いい死に方って。

シウの知人、今９０歳ちょっとの女性、かなり危ない状況。

彼女とは昔はかなり濃く付き合いがあったのだけど
世の中にこれほど厭な奴っているんだろうか！！！
っていう位、厭な奴。

普通、もうすぐお別れってなれば
「今となれば良い思い出しか浮かばないわね。」
なんて話になるけれど
彼女のことを誰と話しても
なにしろ厭な思い出しかない。

そして
こんなことを言っては不謹慎だけど
彼女にされたことを思うと
これっぽっちの寂しさもない。

シウがまだ大学を出たばかりのころ
彼女にされた意地悪しか思い出せない。

それは後で考えると“ためになった”なんて思えるものではなく
ただただ悔しい思い出。

で、当時のシウは意地悪をされたり言われたりするたびに
心の中で
「こいつ、絶対にいい死に方しない！」
って思って我慢してたの。

こんなに人に嫌われて、
人を傷つけて平気で生きている人には
必ず罰が当たるはず・・・ってね。


でもね、皆さん。

やっぱり罰なんて当たらないものなのだ。

老衰でもうわけがわからなくなってしまい
点滴で生きている彼女は
恐怖も痛みも感じずに
天寿を全うし、
静かに最期をむかえようとしている。
そばにいて泣く人は一人もいないけど
そんなこと、彼女はどうだっていいはず。

これをいい死に方と言わずして
何と言おう。

ところでシウ。
あんなに大嫌いだったのに
死ぬ間際にはやっぱりホロっときちゃったりしたら
悔しくてたまらない。

彼女の最悪の性格は死ぬまで治らないよ。

そんなことを言われてたけど
本当にその通りだったよ。