『ブラック・スワン』

なぜか
『黒いオルフェ』を思い出してしまったシウ。
黒、つながりだからかもしれないけど
終始混沌とした画面に酔わされてしまったからだと思う。
酔わされる映画といえば、
シウにとっては『黒いオルフェ』なのだ。

芸術の追及は
常人とはかけ離れた集中力の元でされる。
そういう恐るべき集中力は、
狂気と正気の狭間にあり、
おそらく目的が達成された時は
人はある程度、狂気の方に流れていくのだろう。

主人公ニナはとても可哀想な女。
誰からも相手にされていないのだ。
もちろん彼女を溺愛する母親は別だけど
トマスも、スワンの相手役もただ役としての彼女しか見ていない。
男を誘惑するブラック・スワンの心を自分一人で見つけなければならないのは
彼女のような優等生にとって
バレエを完璧に踊るよりも大変なことだろう。

ブラックスワンを演じるために
愛を知れと言われるところ
先日、浅田真央ちゃんのニュースにそんなのがあったよね。

バレエの猛特訓をしてバレリーナの体型になりきっているけど
さすがにダンスのシーンはダブルも使っているし
撮影も工夫してる。
美しいバレエのシーンが見られることを期待して今作を見るのは
おすすめできない。
エロティックなシーンが多くて
優等生の頭の中はけっこう誰よりもＨだったりして・・・・
なんていう想像もしちゃう。

ポートマンがやっと役に恵まれたな～と
ファンとして嬉しい作品。

ブラック・スワン - goo 映画