任侠系右翼団体機関誌を見せ付けるかのように机上に置き、また部屋に置いてある装飾品もまたいかつさを漂わせている・・・目前で笑顔を湛える、しかし目が笑っていない男、確かに素っカタギの土木作業員、しかし憧れは隠せない。確かに付き合いで機関誌を買わされるという面も、職業上あるにはあるのだろう。しかし事務所内でひけらかせとは誰も言っていないが、しかしこの男のように、嬉々としてひけらかすものもいる。
大日本△心塾のステッカーがリアに貼られた車に乗っていると、人口10万人チョイの町で、誰も絡みはしないけれど、絡んできそうにないような気がする。このまま博多まで一気に示威行動やってみようか?ショボイヤンキーならビビルかも?自然と頬に笑みが
「大日本△心塾 肥前●●支部長 国元 誠護」と名刺には書かれているが、名前はあくまで右翼団体上における通名。本名は肥前地域にありふれた中原という苗字で、名前だって和文という勇ましさとは無縁のありふれた名前だ。
筑後会系右翼団体大日本△心塾は筑後会系暴力団△山一家△心組組長江添を主幹とする右翼団体である。構成員は全てヤクザというわけではなく、★★土木社員、ダンプ運転手、つぶれたすし屋上がりのゲーム喫茶従業員、ホスト崩れパチンコ屋従業員、生活保護受給者等も含んでいる。いずれもヤンキーという経緯の途中で、江添と知り合い、後に所属した。
S県K市の中心街である×町通りにある「Kコンサルタンツ」事務所内で、高らかに笑うものあり。「だけんいいよろ?おいは何も悪かことしよらんて、金は自然と集まりようばい。勝手に塾生が機関誌を10冊やら20冊やら買いようて、こっちもいちおうええんか、ち尋ねたや?」「ま、きさんみとな子分持ったけ、ここらー景気悪かけんど、ま本部への上納も滞りなく済みようて。ま、△山一家次代組長はエ・ゾ・エ!きさんやぜ?」「ま、そなこといわんといて下さいよ!△山組長が一家率いよるけん、Kの町も安全に、カタギさんも安心して遊べるようになっちょうばい!」
確かに商店街がシャッター商店街化していないだけ、Kはまだマシなのかもしれないが、しかし彼らが寄生する夜の街の衰退は著しい。漁業を基幹とするこの町に於いて、水産業の衰退もまた暗い影を大きく落としている。フィリピンパブは15軒はあっただろうか?漁師が毎晩のように「ジョセリーン」「エイダ~」などと嬌声を上げていた頃もあった。
水産業が停滞衰退し、「Kの夜の社交場」フィリピンパブは今や二軒、しかも流行っていない。道路沿いに放置された「本場フィリピンダンサー多数来日」の文字が悲しい。
「やけんな、ここらは大陸からの密航者が、まあいそう?確認できないけど、いそう、じゃないですか?ここがミソばい。全九州愛国者会議ち、実在せん右翼団体の連合会をでっちあげて、運動化したわけですよ、そうすると食いつく食いつく!後はアホなニートちいうんですか?こいつらをうまいこと踊らすんですよ、九州の置かれた状況は!侵略を拒め!ちいうて。そうするとですね、自然とアホなやつが寄稿してくれて、じゃあ機関誌作ってみたら、まあ売れる売れる!まあネットなんかで大日本△心塾はもろ筑後会だ!ってかかれてますけど、別に関係ありませんもん。金脅し取ったこと一度もなかけん」「でもよキサンこんな小さな町でおとなしくしよらんで、博多にでもいって、そのビジネスをや?」「だけん、Kは密航しやすそうなイメージが大事だけん、ここにおらないかんのです!第一博多だと、どうしても本家弱かぜて?どうしても中州会に追い込みかけられ、付き合いきれんですよ!」
随分と威勢のいい話である。しかも飲み交わしている焼酎は「林幾蔵」。
「けんど随分と高か焼酎持って来よるのう、高かったや?」「あ、これですか?これちがいますよ!大隅支部の会員が送ってくれて、ですけん!」「きさん!自分の懐痛めよらんのか?」「ええ・・・まあ・・・」
大日本△心塾が提起したムーブメントは、確実にネット右翼を取り込み、そして彼らをK湾岸パトロールへと向わせた。
「にしてもアホがおるもんですね!ほんま!もうお金いらんけん、あと引き継いでええですけん!誰かに次期主管やってもらいますよ!」「まあそういわんで!きさんが△山一家・・・」
どっかで聞いた地方右翼の実状と、母方の実家周辺にある特有の「もしかしたら密航者が!」という危機感を混ぜてみた。あほみたいな妄想だw