月姫亭-第六章-

Risunyaのオリジナル詞華集と楽曲

【lyrics】アリスの記憶。

2021-09-18 | 詞華集2006

微風(そよかぜ)薫る 春の木陰 
揺れる木漏れ陽 あの日の空は 
高く青く どこまでも遠く 
おだやかな風景に溶けて 

穢れのない羽を拡げて 
遊んだ あたし 
影も棘もまだ知らない頃 

囁くように木々は歌う 
眠りの底へ誘うように 
深く白く どこまでも永く 
心地よく遠去かる意識 

お姉さまのひざの上で 
まどろむSiesta 
シャボン玉のよう淡い記憶 

ウサギが喋る可笑しさ 
ネコは笑うの 
あたしだけの不思議な世界 
迷い込んだあの頃… 



そして突然 夢は終わり 
気付けばひとり 
いつから大人になったの、ねぇ? 

もうすぐ忘れてしまう 
無垢な自分を 
胸の奥のアリスの記憶 
遠い日のあたしを 

失くした時の輝き 
羽根は舞い落ち 
微かに残るアリスの記憶 
呼ぶ声も途切れて 



夢を見てた少女もいつか 
大人になる残酷 



--------------------(2006年)



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【lyrics】ブリキの兵隊

2021-09-12 | 詞華集2010
オレはブリキの兵隊 手足の錆びた兵隊 
古いだけが取柄の 忘れ去られた存在 

時代を創ると銃を掲げて 
掴んだものはレプリカばかり 
罵声と嘲笑の渦を泳いで 
辿り着いたら孤独の未来 

やがて夢は醒めて 何もかも気付いたのさ 
切れた発条では もう今は動けもしない 



オレはブリキの兵隊 塗装の剥げた兵隊 
ガラクタ箱で毎日 吐き出す過去の残像 

大量生産された仲間と 
手にしたものは鍍金(メッキ)のカラダ 
金綺羅(きんきら)の勲章を胸に貼り付け 
辿り着いたら空虚な世界 

やがて夢は醒めて 流れ逝く時を知れば 
狭い殻の中で 色褪せた追憶に酔う 



やりたいことは何だったのだろう 
行きたい場所は何処だったのだろう 
老いぼれの戯言と笑うがいいさ 
埃まみれの昔話を 

やがて夢は醒めて 目を開けて確かめれば 
銃も剣も旗も 鼓動さえ亡くしたオレは 

やがて夢は醒めて 何もかも気付いたのさ 
遠い過去に抱かれ 息絶えるただのブリキと 

錆びついた ただのブリキさ 



--------------------(2010年)



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