ROLFING(ロルフィング) ~ 身体とつながるために

公式認定ロルファー田畑浩良が,Rolfing(ロルフィング)プラクティスを中心に紹介します。

RolfingとStructural Integrationの関係は? (その1)

2004年11月28日 | ロルフィング
Structural Integrationというのは,アイダロルフ博士の考えを基盤に考えられた身体の構造に焦点を当てたワークの一般総称です。その中にもいくつかの種類が存在します。
ロルフ博士が,自分の確立した技法に対して最初に付けた名称が,Structural Integrationですが,現在では,The Rolf Institute of Structural Integrationとは無関係に独自にロルファーがStructural Integrationを教え初め,それぞれの団体が,独自の名称をつけて教えています。例として,Heller workやKinesis Myofascial Integration などがあります。Rolfingとは,米国Rolf Instituteが公式認定したRolfing practitionerが行う,Structural Integrationのことで,正式名称はRolfing Structural Integrationです。Rolfingは,登録商標化され,他の団体のpractitionerが行うワークと差別化され,法的にも保護されています。つまり,Rolfingという名称を使うことが許されているのはロルファーだけということになります。
 問題となるのは,公式認定ロルファーが築いてきたRolfingに対する信用度を利用して,紛らわしい宣伝をする行為,つまり商標権の侵害です。これは,明らかに違法行為ですし,正規のRolfingをこれから多くの時間とお金をかけて習得しようとするロルファー候補生や,新しいロルファーがクライアントを立ち上げる支障や雑音になる可能性も高く,厳しく監視されるべき問題です。本部であるThe Rolf Instituteでは,膨大な時間とエネルギーを割いて,商標権の保護に努めています。例えば,ロルファー以外のプラクティショナーのサイトのメタタグに,Rolfingという言葉が入力されていれば,訂正を求める勧告を逐一出し,従わない場合は,訴訟手段に訴えることが行われてきました。ここ日本においても,公式認定ロルファー以外のプラクティショナーからワークを受けた方が,自分はRolfingを受けたことがあると名言するケースを非常に多く耳にします。それは,明らかにそのプラクティショナーが,商標権を侵害して,正しい説明や宣伝をしていない証拠です。これは,プラクティショナーの品性や倫理が問われる問題です。ロルファーとしての生き方がいわばそのワークそのものに反映します。紛らわしい説明をするような人間に対して,受け手は身体を預け,信頼できるでしょうか?自分のワークに対する誇りと人間としての品性があれば,出身校のワーク名をそのまま名乗り,そのワークの名称と自分の名前だけを看板に仕事をするはずではないでしょうか?幸い,日本にも公式認定ロルファーによって構成されるロルフィング協会が設立されました。協会の業務の一つに,Rolfing(呼称=ロルフィング)の商標権の管理があります。これにより,必要に応じて,適切な表現がなされていない場合に対する勧告や訴訟を協会が担うこととなります。適切な監視がなされることは,今後の日本でのRolfingの発展に大きなプラスになると期待しています。

あなたが,日本でRolfing(ロルフィング)を受けたいのであれば,以下のRolf Instituteの公式サイトのリストに載っているロルファーにコンタクトしてみてください。

Rolfing practitioner(ロルファー)のリスト(日本)
PS. 上記の記述は,Rolfing以外のStructural Integrationを否定しているわけではありません。簡単にいうと,他人のフンドシを利用する姿勢にもかかわらず,意味不明の大義名分を振りかざして,開き直る行為自体が情けないと思うし,後々後悔することになるからです。

ロルファーを選ぶ その1

2004年11月28日 | ロルファー
ロルフィングを受けることに決めた後は,ロルファー選びです。自分のロルフィング体験を成功させるためにもロルファー選びは大切です。どのセラピーやソマティックプラクティスにおいても共通しますが,受け手とプラクティショナーとの信頼関係,相性,提供したいことと受け取ろうとすることのマッチング等も重要な要因です。
 信頼関係といっても大げさなものではなく,そのセッションの間に,必要なだけ受け手が身体を安心して委ねることができるかどうかです。受け手が圧力などを適切にフィードバックできる環境をロルファーが提供していることが前提ですが,受け手もまた,躊躇せずに必要なフィードバックや情報をロルファーにいうことが,さらに建設的な結果を生みます。特に身体を痛めた経験や病院にいかないまでも不調だった経験は,制限を解放する上での有力な情報となります。
 さて相性ですが,セッションは,人間と人間の間で生じるものですから,当然合う合わないはあります。状況によっては,自分の問題を相手に投影してしまうこともあるでしょうし,ロルファーの目指すものと受け手の期待がずれている場合,受け手の問題を解決するのに必要なスキルをロルファーがまだ身につけていない場合もあるでしょう。ロルファーの経験年数やアドバンストロルファーかどうかとか,性別,料金等より,一番重要なのは,受け手として,自分を尊重してくれて,丁寧にセッションしてくれるかどうか,そして自分がピンときているかどうかではないでしょうか?(ただし丁寧にというのは,時間の長さとは比例しません。)
 とにかく,そのロルファーを少しでも知ることです。デモがあればそれで確かめるのもいい手ですし,サイトの文章から受ける感触,電話或いはメールでの応対も参考になるでしょう。ロルファーのワークに対するとらえ方や世界観が異なると,ロルフィングも全く違う体験となるでしょう。

これまで,評価の高い,或いは名の知れたさまざまなロルファーのワークを受けてきましたが,確かにそれに見合うと感じられるワークもありましたが,外れといわないまでもピンとこない経験もしました。そのワークが駄目だったわけではなく,出会うべきロルファーに出会い,受けるべきワークをその時受けることが大切なのだと思います。