湘南ゆるガシ日和 ・・・急がず、休まず

湘南でゆるゆら暮らしココロ赴く先へガシガシ出かけるライター山秋真が更新。updated by Shin Yamaaki

瀬戸内の山と海のめぐみ「アマモ」で石風呂(いわぶろ):三原

2013-11-13 15:12:03 | 

広島県の三原へ行った際、念願の石風呂(いわぶろ)へ寄ってきました。

日本のサウナと呼べそうな石風呂は、
温泉が少ない瀬戸内地方に、かつては80カ所以上あったと言われています。

岩穴もしくは石積みの室(むろ)に、薪をいれて火をつけ、
数時間ほど燃やしたあと火を綺麗にかきだしてから
室にアマモ(海藻)を入れて床に敷きつめます。

アマモが含む海水やミネラルが蒸気となって室に充満し、
その蒸気で身体中から汗がでてきます。

私が連れて行っていただいたのは、
三原の海岸の目のまえにある、岩乃屋さんの石風呂。
火を燃やす熱い室と、通気口で蒸気を伝えるぬるい室があります。



初心者としては、まずはぬるい室に入りました。
ぬるい室というけど、風呂ですし、熱いです。
重さ30kgあるという木製のドアをくぐり、身をかがめ這いながら入ります。
身をかがめるのは、上の方の空気はさらに熱いから。

熱いけど不快じゃありません。
床に敷き詰められたアマモのおかげで空気は適度にしっとり、
潮の香が満ちる室は芳香療法よろしく、極楽気分です。

だからと言って、無理をしてはいけません。
あ、これはもう熱いな、と思ったら室をでて、ひと休み。

石風呂は混浴です。
水着やTシャツ+半パンツなどを着用して入ります。
なので、室と休憩室の往復も面倒はありません。

つるはしで岩を掘ったトンネルで通じる休憩室で、
筵(むしろ)の上に木の枕を置いてごろんと寝転んだり、
もってきたお弁当やおやつを広げたり。

友人が、畑で収穫したばかりのナスやジャガイモを持ってきて
室の横の火鉢で焼いてくれていたので、
食べごろになったのから舌鼓を打ちました。

腹ごしらえが済むと、いざ、熱い方の室へ。

こちらはもう、熱いです。
頭を床へ限りなく近づけ、
ドンゴロスと呼ばれる筵の袋をひざ下に置きながら
室の中へと進み、適当なところでドンゴロスを広げ、
そのうえにゴロンと寝転がります。

気持ちよく汗が噴きだしてきて、
熱いけど、かなり爽快。
肩こりがある人は、凝ってる部分を岩壁に向けると
遠赤外線効果(?)でじわじわ血流がよくなるそうです。

爽快とはいえ、
なんといっても「熱い方」の室ですから、無理は禁物。
適当なところで室から出ます。
既に身体はホッカホカ、冬でも身体から湯気がでる勢いです。

これだけ身体があたたまっていると、
休憩室で涼むのもいいけど、この石風呂をより満喫するには、
屋外へ出て潮風に吹かれるのがお勧め。

階段と呼んでいいか迷うような小さな段差の連なりのような階段があり、
注意ぶかく数段さがると海面です。そこで足を海につけるのもあり。
私が行ったのは夜だったので、
海面を足で少しかき混ぜると海水を夜光虫がまたたいて幻想的な美しさでした。

最後に汐湯(しおゆ)と呼ばれるお湯を浴びてから
更衣室でシャワーを浴びて汗を流し、着替えておわり。
このときには肩も腕もかなり楽になっていました。

石風呂を焚くのは、かなりの重労働。
それを毎日やっておられるのが、岩乃屋さんのご主人です。
年齢をかんがえると営業できるのはあと2年、とも言っておられたので、
そのまえに、ぜひまた訪れたい、皆さんにも体験していただきたい風呂でした。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『あけぼの』クリスマス特集... | トップ | シンポジウム「原発に依存し... »
最新の画像もっと見る

」カテゴリの最新記事