S&R shudo's life

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真冬の狂想曲15-5

2006-09-27 17:41:04 | 真冬の狂想曲
15-5
 平井の背中は赤い点が無数に散らばり、そこから赤い線が床に敷いた新聞紙までつたっている。そこにゆっくりと松は近づいた。
「平井、俺の金はどこにあるんか?中村が持っとるんか?中村の家はどこなんか?」
 平井は何も喋らない。タオルが口に押し込まれたままになっている。松はそのタオルを平井の口から引き抜いた。
「何を言っているか解りません…。私は何もやってないし、何も知りません。」
「おい、平井、お前より先に佐々木が口割って、お前が言いよる事が嘘やったら大事するぞ。」
「本当です、嘘はついていません…。」
「そうか分かった。やっちゃん!悪いけど風呂に水溜めてきてくれん?ほんで、そこに冷凍庫があるやろ、氷が山のように入っちょんけ、それも風呂に入れちょって。」
俺はその大きめの冷凍庫の蓋を開けてみた。松の言うとおり、氷だけが山のように入っている。
「松ー、これ全部風呂に入れていいんか?結構あるけど。」
「やっちゃーん、さすがにそれは多いやろ。半分ぐらいでいいよ。」
 俺は氷の入っている袋をとりあえず4つ小脇に抱えて風呂場に向かった。風呂場に着くと、蛇口を全開に開き水を流し込んだ。そして氷の袋を破き、風呂に放り込んだ。4つじゃまだ少ないみたいだ。俺は氷を取りに台所に戻って、もう4つ氷の袋を小脇に抱えた。

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