主要地方道8号に出るべく車で向かったが、下総航空基地を過ぎた辺りから、前方の信号が青なのに車が動かない。やっと粟野十字路に出たかと思ったら、8号線は大渋滞。目の届く限り、前方は延々と車の数珠繋ぎだ。
「何だろう?事故かな?」と呟いたが、一向に動かない。「道路工事でも始めて、一方通行にでもなったか?」と思ったが、どうもおかしい。対向車線は普通に動いている。「ええ、ままよ。勝手に強張れ野中の野ぐそ」と腹をくくった。どうせ、急ぐ身でもないし。
そうこうしているうちに、はるか前方左手に病院の建物が見えてきた。待てよ、よく眼をこらして見てみると、この車の列は皆、左折の合図をしているではないか!やっと分かったのだ。延々と続く車の列は、みな、先頭から病院に吸い込まれて行く。よくもまあ、こんなに多くの人が新型インフルエンザの注射を受けにどっと押し寄せたもんだ。
年寄りばかりと思ったら、子供も中年も、ほとんど年齢を問わず、病院の中は長蛇の列。看護婦総動員で列の整理に当たっていた。診察券も保険証も出さずにごった返し。あまりの混雑に、1人3,600円を券売機に入れるのも看護婦が手伝ってくれている。書き入れた問診票なんか、ちゃんと読んでくれているのかな。
あっと言う間に左腕に注射針を打ち込まれ、長蛇の列を掻き分け掻き分け、やっと病院を出た。帰りに大型店舗イオンに寄ったが、こちらの方が、店内の人も駐車場も、はるかに少なかった。
それにしても、あのイナゴの大群は、一体何だったのだろう?新型インフルエンザの脅威に民衆は踊らせられているのではないか、という気持ちにもなった。