大変長くなってしまい、申し訳ありません。小説の続きです!><;
そろそろ話の展開が重要なものになってきます。更新がまばらのうえに、まだ中盤ですがこれからもよろしくお願いします!(お辞儀
10月12日
「よし、こんなもんか」
いつも通りの支度をする。相手が女の子達だからといって別段オシャレするわけではない。わざわざ帰宅して着替えた麗菜と玄関で合流し、待ち合わせ場所の駅に向かう。はたして麗菜の友達とはどんな人物なのか。なんとなく想像できるが実際会うとなると楽しみである。駅に到着。この駅には待ち合わせ場所に適したものがある。それは、いろんな方向に向いていてなんの形かさっぱりなオブジェだ。名は『人間』。『いろいろな形がある』という意味らしい。なるほど、と思う。
さて、到着したが…。麗菜はキョロキョロと辺りを見回すと、やや北東の位置を見て手を振り出した。見ると、二人の女の子が手を振っている。そして、小走りにこちらへ走ってきた。
「お待たせ~」
三人の声が重なる。
「いきなりだけど、この人が麗菜の兄貴?」
茶髪ショートカットの子が俺を指さして言う。…指を指すな、指を。
「はいっ」
嬉しそうに頷いた………ように見えたのは俺の気のせいだろうか。よし、ここはびしっと自己紹介でもするか!
「兄の塚本英志だ。妹が世話になってるようだな。ありがとう」
まぁ、こんなもんだよな。それに合わすかのように二人も自己紹介を始めた。
「神宮寺秋絵(じんぐうじ あきえ)。麗菜とは中学から一緒なんだ。よろしくくね」
神宮寺……聞いた事があるな。何だっけ?
「知らないって顔されてる。パパの会社って意外と知られてなかったり?」
神宮寺はジト目で見てくる。
「秋絵ちゃんのお父さんは、『神宮寺グループ』で大手の建築業なんです」
麗菜の言葉で思い出した。
…神宮寺グループ。日本でも有名な建築関係の会社だ。株式上場で、有名人の豪邸建築にも関わっている。
「ああ、思い出したよ。という事はお嬢様か」
俺の言葉にむすっとした態度。
「あたし、『お嬢様』って嫌いなんだ。パパは尊敬しているけど、金持ちっていう身分は好きじゃない」
…驚いた。こんな言葉が出てくると思わなかった。表情を見る限り嘘は言ってはいないようだ。その真意は分からないが。
「悪かった。もう言わない」
判れば良い、といった感じで頷く神宮寺。で、もう一人は……。
「…………っ!」
目があった途端、顔を赤くして神宮寺の後ろに隠れる。
…って、おいおいおい。ちょっと待て。俺何かしただろうか?会ってから今までの事を思い出してみるが、思い当たらない。やれやれという表情の神宮寺。
「気にしないで。この子、男性恐怖症なの」
ああ、そういう事か。…って、恐怖じゃ駄目じゃん。
「秋絵ちゃん、恐怖じゃないです。凄く苦手なんです」
「分かりやすく言うと恐怖症じゃない」
麗菜のフォローもなんのそので曲げない。まぁ、神宮寺のいう事は間違いではないが男性からしてみては捉え方は違う。しかし、こんな状態でよく俺に会いたいと思ったもんだ。
「ほら、優。大好きな麗菜のお兄様なんだから挨拶くらいしなさいよ」
神宮寺の説得は効果がなく、ふるふるふると後ろで首を横に振っているのが分かる。
「無理…やっぱり無理だよっ…!」
小さく、しかしはっきりと聞き取れた。仕方ないな…。
「麗菜、どういう子なんだ?」
「野口優(のぐち ゆう)ちゃんです。内気で男性がとっても苦手なんです」
そして、体育以外なら成績優秀。キツネが好きでぬいぐるみ等キツネファンシーグッズはよく集めているそうだ。しかし、この状態で学校の男子達や男性教師は大丈夫なんだろうか。それを聞いてみると、案の定最初は駄目だったらしい。男子は女子高だからいないが(初めて聞いたので驚いた)、男性教師はいる。親御さんが事情を説明して、教壇からできる限り離れた席になっていたそうだ。今はようやく平気なったようだが…。まぁ、接していくうちに打ち解けてくれるだろう。
喫茶店に入り、雑談を混ぜながらいろいろと聞こうと思ったが逆に聞かれてしまった。気がつくと、午後7時になろうとしていた。結構話し込んでしまったな。会計を割り勘にして店を出る。そのまま解散という形になった。野口は、初めて俺と向き合い『今度また…』とぎくしゃくしながらも一礼して去っていった。神宮寺には、別れ際に家に帰ったら読んでとこっそりと一枚の4つ折りされた紙切れを渡された。
麗菜と帰り、すぐさま部屋に戻り先ほどの紙切れをめくる。細い字で、『21時にさっきの駅の待ち合わせ場所に来て』と書いてあった。
晩飯を食べ、少しまったりした後に駅へ向かった。
到着すると、神宮寺はすでに待っていた。その顔は真剣そのものだった。
「どうしたんだ?」
「麗菜の事。話したい事あって」
重要な事だと思わずにはいられない雰囲気だった。適当のファーストフード店に入った。
そう、そこで聞いたのは思ってもいなかった話だった……。
そろそろ話の展開が重要なものになってきます。更新がまばらのうえに、まだ中盤ですがこれからもよろしくお願いします!(お辞儀
10月12日
「よし、こんなもんか」
いつも通りの支度をする。相手が女の子達だからといって別段オシャレするわけではない。わざわざ帰宅して着替えた麗菜と玄関で合流し、待ち合わせ場所の駅に向かう。はたして麗菜の友達とはどんな人物なのか。なんとなく想像できるが実際会うとなると楽しみである。駅に到着。この駅には待ち合わせ場所に適したものがある。それは、いろんな方向に向いていてなんの形かさっぱりなオブジェだ。名は『人間』。『いろいろな形がある』という意味らしい。なるほど、と思う。
さて、到着したが…。麗菜はキョロキョロと辺りを見回すと、やや北東の位置を見て手を振り出した。見ると、二人の女の子が手を振っている。そして、小走りにこちらへ走ってきた。
「お待たせ~」
三人の声が重なる。
「いきなりだけど、この人が麗菜の兄貴?」
茶髪ショートカットの子が俺を指さして言う。…指を指すな、指を。
「はいっ」
嬉しそうに頷いた………ように見えたのは俺の気のせいだろうか。よし、ここはびしっと自己紹介でもするか!
「兄の塚本英志だ。妹が世話になってるようだな。ありがとう」
まぁ、こんなもんだよな。それに合わすかのように二人も自己紹介を始めた。
「神宮寺秋絵(じんぐうじ あきえ)。麗菜とは中学から一緒なんだ。よろしくくね」
神宮寺……聞いた事があるな。何だっけ?
「知らないって顔されてる。パパの会社って意外と知られてなかったり?」
神宮寺はジト目で見てくる。
「秋絵ちゃんのお父さんは、『神宮寺グループ』で大手の建築業なんです」
麗菜の言葉で思い出した。
…神宮寺グループ。日本でも有名な建築関係の会社だ。株式上場で、有名人の豪邸建築にも関わっている。
「ああ、思い出したよ。という事はお嬢様か」
俺の言葉にむすっとした態度。
「あたし、『お嬢様』って嫌いなんだ。パパは尊敬しているけど、金持ちっていう身分は好きじゃない」
…驚いた。こんな言葉が出てくると思わなかった。表情を見る限り嘘は言ってはいないようだ。その真意は分からないが。
「悪かった。もう言わない」
判れば良い、といった感じで頷く神宮寺。で、もう一人は……。
「…………っ!」
目があった途端、顔を赤くして神宮寺の後ろに隠れる。
…って、おいおいおい。ちょっと待て。俺何かしただろうか?会ってから今までの事を思い出してみるが、思い当たらない。やれやれという表情の神宮寺。
「気にしないで。この子、男性恐怖症なの」
ああ、そういう事か。…って、恐怖じゃ駄目じゃん。
「秋絵ちゃん、恐怖じゃないです。凄く苦手なんです」
「分かりやすく言うと恐怖症じゃない」
麗菜のフォローもなんのそので曲げない。まぁ、神宮寺のいう事は間違いではないが男性からしてみては捉え方は違う。しかし、こんな状態でよく俺に会いたいと思ったもんだ。
「ほら、優。大好きな麗菜のお兄様なんだから挨拶くらいしなさいよ」
神宮寺の説得は効果がなく、ふるふるふると後ろで首を横に振っているのが分かる。
「無理…やっぱり無理だよっ…!」
小さく、しかしはっきりと聞き取れた。仕方ないな…。
「麗菜、どういう子なんだ?」
「野口優(のぐち ゆう)ちゃんです。内気で男性がとっても苦手なんです」
そして、体育以外なら成績優秀。キツネが好きでぬいぐるみ等キツネファンシーグッズはよく集めているそうだ。しかし、この状態で学校の男子達や男性教師は大丈夫なんだろうか。それを聞いてみると、案の定最初は駄目だったらしい。男子は女子高だからいないが(初めて聞いたので驚いた)、男性教師はいる。親御さんが事情を説明して、教壇からできる限り離れた席になっていたそうだ。今はようやく平気なったようだが…。まぁ、接していくうちに打ち解けてくれるだろう。
喫茶店に入り、雑談を混ぜながらいろいろと聞こうと思ったが逆に聞かれてしまった。気がつくと、午後7時になろうとしていた。結構話し込んでしまったな。会計を割り勘にして店を出る。そのまま解散という形になった。野口は、初めて俺と向き合い『今度また…』とぎくしゃくしながらも一礼して去っていった。神宮寺には、別れ際に家に帰ったら読んでとこっそりと一枚の4つ折りされた紙切れを渡された。
麗菜と帰り、すぐさま部屋に戻り先ほどの紙切れをめくる。細い字で、『21時にさっきの駅の待ち合わせ場所に来て』と書いてあった。
晩飯を食べ、少しまったりした後に駅へ向かった。
到着すると、神宮寺はすでに待っていた。その顔は真剣そのものだった。
「どうしたんだ?」
「麗菜の事。話したい事あって」
重要な事だと思わずにはいられない雰囲気だった。適当のファーストフード店に入った。
そう、そこで聞いたのは思ってもいなかった話だった……。