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観たい映画だけしか観てません。今忙しいんでいろいろ放置

『トイレット』 (2010) / 日本

2010-08-17 | 邦画(た行・な行)

監督・脚本 : 荻上直子
出演 : アレックス・ハウス 、 タチアナ・マズラニー 、 デイヴィッド・レンドル 、 サチ・パーカー 、 もたいまさこ

試写会場 : 京橋テアトル試写室

公式サイトはこちら。



<Story>


とある企業の実験室に勤務するレイ(アレックス・ハウス)は、家族から離れて一人で暮らし、誰とも深く関わらずに生きて来た。
ロボット型プラモデルで1人遊びをするのが唯一の楽しみだ。
しかし、母が亡くなり、残された家族に問題があると呼び出され、久しぶりに実家に戻って来た。

そこにいたのは、引き篭もりの兄(デイヴィッド・レンドル)、生意気な妹(タチアナ・マズラニー)、センセーという名前の猫、そして、英語が通じない「ばーちゃん」(もたいまさこ)だった。

[ 2010年8月28日公開 ]

トイレット - goo 映画

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<感想>

Yahooユーザーレビュアー試写に行って来ました。
上映後に、荻上直子監督のトークショーあり。


フードスタイリング系映画は一応押さえたい自分としては、荻上監督の『かもめ食堂』は好きなんだけど、
『めがね』って今一つでした。 
(ちなみに同じような系列の、昨年公開『プール』(監督は大森美香さんですが)も、うーん。。でしたが。)
何となく目的がクリアじゃなかったり、腑に落ちない結末だったりすると、いくら雰囲気が良くても、女性に喜ばれそうな感じでも、自分としては納得いかないように感じます。
今回の『トイレット』、予告を観ると、どちらかといいますと観念的な作品に思えてしまって少し心配ではありましたけど。



今回のキャストの中で唯一日本人で出演していたもたいさん。
彼女は荻上監督の映画に数多くご出演で、今回もメインで残っているということで、
上映後の荻上監督のインタビューを聞いていると、
やっぱり、もたいさんは監督のアイコンなんだなと感じてしまいます。
この映画のキャッチコピーにもある、

「みんな、ホントウの自分で、おやんなさい」

という言葉を体現しているのが、監督にとっては、きっともたいさんなんだなと思いました。


本作でも、もたいさんの雰囲気を十二分に生かした展開になってはいるのですが、
孫たちとのつながりが、あとから考えると、少し無理があったようにも思えてしまいます。
テレパシーのような状態で果たして通じるの? とつっこみたくもなりますが。
そして、ばーちゃんのため息の理由ですが、それがまさかあの製品が導入されていたら・・・ ということだけだったとするならば、
あまりにも思わせぶり過ぎやしないでしょうか・・・。
見方によっては、宣伝? とも取られかねないほどの商品の露出なだけに、余計そう感じてしまいます。
結局、あの商品の意味は何だったのか?
日本の技術の素晴らしさを言いたかった??
すみません、私にはよくわからないのです。


お兄さんの成長という部分は、観ていていいなと感じました。
そのきっかけが、ばーちゃんであるならば、それはそれで彼にとってはいいことだとは思います。
彼の成長をきっかけに、バラバラだった兄妹が寄り添うのもわかります。
ばーちゃんがつなげている訳ですからね。


けど・・・ それに至る過程で、この兄妹がどうしても「この映画のために作られたもの」なのかなという感覚がずっと抜けなかったのはありました。
妹の「フェイク」なんかは、3人の関係もフェイクじゃないってことを表すことにはつながるとは思います。 ・・・が、何と言うか、この3人兄妹の設定自体が、年齢よりも幼く感じてしまったというのもあるんですよね。 
病を乗り越えるというのは設定としてはありとしても、それぞれの環境で、もう少し大人であってもよいのではないかなと。 今の若者の感覚自体がそうなのかもしれないですが。。
次男くんと、同僚とのやり取りもまた、あまり自然には見えなくて。 
そして、彼の重大なことって、かなり重大な割には、後の展開にはそれほど影響してきませんし。


サチ・パーカーさんの役割も今一つ、わかりませんでした。
全体的にエピソードが、ぽつん、ぽつんと、置いてあって、それらのつながりがあまり見えてこないようにも感じました。
餃子とかはよかったんですけどね。
ただ、食べ物だけで見せようというのは、もう過去の作品でもありますので、それにどんな付加価値をつけるかが問われると思います。


荻上監督作品がお好きな方にとっては、その世界観で語られているのでいいと思うのですが、
ここまでカチッと語られてしまうと、価値観についていける人しか、
これからは観なくなってしまうような気もしなくもないんです。
壁紙まできっちりとしたインテリアですとか、人の動作にしても、
全てがその価値観の枠内に収まったような感覚でした。
『かもめ食堂』を観た時に感じた、溢れだすような勢いとは違うものでしたね。 



★★ 2/5点







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