旅の記録

てくてくてく・・・今、どこ?

「沖の鳥島」は島である。

2012-05-10 14:52:39 | Weblog
沖の鳥島が国連の大陸棚委員会により、島嶼と認められ、日本のEEZが拡大したと
4月末新聞を賑わせた。喜ばしい限りだ。しかし、中国、韓国などあれは岩であって
島ではないと言っている。そんな折、沖の鳥島に関する新聞の切り抜きを机の中から
見つけたので、ちょっと古いが転載したい。日付けは6月16日付けと書いてあるが
何年のものかはっきりしない。毎日新聞の切り抜き。6~7年前か。

日韓排他的経済水域(EEZ)境界画定交渉は進展がなかった。ただ、今回注目される
のは、韓国がEEZの線引きをする基点としていた、鬱陵島を竹島(韓国名・独島)に
変えたことである。これによって韓国の主張するEEZ中間線は日本側に拡大した。
日本は竹島を基点としている。韓国が自国の領土だと主張する竹島を基点にしても
不思議ではないが、問題は変更の狙いだ。
韓国の国内では、海洋法専門家などから、竹島を基点とする事に反対論がある。日本海
では韓国側EEZが広がるが、東シナ海、黄海まで含めたEEZ全体では韓国が損する
からだという。
それでも蘆武鉉政権は、竹島を基点に選んだ。実利を犠牲にしても、竹島をめぐり日本
と韓国が対等に張りあったという国内向けのナショナリズム効果を重視するからだろう。
これまで韓国は竹島を島ではなく岩だと主張してきた。国連海洋法条約で、人間の住めない
岩にはEEZが設定出来ないからだ。日本は、西太平洋の真ん中にある「沖の鳥島」を島
としてEEZの基点にしている。しかし中国、韓国、台湾は、岩だからEEZは設定出来ない
と反対している。その韓国が、岩としてきた竹島をEEZの基点とした。岩を都合で島にした
以上、沖の鳥島を日本が島とするのに反対は出来ないだろう。竹島は、欧米ではリアンクール
岩礁と呼ばれている。だから韓国は岩だと主張していたのではない。済州島周辺のEEZ
とのからみを考えてのことだ。長崎県五島列島の南西にある男女列島。そのまた北西に離れて
備前鳥島という無人島がある。磯釣りの名所である。日本のEEZは、この島を基点としている。
韓国は、備前鳥島は岩だとして、済州島方向に張り出した日本のEEZを押し戻そうとしてきた。
だが、韓国は竹島を岩ではないとしたから、こちらの主張も揺らぐ。
中国との関係もある。中国浙江省の舟山列島から東にぽつんと離れて童島という岩礁がある。
沖の鳥島を島と認めない中国が、東シナ海の童島は島扱いで、ここを基点にEEZを設定して
いる。韓国は童島は岩と主張してきた。さもないと中国のEEZに押され、漁場や大陸棚に
設定した韓国の石油や天然ガスの鉱区が縮小するという。だが、その主張も揺らぐ。
竹島は韓国が実効支配している。国際調停に持ち込もうとする日本に対して「領土問題
は存在しない」とかわしてきた。だが、竹島基点で日本と対立した事によって、竹島を
めぐる領土紛争が存在する事を自ら証明した。
EEZ問題と領土問題を混同した韓国の竹島基点論は、領土ナショナリズムに傾斜し、危険
だ。が、そこに弱点もある。日本はそこを押さえておくべきだ。

という古い話でもあるが新しい問題でもある。どの国も都合の良い事を言っているが、中国は
軍事力を付けてきているので、強気である。南沙諸島に近い黄岩島(スカボロー礁)で中国と
比国が艦船を出して1カ月以上睨み合っている。お互いに艦船を引き上げろと言っているが、
先に引き上げてしまうと相手の主張(ここは自分達の領土だ)を認めてしまう事になる為睨み
合いが続いているのである。
中国は口では綺麗事を言っているが、軍事力のついた今怖いもの無しである。恐ろしい。