「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

小説「傾国のラヴァーズ」その29・微妙なセンパイ

2023-04-10 22:15:00 | 傾国のラヴァーズその21~30
 彼は視線を落としたまま、
「冷蔵庫からイチゴのヨーグルト2つ出してもらえる?」
 トーストなんかと色々並べて、2人で朝食の食卓に向かった。

「いただきまーす」
 2人で手を合わせて、まず俺はコーヒーを一口飲んだ。
 天気も良さそうで、気はつかうが、なかなか幸せな気分だった。
「センパイ、勝手にパンにしちゃったけどよかったかなあ? 苦手なものとか、昨日のうちに訊いておけばよかったね。ごめん」

 まだ俺の目を見てくれないなあ…

「いや、特に好き嫌いもないし、朝食はパンの方が好きなんで、助かります」
 するとようやく、彼はいたずらっ子のように笑いながら俺を見つめて、
「センパイ~敬語も禁止にしようよ~。どうせ会社でいっぱい使えるんだし」
「そ、そうだな」

 俺のうろたえぶりにようやく彼は俺の目を見て笑ってくれた。

 本当は昨日の顛末を尋ねるべきなのだろうが、それは今日帰ってからゆっくり尋ねることにした。


 車に乗ってから、
「社長、家の中で、警護にさらに気をつけた方がいいことはありますか」
と、訊いてみた。すると…





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