虫歯を予防する歯科用イオン導入装置とは、人体で電気分解や人体に電位を与える・・・なんて話をするとビックリされる方もおられるかも知れません。
触れた部位や個人の感覚で違いますが、感電の症状を説明しましょう。
- 1mA : 感じる程度
- 5mA : 痛みを覚える
- 10mA : 我慢できない
- 20mA : 痙攣、動けない
- 50mA : 非常に危険
- 100mA : 致命的
意味分からな~いですよね。でも大丈夫!筆者の居たメーカーでも誰も理解していませんでした。そもそもmAって何だ!
Aはアンペアと読みます。mはミリ。1m(メートル)=1000mm(ミリメートル)と同じ使い方です。1メートルや1ミリメートルは見て分かりますが、1アンペアって、どう感じればいいの?
いえいえ、身体で1アンペアを感じたら・・・死にます。
乾電池で(人体内に)1アンペア流れたら?コンセントに触れて(人体内に)1アンペア流れたら?・・・死にます。
コンセントに触れれば誰でも感電するのは分かるが、乾電池に触ってもビリビリしないよ、平気だよ、と大抵答えるでしょう。
それは電圧が違うから!(これ以上はオームの法則とか参照してね!)
先に述べた感電のことを、マクロショックと言います。マクロがあれば、ミクロもあります。ミクロショックとは心臓に直接流入する電流による感電です。0.1mAで心室細動が起こります。0.1mAとは100μA(マイクロアンペア)です。マイクロですよ!ミリが千分の1、マイクロは百万分の1です。心室細動を起こすと心臓は血液を送り出すことができず死に至ります。この時に必要なのがAEDですよね。
今までの内容で電気により死に至る条件は電圧ではなく、電流だ、ということがお分かり戴けたでしょうか?落雷や高電圧に触れた場合、感電以外に放電による熱の影響もあったりして症状が異なる場合もあります。
医療機器、特に、これより話の進んでいく歯科用イオン導入装置の開発には前述の意味を十分に理解しておく必要があります。
回路図や設計条件は神から授けられた、工場長は言っていましたが・・・決して、そんなことはありません。