S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲5-2

2006-07-19 09:45:52 | 真冬の狂想曲
5-2
 タクシーは靖国通りを新宿駅方面に向かい、ドンキホーテの前で俺達を降ろした。俺達は靖国通りを横断し、歌舞伎町の中へと歩き出した。
俺は、まさか昼間ゲームで歌舞伎町で暴れ、夜は本物の歌舞伎町に来るとは思いもしなかった。いったい何をやってるんだろう…。一人そんな事を考えていると、松が振り返って、ホテルが取れたのかを聞いてきた。俺は、東京の知り合いが今探してくれているから、しばらく待つよう告げた。
「じゃー、とりあえず飯でも食おうか。松木社長、何か食いたい物あるですか?」
「いや、何でもいいよ。」
「やっちゃんも何でもいい?」
俺もこだわらないと返事をした。松は携帯電話を取り出し、電話をしながら歩き出した。
軽い坂道を上り、花屋の向かいを左に曲がり、小さな韓国料理の店の前で立ち止まった。
「みんな、辛いもの平気?」
珍しく松が気を使ってみんなに聞いた。みんな、平気だと言った。俺は辛い物は苦手だったが、一人わがままは言えずみんなに同調した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月16日のライブ

2006-07-18 13:01:47 | はしり書き
 俺を知っている人には今更だけど、俺はSHUDO&RUDIESってロックバンドをやっている。このバンドは10年やってるが、俺のバンド人生は、もう人生の半分以上になる。主な活動拠点は、九州の大分の「OITA T.O.P.S」ってとこだ。ここを拠点にいろんな街にギター抱えて飛び回ってるってとこだ。詳細は俺達のOFFICIAL SITEで確認してくれ。

 さて先日の7月16日に、中村敦さんの「愚息」というバンドと一緒にやった(もう3回目ぐらいかな?敦さんとやるのは。)。俺が思うに、日本人では、この人と和田アキ子ぐらいだろう。あんなに歌える人は。俺もあれぐらい歌えればいいんだけど、人にはそれぞれスタイルってヤツがある。って事で。

 俺は最近特にメロディーに気を使って曲を書いてる。もちろん、今までのような激しいパンクナンバーも書いているんで安心してくれ。最新の曲は7分もある超大作だが、「愚息」の前でどうしてもメロディアスなこの曲をやりたくて、いつものパンクナンバーを削ってメニューを組み立てた。ゴリゴリのS&Rを見に来ていた人達には、物足りなかったかもしれないけど、すごくメッセージがあり良い曲なんで、よく歌を聴いて何かを感じて欲しい。俺のイメージ的には21世紀の「イマジン」だから。
 今回の本編は7曲しかやってない。6曲目までは最高のパフォーマンス。最後の曲で、珍しく俺がヘタ打ってしまった。メンバーのみんな、オーディエンス達、非常に申し訳ないです。気付いてなければ良いけど、気付いてる人達は笑ってすませてくれな(笑)!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真冬の狂想曲5-1

2006-07-18 12:13:05 | 真冬の狂想曲
5-1
 東京に着くともう暗くなっていた。携帯電話を開いて時間を確認する。もう8時前だ。これから、どうするのかを松に尋ねた。
「今日どこに泊まるん?」
「今東京の兄弟が韓国に帰っとるけ、世話になれんのよー。やっちゃんホテル取ってくれん?まー、歌舞伎町まで行ったらどうにかなるやろ?」
またこれだ、どうして金持ちは行き当たりばったりで行動するんだろう。俺は金持ちを呪いながら、タクシーに乗り込んだ。
 携帯電話をコートのポケットから取り出し、バンド関係の知り合いに電話をかけた。数回の呼び出し音の後、電話がつながった。
「お久しぶりです、杉野さん。首藤です。」
電話の相手は少し酔っているらしく、陽気な声を出している。
「どうしたの?首藤君?」
「今ですね、東京に来ててですね、歌舞伎町の近くでホテル探してるんですけど、どっか今から入れる所ないですかね?」
電話の相手はさらに陽気な声を出した。
「東京にいるんだったら、今メンバーで飲んでるんだけど首藤君も一緒に飲まない?」
俺は、一呼吸おいて返事をした。
「すいません、今回はバンドじゃなくて、裏首藤のほうで来てるもんで…。」
杉野の声のトーンが下がった。
「そうなんだ…。じゃー調べてから電話入れてあげるから少し待っててね。それから首藤君、あんまりヤバイ事しちゃ駄目よ。気を付けてね。」
俺は携帯電話を切って、久しぶりの東京をぼんやりと眺めた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真冬の狂想曲4-5

2006-07-17 13:33:44 | 真冬の狂想曲
4-5
 さすが人を騙して飯を食ってるだけあってたいしたものだ。こんな状況でも平然と会話が出来る。携帯電話の電話帳は偽名で登録してる。俺は変な所に感心した。
 松はこめかみに怒りのサインを浮き上がらせたまま喋りだした。
「これじゃ、大阪におっても意味無いけ、次来る電車に乗ろうや。とりあえず東京に行って中村捕まえて、中村に平井を呼び出させたら絶対アイツは出てくるけ。そうですよね、松木社長。」
松木社長は相槌を打って話を続けた。
「そうやね、中村さえ捕まえれば、銭は返ってくるやろうけたい。」
松の怒りのサインはまだ消えない。
「中村だけやったらつまらんですよ!平井のヤツは絶対捕まえて、死ぬ目に合わさんと気がすまんですよ!」
 あまりの激高に俺は、ノブをそばに呼んで理由を尋ねてみた。ノブが言うには、どうも、ちょっと前まで、松がえらい可愛がってたらしい。それも周り連中には、-なんであんなヤツと付き合いしてやるんか-と散々言われてたらしい。飼い犬に手を咬まれたってヤツか…。

 俺達はすぐに来たのぞみ号に飛び乗り、大阪を後にした。松と松木社長は佐々木を言葉でいたぶり、俺とノブはグリーン車のシートを倒し、目をつぶった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真冬の狂想曲4-4

2006-07-16 10:27:49 | 真冬の狂想曲
4-4
「それはこっちにも情報入ってますけど、まさか東京までは解ってないでしょうし、東京までは来ないでしょ。いやー、自分の女が埼玉におるの知ってるでしょ。じーっと隠れてるのも、ちょっとしんどくなりまして…。女に会いに行くのに、金も持ってないんじゃ恥ずかしいんで、どうにかならんですか?実はもう岡山駅におるけですね、金用立てて貰えるなら、大阪で降りようと思ってるんですよ。平井さん、今大阪ですよね?」
俺はさらに佐々木の携帯電話にピッタリと耳を押し付けた。
「悪いな佐々木、今静岡に向かって移動中だから今日は大阪には帰らないぞ。あれだったら、俺も2,3日したら中村さんとこに顔出すから、東京で会おうか。その時に金廻してやるよ。」
俺は松に振り返り大袈裟に首を横に振った。松は落胆し、それが怒りに変わった。手で電話を切るように佐々木に即した。佐々木は無言で首を縦に一回振った。
「そうですか、自分はとりあえず今から東京に向かいますんで、東京に来たら連絡して下さいよ。それと金の件頼みますよ。」
佐々木は金の事を念押しして電話を切った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする