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せんべえ空間

淋しがりやの一人好き。
あまのじゃくなせんべえの矛盾に満ち溢れた日々。

心に風を。

『都市伝説セピア』

2006-12-08 01:58:23 | 
朱川湊人『都市伝説セピア』
人間界に紛れ込んだフクロウの化身“フクロウ男”に出会ったら、
ほーうほーうほーうと同じ鳴き真似を返さないといけない。
“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いた「フクロウ男」、
親友を事故で亡くした少年が親友を救おうとする「昨日公園」など
人間の心の怖さ、哀しさを描いた5つの物語。
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やさしいホラー。
「アイスマン」と「死者恋」、
「昨日公園」と「月の石」
が同じ系統の話かな。
「フクロウ男」は全く別の話という感じ。
前に「花まんま」を読んだときも思ったけど、
30代ぐらいの人が読むと、
私にはわからないような懐かしさとか
心をくすぐる小ネタとかがいっぱいなんだろうな。

「アイスマン」
ありありと絵が浮かんですごく気持ち悪かった。
特に“お父ちゃん”をすごく具体的に想像してしまった。
すごく気持ち悪かったし、ぞっとしなのになんだろうね、
この、ハッピーエンドを読んだ後のような気持ちは。
ところどころ、説明しすぎというか、
それさっきも聞いたんだけど…って思うとこが何度かあって
その煩わしさがちょっと残念。
話としては嫌いじゃない。
「昨日公園」
温かくて哀しいお話。
ちょいうるっ。
“世にも不思議な(奇妙な)物語”の題材になりそうなお話。
「フクロウ男」
最初はそわそわしながら恐々と読んでいたんだけど、
殺し方がエグくなくてほっとした。
有り得ない話ではないような気がしてしまったのが怖いなぁ。
デビュー作がこれって、すごい力量だなー。
あたしは怖いの苦手だからいっぱい読みたいとは思わないけど。
「死者恋」
まさしく狂気の沙汰。
しのぶと凛子、
どっちがより狂ってるんだろう。
どっちがより恐ろしいだろう。
「月の石」
これも“世にも不思議な…”になりそうな話。
温かくて、でもちょっとほろりと哀しくて。
これが一番好きでした。

追記
“昨日公園”のとこに、“世にも不思議な…”とかのシナリオになりそうな話と書いたけど、実際、2006年10月に放送された“世にも奇妙な物語”の中で堂本光一主演でドラマ化されたそうですー。びっくりだー。見ればよかった。。。

『螺旋階段のアリス』

2006-12-05 01:16:05 | 
加納朋子『螺旋階段のアリス』
仁木順平は大企業を辞め(実際には休職扱い)、
憧れの私立探偵へ転身を果たす。
チラシを配って3日、
事務所で暇を持て余していた順平の前に現れたのは美少女・安梨沙。
依頼人は亡夫が自宅に隠した貸金庫の鍵を捜す主婦や
自分が浮気をしていないという調査を頼む妻など。
順平が思い描いてたハードボイルドな世界とは程遠い日々。
それらの事件を解決していく様子を、
「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」のキャラクターに託して描く
七つの連作短編。
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すごく楽しんで読みました。
安梨沙のキャラがどこか浮世離れしてるので
ファンタジー感覚で読める本でした。
順平がどうしても50才過ぎたおじさんには思えなかったけどね。
“不思議の国のアリス”でアリスが
夢の中で不思議な出来事に遭遇したように
順平と安梨沙の出来事も
もしかして夢だったんじゃないかって思うような物語。
特に、ベビーシッターをやる話が好きだったな。

これを読んで、以前買ったのに置きっぱなしだった
“不思議の国のアリス”をちゃんと読んでみました。
もちろん大まかなストーリーは知ってたけど。
こんなにはちゃめちゃな展開だったんですね
でも楽しかったんで“鏡の国のアリス”も買っちゃいました。

『ここに地終わり海始まる』<上><下>

2006-12-04 00:16:02 | 
宮本輝『ここに地終わり海始まる』<上><下>
18年間の入院生活を終えた志穂子は24歳を迎える前日に
生まれて初めて電車に乗った。
それは、ある絵葉書の差出人に会うためだった。
その絵葉書は志穂子の病状に奇跡をもたらすきっかけとなったもので、
差出人は梶井克哉となっていた。
しかし志穂子にはその梶井なる人物に心当たりがない。
なぜこの人は志穂子に手紙をくれたのだろうか?
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長野県のあちこちが出てきたり、
金沢も出てきたり、
どちらも馴染みのある場所ということもあってか
かなり夢中で読みました。
最近見た“7月24日通りのクリスマス”の影響で
リスボンにも興味が湧いてたしね。
下巻に関しては、授業2コマの間に
先生の目を盗みながら(いつもかなり後ろに座るのでどうせバレないが)
一気に読み終えてしまった。
結果、授業中にうるうるしてしまった
<ここに地終わり海始まる>
いい言葉ですね。
人生はいつでも始まりに満ちている。
最近よくあるような、自己啓発系の本よりもずっとずっと
前向きな気持ちになれるような物語でした。
ラストの方も、志穂子の人生がこれから始まるんだな、
って思わせるものだったし。

特に志穂子の父親がすごくステキな人でした。
とても温かくて、愛に満ち溢れていて。
下巻に入ると、パパさんがあまり出てこなくてちょっと淋しかったけど
やっぱりパパさんが志穂子のことをいっぱい考えているのが表れていて、
すごく愛していて、
パパさんが出てくるだけで
胸がいっぱいになりそうでした。
ママさんも妹ちゃんもステキなんだけどね。

梶井克哉はとんでもなくダメなやつでインチキ野郎だけども、
それをわかった上で梶井に惹かれる志穂子の気持ちもわからなくもない。
尾辻はものすごくイイ人だけど
梶井には女を惹き付ける何かがあるんだろなぁ。
尾辻についてったら幸せに暮らせるんだろうけど、
どこか満たされないような気持ちのまま暮らすことになりそう。
そういうのを志穂子は直感的に?感じてたのかな。


しかし、志穂子は絶対、恋愛においてライバルになりたくない女だなぁ。
実はすごく芯がしっかりしてて強くて、頑固なとこがあるのに、
なんか、男に、守ってやらなきゃって思わせるタイプで、
結局男の人はそういう女性を選ぶのよねぇ
んで、その陰で、普段は明るくてへこたれないような、
でも実は打たれ弱くて、だけど強がるタイプの女が
こっそり枕を濡らすんですよ(笑)
今回はダテコが泣くようなことにならなくてよかったです

『パン屋再襲撃』

2006-11-29 23:07:23 | 
村上春樹『パン屋再襲撃』
「もう一度パン屋を襲うのよ」
学生時代にパン屋を襲撃したあの日以来、
“僕”にかけられた虫歯みたいな呪い。
それをとく為にもう一度パン屋を襲うことにした(「パン屋再襲撃」)。
その他六作品。
そして、いろんな所に出てくる“ワタナベ・ノボル”とは?
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「パン屋再襲撃」
文章が、なんとなくクドいなぁなんて思ったけど、
マクドナルドが出てきちゃうところがバランス的におもしろかった。
「象の消滅」
これが一番好きだったな。
象の消滅ほど不思議な体験ではなくても何かをきっかけに
“僕”が象の消滅以来感じてる感覚を得てる人は意外と多いと思う。
「ファミリー・アフェア」
村上春樹って家族モノみたいの書くんだー
なんとなく、らしくないなー
とか思いながら読み始めました。
でも、お兄さんセリフ、というか彼なりのジョークが
村上春樹らしいジョークという印象でした。
「双子と沈んだ太陽」
主人公が雑誌で見つけた双子というのは
“1973年のピンボール”に登場した双子らしい。
私はそれ読んでないんで、なんかもったいないというか損したような気分。
「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」
なんだろうね、これは。
すっごく不思議な感じ。
結局最後まで入り込めなかった。
「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
“ねじまき鳥クロニクル”の一部分とこれって全く一緒かなぁ?
それは読んだんだけど、手元に本が無いので確かめようがない。。。

『まどろみ消去』

2006-11-28 17:23:51 | 
森博嗣『まどろみ消去』
大学のミステリィ研究会企画のミステリィツアー。
参加者達はビルの屋上から、
別の屋上で踊る30人のインディアンを目撃する。
しかし現場に行くとそこには誰もいなかった。(「誰もいなくなった」)
11の短編集。
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以前読んだ「どきどきフェノメノン」よりもこっちのが好きでした。
ミステリーとしてのオチはかなり微妙なレベルだけど
文体がキレイで。
ちょっと詩的だったりするし。
最初のお話の一番最後の文とか特に
謎解きの部分に重きを置いてはいないんだろうなぁ。
ミステリーとして謎解きを楽しもうと思って読むと失敗しそう。
日常的なお話として読んでいたら、
最後に、あららら…そうだったの、って思うような、
それぐらいの感じで読むのがちょうどいいのかな。

なんとなく抱いていた森博嗣のイメージとは違って
結構浮き足立った(悪い意味ではなくて)作品だなぁと思った。
もっと、人間クサさが薄いものを書く人だと勝手に想像してた。
自分自身の感情とか生活から切り離したような、ね。
割り切ったようなもんを書いてるのかな~って。
でもそういうんじゃなかったな。
どんなだったとは上手く言えないんだけど。

『いちばん初めにあった海』

2006-11-28 16:58:00 | 
加納朋子『いちばん初めにあった海』
堀井千波は周囲の騒音に嫌気がさし、引っ越しの準備を始めた。
その最中、千波は一冊の読んだ覚えのない本を見つける。
タイトルは「いちばん初めにあった海」。
ページをめくると、その間から未開封の手紙が。
差出人は“YUKI”。
だが、千波にはこの人物にも手紙にも全く心当たりがなかった。
そして手紙には「私も人を殺したことがあるから」という謎めいた内容が。
“YUKI”とは誰なのか?
なぜ、ふと目を惹いたこの本に手紙がはさまれていたのか?
千波の過去の記憶を辿る旅が始まる。
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温かなミステリーという感じ。
最初の方はなかなか入り込めずにいたんだけど、
最終的には心が暖かくなるようなお話だったなぁ。
文章が丁寧で、キレイな情景が浮かぶようでした。
表題作の他に「化石の樹」という短編が収録されているのですが、
もしかして、って思いながら読み勧めていくと、
やっぱり表題作とほんのりリンクしてました。
こっちのほうは、話は割と好きなんだけど、
語り手となってる男性の話し方というか思考というか
そういうのがすごくうっとおしくて
いまいち好きになれませんでした。

どちらも、許すことや認めることの
むずかしさとか苦しさとか大切さとかが表れてるなぁ~という印象。

『男どき女どき』

2006-10-26 22:57:02 | 
向田邦子『男どき女どき』
何事も成功する時を男時(おどき)、
めぐり合わせの悪い時を女時(めどき)という。
何者かによって置かれた一匹の鮒が浮かび上がらせる
ある男と女の過去―――「鮒」。
毎日の通勤のときにチラっと目が合う、
果物屋の陰気な主人との奇妙な交流―――「ビリケン」。
その他「三角波」「嘘つき卵」と、著者最後の小説4篇と
21のエッセイを加えた一冊。
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ぞくっとするような小説と、
どこか心地良いエッセイたち。
ぞくぞくしながらも読んでる間ずっと気持ちよかった。
「鮒」
恐っ。
中島みゆきの曲とか似合いそうな感じ。
元気ですか、とか。
最後の子供のセリフでひやっとした。ぞわっとした。
「ビリケン」
ふふふ。と思わず声を漏らしてしまった。
「三角波」
巻子うぜー(笑)
「嘘つき卵」
うーん。どう思ったらいいんだろ。
鬱な話だなぁ。
何か、三角波にしろ、嘘つき卵にしろ、
主人公の女に対して嫌悪感を抱いてしまう。反吐が出るといった感じ。
「再会」
これも最後の娘のセリフにひやっ。
「鉛筆」
この話だけ、雰囲気が全然違うなーという感じがした。
「若々しい女について」
そうそう、気をつけなきゃ
「独りを慎しむ」
すごいキレイな言葉。
大切な言葉。
うんうん、自由と自堕落は違う。
これ単純だけど大事。
「ゆでたまご」
愛はぬくもり。小さな勇気であり、やむにやまれぬ自然の衝動。
ああ、そうか。そうかもしれない。
「草津の犬」
そんな風に反省できるなんて
向田さんはなんて素直でかわいらしい人なんだ。
「花束」
つい最近亡くなった藤岡琢也さんの話が出てきてびっくり。
「わたしと職業」
顔つきや目つきがキツクなったら正直に言ってね。
これ、私も仕事始めたら周りに言っておこうかな。
「反芻旅行」
旅も恋も、そのときがたのしいが、反芻はもっとたのしい。
そういえばそうなんだよね。
だから私はこうやって、
本や映画の感想を書くんだろうな。
そこから牛の話を持ち出すところがかわいらしい。
「故郷もどき」
民謡が好きなわけではないが、
モーツァルトやブラッサンスが好きなわけでもない。
そういったものを好きになろうとしたり
嫌いになろうとしたりしたことはないのだが、
わからんでもないなぁ。
「日本の女」
そういう中で育ってるから
向田さんはすごく古風な感じがするのかなぁ。
とても日本的な美しさを持った人だと思うのだ。
「アンデルセン」
ふふふ。これも思わず笑ってしまった。
「サーカス」
ごくごく普通のエッセイなんだけど、
なんだろう、心がすーんとして、
電車の中で何となく空を見上げた。
「笑いと嗤い」
山藤さん、誰だか知らないのだけど、
きっと、あー、たぶんそういうことかしら、みたいな感覚で読んだ。
「伯爵のお気に入り」
その風景を思い浮かべてちょっとうれしい気持ちになった。
やっぱり向田さんはかわいい。
「花底蛇」
花器は、花たちの美しいお棺。
花をいけることは、花たちの美しい葬式。
うんうん。きれいだ。
でも花底蛇って言葉にはぞくっとするものがある。
「壊れたと壊したは違う」
そうだよな、そうだよね。
ごめんなさい。と反省。
「無口な手紙」
これすごく好きでした。
いしぶみ、いいね。ロマンチックだ。
「甘くない友情・愛情」
なんだろうね、男の友情と女の友情のあの違いは。
関係のない話だけど、
男女の友情は成立するかみたいなことを聞かれたとき、
女同士の方がよっぽどむずかしいっつーの、って思うんだよね。
「黄色い服」
責任をもって、ひとつを選ぶ。
そんなこと、したことあっただろうか。
しなきゃいけないんだよなぁ。
「美醜」
向田さんって結構面食いだったのかしら、なんて思った。

『飛ぶ教室』

2006-10-26 21:52:52 | 
ケストナー『飛ぶ教室』 訳・丘沢静也
孤独なジョニー、
弱虫のウーリ、
読書家のゼバスティアン、
正義感の強いマルティン、
いつも腹をすかせている腕っぷしの強いマティアス。
同じ寄宿舎で生活する5人の少年が友情を育み、
信頼を学び、大人たちに見守られながら成長していく物語。
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結構読みやすくて楽しめました。
12章だったかな、ウルウルしてしまったし。
すごく魅力的な大人たちと勇敢で健康的な少年たち。
心躍るストーリーでした。

ナチが政権を取った年に出版された作品。
ケストナーはドイツでの出版を禁止されて焚書の対象になり、
その後の出版はチューリヒで。
2回逮捕され、執筆を禁止されて偽名で映画の脚本を書いたり、
その映画に関わってたことを知ったヒトラーが激怒したり、、、。
なんだかすごい人生を送ってた人なんですね。
風刺っぽい作品を書いたり、
児童向けのものを書いたり、
妙に興味が湧く人だなぁ。

これは児童文学という感じだけど、大人もぜひ読むべきものだと思う。
大人になるにつれて忘れてしまいそうな、
忘れちゃいけないようなことが出てきてはっとする。
そして、自分が小さいころにどんなことで悩み、
どんなことに本気になり、大人をどんな風に見てたか、
そんなことも思い出す。

かなり最初の方に書かれてたこの部分が好きです。
『災難にあっても目をそらさないで。うまくいかないことがあっても、驚かないで。運が悪くても、しょんぼりしないで。元気を出して。打たれ強くならなくちゃ。
ボクシングで言うように、ガードを固めることだ。パンチを食らっても、耐えられるようになっておこう。でないと、人生最初の一発でふらふらになる。』
(P.22より引用)
『賢さのない勇気は、乱暴にすぎない。勇気のない賢さは冗談にすぎない。』
(P.23より引用)
特に前のは単純に簡単な言葉で書かれてるけど、
すごく大切だと思う。
こういうの、子供だけじゃなく、
親もしっかりわかってなきゃいけないんじゃないかなぁ。
我が子を愛するふりをしてただ甘やかしてるだけの親が特に。
親が子供に教えなきゃいけないのは、
傷を受けない方法じゃなくて、
傷を受けてももう一度立ち上がることの大切さや、
もっと強くなれるってことだと思うから。

『リア王』

2006-10-12 17:17:27 | 
シェイクスピア『リア王』 安西徹雄・訳
リア王はある日突然引退を宣言する。
誰が王国継承にふさわしいかを調べるため、3人の娘達に愛情テストをする。
最愛の三女コーディリアに裏切られたと思い込んだリア王は
長女と次女の言葉を信じ、そして裏切られることとなる。
疑心暗鬼になり、悲しみで心を病んだリア王は荒野をさまよっていく。
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光文社が海外の名作文学をわかりやすい言葉で訳したものを
最近続々と出版している。
9月に6冊、10月と11月に4冊、その後は2冊ずつ、だったと思う。
んで、翻訳モノが苦手なあたしでも読めるだろうか、と
ちょっと挑戦してみたら意外と読めました。
おもしろかったし。
どうしてもカタカナの名前は覚えづらくて
男女の区別すらつかなくなってきて
何度も登場人物の名前を最初に戻って確認したけれど。

リア王はシェイクスピアの4大悲劇の一つだけれども、
何かもう、コントみたいに思えちゃう。
コントやってたら最後は悲しい結末に終わってしまった、みたいな。
エドガーやケントが変装していることに
誰も全く気付かないというのがすでにコントみたい。
よくアンパンマンで、
バイキンマンがちゃっちい変装して悪いことしてるけど、
何かそれを思い出してしまった。
怒り狂ってすぐに呪いをかけてみたり、
ジュピターに誓ってみたり、
すぐに誰かを信用しすぎたり恨みまくったり、
みんな何やってんのよ~とちょっと引き気味で読んじゃった。
醜いなぁ。
愚か過ぎる。
その醜さや愚かさがとてもおもしろかった。
馴染みのある言葉とは遥かに遠いけれど、
言葉に躍動感があって場面が頭の中にすぐ描かれていくようだった。
他の人の訳したものだと
安西徹雄版には無い場面や、その逆もあるのだろうか。
時々、展開が唐突なように思うところがあったので、
色んな人の訳したものを読んでみたい。
これを元に作られた黒沢明の「乱」を見たいと思って
今日はツタヤに行ってきたんだけどビデオもDVDも見つけられなかった。
悔しいなぁ。見たいなぁ。

『北欧のカップ&ソーサーとなかまたち』

2006-10-11 23:54:41 | 


ヒマさえあればこれを眺めてます。
題名のとおり、北欧のカップなど食器類が出てるもの。
食器に詳しくなどないんだけど見ててすごく楽しい。
通販雑誌ではないので注文できない。
それどころか、今はもうどこにも売ってない食器だったりする。
だからちょっと悔しいというか歯がゆい気持ちにもなる。
だけどだけど、見てるとなんだかうれしくなっちゃうんです。
心がどんどん膨らんでく。
寝転がってこの本眺めてると、
そのまま浮き上がって飛んでいきそうな気さえする。
いいなぁ。
北欧行きたいなぁ。フィンランドとかスウェーデンとか。
すごい憧れる。
北欧風じゃなくてもいいから食器を買いあさりたいなぁ。
色んなテイストの食器を集めたい。
お気に入り食器に合う料理なら、
多少手の込んだ料理も全然苦じゃないんだよなぁ。
料理が楽しくて仕方なくなる。
ステキなマグカップを買ってから
あたしは紅茶やコーヒーをやたらと飲むようになったし。
お湯を沸かすだけで妙に心が躍るんだ。
はふぅ。
食器欲しいよぅ。
作ったりしてみたいよぅ。
むしろ食器になっちゃいたい。