らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

373.改善・改革・変革(第1回)

2006-11-13 | 61.Business
1.「変革」~企業再生への道

 かつて、日本企業が時代を謳歌していた時期があった。1980年代、
日本はその「独自のビジネスモデルの優位性」を世界に示していた。
しかし、1990年初頭に転換期を迎える。そして「失われた10年」が
到来したのである。

 この10年間でいったい何が起こったのであろうか。よく言われて
いるのが「企業の競争環境が激変したこと」である。世界は、さらに
「シュリンク」している。情報技術革新により「世界的な情報共有」
が可能になった現在、国境や地理という垣根を越えたところで新たな
競争環境や協業環境が創出されている。また、規制緩和により、これ
までとの異なる相手との競合が発生している。

 常識・模倣で通用していた時代。それはもう遠い過去の出来事なの
である。これまでの常識は非常識になり、たんに成功事例を模倣する
だけのビジネスモデルは、もはや市場に受け入れられなくなっている。
「当社の志とは」「当社は、誰に対して何をなぜするのか」「当社の
ポジションは業界全体の中のどの位置にあるのか」「当社の存在価値
とは」「当社はどこで戦うのか」「当社の顧客とは」「当社の商品・
サービスとは」・・・。これらのことを今まで以上に「考える」こと
が重要になっている。「変化への対応」とは、変化を感じてから対応
することではない。それでは遅いのだ。現在では、変化を予期し準備
をドラスティックに進めることが「変化への対応」なのである。

 このダイナミックに変動する外的環境の中でどのように勝ち抜くの
か。その際に経営者の洞察力・判断力・企画力・行動力、そして統率
力が問われるのである。企業価値の創造を継続できる企業のみ、勝ち
残ることができるのだ。そうでない企業は、すごすごと市場から撤退
しなければならない。

 経営者に要求されるのは、「変革」(Transformation)を決意表明
することである。

 冒頭に述べた、「日本企業が時代を謳歌していた時期」は、「改善」
(Improvement )により競争優位性を確保した。1990年代ではBPR
がブームになった。「改革」(Re-Engineering)である。企業は既存
のビジネス・プロセスを抜本的に見直し、新たなビジネス・モデルを
構築することにより、「改善」を上回る効果を得ようとしたのである。

 そして・・・。企業は、「改善」や「改革」に限界を感じている。
自社を取り巻く外的環境の激変により、自社の進むべき方向が変わっ
ているのにもかかわらず、「方向性を変えないまま効率よくやろう」
としても無理・矛盾を生じるだろう。従って、「やり方を変える」の
ではなく、「やることを変える」すなわち、「変革」に取り組むこと
が企業に必要になっているのである。

 しかし、「変革」は「改善」や「改革」と比較して、多大なエネル
ギーを必要とする。またリスクも高い。経営者が「変革」を決意する
ことは不退転の決断が必要である。

 従来は

 「やることによって何がよくなるのか」

を最優先し企業は「改善」「改革」に取り組んできた。しかし「変革」
では、投資効果算定が不明である。わからない。でもわからないから
と言って、実行を先送りしていたのでは手遅れになるのだ。

 「何をやるのか」 
 「今やらないとどうなるのか」
 「なぜ、今やらなければならないのか」

これが重要である。

 「変革」は困難な道ではあるが、閉塞感から脱却できない、多くの
日本企業の唯一の選択肢である。20世紀は「改善」「改革」の時代
であったが、21世紀は「変革」の時代なのである。

 それでは、「変革」のために必要な計画と実行とは何であろうか。
追って述べていきたいと考える。

                            つづく

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