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環境用語集 ~環境について調べる~絶滅動物(Extinct Animal) 詳細解説

2010年06月06日 22時09分00秒 | 自然は神が創り破壊は人間なり

環境用語集 ~環境について調べる~

絶滅動物(Extinct Animal) 詳細解説

絶滅動物は、世界的にあるいは特定の地域において、何らかの理由で生存できなくなり、途絶えてしまった動物種のこと。生物の歴史は発生、分化、絶滅を繰り返していて、これまで数え切れないほどの種が絶滅してきた。その代表的な例が約6500万年前の大型爬虫類の大絶滅である。しかし、このような自然原因による動物種の絶滅ではなく、近・現代においては人類の行為による大量絶滅が問題になっている。

国際自然保護連合(IUCN:International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)と世界資源研究所(WRI:World Resources Institute)が、1600年以降絶滅した動物種の原因を分析したところ、人間の手による「移入生物」「乱獲」「生息域の破壊」を合わせて98%を占める結果になった。そして1600年以降の絶滅の特徴は、そのスピードが速いことで、確認されただけで約700種の動物種が絶滅している。このような状況に対して、IUCNはその原因を調査するとともに、絶滅の危機に瀕している生物種をリストアップした「レッドリスト」をまとめ、保護活動に乗り出している。日本の環境省もこのレッドリストの評価基準をもとにして独自のレッドリストを作成し、これ以上絶滅動物を増やさないような努力が続けられている。

1973年に採択されたワシントン条約は、野生生物の国際取引を規制して絶滅危惧種の保護を図っている。また、種の絶滅を防ぐことにつながる生物多様性の保全のために、1992年に生物多様性条約が採択された。日本では、鳥獣保護法による野生生物の保護のほかに、ワシントン条約の採択を受けて種の保存法が制定され、希少野生動植物種の指定と個体の捕獲などの規制が行われている。さらに、生物多様性を脅かす外来生物を飼うことや栽培、輸入することなどを規制する外来生物法も制定している。

絶滅には、野生では絶滅しているが、飼育されて生き残っている野生絶滅と、飼育下でも生存しなくなった絶滅とがある。最近の例では、日本原産のトキは、1981年に野生最後の5羽が捕獲され、この段階で野生のトキは絶滅して日本のレッドリストにおいて「野生絶滅種」になった。その後、数羽が佐渡のトキ保護センターで飼育されていたが、2003年10月に飼育していた最後のトキが死に、野生、飼育を含めて日本原種のトキはいなくなり「絶滅種」になった。2007年には、日中両国がトキの野生復帰に向けて協力することとなり、中国側がトキの個体を供与して繁殖協力と研究を行うこととなった。このほか、日本固有種のニホンオオカミや宮古島固有種のミヤコショウビンなどが絶滅・野生絶滅したとされている。

一方、遺伝子のクローン技術によって、絶滅種を復活させようとする研究が世界各国で進められている。2002年にはオーストラリア博物館の遺伝学者たちが、絶滅した有袋動物のタスマニアタイガーのDNAの断片を取り出し、DNAの複製に成功したと発表した。もちろん、DNAの複製だけで、絶滅動物を復元できるわけではないが、最先端技術を応用した絶滅動物復元の研究はこれからも続けられるだろう。こうした研究に対しては、複製による復活よりも、絶滅の危機に瀕している動物とその生息環境の保護により力を入れるべきであるという意見もある。