「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

●小説「傾国のラヴァーズ」その54・聖名はフリー?

2023-05-23 16:03:31 | 傾国のラヴァーズその51~60
「俺がいるからこの1ヶ月 は遊びに来ないんだろうな って思ってた」
「でもさ、オレに付き合ってる人間がいたら、最初から一緒に先輩に守ってもらうと思わない?」
「そういやそうだな」
と何気なく返事をしてから、俺ははっとした。

「でもびっくりした。聖名が フリーだなんて…」

「うーん、大学に入って2年くらいから、起業の準備を始めたら付き合う暇なんてなくなって自然消滅…って、やっぱり縁がないってことだよね」
「そうだな…」

 俺が 次の話に困っているとテーブルの上の聖名の携帯が鳴った。
「あれ? 横浜のおじさんだ。もしもし…」
 聖名の育ての父の矢野氏なのだろう。

 聖名は動くのが辛いだろうと、俺はコーヒーカップと携帯を持って自分の部屋へいったん引き上げた。

 …部屋の中で 俺は身構えていた。

 聖名に用事を言われたらいつも以上に早く動きたかったからだ。

 それにしてもこんな時間に電話なんて 矢野会長 絡みの話としか思えない。

 電話は長かった。

〈ごめん。コーヒー入れなおすよ〉
と、聖名からLINEが来たので、俺は急いで部屋を出た。





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