水の中のアジアへ

今日、松任谷由実の愛地球博でのコンサートがBSで放映された。

このコンサートではいつものコンサートの演曲では決して歌われない
「スラバヤ通りの妹へ」や「Honho Goh」が歌われていて、
Yumingファンにとっては、とても興味深いものだった。

思えば彼女のアジアに対する親密なる志向は
ミニアルバム「水の中のアジアへ」から、
ずっとモチーフとしてあったものだと思う。

私は彼女のコンサートに数回行っているが、
それは彼女の歌にひかれるだけでなく、コンサートやレコーディング一連の
仕事に携わる人(アルバイトの警備員までにも)
に対する気配りがとても細やかな人だと聞いたためでもある。
何年も大スターをつづけている人が、なかなか出来ることではない。

「Smile Again」という曲でアジアの人気若手歌手と一緒に
紅白歌合戦に初出場するというのは彼女なりの、
日本のアジア外交に対しての拮抗する現状に対する、
一つのアンチテーゼが含まれているのかもしれない。

彼女は今まで紅白に出演依頼されてきたが、
「おせち料理を作るため」云々と言って、ずっと断ってきた。
これってウディ・アレンが「マンハッタンのジャズクラブでサックスを吹くため」と、
アカデミー賞の授賞式に出るのを拒んでいたのと似ている気がする。
真意は分からないが、大きな権力に対する反抗・・みたいなものを感じる。

そのYumingが今年は紅白に出演すると言う。
これはとても政治的なニュアンスを含んでいると思う。
他の歌手には全く興味がないが、
今年の大晦日はYumingの「Smile Again」だけは、
聞き逃さないようにしようと思っている。