現在、筆者自身が「ものづくり」に携わっていないので、ものづくりネタから遠ざかっており、ブログの表示法違反だ!と言われそうですが、どうかお付き合いください。
ある大企業内で仕事を受けていますが、大企業というところ役割担当・責任範囲が細かく分けられていますので、製造現場で不都合があっても、その部分の担当者に伝わるまでに「意外と」時間がかかります。原因の分かっている不都合なら製造現場の担当者で解決してしまうのですが、機械装置の設計上あるいは仕様上の不都合なのか、原材料に起因するのか、雰囲気などの環境なのか・・・分からない場合は大変です。不都合の処理など基本的に誰もやりたくない仕事ですから、タライ回しになりがちです。
いやいや、組織には係長なり、課長なり居るから、そこへ言えば良いだろう、と言われると思います。中小企業や一昔前の大企業なら、それで済みましたが、最近は組織のフラット化により、従来は縦方向で済んだものが、横方向へ・・・つまり「担当者に直接お願いします」式になっています。そのために依頼者の担当者を見つける作業に時間がかかっている、という訳ですね。さらに原因がはっきりしない、ともなれば、アッチだろ、コッチだろ、とタライ回しに拍車がかかっていきます。
何故、不都合案件を預かってもらえないのか?何かおかしくないかい、と思われると思いますが、フラット化された組織においては、発案者・発見者が直接、担当者を見つけて、直接お願いして、引き受けましょう、と言ってもらえるまで、発案者・発見者の手元にある訳です。そのため小さな不都合は「放置」されることも多いようです。
今の時代の組織を見ていると「実行責任」回避の風潮ですね。審判になりたがるリーダー、観客でいたいメンバー、下手するとプレイヤーなしの組織・・・ファブレスとまではいかないまでもプレイヤーは派遣や請負に任せた!というのが実感。単純に組織や組織員を守る、という考えなら、それで良いのかも知れませんが、「失敗を恐れる組織」に勝算があるのか、これからも状況を見ていきたいと思います。