春の風に鳥は歌い 緑萌え出づる頃
君とつなぎあった指に そっと恋が芽生えた
灼けた陽射し浴びたふたり 揺れる揺れる向日葵
君の白い絹のシャツに 目を奪われた夏
醒めることを知らない
そんな夢を見てたの
君と生きて 君と死ねる
今は遠いロマンス
落ちる夕陽 伸びた影に 君はため息ひとつ
積もる枯葉 色を変えて 秋の気配深まる
白い季節 空を染める 雪の花がはらはら
すくい上げて とけて消える 恋は淡い幻
記憶の破片(かけら)集めて
夢の跡をなぞれば
切ないほど 君ひとりが
すべてだったロマンス
~そして誰もいない丘の上で 両手ひろげて
君と駈けた青春が 空に吸い込まれていく~
--------------------(~1999年)