徳之島ゲストハウスみち お庭番日誌

「♪おはなしさんぽみち♪福岡出張所」から「徳之島ゲストハウスみち お庭番日誌」に変更。ヤギと鶏と愉快な島人たちとの記録。

水をゴクゴク飲んだら・・・

2015-08-14 16:12:49 | 日記

 ちょっと前に新聞で見つけて、こんなふうに考えるとなぁんかいいなぁ・・・と思ったので切り抜いてあったエッセー。

お盆なので、思い出してまた読み返してみました。

村田喜代子さんという方が書いたもの。

 「原子の循環」のことが書かれている。

 人が亡くなったら、煙と共にガス状の原子となって空間に散らばり、雨になって川や海に流れ込む・・・。人体を作っている原子の総数は、1の後に0が28個も付くそうで、海の水全体で薄めても、コップ1杯に一人分で1000個ほどは混入しているのだとか。それが、たくさんのたくさんのたくさんの方の原子でぎゅうぎゅう詰めで、さらには動物や植物など、ありとあらゆる命あるものの原子が含まれるので、コップの中の原子の数はさらに膨れ上がる・・・。

 父は、昨年7回忌を済ませたばかりなので、まだまだほんの最近亡くなったんだけど、焼かれることを嫌がって、祖父の代まではそうだったように自分も土葬にして欲しいと亡くなる前に何度も何度も話していたので、家族で話し合って願いをかなえてあげた。徳之島でかつて行われていた昔ながらのやり方で。

 父は、煙にはなれなかったけれど、土になれた。

 エッセーには、「原子のエネルギーは永久に不滅だから、水に溶かしても火で焼いてもなくなることはない。」とある。土にかえってももちろん消えない。そして、最後は「ああ、亡き友たちよ。あなた方は滅びない。コップの水の中に千個ずつも生きている。今日も朝から私はゴクゴク飲む。そういえば”命の水”という言葉もある。」という文で締めくくられている。

 水ってありがたいなぁ~・・・と思いつつ、父や叔母やいとこ、祖父母、友だち・・・思い出される限りのたくさんの亡くなった人の顔を浮かべながら、私もゴクゴク飲みました。お盆なので、いつも以上にたっぷり思い出しました。

 

 今日の庭も・・・。

サルスベリと再び咲き出したノウゼンカズラ