ひさしぶりに硬派な社会派ミステリを読みました!
『震える牛』
昨今、耳にしなくなったBSEの問題を事件の核にもってきていました。
あまり書くとネタバレになってしまうから書かないようにして・・・と。
食品の安全性・食の安全が叫ばれて久しいですね。
毎日、食べるものだから安全に安全を重ねることがすごく大切なのは言うまでもないですね。何か異物が混入してたり、食中毒が起きてしまったりすると、お店から客足が遠のくのは当たり前ですよね!
食を扱うお店には混入、食中毒を出さないように徹底してほしいけれど・・・・。
この話は大手スーパーがBSEの発生を疑いつつも、それを公表してしまうと企業の業績悪化を招いてしまうからなんとかごまかそうとしたなかで起きた事件を、警視庁のいち警部補が丹念に捜査しながら事実を明らかにしていこうとするって感じのものでした。
読んでいて、「そ~いえばこんなこともあったなぁ」と10年前のことを振りかえっていました。BSEが日本で出たときって、吉野家や焼き肉店から客足がパタッと途絶えましたよね・・・。
BSEに限らず、原因のわからない食中毒事案のときにもそんな状況が生まれますよね。
消費者が過敏に反応してしまい事実をしっかり理解しないまま、行動してしまうことが事態を悪い方へ悪い方へ・・・変えてしまう。それを避けるために、企業は正確な情報開示をしなくなり、隠ぺいに隠ぺいをかさねるようになってしまって・・・。
気づいたときには消費者に健康被害を拡大させることになってしまう・・・。
企業には企業の、消費者には消費者の、責任ってのがあるのかもッと思いました。
この作品は、自分の仕事に忠実に馬鹿正直に歩いている人間が描かれていた点も感動しました。