さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

秋田倫勝寺

2008-06-08 18:49:03 | Weblog

倫勝寺には、秋田県能代市に白鶴山倫勝寺という本寺があります。
本寺というのは「お寺の本家」ということで、以前の「子育て地蔵さま」の記事でも書いたように、横浜の倫勝寺はもともと、秋田倫勝寺の東京布教所という形から始まっています。
横浜倫勝寺は秋田倫勝寺の末寺(まつじ、分家の意味)というわけです。

能代の倫勝寺様本堂。ケヤキやイチョウの木に囲まれた素晴らしい場所にあります。

秋田倫勝寺様のホームページはこちらから。

先週末、本寺の倫勝寺さまで先住さまの3回忌、先々住さまの33回忌が併せて行われ、住職も出席、焼香してまいりました。
羽田空港で稲庭うどんを食べて気合をいれ、能代へと向いました。(大盛を頼んだのに量が少なかったので、ちょっと残念でしたが・・)

さすが道心堅固、信仰心の篤い秋田県北部だけあって、法要に手抜かりはありません。
前晩の逮夜諷経(たいやふぎん、とよみます)では、特為献湯(どくいけんとう)、続いて佛祖禮(ぶっそらい)が行われました。

写真がないのでわかりづらいと思いますが、特為献湯とは、特に大事なお方に対するお茶をさしあげる儀式のことです。

先々住様が本堂、庫裡、位牌堂の復興を行ったことから「中興」の尊称を頂いており、また、先住様もその弟子として復興や教化に縦横に腕を振るわれました。そのような寺門に対する貢献の高さから、特為献湯の法要が特に行われるわけです。

墓地入り口のケヤキの巨木と、雷が落ちて半分になってしまった船つなぎのケヤキ。

また、佛祖禮とは、お釈迦様以下、沢山のお祖師様方のお名前を唱え、さらにその一人ひとりに対して五体投地の礼拝をし、報恩の誠を捧げる法要です。
沢山の僧侶がお二人の写真が掲げられた須弥壇に向って礼拝をされる姿は、非常に尊いものでした。

翌日の正当法要では本寺さまの本寺、秋田市補陀寺(ほだじ)大方丈、大山陽堂老師の御導師のもと、本出班(ほんしゅつばん)の大法要が行われました。横浜ではほとんど見られない法要で、住職も参加するのは久しぶりです。

御導師様が、焼香したり、御茶やお菓子、献香料、ご飯をお供えするたびに恭しく三拝なされる姿には、先人、祖師方に対する敬慕の念があふれておりました。

さらに、12人の法要参加僧が1人ずつ進前して焼香したり、先代、先々代の徳を偲んで疏(漢詩)を差し上げたりと、通りいっぺんではない真心のこもった法要がおこなわれ、参加させて頂いた住職もしみじみ有り難く思った次第です。

本堂裏に流れる川。アカシヤの花がたくさん浮いていました。

ホームページでもご覧いただけると思いますが、秋田倫勝寺の住職は代々能書家の方が多く、現方丈様もそうですが、とくに先代様は書の達人で様々な書を遺しておられます。
横浜倫勝寺にも何幅かいただいておりますが、流麗にして重厚、闊達な感じがして住職も大好きです。

能代に行くたびになぜか背筋がのびる感じになるのは、そんな先代さまの書のような、凛とした雰囲気の中で現住職さま、ご家族の方々が暮らして居られるからなのではないかと思います。
決して張り詰めた雰囲気ではない、ゆるやかな、それでいて進む方向ははっきりと決まっていて、その意志は崩さない。
法要がきちんと行われるのも、毎日の積み重ねがあるからなのだと思います。
お寺のあるべき姿のひとつとして、住職も心がけたいと思います。

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さて、前晩は特為献湯などの法要の後、お寺様方に地元の料理が振舞われました。

 根曲竹の味噌汁。若布と筍だけ。シンプルが一番美味しい。


蕗の煮物、根まがり竹の味噌汁、ジュンサイの酢の物(実に旨い、4杯も食べてしまいました)、ニシンの煮物、笹巻やその他多くの料理が並べられ、地元の銘酒(喜久水)とともにご供養頂きました。

 うまい、本当にうまいお酒でした。

翌日も片付けの後、なんと奥様特製のきりたんぽ鍋まで頂き、こころから口福になりました。
本当に美味しくいただきました。あまり美味しかったので食べることに夢中になってしまい、写真を撮るのを忘れてしまったほどです。
これではブログになりませんね。
もしかしたら秋田が好きな本当の理由は、食べ物が好きなのかもしれない、とまでおもってしまった住職でありました。いかんいかん・・

今日はここまで。



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2 コメント

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こちらこそ (shunsai)
2008-06-11 13:28:38
大変お世話になりました。有り難う御座いました。御本寺様の侍者さんも倫勝寺さんの動き方を見て凄い人だとビックリされてました。いたらない点多々有りましたことをお詫び申し上げます。
 田舎料理でしたが満足いただけたようで、安心しました。倫勝寺さんが本当においしそうに食べられる姿に、さすが!と感動しました。おいしい料理を作れる人は、おいしい食べ方ができるのですね。見ているだけで嬉しくなりました。
 これからもご迷惑おかけしますが何卒、宜しくお願いいたします。
俊哉 九拝
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どういたしまして (りんしょう)
2008-06-12 08:05:34
本当に美味しいきりたんぽ、ご馳走様でした。催促したみたいで、すみませんでした。
拙僧、出来ることしかできないので、邪魔になっていないかいつも心配しております。また、飾りようもないので、いつも素のままでおります。どうかこんな末寺の住職ですが、よろしくご教導の程お願い申しあげます。
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