原題: PLEIN SOLEIL/PURPLE NOON
監督・脚本 : ルネ・クレマン
原作 : パトリシア・ハイスミス
脚本 : ポール・ジェゴフ
出演 : アラン・ドロン 、 マリー・ラフォレ 、 モーリス・ロネ
TOHOシネマズ午前十時の映画祭『太陽がいっぱい』ページはこちら。
<Story>
トム・リプレイ(アラン・ドロン)は、フィリップ(モーリス・ロネ)と酔っぱらってナポリに遊びにきた。
近くの漁村モンジベロからだ。
トムは貧乏なアメリカ青年で、
中学時代の友人・金持のドラ息子フィリップを、5000ドルの約束で、父親から頼まれて連れ戻しにきたのだ。
フィリップにはパリ生れのマルジェ(マリー・ラフォレ)という美しい婚約者がおり、アメリカに帰るつもりはなかった。
ナポリから帰った時、アメリカからトムとの契約をやめる手紙が来ていた。 フィリップはトムが邪魔になっており、約束の手紙を出さなかったからだ。
友人のパーティーに向うヨットの上で、トムはますます彼からさげすまれた。
フィリップに疎んじられるなかトムは、彼を殺して彼に成りすますことで彼の財産と恋人を奪おうと計画する……。
太陽がいっぱい - goo 映画
<感想>
朝10、少し間が空きました。 どうしても観たいという作品のみ行ってますので。
これは大昔にTVで鑑賞したのですが、あらすじをまるで覚えていないことに気が付き、
この機会にスクリーンで鑑賞したいと思っていました。
もう50年前の作品なんですね。
おぼろげに記憶にあった話よりも、ずっと単純でした。
今の恋愛映画やサスペンス映画は話が複雑すぎるのかもしれません。
それはエンドロールも同じ。
本作のエンドロールは全くなし。 ただ "Fin." のみ。 キャストの紹介すらもない。
しかし、かえってそれが作品の印象を観客に刻みつけていく効果となっている。
全てを手に入れたかのように見えたトム。
しかしながら全てにおいて、衝動的、場当たり的な行動であり、崩壊するのは時間の問題なのはわかっている。
それでもどうにか取り繕おうとする彼の表情を観察するのが、本作の見所なのでしょうか。 船上の駆け引きも含めてですが。
ガラスのように壊れやすい嘘を次々と重ね、思いのままになったかのように感じる瞬間。
それはまるで、太陽光線を正面から見つめた時の、
目くらましのような錯覚なのだろうか。
「太陽がいっぱいだ。 酒をくれ」
この世の絶頂まで行った男の、一瞬先に待ち受ける展開までの数秒間。
それを知らないトムの表情のままで映画は終わって行く。
そしてそれと同時に響き渡る主題歌の旋律。
このラストシーンがやっぱり秀逸です。
脆さや儚さ、そういったものに執着した人間の末路は大体悲惨ですが、
そこをあくまでも美しく表現して終わらせていくというところに、この映画の美学を感じます。
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今日の評価 : ★★★★ 4/5点
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