行く。レベル1。
3310ケヂュペグウリ[異集゛放゜哈゛浮座 kai jiu pai gu wu ri ]
【原本訳】現象は異物、風化物に変わり消滅し、散り行く。
【一音訳】[異]別のものに変化する[集゛]物質の無秩序な群がり[放゜]自然の意志と力が失せ、意志と力は他のものに変換する[哈゛]どんどん食べる[浮]軽いもの[座]完了形。動作が終わった
【解釈訳】前行の[静si]に対応して[座ri]。完了形である。[異集゛]無秩序な群りに変化し[放゜]力が失せる[哈゛浮座]どんどん食べて軽くなって動作が終わる。ということは風化物になり消滅、散るという事。風化とは原石や鉱物が大気や水にさらされて分解・破砕される現象をいう。それまで秩序を持って増大してきた現象が根や芽のような組織体に転換さるとともに、力を失い、バラバラになってゆくという事だろう。
【意訳】現象は風化物に変り散り散りになる。
3311ヌイワオイノイ[沼゜囲渡覆厳乃 nu wi wa wo yi noi]
【原本訳】混沌は行きわたり覆い尽くして、因縁の原点に返ってしまった。
【一音訳】[沼゜]混沌[囲]囲まれる[渡]行き渡る[覆]覆う[厳]原点[乃]~という結果である
【解釈訳】潜在力は、進行形ソ、最大形サ、完了形シ。それに応じて現実のエネルギーは、進行形ロ、最大形ラ、完了形リ、と流れ込んで密度は同じとなり、現象は終わってしまった。この現象を意図したものがツム[津]、すべての、一つの輪廻の完了、これがノイ[乃]。これこれの結果となった。[沼゜]何が渾沌とするのか。潜在力が渾沌としてしまうということだろう。[囲渡覆]囲まれ行き渡り覆われる。混沌状態に陥るということだろう。[厳乃]原点当結果になった。原点に戻ったということ。原点とは最初の状態、潜在力は潜在力の最小単位であるピ「霊゜piu]に戻ったということだろう。
【意訳】潜在力は混沌としてしまい、原点であるただの一因子に戻る。
3312トコオ[保堅覆 to ko wo]
【一音訳】その軌跡の影だけは永久にのこる。
【一音訳】[保]蓄えられている意志と力[堅]変わらない[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す
【文節訳】[保堅]永久
【解釈訳】「軌跡の影だけは永久に残ると」はどういう意味だろう。「軌跡」とというのは現象が起こりそれが終わる過程だろう。「影だけは永久に残る」とは現象が始まって終わったその事実が過去として残る。その事実は消えない。あったことの事実は過去としての残るという意味ではないだろうか。人間で言えば生きて死んだという事実は永久に残る。
前行で輪廻は完結した。そしてこの行で過去になったと示している。つまり、一つの輪廻が終わったらそれは過去になる。ということは未来が始まる。過去は永久に過去のまま。輪廻は同じところをぐるぐる回るのではない未来へ進むことを示している。らせん階段のように、ばねのように時間軸を未来に進みながら輪廻を繰り返す。無限に未来へと進む四次元の世界に居るのだ。
有限から無限への輪廻の一コマ。これを六十三字十二行の韻文にしたのが、3301から3312に至る現世変遷の具体例である。
【意訳】現象が生じそれが終わったという事実は永久に過去として残る。
【原本訳】始まりあれば必ず移り行くあり、その軌跡は影を永久に残す(これを無限覆の法則という) 。
【一音訳】[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[積]積み上げる[美]生まれる[積]積み上げる[活]現在形。一般動作を表す[保]蓄えられている意志と力。動かぬ力の量。戸[堅]変わらない。不変[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す
【文節訳】[晴゜積]始まり[美積活]どんどん変化して行く※移るの語源[保堅]永久[覆]過去
【解釈訳】第一の法則は輪廻の法則、事象は繰り返すということ。第二の法則は有限の法則、始まった事象は必ず消滅するということ。これだけでは輪廻とはまるでラットの回転かごを回っているように堂々巡りをしていることにもなりかねない。そこで登場するのが時間軸。世は必ず一方に進む。未来へ進む。言い替えれば、過去を積み重ねることでもある。輪廻する世界は有限であって、一方的に進んで行き、再び過去に戻ることはない。パツ、潜在力が積み上がり、現象が始まる。ウツル、生まれ積み上がって行く、つまり、どんどん変化して行く。トコオ、永久に覆われたものになる、つまり、過去になる。輪廻する世界は必ず有限であり、一方的に進んで行き再び戻ることはない。この節で述べられているのは現世変遷の具体例である。第三法則は永久に過去は残る法則。つまり、時間は進み、過去となって行き、過去となったものが再び戻ることは無い。
【古事記】底筒男(そこつつのお)・中筒男(なかつつのお)・上筒男(うわつつのお)の三柱。住吉大社の祭神、祓戸大神(はらえどのおおかみ)の構成神、4206参照
【意訳】始まる現象は時間が経てば次々と移り変り、過去は永久に残る。(第3章第3節節題)(第三法則、過去は永久に残る法則)
3301タカマパル[垂威真晴゜活 ta ka ma pa ru]
【原本訳】大自然の威大な有り余れる力が輪廻している。
【一音訳】[垂]力が溢れ出る[威]大自然の変わり行く力[真]真の姿[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出して行く[活]現在形
【文節訳】[垂威]溢れ出るさまざまな驚きの潜在カ[真晴゜活]輪廻する真の姿
【解釈訳】大宇宙、自然には潜在エネルギー、ポテンシャルが満ち満ちている。それがさまざまな現象となり、人間の生死もその一環である。これらの現象はすべて遠い昔からのさまざまな因縁の結果、潜在力の状態が刻々と変化している様である。現実の世にカが張り出すという意味のマパル。これは一つの輪廻の姿である。こんなところから回転するという意味のマワルという言葉が定着した。弓前理論のタカマパル(高天原)というものは、現実の世の時間と直行する。過去から未来へと続く因は果を生み、果は因を呼ぶ、輪廻する森羅万象の潜在カの姿なのである。
自分なりの解釈を試みてみる。見えない力、潜在力、これは何だろう。生きている人は命がある。これは疑う余地がない。でも、命を見たことがあるだろうか。心臓が動いている現象は捉えられるが命は見えない。脈拍がある時と鼓動を打たなくなったとき。命がある場合とない場合、命の存在や不存在を見いだせるだろうか。現象だけで命の有る無しを判断しているだけで、命そのものは見えない。命は見えない力、潜在力だと言えるのではないか。
潜在力が現象化、物質化をさせたのがこの世、物質化を維持する力が無くなった潜在力のあの世。このように考えると潜在力が物質化させ維持し消滅してまた元の潜在力に戻る。潜在力が力を蓄えまた物質化をさせるという循環の渦になっていると考えると、私には納得できる気がする。命は見えない力だ、潜在力だと考えると、その潜在力の循環、偉大な力の輪廻というものが、私にはおかしな理屈には感じなくなった。
人間は食べ物を消化して血となり肉となり身体を作っている。構成する細胞は日々新陳代謝で入れ替わっている。骨でさえも3年から5年で入れ替わるらしい。数か月前の自分と今の自分は全然違うもので出来ていると言える。それでも同じ人間であると言えるのは命、即ち見えない力、命によってはじめて成り立つのではないか。
潜在力に力がある間は現象をおこし続け、力が無くなると現象が維持できなくなる。これが人間の生と死、この世とあの世の違いかと思う。潜在力の最小の一因子をはピ[霊゜piu]という。自然の意志と訳されている。
自然も同じだ。春夏秋冬、季節は移り変る。太陽の熱と光によるものだろう。だが何故春は芽生え秋は実りそして枯れるのか。それを動かすものは何だ。それを弓前文書ではカ[威ka]という。恐ろしい力とか偉大な力とか大自然の変わり行く力とか訳すが、これも見えない力、潜在力だろう。人間を維持しているものは食べ物、それと同じく自然を動かしているものは太陽と言えるが、その裏で本当に動かしている根本のものを考えると、見えない力、潜在力と言えるのではないか。推し量れない力の存在を否定できない。
【古事記】高天原(たかあまのはら)。八百万の神々が集まって相談するという所になっている。前二世紀ごろの倭人の言葉が、七世紀に古事記で、高天原という三字に当てたことによって、大空というイメージを与えてしまった。倭人の言葉には天空という意味は少しもない。
【意訳】潜在力は循環する。
3302イモトポツム[厳基保穂゜津 yi mo to po tiumu]
【原本訳】因縁の原点、大本の心の意図する所は。
【一音訳】[厳]原点[基]大本の姿[保]蓄えられている意志と力[穂゜]自然の持つ意志と力が分派、独立したもの。性根、心、分霊[津]意図する
【文節訳】[基保]大本
【解釈訳】誰の「心」かというと大自然の心
【意訳】大本の心の原点が意図するものは次のようなものだ。
3303イヌノナス[緒沼゜延成澄 yiu nu nou na su]
【原本訳】初めの緒(いとぐち)は混沌から秩序立て完成へと進んで行く。
【一音訳】[緒]始まり、糸口[沼゜]混沌[延]秩序立て[成]物事が完成した[澄]自然の意志と力を吸い込む
【解釈訳】自然の意志と力を吸い込むサ行。サ行はエネルギーの順番で小さい方からiuoaの順にシ[静si]ス[澄su]ソ[虚so]サ[爽sa]となる。小中大・最大。レベル1・2・3・4で表すことにする。
【意訳】始まりは混沌。混沌は秩序立てられて完成へと進んでゆく。自然の意志と力を吸い込む力はレベル2。
3304チキミピル[雷゜岐現日活 ti ki mi pi ru]
【原本訳】力の集積体が出来上がり、それが明らかに照らし出す現世その太陽の下(もと)。
【一音訳】[雷゜]エネルギーの塊[岐]際立つ[現]見えているものの姿[日]光と熱[活]動く
【文節訳】[日活]太陽が動く。※昼の語源
【解釈訳】前行のイヌノナス[澄su]に対応してチキミピル[活ru]。同じ母音が対応している。スウという潜在力の低密度の現象が起こったために、現実のエネルギーが流れ込むことを表すのに[活ru]という動詞がある。
【意訳】潜在力の塊が明確な姿となって太陽の下に現れる。
3305ユピプミソ[結霊゜震゜実虚 yu piu pu miu so]
【原本訳】あるきっかけで大本の意志が分化し、発動し、その現れは物質化の種となった。
【一音訳】[結]縁が出来た[霊゜]自然の意志と力[震゜]自然の意志と力が発動する[実]物質[虚]大自然の意志と力を吸い込む高いレベルの動作を表現する動詞
【解釈訳】3201と同じユピプミ。
【意訳】あるきっかけで、自然の意志(潜在力)は発動し現実の物質の種となる。レベル3。
3306メキチヨロ[芽貴育因移 mai kiu tiu you ro]
【原本訳】芽は霊妙に定められた通り育ち行く。
【一音訳】[芽]自然の力が物に変わる局面、またその動作※芽の語源[貴]目に見えない変化[育]目に見えない力が流れて物事が増大して行く[因]定められた通り[移]進行中の動作を表す
【文節訳】[因移]これも定められた現象の掟である
【解釈訳】前行の[虚so]に対応して[移ro]、共に進行形である。
【意訳】芽は定められた通り育つ。
3307ツムクコトサ[積醸奇凝充爽 tu mu ku kou tou sa]
【原本訳】集積、増殖、分化して妙なる現象となった。
【一音訳】[積]物事が増大して行く状況[醸]目にはよく分からないが、物質がどんどん増大している状況[奇]不思議なる変化[凝]固まる[充]極めて物事が充実[爽]晴゜の自然の意志と力を吸い込む最大の動作を意味する動詞
【文節訳】[積醸]反応が進む。そのように自然は動く[凝充]形成する
【解釈訳】「いろは」は自然の意志の順番。ここには、五六[積醸]と九十[凝充]が入っている。
【意訳】さらに増殖を続け不思議な変化をしながら形は定まってゆく。レベル4。
3308ヤタポモマラ[因゛垂穂゜萌増躍 yau ta pou mou mau ra]
【原本訳】余分のカは現象の増大に変化し。
【一音訳】[因゛]いよいよ[垂]力が溢れ出る[穂゜]ますます栄える[萌]目に見えて物質が増加して行く状況[増]物質増加の最大の姿[躍]最大の動作を表す
【解釈訳】前行の[爽sa]に対応して[羅ra]。最大形である。
【意訳】いよいよ力が溢れ出て益々発展して行き、目に見えて現象は増大する。
3309エテネメニシ[重与根芽和静 yai tai nai mai niu si]
【原本訳】現象が重ねられて行くうちに、根や木の芽のような秩序体に力は転換されて行く。
【一音訳】[重]原因、結果が次々と繰り返し繰り返し積み重なって行く状態[与]力と意志の変換[根]秩序を生み出す媒体物[芽]自然の力が物に変わる局面、またその動作[和]組織体[静]自然の意志と力を吸い込んでしまった完了の動詞
【意訳】現象が重ねられて行くうちに、根や芽のような組織体に転換されて行く。レベル1。
3310ケヂュペグウリ[異集゛放゜哈゛浮座 kai jiu pai gu wu ri ]
【原本訳】現象は異物、風化物に変わり消滅し、散り行く。
【一音訳】[異]別のものに変化する[集゛]物質の無秩序な群がり[放゜]自然の意志と力が失せ、意志と力は他のものに変換する[哈゛]どんどん食べる[浮]軽いもの[座]完了形。動作が終わった
【解釈訳】前行の[静si]に対応して[座ri]。完了形である。[異集゛]無秩序な群りに変化し[放゜]力が失せる[哈゛浮座]どんどん食べて軽くなって動作が終わる。ということは風化物になり消滅、散るという事。風化とは原石や鉱物が大気や水にさらされて分解・破砕される現象をいう。それまで秩序を持って増大してきた現象が根や芽のような組織体に転換さるとともに、力を失い、バラバラになってゆくという事だろう。
【意訳】現象は風化物に変り散り散りになる。
3311ヌイワオイノイ[沼゜囲渡覆厳乃 nu wi wa wo yi noi]
【原本訳】混沌は行きわたり覆い尽くして、因縁の原点に返ってしまった。
【一音訳】[沼゜]混沌[囲]囲まれる[渡]行き渡る[覆]覆う[厳]原点[乃]~という結果である
【解釈訳】潜在力は、進行形ソ、最大形サ、完了形シ。それに応じて現実のエネルギーは、進行形ロ、最大形ラ、完了形リ、と流れ込んで密度は同じとなり、現象は終わってしまった。この現象を意図したものがツム[津]、すべての、一つの輪廻の完了、これがノイ[乃]。これこれの結果となった。[沼゜]何が渾沌とするのか。潜在力が渾沌としてしまうということだろう。[囲渡覆]囲まれ行き渡り覆われる。混沌状態に陥るということだろう。[厳乃]原点当結果になった。原点に戻ったということ。原点とは最初の状態、潜在力は潜在力の最小単位であるピ「霊゜piu]に戻ったということだろう。
【意訳】潜在力は混沌としてしまい、原点であるただの一因子に戻る。
3312トコオ[保堅覆 to ko wo]
【一音訳】その軌跡の影だけは永久にのこる。
【一音訳】[保]蓄えられている意志と力[堅]変わらない[覆]覆う。またその状況から影および過去も表す
【文節訳】[保堅]永久
【解釈訳】「軌跡の影だけは永久に残ると」はどういう意味だろう。「軌跡」とというのは現象が起こりそれが終わる過程だろう。「影だけは永久に残る」とは現象が始まって終わったその事実が過去として残る。その事実は消えない。あったことの事実は過去としての残るという意味ではないだろうか。人間で言えば生きて死んだという事実は永久に残る。
前行で輪廻は完結した。そしてこの行で過去になったと示している。つまり、一つの輪廻が終わったらそれは過去になる。ということは未来が始まる。過去は永久に過去のまま。輪廻は同じところをぐるぐる回るのではない未来へ進むことを示している。らせん階段のように、ばねのように時間軸を未来に進みながら輪廻を繰り返す。無限に未来へと進む四次元の世界に居るのだ。
有限から無限への輪廻の一コマ。これを六十三字十二行の韻文にしたのが、3301から3312に至る現世変遷の具体例である。
【意訳】現象が生じそれが終わったという事実は永久に過去として残る。