S多面体

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」のショート版

風通しがよくなった官邸前「原発いらない金曜行動」

2021年09月22日 | 集会

9月17日(金)夕刻、首相官邸前の「原発いらない金曜行動」に参加した。台風14号の影響で夕方から雨という天気予報だったが、スタッフの行いがよかったのか(笑)、雨に降られず、そのうえ暑くもなく寒くもなく1年のなかでベストな気候の夜だった。

この金曜行動は6月に始まったが、6月はわたくしは知らず、7月・8月はオリンピック反対デモなど他の活動とバッティングしたので、3カ月遅れでやっと参加できた。首相官邸前抗議は毎週金曜だったが、こちらは月1度開催である。
みかけは本年3月末まで丸9年続いた首相官邸前抗議と同じだが、主催団体が異なる。3月までは首都圏反原発連合、いまは「原発いらない金曜行動」実行委員会である。
スタッフの顔をみると、毎年3月11日ごろやっている全国集会のメンバー、そしてやはり3.11のころ東電前で抗議集会を開催しているたんぽぽ舎関係の人が多く、反原連が平均年齢40代とすると、こちらは70代くらいにみえた。また参加者もどちらかというと高齢者が多いように思える(もっとも参加者は、わたしと同じく、同じ人が両者に参加している可能性が高いのだが)。
集会の雰囲気は、反原連は硬くマジメ、こちらはもうすこし自由かつプリミティブ(?)な感じがした。わたしには、こちらのほうがなじめた。
出し物も、反原連はコールが中心だったような気がする。金曜行動はショート・スピーチがメインで、合い間にコールをはさむような感じだった。そういう意味では同じ反原連が国会正門前でやっていたミニ集会に近いかもしれない。もっとも1回出ただけで、それも第2部のなかほどまでだったので、違っている可能性もあるのだが・・・。

集会は「原発やめろ!」「海に流すな!」「子どもを守れ!」「再処理やめろ!」「核ゴミ出すな!」といった聞きなれた(あるいは言いなれた)コールから始まった。
そしてたんぽぽ舎の山崎久隆さんなどもともと予定されていた方のスピーチが続いた。ここから先、残念ながらICレコーダで録音していないので、いろいろ間違っているところが多い可能性がある。申し訳ない。
山崎さんは「東電福島で汚染水を浄化処理するALPSの汚泥タンクのフィルターが、25基中なんと24基に穴が開いていた。つまり放射性物質が空気中に漂っている。しかもなぜ破損したか東電は原因すらわからない。さすがに規制委員会も怒っている。こういう会社が汚染水を海中放水するのはとんでもない。汚染水は海底を1キロほどピット(海底トンネル)を通して輸送し、沖合で放水するという図面が発表された。これは再処理工場でやっているのと同じやり方だ。そしてサンプリングすらしない。海洋放出を許さない!いっしょにがんばろう!」
ゲストの方4人のショート・メッセージがあった。「終わりじゃないよ」と反原連の官邸前抗議の感想文集をつくった商社9条の会の方、川内(せんだい)原発に反対する鹿児島反原連の方、青森・大間のあさこハウス支援の方、93歳でがんばる埼玉の女性などだった。
20代の大学院生のスピーチが印象に残った。
大学は「稼げる大学」として軍事研究に力を入れているそうだ。そして日本で原発を続けているのも核兵器開発が目的なので、原発と軍事研究は深く結びついており、けして「他人事(ひとごと)ではない」とのことだった。

歌もあった。日本音楽協議会(日音協)の7人がギターとリコーダーの伴奏付きで「海を汚すなよ、わたしは恥ずかしい」という歌詞の「水に流すな」と「魚が泳ぎ鳥が飛ぶ、そんなあたりまえの地球、いつまで残せるだろう。原発許すな」の「あたりまえの地球」を披露した。
官邸前抗議では、隊列の相当後ろのほう、財務省上の交差点に近いところでアコーディオン伴奏で歌っていたが、この集会ではメインイベントのひとつになっていた。
日本山妙法寺の僧侶も定位置でお経を唱えていた。ただ多摩川太鼓は、悪天候の予報だったので残念ながらこの日は欠席、次の機会に音を聞きたい。鎌田慧さんもこの日は体調不良で欠席とのことだった。

この日会場でもらったチラシは、10.23さようなら原発オンライン集会(「さようなら原発」一千万署名市民の会)、福島第一原発事故刑事裁判控訴審、子ども脱被ばく裁判控訴審(仙台)の告知チラシ、「幻想の新型原子炉」(後藤政志)講演案内、など原発関連が多いのは当然だが、もんじゅ西村裁判、関西生コンの映画「棘2」上映会、阿佐ヶ谷市民講座「この国の外国人政策」などもあった。官邸前抗議のときは原発関連チラシすら配布は難しかった。
いろんな意味で風通しがよくなったように思える。
すべての原発を廃炉にするにはもう少し時間がかかりそうだ。わたくしも息長く金曜行動への参加を続けたい。