月姫亭-第六章-

Risunyaのオリジナル詞華集と楽曲

【lyrics】サーカスの夢-The Old Night Circus Show-

2022-01-06 | 詞華集2017

真夜中の擦り硝子に映るのは誰?
小さな灯りを幾つも灯して

始まり 始まり 幻燈サーカス
始まり 始まり ピエロは踊る



影絵のブランコ乗り ブリキの猛獣
仮面の座長は 発条(ゼンマイ)仕掛けでささやく

眠れ 眠れ サーカスの夢に
眠れ 眠れ ピエロは笑う 

長い廊下の暗闇に
魔物の影が潜んでた頃



静寂にチクタク 振り子は揺れて
木枯らしのフルートで 少女は悲しく奏でる

まわれ まわれ 箱庭サーカス
まわれ まわれ ピエロは跳ねる

カーテンの隙間から
大きな月が覗いてた頃



眠れ 眠れ サーカスの夢に
眠れ 眠れ ピエロは消える

ともし灯と暗闇が
幼い夢を織りなした頃



もう遠い昔の夢
そっとよみがえる 眠れない夜



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(2017年)



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【lyrics】黒色のワルキューレ-Valkyrie in Black-

2021-01-11 | 詞華集2017

鉛色に錆びた月 影も凍る戦場で
崩れ落ちた僕の目に 映る少女は黒のワルキューレ



白い指を血に浸し 記す嘆きのレクイエム
闇の底に降り立った 少女の背中に黒い羽を見た

迫りくる終焉に 意識の向こうで見つめ返す

黒色のワルキューレ 慟哭を歌う
凛とした眼差しは 祈りにも似て
極光(オーロラ)が舞う空で 瞼を閉じて
約束の天国(ヴァルハラ)へ 君を待ち続けよう



滅びの大地を馬車はゆく 古いサーガに導かれ
さまよい続ける亡霊と 記憶が埋もれる遙かな天空へ

燃え尽きた太陽が 世界の終わりを告げるときに

黒色のワルキューレ 僕を抱いて
耳元の囁きは 音楽となる
墓碑銘もない丘で 裁かれるまま
美しき絶望と 君を待ち続けよう



神々の黄昏に 少女よ 気高く翼ひろげ

黒色のワルキューレ 夜を従え
悲しみを喰(は)むたびに 輝きを増す
黒薔薇の廃園で 茨に鎖され
甘美なる苦しみに 君を待ち続けよう

黒色のワルキューレ 漆黒の乙女
眼差しも その声も 清らな死の夢
黒色のワルキューレ もう一度会おう
永遠のくちづけを 君を待ち続けよう


--------------------(2017年)