S&R shudo's life

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真冬の狂想曲24-2

2009-03-06 15:07:33 | 真冬の狂想曲
 俺は定刻通り夜7時にリーガロイヤルのコーヒーラウンジに入った。坂本はすでにテーブルに着いていた。佐々木と2人だった。ノブは坂本の後ろのテーブルにいた。俺は坂本を見ずにノブのいるテーブルまで歩いていき、わざとらしくノブに待ったかと聞き、坂本と背中合わせに座りコーヒーを頼んだ。さりげなく辺りを見回したがそれらしいのはいなかった。少ししてウェイトレスがコーヒーを持ってきた。普段はブラックでコーヒーを飲むが、今日は砂糖もミルクもたっぷりと入れた。寒さと疲れとストレスのせいで身体が甘いものを欲しがっていた。それをゆっくりと流し込むと、少しだけ生き返ったような気がした。

15分程経ったところでノブが表情を変えた。どうやら松が現れたみたいだ。俺は振り返らなかった。松が坂本の待つテーブルに着いたとき、俺はトイレに立った。知らない顔をして坂本達のテーブルの横を通りすぎた。松は3人で来ていた。坂本の前に松とパクが座り、坂本、佐々木の横にスモールパクが座っていた。他の2人は見当たらなかった。
トイレで手を洗いテーブルに戻るときに、ガラス越しに外を見ると、残りの2人の韓国人がポケットに手を突っ込んだまま、さりげなく店内を覗っていた。雪こそ降ってなかったが今日はとても寒かった。外の2人は寒いだろうななんて思いながら、素知らぬ顔でノブの待つテーブルに戻った。
俺はまた坂本や松達の横をを素知らぬふりをして通り過ぎ、すぐ後ろのノブが待つテーブルに戻った。俺が席を外したのは、ほんの僅かな時間だったが、あらかた話は終わっているようだった。俺がもう一口コーヒーに口をつけると、後ろの連中は席を立った。
俺とノブはすぐには席を立たなかった。俺はノブに俺がテーブルを離れている間にどんな話があったのかを聞いた。話の内容は、まず、坂本が持ってきた金の入ったバッグを松に差出し詫びを入れたそうだ。それから、これから松のやろうとしているシノギに全面的に協力する事と、ホテルの駐車場に停めてあるレンタカーに中村を待たせているという話だった。俺は平然とした顔で聞いていたが、内心は嫌な気分でいっぱいだった。出来ればここで終わりにして家族の待つ家に帰りたいところだ。しかし、あともう少しで全てが終わるだろう。ここまで来て最後までいないと格好がつかない。俺はいつも「男が格好つけきらんくなったら終わりだ」とみんなに言ってきた。その俺がケツをまくるわけにはいかない…。ぬるくなったコーヒーを一気に飲み干し、もう一度腹を括った。

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