琳派墨絵保存倶楽部・部誌 「なてし子」

江戸琳派の祖、酒井抱一家に伝来する本格的な琳派の画法を継承している「琳派墨絵保存倶楽部」の活動日誌ブログです。

①屏風絵のたのしみ「夏秋渓流図屏風」その1

2021年12月08日 | 琳派、日本画、酒井抱一

最近、美術館で琳派の作品が展示されました。

改めて、酒井抱一もすごいなー、琳派って面白いなぁ。

と感動しました。

 

展覧会は屏風絵が多く、

「いつか私もこういう屏風を描きたい。」と、強く思いました。

 

お教室の生徒さんも何人かお連れして、一緒に観に行きました。

そこで、私の屏風愛、屏風熱(笑)の溢れるままに

屏風について語ったところ、おもしろいからそれをブログに書け、と

言われましたので、真に受けて、今日は

 

「夏秋渓流図屏風」から、おもしろい見方などをご紹介したいと思います。

 

 

~*~*~

こちら、売店で購入した図録から

自分のスマホのカメラで撮影しました。

ページの撮影なので、あまり鮮明ではなくてすみません。

ご紹介したいと思う、こちらの「夏秋渓流図屏風」は、

鈴木其一(すずき きいつ)という方が描いたものです。

右と左に1枚づつ分かれますので、見ていきましょう。

 

こちらが右側です。

ヒノキの木立の間を、青い水色の川が とうとうと流れています。

渓流の向こう側、木陰と熊笹の陰に、白い百合の花が咲いています。

「夏」の情景を描いたもので、

画面の中央に描かれた山腹も、濃く瑞々しい緑色で塗られています。

なんとなく、現代のグラフィック・アートみたいですね!

こちらの写真で黄色に見える背景は、

実際の屏風では

金泊を貼った金色です。

実物は、まぶしい感じがしますよ。

 

 

こちらは屏風の左側です。

「秋」を描いています。

川は、今度は左から中央にむかって流れていて、

2枚の屏風を並べると

真ん中にむかって水が注ぎこまれているように見えます。

 

屏風の前にいると、

自分もこの川の汀にいるような、臨場感が漂ってきます。

 

画面の中央、渓流とヒノキの木立の前に生えているのが、

桜です。

 

 


では、次のブログに続きます。



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