さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

悼むべし、悲しむべし 秋葉事件におもう

2008-06-11 14:02:48 | Weblog

今回の事件で亡くなられた方々とそのご遺族の皆さまに対し、心からお悔やみ申しあげます。

これから出来たこと、やらなければならなかったこと、伝えたかったこと、様々な事柄がすべて無に帰してしまいました。

子を持つ親として、敬愛する家族を持つものとして、言葉に出来ない深い悲しみを感じます。

今はそっとしておいて欲しいことと存じます。どうか、様々な事柄に振り回されて、ご無理なさいませんよう。

今回の事件は、以前から思っていたことを再度考えさせられました。

托鉢で歩いていると「ちょっと話していいですか」と声をかけられることがたまにあります。

年代性別を問わず、思いつめた表情で話しかけてくるので、こちらも緊張します。

ひとしきり話を聞き、必要であれば、寺の住所を教えることもあります(もちろん安全を確認してからですが)。

その場で答えられることもあり、ただ話を聞くだけでなんともすることが出来ないこともあり・・・。

そして、分かれた後、いつも自分の力量不足、器の小ささ、世間知らずを思い知らされるのです。

それでも、話しかけてくる人があれば鞋を止めて話を聞く。気の利いた返事が出来なくても話を聞く。器の小ささを思い知らされても、話を聞く。

「護美箱になることも大事だよ」と誰かに教えられたことがあったような気がします。

鬱屈した、人に言えない不満や愚痴。都会であれば、一人暮らしであればなおさらいろんなものが溜まるでしょう。
そんなやり場のない怒りを、ガス抜きさせてあげるのも僧侶の役目のひとつ、と住職は思います。

寺に居ても、歩いていても、僧侶としてできるだけ人の話を聞くよう心がけることを、改めて誓うものです。

今日はここまで。合掌。

 


 


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