信州・佐久で、ものづくり

信州・佐久在住の「ものづくり」の裏方である生産技術一筋二十数年。一芸より多芸を求められる人間から見た「ものづくり」論。

歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その2

2016年05月18日 22時46分14秒 | 日記

先ずは原理説明!

歯の外殻であるエナメル質は99%がリン酸カルシウムの結晶で、それはハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)と良く似ているそうです。「芸能人は歯が命!」のアパガードCMで有名な(?)ワード「薬用ハイドロキシアパタイト配合」ですよ。

Ca10(PO4)6(OH)2  <-- ハイドロキシアパタイトの化学式・・・①

しかしエナメル質にあるアパタイトは結晶性が低く、Ca(カルシウム)が溶出したり、唾の中にあるCa(カルシウム)が取り込まれたりしています。つまり歯表面ではCa(カルシウム)が出たり入ったりしているのですね。Ca(カルシウム)が、どんどん出て行ってしまうと・・・虫歯になりやすい、とされています。

ここでF(フッ素)の登場!

フッ素が歯に取り込まれると、①の化学式のOH(水酸基)と入れ代わりフルオロアパタイトになります。

Ca10(PO4)6F2  <-- フルオロアパタイトの化学式・・・②

フルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトよりも水や酸に溶けにくい安定した結晶です。さらにCa(カルシウム)が溶出した部分を補修する効果もあります。歯の外殻であるエナメル質を「虫歯の原因となる酸」に負けない丈夫なものに造り替えて、虫歯予防効果を得よう、という理論です。

イオン導入法は前述の理論を、さらに効果的に口腔内で実現する方法として登場致しました。

つまり・・・

1.電気の力で有効成分F(フッ素)からなるFNa(フッ化ナトリウム)の水溶液を電気分解し、マイナスフッ素イオンを歯牙上に存在させる

2.歯牙にプラス電位を作り、マイナスフッ素イオンを歯牙に取り込ませる。ここでフルオロアパタイト完成!

という仕組みです。強固なフッ素コート完成ということで虫歯予防の他、知覚過敏にも効く!ってことですね。ついでに根管治療についてはイオン化した成分を電位により奥深く送り込む効果を利用するものです。

この原理に基づき歯科用イオン導入装置を開発することとします。

 

 

 


本日も本ブログを御覧戴き、誠に有難うございます

筆者略歴
  • 食品、住宅設備、医療機器、スマホ・カーナビ部品メーカー経験(生産技術を中心に製品開発・購買・外注・品質保証・施設管理)
  • ISO9001,14001,13485管理責任者(事務局)
  • 食品衛生管理製造過程(HACCP)の承認取得(事務局)
  • 第二種医療機器製造販売業 総括製造販売責任者,安全管理責任者
  • 機械工具商許可(長野県公安委員会)
  • 第二種電気工事士
  • 第三級アマチュア無線技士
  • 技能講習修了:ガス溶接、フォークリフト、プレス機械作業主任者 (特別教育:アーク溶接、産業ロボット教示・検査、低電圧作業)
  • 特許・実用新案 30件以上


☆★ ものづくりブログ応援者の皆さんのページへも、ご訪問御願いします ☆★
フロアベッド/Tポイント/●リンク/スパイカメラ/
・▲リンク被リンクとはテイジンあったかすっぽりケットキボシイシガメ