月姫亭-第六章-

Risunyaのオリジナル詞華集と楽曲

【lyrics】喪失と永遠のアリス

2021-01-19 | 詞華集2019
夢から覚める悲しみ 誰もいない真夜中
深い夜の霧のような 君の歌が聞こえる

月闇にさまよう 遠い恋の幻
こめかみにくちづける 君の影を抱いた

逆回りの古時計
記憶の振り子に ぼくは囚われる

幼さは罪なのか あの日の少年は問う
失うと知っていたら 奪えたのか?…と



青白い月影 落ちる螺旋の底で
見上げた薔薇窓 祈りは甘美な痛み

憂いのまなざしと
薄絹の声が ぼくを惑わせる

穢れなき春の夢 一途な恋は木漏れ日
指先で触れただけの 淡いくちびる
その優しさは残酷と あのとき少女(アリス)は泣いた
終わりを告げる無垢なる季節 惜しむかのように



置き去りの僕を見て
少女(アリス)は 静かに微笑み背を向けた

運命のはかなさに やがて気づいたぼくは
孤独な記憶の檻に 囚われたまま
醒めかけた夢の中 あの日の少女(アリス)は囁く
散りゆく春を知っていたら 結ばれたの?…と



喪失と永遠を 知っていたなら-



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(2019)



【ボカロ】黒色のワルキューレ(令和弐年式)-Valkyrie in Black2020-【MEIKO】

2021-01-12 | original music


2017年にオリジナルを作ってから3度目のリメイク。これで最後にしたい。
アニソン風。曲の展開としては、自分の作品の中でも、とてもスムーズだと思う。聴きやすいというか…。反省点は、まぁ、いろいろ。でもオリジナルよりは進歩したかな?
詞と曲と同時並行で作ったが、「清らな死の夢」というフレーズに思い入れがある。60年近く前の、ある曲に出てくるフレーズをリスペクト。自分の作品の中でも気に入っている。

低音の響かせ方に苦労した。自分の聴ける環境は、PC外付けスピーカー、ミニコンポ、ウォークマン、スマホ。ヘッドホンをつけてPCで聴くと、低音がすごくこもった感じになり、そこを削ると、ウォークマンでは弱弱しい音になる。いろんな環境での落としどころを見つけるのに苦労したが、きっと他の人が別の環境で聴くと、自分が意図した感じとまた違った聴こえ方がするのだろうと思う。ヘッドホンひとつをとっても千差万別なのだから、仕方ないのだろうか?



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【lyrics】黒色のワルキューレ-Valkyrie in Black-

2021-01-11 | 詞華集2017

鉛色に錆びた月 影も凍る戦場で
崩れ落ちた僕の目に 映る少女は黒のワルキューレ



白い指を血に浸し 記す嘆きのレクイエム
闇の底に降り立った 少女の背中に黒い羽を見た

迫りくる終焉に 意識の向こうで見つめ返す

黒色のワルキューレ 慟哭を歌う
凛とした眼差しは 祈りにも似て
極光(オーロラ)が舞う空で 瞼を閉じて
約束の天国(ヴァルハラ)へ 君を待ち続けよう



滅びの大地を馬車はゆく 古いサーガに導かれ
さまよい続ける亡霊と 記憶が埋もれる遙かな天空へ

燃え尽きた太陽が 世界の終わりを告げるときに

黒色のワルキューレ 僕を抱いて
耳元の囁きは 音楽となる
墓碑銘もない丘で 裁かれるまま
美しき絶望と 君を待ち続けよう



神々の黄昏に 少女よ 気高く翼ひろげ

黒色のワルキューレ 夜を従え
悲しみを喰(は)むたびに 輝きを増す
黒薔薇の廃園で 茨に鎖され
甘美なる苦しみに 君を待ち続けよう

黒色のワルキューレ 漆黒の乙女
眼差しも その声も 清らな死の夢
黒色のワルキューレ もう一度会おう
永遠のくちづけを 君を待ち続けよう


--------------------(2017年)



【note】第六章突入にあたり

2021-01-09 | note

しばらくブログから離れていたが、2021年、何度目かの再始動。自作の詞をUPするために、ホームページ月姫亭を立ち上げたのが2002年。中断、再開を繰り返し、そのたびに章を重ねて、今回は第六章。

今回の再開の理由は、来年の月姫亭開設20年という区切りの年を控え、この辺でもう一度自分の作品を振り返り、整理してみたいというのがひとつ。
もうひとつは、昨年、かつてネットでコラボさせていただいた方が、今も素敵に音楽を続けているのを見て、また創作意欲が沸いてきたこと。

実は、今までの作品がいくつあるのか正確にはわからない(とても情けなく、悲しいことだ)。かつてはPCにデータとしてまとめていたが、クラッシュ、買い替えを重ねているうちに、データも断片的に失われてしまった。失われたデータは元に戻らないかもしれないが、それでもひとつでも多くの作品をあらためて確認してみたい、そんな思いもある。
だから、どちらかというと過去の作品をUPしていくことになる。

更新ペースは非常にゆっくりになるだろう。でも急ぐ必要もないので、その分、過去の作品はしっかりと振り返り、そして新しい作品にも挑戦していこう。
今までの経験から、個人の作詞ブログなんて、どれだけ人の目に留まるかわからないが(皆無に等しいと思われる)、たまには立ち止まってくれる人がいるとするなら、それはとても嬉しいことだ。

そんなわけで、始まり始まり、第六章-。