「今日はコト(仕事)にならん」と大将がいうので、
通称「止まり木」と呼ばれる板のベンチに
ズラズラッとならんで海を眺めていたとき。
「お、あれは日本丸ではないか」。
遠くの海上に柳井・四代方面から姿をあらわした船影をみて
誰かが声をあげると「まことや」と同調する声がつづいた。
みんな本当に目がいい。
特に海ゆく船については、遥かかなたの船の動きまで
肉眼でかなり確認してしまうからスゴイ。
わたしの目では「遠くの海に小さく船がみえる」以上の
認識がもてないのが残念。
祝島沖を通るのか? と、皆じっと目を凝らす。
八島の影からでてきたところで、写真好きのHさんが
いちばん東の波止まで確認にはしった。
海上航路の分岐ポイントで船がどっちへ向かうか確認すると、
Hさんは「祝島沖をとおりますね、船をだすから見にいきましょう」。
そのままバイクで船へ直行し、いそいそと海上へ。
祝島港をでて田ノ浦方面へ一直線にはしる。
さっきの船は、鼻繰島の先をとおり確かにこちらにむかっている。
海ゆく日本丸を眺めようと
Hさんの船のおもて(船首)に座りこんだ。
日本丸は、たしか横浜のランドマーク近くに展示されているのを
見たことはあったけど、じっさいに海上をゆく姿を見たことはない。
田ノ浦のまえを走りすぎてゆく(上の写真右端が田ノ浦)。
マストが4本もあって、しかもかなり背が高い。
あれを立てるのは大変そう…。
それにしても優美な姿。
せっかくだからしっかりみておこうと、まずは船首に目をやると
…日本丸ではなく、その姉妹船の「海王丸」だった。
海王丸は今まで実際に見たことがないので、初の対面に喜び倍増。
船首のとがりの下で海面にむかって膨らんでいる金色部分が船首像とか。
ウイキペデイアをみると、日本丸の船首像は手をあわせて祈る女性で
海王丸の船首像は横笛を吹く女性とのこと。
船尾をみると、こんなところにまで装飾が。
「海の貴婦人」の優雅な走り姿をを間近にながめ、しばしうっとりした。
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