『ヤコブへの手紙』

隣人を自分のように愛しなさい。

自分のように愛する努力すらしないし
そもそも
隣人を自分のように愛する人がいたら
なんてバカな・・・って思わないだろうか。

この物語には
愛に満ちた牧師が出てくる。

自分の元に、日に何通も送られてくる手紙。
学校が嫌で嫌でたまらないといった相談から
もっと人生についての相談まで。
牧師に“自分のために”祈ってくれと頼む沢山の手紙。

盲目の牧師は手伝ってくれる人にそれを読んでもらい、返事を書いてもらう。

そんな牧師の元に
終身刑から恩赦で釈放された女性がやってくる。
彼女は一人で生きていきたいのに
仕事もなく身を寄せる場所も無いので
仕方なく牧師の元に来たのだ。

主な登場人物がたった３人。

森に囲まれた古ぼけた牧師館だけの舞台。

無駄なものは一切無く、
変に凝った作り方もされていない。
研ぎ澄まされた７５分間の短い作品。

出会いとはとても大事な事で
一つ一つが神様からの偶然のプレゼントとも言えるような奇跡的なことなのだ。
そして
希望の見えない絶望は無いということを教えてくれる。

静謐なフィンランドの情景が印象的な秀作。

ヤコブへの手紙 - goo 映画