インテリア関係の仕事をしていた父の蔵書から、
グラスリッツェンの参考になりそうな本を見つけて
時々拝借しています。
椛島勝一氏のペン画集。
大正末期から昭和前期にかけて、
新聞や少年雑誌などの挿絵で人気を博した画家。
重厚で細密なペン画は、今日もなお精彩を放っています。
船のカバシマという異名があるくらい、船の絵には定評が
あるようです。
このペン画集、いつか彫りたいなと思って
温めていたのですが、
生徒さんも長く通ってくださるようになり
見本がなくても彫れる方が増えましたので、
いいなと思うものは、見本が無しでも挑戦してみない?
と、おすすめしています。
Kさんはどちらかと言うと、細かい模様よりも
少々大胆な針使いで風景や建物を彫るのがお好きな生徒さん。
この合掌造りのペン画はどうかしら?と思って
画集をお見せしたところ、やはり思った通り
何枚か候補がある中からこちらを選ばれました。
家の傍に積んである薪、藁葺き屋根、農作業の道具など
決して細かく彫っているわけではないのですが
少ない線でも上手に雰囲気が伝わってきます。
よく見ると、肩に鋤を担いで家の前に立っている人もちゃんと。
実直そうな感じまで出ていませんか?
彫りながらすごく楽しんでいただいて、
出来上がりも満足いく作品になりました。
ペン1本で、白黒の濃淡を出すのは
グラスリッツェンに非常に近いですから
良いかと思います。
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